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ピンクパンサー2 - 福本次郎

おなじみのテーマ曲とアニメに始まり、オリジナルのテイストに手を加えずに「ピンクパンサー」の世界を再現する。あえてベタなセンスのギャグを連発することで、笑いよりもむしろ懐かしさを感じさせるのが目的であるかのようだ。(50点)
ピンクパンサー2

 これから何かよからぬことが起きると予感させるおなじみのテーマ曲とともに、ピンクの豹のアニメがいたずらを仕掛けるタイトルバックから、オリジナルのテイストに手を加えず現代の俳優でピンクパンサーの世界を再現する。21世紀の観客には受けないと分かっていても、あえて使い古されたベタなセンスのギャグを連発することで、笑いよりも懐かしさを感じさせるのが目的であるかのよう。見る者が共感できる日常の感覚からは乖離してはいるが、媚びずに「ピンクパンサー」の伝統を守っている姿勢がかえって心地よい。

 ロンドン、トリノ、京都で国宝が連続して盗難、現場にはトルネードの名刺が残されていた。トルネード逮捕のために各国のエリート捜査官がドリームチームを結成、フランスからはクルーゾーが選ばれる。そんなときパリでも大型ダイヤが盗まれる。

 クルーゾーの真面目だがピントのはずれた行動が騒動をまき散らすのだが、冒頭の駐車違反の取り締りに始まって、あとは休む間もなく最後まで波状攻撃の如く他愛ないネタの洪水が襲ってくる。クルーゾーを演じるスティーブ・マーティンは終始真剣な顔でフランス語なまりの英語を話し、セクハラや人種・国籍差別的発言も平気、ローマ教皇に対しても無礼な態度を改めない。一方で非常にマヌケな人物として描かれる。まるでこの映画は、外国人が一般的なフランス人に対して抱く、偏狭なナショナリズムと根拠の希薄な誇り高さというイメージを嘲笑しているかのようだ。ジェレミー・アイアンズ扮する古美術商が、クルーゾーに対して見下した視線を向けるシーンがそれを象徴している。

 やがて、トルネードと思われる人物が自殺死体で発見されて事件は解決したかに見えるが、クルーゾーの卓越した推理で真犯人が暴かれる。その過程も、物語の整合性やあっと驚くどんでん返しなどではなく、単なる思いつき。このバカバカしさが作品の魅力なのは確かだが、ピーター・セラーズを知らない世代ははたして楽しめるのだろうか。。。

福本次郎

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