PROM NIGHT - 岡本太陽

全米No.1獲得、ジェイミー・リー・カーティス『プロムナイト』のリメイク(15点)

 ジェイミー・リー・カーティスと言えば、「スクリーミング・クイーン」。そうホラー映画の女王だ。現在ではサラ・ミシェル・ゲラーがその座に君臨しているが、70年代後期から80年代まではジェイミー・リー・カーティスと言えばホラー映画だった。その彼女が出演した映画で1980年に公開された『プロムナイト』という映画がある。プロムの晩に高校生達が惨劇に見舞われる物語で、この映画はシリーズ化された。

 その『プロムナイト』がネルソン・マコーミック監督、ブリタニー・スノウ主演でリメイクされた。オリジナルはカナダ映画で、いじめ等のテーマも盛り込まれていたが、2008年版の『PROM NIGHT』は主人公の設定を替えている。それよりもまず、どうしてこの映画をリメイクしたのか謎、という作品に仕上がっているのだ。

 高校生のドナ(ブリタニー・スノウ)は彼女の教師でドナに執着心を燃やすリチャード・フェントン(ジョナサン・シェック)に父、母、弟と殺された。それ以来、トラウマに悩まされるが、叔母と叔父の家で暮らしながら3年後彼女の高校卒業の日が迫ろうとしていた。プロムの晩ドナ、ボビー、リサ、ロニー、マイケル、クレアは共にプロムが開かれる豪華なホテルに到着する。豪華絢爛なプロムの雰囲気を楽しむ彼らだが、警察にとんでもない知らせが入る。なんと、ドナの家族を惨殺した犯人が看守を殺害し脱獄したというのだ。そしてそのドナを執拗に付回すリチャード・フェントンはドナ達のいるプロム会場にすでに潜り込んでいた…。

 普段こういったホラー映画の場合、犯人はだいたい最後に判明するのだが、この映画では最初から犯人が分かっている。それも恐怖を半減させるのだが、まずほとんど血が映らず、恐ろしいシーンもない。折角高校生が次々に殺害されるというコテコテのヒット要因があるにも関わらず、かなりの駄作に終わっている。主人公の設定を替えてオリジナルと変化を付けたいのなら、観客に犯人は誰なのか推理させる展開を少しでも用意していればより楽しむ事が出来たかもしれない。

 『ヘアスプレー』で注目された主演のブリタニー・スノウはもしかしたらサラ・ミシェル・ゲラーに替わる次世代のホラー・クイーンになるかもしれないと期待していたが、全米1位は獲得したものの『PROM NIGHT』はただのジェイミー・リー・カーティスへの侮辱作品となってしまったため、その座は保留にされた。それから『キルトに綴る愛』や『すべてをあなたに』等でわりとイケメン路線だったジョナサン・シェックがドナに執着する殺人鬼を演じており、この『PROM NIGHT』は彼にとっては久しぶりのビッグムービーで、彼のファンには楽しみな1作だが、印象も然程強くなく、10年前とは見た目も随分変わってしまいるので、むしろ残念な気持ちにさせられるだろう。

岡本太陽

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