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ビル・マーが世界中の宗教信仰者にインタビューするドキュメンタリー映画（60点）

　地球に生きる多くの人々は何らかの宗教を信仰してる。宗教は人々の価値観の基本を作る目には見えないもの。この宗教について"Real Time With Bill Maher"等で有名なアメリカのTV界で活躍するビル・マーが出演するコメディ・ドキュメンタリー映画『RELIGULOUS』が公開された。監督はあの『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』のラリー・チャールズだ。

　この映画の中で、宗教信仰による偏ったマインドを持つ人々に対し疑問を持つビル・マーがやる事、それはインタビュー。彼はエルサレム、ヴァチカン、ソルトレイク・シティ、等に赴き、宗教信仰者にインタビューして回る。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教等の信者達へのインタビューはまるでフリークショーを観ている様で可笑しくてしょうがなく、宗教がこんなにも人々のマインドに影響している事実を改めて思い知らされる。

　ただ、人間の滑稽さを全面に押し出しているのは良いが、この映画には新しい情報は特には盛り込まれていない。例えば、『ジーザス・キャンプ』でも描かれていた様に、アメリカの田舎のキリスト教信者には生物の進化に対し、異議を唱える者達もいるのだが、そういった事実等を今一度復習する様なカタチで映画は進行してゆく。現在、人間が行っている事を見て、わたしたちに今何をすべきか考えさせようとしているのだろう。

　信じるという事はとても大切だが、宗教は時に危険で、わたしたちは自分たちが信仰しているものを疑ってみる必要があると『RELIGULOUS』は結論付けている。その点は正しく、頷けるのだが、宗教が戦争を生む事もあるという事実は既にわたしたちには周知の通りで、結局この映画の結論もどこかありきたりなものであった。もっと新しい展開をこの映画に期待していた人には少々残念な点だろう。このネタだったら、ビル・マーは自分の番組の中でやっても良かったのでは？

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（岡本太陽）