◆英国作家ジェーン・オースティンの若き日の知られざる恋愛を描く (65点)
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イギリスの女流作家ジェーン・オースティン。彼女は18世紀後期から活躍し始め『分別と多感』『傲慢と偏見』『エマ』等、超有名作品を世に送り出した。また彼女の作品は何度も映画化され人々に親しまれている。近年ではキーラ・ナイトレイ主演で彼女がアカデミー賞にノミネートされた『プライドと偏見』が思い浮かぶ。『ジェイン・オースティン 秘められた恋』はオースティンの作品に影響を与えたとされる彼女自身の恋愛に焦点を当てた映画で、数々の傑作ロマンスを生み出した作家の若き日の知られざる恋愛模様を伺い知る事が出来る。
1795年ジェーン・オースティン、20歳。ジェーンの両親はそろそろ彼女に嫁いで欲しいが、書く事が好きで、ひと際独立心の強い彼女は結婚にはあまり興味がない。というよりは心がときめく相手にまだ出会っていない。そんな彼女に両親は貴族のグリシャム夫人の甥で裕福で将来性のあるワイズリー氏を紹介する。その折に、彼女はある法律を学ぶトム・ルフロイという若い男に出会う。はじめはトムに反発するジェーンだが、次第に彼に惹かれていく自分に気付く。しかし、両親にも楽をさせたいジェーンのワイズリー氏との結婚話はどんどん進んで行く…。
この映画の監督はジュリアン・ジャロルド。彼はイギリスの映画監督で、代表作に2005年の『キンキーブーツ』がある。2008年夏にはアメリカでエマ・トンプソン、マシュー・グード、ベン・ウィショーが出演する新作『BRIDESHEAD REVISITED』の公開が控えている。これからどんどん文芸もので注目を集めそうな映画監督である。
主人公ジェーン・オースティンには『プラダを着た悪魔』『ゲット・スマート』のアン・ハサウェイが扮する。アン・ハサウェイのジェーンは実はあまり好まれない事が多いのだが、堅苦しくなく若い女性は彼女の役に感情移入し易いはず。ただ、彼女がイギリス人ではないため、話し方に違和感を感じる人が多いのだが、わたしたちがイメージする18 世紀のジェーン・オースティン像とは全く違い、キュートでこの作風に合っている。
また、ジェーンが恋に落ちるトム・ルフロイには人気に火が点いた『つぐない』『ウォンテッド』のジェームズ・マカヴォイが扮する。少々コミカルな役どころでありながら、甘いマスクの素敵な男を演じており、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされた『つぐない』のロビーよりもこの役を好む人も多いはず。その他にはジェーンの両親にジェームズ・クロムウェルとジュリー・ウォルターズ、ジェーンの兄にはジョー・アンダーソン、ワイズリー氏にはローレンス・フォックス、グリシャム夫人にマギー・スミスが扮する。
ジェーン・オースティンは生涯結婚をしていない。この事実から、ジェーンとワイズリー氏の行方、トム・ルフロイとの恋の結末はなんとなく予測がつくが、彼女がどう決断を下すのか興味を持って物語に入り込んでしまう。というのも、ジョー・ライト作の『プライドと偏見』の様に、『ジェイン・オースティン 秘められた恋』はコメディタッチでテンポの良い文芸作品だからだ。これははじめは興味はなく、なんとなく観ても、観始めるとはまっていくタイプの映画だ。
『ジェイン・オースティン 秘められた恋』ではジョン・スペンスの「ビカミング・ジェーン Austen」を基に脚本家ケヴィン・フッドとサラ・ウィリアムズがオースティンとルフロイのあまり公に知られていない恋愛を描く。物語は結婚相手がいる中で、真実の愛を求める切ないいわゆるコテコテなものだが、この脚本は観る者の心を掴む。このジェーン・オースティン自身の物語は裕福になり家族を楽にさせることが出来るはずの結婚と自身のプライドの中で揺れる20歳の小娘の恋愛話だが現代劇にも似た親しみ易さを秘めており、文芸作品が苦手な人も納得してしまう映画になっている。脚本のうまさがものを言う作品だ。



























