どこまで嘘でどこまでホント? 繊細でかなり怖い作品です。(点数 80点)
(C) 2012「POV~呪われたフィルム~」製作委員会
ホラーと言えば、夏。そんな常識を崩してくれたのが10年以上前の角川映画さん。栗山千明のデビュー作『死国』は、ホラーなのに冬公開で、寒さと怖さに震えながら見ていました。
でも、冬のホラーって、結構いいんです。寒さに荒んだ心が、さらに震えていくさまは、Mの境地かも。
そんな冬のホラーにまた、名作が誕生しました。
志田未来は、所属事務所の後輩・川口春奈と携帯電話向けの番組『志田未来のそれだけは見ライで』の収録をしていました。
毎回、視聴者から投稿された動画を紹介していますが、その日は本物の心霊現象が映った動画の特集でした。
ところが、動画に異変が起こり、モニターには予定にない映像が流れ出しますが……。
主演二人が実際に体験した映像と川口春奈が通っていた中学の「学校の怪談」を撮影した心霊ビデオをもとに制作された映画です。
「POV」とは、Point of viewの略語で、映画では主観映像を示し、カメラの視点と登場人物の視点を一致させるカメラワークのこと。
『ブレアウィッチ・プロジェクト』や『レック/REC』、『パラノーマル・アクティビティ』などに使われている手法です。
海外物も怖かったんですが、やはりホラーは繊細な日本物が勝ります。
じわじわとくるんですよね。
日常 耳にするありふれた音が、あんなに怖いなんて、もはや反則の域です。
学校があんなに怖いなんて……。トイレ、絶対行けない。
ホラー大好きで、コワイモノ見たさで見てしまうのですが、これはかなり、きます。
試写室のシーンがあって、もう、たまらん! と試写室で震えていました。
冬のホラーは、ずっしりきます。でも、ホラー好きな方には、オススメです。
めちゃくちゃ、寒くなるよっ!
(小泉 浩子)