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トランスフォーマー - 岡本太陽

実写版映画 マイケル・ベイ監督、シャイア・ラブーフ主演(65点)

 わたしが幼い時にテレビアニメで『トランスフォーマー』という番組をやっていた。もとは1984年日本生まれの玩具で、アメリカでも人気のアニメだ。コンボイというリーダーがいて、車型のロボットが変形したりして戦うキャラクター達。ファミコンもやったことがあるが、あまり覚えていない。昨年あたりからこの『トランスフォーマー』がハリウッドで実写映画化されるということを耳にしており、子供の頃を思い出すようで非常に楽しみにしていた。そしてつい先日その待ちに待った映画を観てきた。

 2007年夏の大作映画はシリーズもので混戦しているが、それ以外で実写物では唯一の目玉の『TRANSFORMERS(邦題:トランスフォーマー)』。映像が凄いということで話題だ。製作にスティーブン・スピルバーグ、監督にマイケル・ベイを迎えている。マイケル・ベイというと『アルマゲドン』や『パールハーバー』など、ろくでもない作品を撮る監督なのだが、『トランスフォーマー』はアメリカではオタク文化の発祥にも近いアニメなので、オタク映画監督のスピルバーグが製作に携わったことで一気に期待が持てた。

 そして映画の主演には近年出演作が目白押しのシャイア・ラブーフを起用している。彼は主人公サムに扮している。他にはジョッシュ・デュアメル、ジョン・ボイト、ジョン・タトゥーロなどが出演しているものの際立って有名俳優は起用しておらず、より映像に力を入れた作品であることが伺える。また若干21歳のシャイア・ラブーフにとってアメリカはもとより、日本での出世作になることは間違いない。

 物語は遥か宇宙の彼方から黒くて巨大な立方体の石の様な物が地球に飛来するところから始まる。そしてカタールにある米軍基地に不審なヘリが一機到着する。軍はそのヘリに警告を発するのだが、ヘリは奇妙な音を発し、突如としてロボット型に変形し攻撃し始める。それを発端とし、世界各地であらゆるマシーンが攻撃型ロボットに変形し人類への攻撃を開始するのだった。宇宙から飛来した巨大な石は何なのか?どうしてロボット達は人類を攻撃するのか?

 やはり『トランスフォーマー』に親しみを抱く者として、一番楽しみにしていたのはコンボイの登場だった。だが何かが違う。なんと呼称が違うのだ。アメリカではコンボイのことをConvoyではなく、”Optimus Prime(オプティマス・プライム)"と呼ぶらしい。少々がっかりした。日本で公開される際にはどちらで呼ばれるのか興味がある所だ。

 また映像には自信があるだけに、それはなかなかのものだったが、ロボットが喋りすぎて、なんだか心地が悪かったり、意外な事にファミリー向けに作られており、がっかりした点が複数あった。大きいロボットが人類を攻撃したり、街を破壊しまくるのに、惨い死に方をする人が全く出て来ない。血さえもほとんど映らないのだ。非常に不自然な映画だった。もともとのストーリーが正義と悪の戦いで非常に分かり易く、その点やはり子供向けというか大人になったわたしには物足りなさを感じる様な出来だった。やはり正義と悪の極端なものを描くとどうしてもリアリティに欠けてしまう。逆にリアリティのなさを楽しんで観るという方法もあるが…。

 この映画『トランスフォーマー』はなかなかワクワクしながら観る事ができるのだが、わたし個人はアニメのコンボイの姿の方がやはり好きだった。実写には実写なりの楽しみ方があるだろうが、見た目が複雑過ぎてあまりかっこよくなかった。そんなことよりも、マイケル・ベイが監督なので、『アルマゲドン』っぽさが作品全体に充満しており、どうしようもない演出に酔った。改めてなんておもしろくない監督なんだろうと感じた。興行成績は多少落ちるかもしれないが、結局のところ『トランスフォーマー』はマニアックな映画として、オタクのスピルバーグが撮った方が未曾有で相応しい映画に仕上がったのではないのだろうか。

岡本太陽

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