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パーマネント野ばら - 福本次郎

パーマネント野ばら

© 2010映画『パーマネント野ばら』製作委員会

◆暴力、ギャンブル、浮気…。男に人生を振り回されながらも、小さな村でしか生きられない女たちの固い決意をパンチパーマで象徴し、どれほどひどい目に遇わされても男なしではいられない悲しい性をコミカルなオブラートに包む。(50点)

ネタバレ注意! この批評は結末に触れています。

 小さな漁村にあるたった一軒の美容室に集まる女たちは、男運がとても悪い。それはみな生命力にあふれ自立し、男と対等以上にカネを稼ぐから。暴力、ギャンブル、浮気、妻の尻に敷かれた夫たちは、そのはけ口を他所に求め家庭に寄り付かなくなってしまうのだ。そんなどうしようもない男たちに人生を振り回されながらも、この村でしか生きられない女たちの固い決意をきつく巻いたパンチパーマで象徴する。どれほどひどい目に遇わされても男なしではいられない彼女たちの悲しい性、しかし映画はあえてそこを強調することなく、むしろコミカルなオブラートに包む。

 娘連れで離婚したなおこは母の美容院を手伝いながら、常連のおばさんたちの話し相手になっている。退屈な日々の中でも、親友のみっちゃんが夫を車でひき殺そうとしたり、ともちゃんの夫が失踪したりと事件は起きる。ある日、なおこは恋人のカシマと一泊旅行に出かける。

 愛人の家に入り浸るなおこの義父、みっちゃんの目の前でホステスを口説く彼女の夫、ホームレスになったともちゃんの夫など、出てくる男たちは甲斐性なしの人間ばかり。こんなクズどもは放っておいたほうがよいと思えるのに、それでも彼女たちは見捨てない。愛されるよりも愛することを選び、情けない男のために尽くすことが習い性になった女たちの 「いつも恋していたい」という言い訳がいとおしい。

 一方、カシマだけはきちんとした仕事を持ち、なおこをしっかりと見守っている。彼のどこか存在感の薄さがかえって異彩を放ち、そこだけ違う時間が流れているよう。カシマの幻を追い続けるのは、みっちゃんやともちゃんの相談相手になっていたなおこが、実は彼女たち以上に深刻な悩みを抱えてた証拠。どんなダメ男でも、愛するために生きていてほしいという女の切ない願いが凝縮されたラストシーンが、はかなくも美しかった。

福本次郎

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