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ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 - 前田有一

ハムナプトラの続編は中国大陸が舞台(75点)

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 最近、中国がらみのハリウッド映画がやたらと多い。制作費が安く済む(米国の2から3分の1)とか、中国の市場規模が右肩上がりだからなどと、表向きには言われている。このハムナプトラシリーズも、久々に続編が作られたと思いきや舞台は中国、敵役はジェット・リー。あまりに強引な方向転換でファンを驚かせた。

 古代中国を支配する皇帝(ジェット・リー)は、女呪術師(ミシェル・ヨー)に不死の術を探させる。だが、恋人を皇帝に殺された彼女は、不死の代わりに呪いの術をかけ、皇帝を大勢の部下もろとも封印してしまう。やがて2000年の時が過ぎ1946年。リック(ブレンダン・フレイザー)とエヴリン(マリア・ベロ)、そして息子のアレックス(ルーク・フォード)は、その封印を解く鍵を入手する。

 20世紀もの間眠り続けたねぼすけの皇帝は、ジェット・リーのアクションを見たい観客の期待通りにすんなり復活。能天気だがなかなかしぶとい主人公一家と死闘を繰り広げる。シリーズのお約束どおり、主人公リックはどんなピンチでもユーモアを忘れない。圧倒的な超能力を持つ敵と対峙しても、意外となんとかなりそうな余裕ムードが心地よい。

 これまで奥さん役をつとめたレイチェル・ワイズは降板したが、代わりにベテランアクション女優ミシェル・ヨーと新鋭イザベラ・リョンのダブルヒロインが美人親子で登場。熟女好きも美少女好きもどんと来いの構え。中でもミシェル・ヨーとジェット・リーの高度な剣バトルは、香港映画ファンにはたまらない高度な攻防といえる。

 それにしても「ドラゴン・キングダム」(公開中)、「レッドクリフ」(近日公開)ら超大作が連続するなど、映画界における最近の米中蜜月ぶりは異様だ。

 とはいっても、目立つのは米国側の負け犬尻尾振り状態ばかり。本作など、中国当局からの再編集要求を丸ごと飲んで一度は作り直したほど。中国4千年の歴史、なんてファンタジーも当然のように踏襲している。

 なにしろ今、中国様と仲たがいしたら米国経済はあの世行き。ホワイトハウスがミイラハウスになってしまう。国家戦略における情報戦の要であるこの業界にしてみれば、伝統あるハムナプトラシリーズを献上するくらい、なんでもないということか。

 そんな裏事情はともかく、映画のほうは家族で楽しめる無難なつくり。何万人とブチ殺される敵はみな土人形なので、レーティング審査上も好ましい。教育上の配慮と爽快感を両立できる、定番のアイデアだ。

 特別凄いものが見られるわけではないが、誰でも十二分に満足して帰ってこられる。ハリウッドエンタテイメントの見本のような作品と思えばよい。

前田有一

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