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ハンティング・パーティ - 岡本太陽

リチャード・ギア主演:ボスニア紛争のある悪名高き戦犯を追う(65点)

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 「The most ridiculous parts of this story are true(直訳:この物語の中で最も馬鹿馬鹿しい所は真実である)」という文句から始まる『THE HUNTING PARTY』という実話を基にした映画が公開された。戦後のボスニアを舞台にしたジャーナリスト達の物語である。

 戦争ジャーナリストとして活躍したサイモン・ハントという男が、数年間の沈黙の後に元相棒で信頼の置けるカメラマンのダック、そしてハーバードを卒業したばかりのジャーナリズム専攻のベンジャミンと共にボスニア紛争の悪名高き戦争犯罪者"the Fox"を探し出しインタビューを決行するという無謀な賭けに出る。彼らの好奇心と執着は、彼ら自身を危機に追い込み、更には国連やC.I.Aをも巻き込むという物語に発展するのである。そして彼らが真実の先に見たものは…。

 この『ハンティング・パーティ』の監督を担当したのはリチャード・シェパードで、過去には『The Matador』等も監督している。彼はこの映画の脚本も手掛けており、脚本を書くにあたって基にしたものは2000年にスコット・アンダーソンによって、雑誌Esquireの記事として書かれた"What I Did On My Summer Vacation"である。

 主役のサイモン・ハントにはリチャード・ギアが扮している。今年は彼は『The Hoax』等主演映画が目白押しで、今後もトッド・ヘインズの『アイム・ノット・ゼア』やジョージ・ウルフの『NIGHTS IN RODANTHE』等が待機している。それからカメラマンのダックにはテレンス・ハワードが扮している。彼はここ2年くらいで20本近くも映画に出演する程の売れっ子俳優で、今後期待できそうな映画は、ジョディ・フォスター主演の『THE BRAVE ONE』やロバート・ダウニー・Jr.主演の『IRON MAN』等がある。そしてハーバード卒のベンジャミンには『イカとクジラ』で一気に注目が集まり、インディ映画を中心に活躍する、若手のジェシー・アイゼンバーグが扮している。今後は主演作の『The Education of Charlie Banks』が待機している。

 上映時間は約 1時間40分。決して長くはない。しかしながらどういうわけか、少々長く感じてしまった。オープニングもスピードと臨場感がうまく混ざり合い、『シティ・オブ・ゴッド』の様な感じで期待が持てたが、その後も多くの事が次々と起こるにも関わらず、特に前半が長かった。編集の問題だろうか?題材も申し分なく興味深いのだが、いまいち観客を掴む姿勢に欠けた映画であった。ともあれ、俳優陣は素晴らしい。わたしは近年リチャード・ギア作品には注目しており、今回も彼には期待していたのだが、思いの他、テレンス・ハワードとジェシー・アイゼンバーグが良かった。特にジェシー・アイゼンバーグが扮するベンジャミンは『イカとクジラ』同様インテリな役どころなのだが、今回は間抜けな部分も加わり、非常に好感の持てる役であった。

 『ハンティング・パーティ』はスピーディーで且つコメディ的要素を含んだ映画なのだが、やはり戦争というキーワードも含んでいるので、残酷なシーンが度々登場する。そしてその都度戦争とは醜いものであると気付かされる。それ故、男3人によるおかしな冒険映画には終わらず、良い意味で明暗の均衡を保った物語と言えよう。「The most ridiculous parts of this story are true」という言葉通り、真実は時に苦くておかしい。それが本当にしっくり当てはまる映画である。

岡本太陽

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