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見映画批評

2010年3月9日

ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ

◆裏切りと嘘、ハッタリと罠、欲の皮が張った男女が綾なす壮絶な心理バトルがスリリング。参加者の行動を予測し、心の動きを解説する主人公はクールかつニヒルで、人間の本質を突く彼の考察は一般論としても十分に楽しめる。(40点)

劇場版 喧嘩番長~全国制覇

◆どちらが強いかだけでなく、誰がいちばん強いのかを確認したくなる、そんな高校生たちがバトルロイヤルを繰り広げる。小賢しい理屈はなく、有り余るエネルギーを爆発させる機会をもちたい若者たちの情熱がほとばしっている。(50点)

2010年3月8日

時をかける少女

◆「記憶は消されても、心は覚えている」。出会いから別れまでほんの短い間だったけれど、その気持ちはまぎれもなく恋。人探しの途中で、ヒロインが偶然遭遇した大学生との間に芽生える人を思う感情は、時を経ても変わらない。(60点)

2010年3月6日

ハート・ロッカー

◆息をのみ、瞬きを忘れ、背筋は固まり、拳を握りしめ座席から身を乗り出していた。ほんのわずかなミスや油断も許されない緊張感のもと、死と隣り合わせ、極限まで集中した命がけの作業は、見る者にも一瞬の気の緩みを許さない。(70点)

後ろから前から

◆女性タクシー運転手のセクシー営業がコミカルだ。客が彼女の太ももに手を這わせるだけでなく、客に運転をさせて自らは口淫に励んだり、果ては背面騎上位で運転する。ヒロインのセックス大好きなキャラが男の妄想をかきたてる。(50点)

2010年3月4日

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々

◆自らの知力と体力と仲間を信じて若者は旅に立ち、途中に立ちふさがる様々な困難を、友情と信頼、勇気とアイデアで乗り越える。映画は、ギリシア神話と現代米国文化を巧みにコラボさせ、壮大な特殊効果で最後まで見せ場が続く。(50点)

渇き

◆現実と妄想が複雑に入り混じり、映画はノワールな色調を湛えたファンタジーの様相を帯びる。それはイマジネーションが生む幻惑的な感覚のリアル、はかなさの中にも凶暴なきらめきを宿す映像は、生きることの切なさを訴える。(50点)

2010年3月2日

猿ロック THE MOVIE

◆銀行強盗、ヤクザ、警察、そして謎の美女。逃げては追い、信じては裏切られる複雑に入り組んだ人間関係の中でのスリリングな男の冒険は、スピーディで見る者に考える間を与えず、細かい矛盾や疑問点の芽を強引に引き抜いていく。(40点)

しあわせの隠れ場所

◆両親の愛を知らない少年が裕福な家庭に引き取られ、才能を開花させていく。恵まれない子供に手を差し伸べ自立させるのは、決して気まぐれな自己満足でできるものではなく、その子の人生に全責任を負う覚悟を伴う行為なのだ。(60点)

2010年2月27日

すべて彼女のために

◆濡れ衣を着せられた妻を救うために、周到に準備し実行に移す男。それは真面目な教育者としての人生を捨て、犯罪者になる決意だ。国家という強大な権力に個人で立ち向かう主人公の姿は緊迫感がみなぎり一時も予断を許さない。(60点)

バッド・ルーテナント

◆まるで発展途上国の警官のように権力を振りかざし、横暴の限りを尽くす悪徳刑事。自分の欲望に忠実でありながら、山積する問題に忙しく立ち回る姿には、仏の手のひらの上で踊らされているようなシニカルなはかなさが漂う。(60点)

2010年2月25日

人間失格

◆男は、酒に溺れ、女に頼り、現実逃避しようともがくが死に切れない。弱い自分を許容する女たちを直感的に見極める能力で世の中を渡っていこうとする。しかし、あえて感情を抑えた演出からは彼の苦悩や葛藤は伝わってこない。(40点)

ルドandクルシ

◆運命は仲のよい兄弟のどちらか一人を選ぶためにPKを課すが、兄弟はそれに抗うかのような結果を出す。青年期を過ぎた2人に突然舞い降りたチャンス、彼らの「夢を追うのに遅すぎることはない」という前向きな姿がうらやましい。(40点)

サヨナライツカ

◆執拗に熱い視線を絡ませる男と女。男はその女にファム・ファタールの予感を覚え、官能に溺れていく。細かいカット割りと大胆なカメラワークで、理性を失うほどの狂おしい苦悩にさいなまれていく様子が繊細かつ饒舌に描かれる。(70点)

2010年2月23日

台北に舞う雪

◆失踪した女と小さな町で暮らす男、波長の違う世界の男女が出会い、お互い己にないものを相手に発見し、惹かれあう。その気持ちは好意なのか恋なのか、まだ人生の機微がわからない若者が人の心の繊細さと複雑さに気付いていく。(50点)

コトバのない冬

◆俳優たちは素のままの話し方で演じ、まるでフランスの自主映画のごとく極めて個人的な人生の一瞬を切り取った日常のスケッチは、感情を強調しないがゆえのリアリティに満ち、レンズの細かな揺れでヒロインの心の動きを描く。(50点)

パレード

◆マンションの一室で共同生活しているのに、お互いの事情をほとんど知らない若者たち。それはお互いに他人の内面に踏み込もうとしないから。「真実という言葉に真実味を感じない」というセリフに彼らの関係が凝縮されていた。(50点)

2010年2月20日

ランニング・オン・エンプティ

◆有り余る時間を消費している典型的なフリーター男は、何をやっても中途半端なのに言い訳だけは達者。ジコチューで行き当たりばったりな彼の行動には人間の弱さと愚かさと優しさが凝縮されていて、奇妙なおかしさと共感を呼ぶ。(60点)

海の沈黙―デジタルリマスター版―

◆戦勝国の軍人は敗戦国の民間人に対し、文化や芸術に対する憧憬と尊敬を言葉にし、愛にも似た情熱で相互理解を訴える。モノクロのコントラストに登場人物の感情を鮮明に反映させ、人間の誇りと良心について深い洞察を加える。(60点)

2010年2月18日

バレンタインデー

◆バレンタインデーに胸をときめかせ、その日だけは愛する人に自分の思いを伝えるためにテンションを上げる人々を散文的にスケッチする。しかし、各々のエピソードに共感できるディテールがまったくなく、リアリティに欠けている。(30点)

福本次郎氏 高得点批評

彼女の名はサビーヌ

「視線の定まらない目、緩慢な動作、口から垂れたよだれ、退行した理性。自閉症を目の当たりにして、当人にしてやれるのは見守ることだけ。安らかな生を願いながらも、いつか回復する日が来るのではと期待する気持ちが悲しい。 (70点)」

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夕凪の街 桜の国

「生き残った者は体にケロイドの痕を残し、心に自責の念を抱き続ける。戦後13年、あえて原爆がなかったことのように口にせず、復興の夢を見ながら生きているヒロインに、自分が幸せになってはいけないという思いがのしかかる。(70点)」

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レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで

「満ち足りた生活を送っているのに、漠然とした不安を感じている。それは、代わり映えしない日常に埋もれてしまったことに対する絶望的な虚無。主人公が抱える「人生はこんなはずじゃなかった」という思いが非常にリアルだ。(70点)」

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