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中華学校の子どもたち - 福本次郎

日本語と中国語が混在した言葉が教室を飛び交う。異国に暮らしながらも祖国の文化と伝統の保持に努め、民族の誇りを決して忘れない華僑は、中華学校を通じて3世、4世の世代になってもコミュニティ内の縁故関係を保とうとする。(50点)

 日本語と中国語が混在した言葉が教室を飛び交う。年少の学級では日本語の文法に中国語が混じるが、年長になるにつれ中国語の文法に時折日本語がはさまるというように、割合は逆転する。そしていつの間にか生徒たちの口から中国語が自然に出てくるようになる。異国に暮らしながらも祖国の文化と伝統の保持に努め、民族の誇りを決して忘れない人びと。3世、4世の世代になってもコミュニティ内の縁故関係を保とうとする。中華学校は華人同士の結束を固めるために必要な装置なのだ。

 横浜中華街から少し離れたところにある横浜山手中華学校。生徒たちは中国の古典から言語、歴史を学んでいく。先生たちもまたこの学校の卒業生で、OBたちは強力なコネクションで結びついている。しかし、この学校が設立された背景には大陸の共産党系と台湾の国民党系の確執があった。

 日本にいるときは中国人であることを強く意識しているのに、父祖の故郷では外国人扱いされる。だからこそ中国人としてのアイデンティティを大切にしていきたいと熱く語る女性教師。移民の2世以降は誰でも感じるジレンマだ。流れているのは中国人の血でも、ふるさとは日本。それでも在日朝鮮人のようにギラギラしたものを感じさせないのは、自分の意思で日本に来た人たちの子孫だからだろうか。

 山手中華学院は国共内戦のあおりを受け、台湾系の中華学院から分裂した経緯がある。今でも中華街の住民は台湾系と大陸系に別れているが、イデオロギーは違っても共通の祖先を持つことに変わりはなく、関帝廟の復興で協力し合う。華僑といっても出身地はさまざま、統合のシンボルで団結を図るのだ。横浜中華街ほどの規模ならば、そこはある意味で完結した世界。別に外部に出なくても、日本人観光客が落としていくカネで生活していける。小学校時代からの知り合いと、老いてもなお知人でいるすばらしさをこの作品は教えてくれる。

福本次郎

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