ウィッチマウンテン/地図から消された山 - 岡本太陽

◆70年代の子供向け映画をザ・ロック主演でリメイク(40点)

 エイリアンというというとやはり目が異様に大きく、毛がなく、手足の長い人型の生命体を想像するだろう(もしくはタコ型)。しかし、ディズニー映画『ウィッチマウンテン/地図から消された山』に登場するエイリアンは違う。地球に住む人類と全く同じ姿をしているのだ。ただ我々と違うのは彼らにはテレビドラマ『HEROES』の様に人間には不可能な様々な特殊能力がある事だ。なかなか納得し難い設定である…。

 主人公ジャック・ブルーノ(ドゥエイン・ジョンソン)は以前刑務所に入っていたが、今はラスベガスでタクシー運転手として働いている。ある日、仕事の最中に車を発進させようする時、バックミラーを覗くと、2人の乗客が後部座席に座っている事に気付く。彼らはセスとサラ(アレクサンダー・ルドウィグ、アナソフィア・ロブ)という兄妹で、所持金を全部渡す代わりにある所まで乗せて行って欲しいとジャックに頼む。その頃、防衛庁はアメリカにUFOに乗ってやって来た2人のエイリアンを探していた。ジャックはセスとサラの目的地である廃墟に着くが、そこでその兄妹を追ってきたというもう1人のエイリアンに襲われてしまう。一体セスとサラが地球に来た目的とは?

 本作にはアレクサンダー・キーの書いた小説を基に同じくディズニーが製作、『ダーティ・メリー クレイジー・ラリー』のジョン・ハウが監督した1975年のオリジナル映画『星の国から来た仲間』がある。その後もテレビ映画等としてリメイクされたりしていたその映画を多くの部分で設定等を変え『ゲーム・プラン』のアンディ・フィックマンがリメイクを手掛けたのが本作だ。

 ファンタジーの要素が多かったオリジナルに比べ、本作の最も顕著な違いはドゥエイン・ジョンソン(ザ・ロック)を主演に迎えている事により、アクションが多く盛り込まれている事だ。2人の兄妹が主人公であった1975年版では描かれなかったカーチェイス、銃撃戦、エイリアンとの素手での攻防等、子供向けではあるが、暴力の多い映画である。それはなんとなくタイトルからも想像がつくかもしれない。

 本作に登場する2人の兄妹は堅苦しいが流暢に英語を話すきれいな顔をした金髪の白人。それはオリジナルを反映しているのだが、彼らの星は白人エイリアンしかいないのか、黒人やアジア人みたいな外見のものもいるのか素直に気になってしまった。またこの2人は多くのスキルを身に付けているのだが、それは脳を人間以上に使っているからだという説明がある。サラは人の考えを読み、動物と意思の疎通が可能だ。それは良いとして、セスは物をすり抜けたり出来、車に衝突しても怪我をしない。物理的な特殊能力は脳を何%使おうが関係ないと思うのだが…。

 本作の上映時間は 100分程度で子供向け映画としては妥当な上映時間。しかし追っ手から必死に逃げるジャック達に多くの事が起るが、全てがトントン拍子に進み、あまりの展開のシンプルさが、子供ですら興奮しない作りになっている。要は普通の映画という事だ。おそらく、この様な作品ならばアクションではなく、わたしたちのイマジネーションを感化する様なファンタジー仕立ての方がやはり楽しめたのではないだろうか。ザ・ロックがファンタジー映画に出ても全く問題ナシ!

岡本太陽