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ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー - 前田有一

ストリートファイターの映画としては中途半端か(10点)

© CAPCOM CO.,LTD./Based on Capcom’s Street Fighter Video Games

 どう考えてもバカ映画にしかなりそうにない企画を、バカ映画にだけはすまいと必死に頑張る監督が担当すると、たいていそれはバカ映画になる。

 両親からピアノと格闘技の手ほどきを受け成長した春麗(クリスティン・クルック)は、いまやピアニストとしてひとり立ちしていた。やがて母をなくし、とうとう天涯孤独の身となった彼女のもとに、中国の古い巻物が届く。それをきっかけに、幼いころ拉致された父親の生存を確信した彼女は、彼女の導師的存在であるゲン(ロビン・ショウ)のもとで激しい修行を開始する。

 カプコンの対戦型2D格闘ゲーム、ストリートファイターの人気キャラクター、チュン・リーをヒロインにした実写映画。世界中で大人気のゲームとあって、このタイトルは94年にも一度、実写映画となっている。

 ……が、それはジャン=クロード・ヴァン・ダム主演のアクションものであるから、このスピンオフ(?)とて、B級おマヌケ作品の範疇を出られるはずがない。だが、アンジェイ・バートコウィアク監督はどういうわけか、このチュンリー映画に必死に人間ドラマを盛り込もうとした。

 その結果として本作は、ストリートファイターのキャラクター名を名乗る変な外人が、ドラマっぽい事をする奇妙な映画作品に仕上がった。

 中でもチュン・リーを自称するいかにもアジア系の少女が、成長したとたん、一瞬で彫りの深い顔立ちの美人に変貌するくだりは見ものだ。オンナは成長すると変わるのよ、とはよくいうが、ここまでくると赤の他人である。

 そんなヒロインが、ある幼い女の子の前で永久にトラウマになるような残虐ファイトをしたのちに、とんでもないセリフを残して去る場面もいい。これはかなり高度な冗談か、脚本家がさじをなげたに違いない名セリフといえよう。

 アクションシーンは、ワイヤーワークに無理な引っ張られ感がない点がよい。クリスティン・クルックは空手もこなす運動少女だったそうだから、そのセンスのよさが好影響を与えているのかも知れない。ただ、チャイナ服から太もも丸見え、のあの戦闘服を一度も着なかった件については、到底許すことは出来ないだろう。

 人々はストリートファイターの映画版にいったい何を求めるのか。ドラマか、それとも爽快感か、あるいは太ももか。少なくとも本作が、後ろの2者を満足させてくれない事だけは確かだ。せめて突き抜けたB級感があれば、カルトとして高評価を与えられたのだが。

前田有一

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