映画ジャッジ! 映画批評家のご紹介

心映画批評 通映画批評
感映画批評 愛映画批評
狂映画批評 学映画批評
淑映画批評 名映画批評


終わらない青 - 福本次郎

己を愛せない彼女の絶望が切ないまでにリアルだった。(点数 60点)

自分は穢れてしまった。傷つき疲れ果て死んでしまいたいと願う少女
は、苦痛に満ちた思いを胸に地獄のような日々を送っている。誰も助
けてくれない、誰もわかってくれない。いや、それ以上に誰にも打ち
明けられない秘密が彼女の心に大きな重石となってのしかかる。映画
は、そんな運命に刃向かう術を知らないヒロインが、ほんのわずかに
芽生えた希望に縋りつこうとする姿を描く。凍りついた食卓で一家3人
が食事をとる場面がこの家に潜む狂気を象徴する一方、抜けるような
青空の下で真っ赤な傘をさす、その色彩のコントラストの鮮やかさが
彼女の苦悩の深さを物語る。

この映画の批評を読む »

バビロンの陽光 - 福本次郎

盗んだり騙したりする人間がいなかったのは、この救いのない物語に一条の希望の光をもたらしていた。 (点数 70点)


(C)2010 Human Film, Iraq Al-Rafidain, UK Film Council, CRM-114

岩だらけの荒涼とした大地、破壊されたまま放置された建物。戦争の
傷痕がまだ色濃い荒廃した国を、老婆と少年は南へ向かう。老婆にと
ってはかけがえのない息子、少年にとっては記憶にない父と会うため
に。ふたりの道行はわずかな望みに縋る旅でもあり、過去に決別する
旅でもある。映画はフセイン政権崩壊直後のイラクを舞台に少数民族
という微妙な立場の祖母と孫が辿る行程を通じ、親が子を思う心と子
が親に抱く理想、そして彼らを見つめる人々の視線を描く。

この映画の批評を読む »

レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー - 福本次郎

彼らが人間の本性をむき出しにしていく過程が奇妙なおかしさを誘う。(点数 50点)

環境保護の名のもと「正義」を振りかざす偽善者が憎い! 捕鯨を家
業としてきた一家が、生業を否定され、赤貧生活に甘んじている姿が
生々しい。クジラを取れず、今は観光客相手の土産物で細々と生計を
立てているが、もはやその暮らしも破たん寸前、そして怒りの矛先は
ホエールウォッチングなどという平和ボケした観光客に向けられる。
きっと彼らにとって外国人=反捕鯨で、すべからく憎悪すべき対象な
のだろう。弱々しい太陽、どんよりとした海、湿った重い空気…。深
刻な経済危機に陥っているアイスランドの雰囲気が映像から滲みだす。

この映画の批評を読む »

TAKAMINE - 福本次郎

“泣き一揆”首謀者の息子・村井との確執と和解のエピソードが映画を感情的に盛り上げる。(点数 40点)


(C)2011「TAKAMINE」製作委員会

医者の子に生まれ、才を認められて海外留学した明治のエリート。夢
を追い続け、他人の夢に力を貸し、日本を近代国家の仲間入りさせる
ことに捧げた男の生涯は、まるで中学生対象の偉人伝のようなサクセ
スに満ちている。もともとティーンエイジャーに向けて作られた映画
なのか、主人公が結果を出すまでの苦難や葛藤よりも、いかに彼がブ
レない心を持って生きたかが語られる。過剰に説明的なセリフも、普
段コミックやアニメでしか物語に触れない年齢層への配慮なのだ。

この映画の批評を読む »

神々と男たち - テイラー章子

映像と音の使い方が上手で 音響効果が素晴らしい。(点数 90点)


(C)2010 ARMADA FILMS – WHY NOT PRODUCTIONS – FRANCE 3 CINEMA

フランス映画「神々と男たち」、英語題名「OF GODS AND MEN」を観た。英語字幕、2時間15分。
2010年カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した作品。
アルジェリアのテイブリンという村で、トラピスト修道院の7人の修道士が モスリム過激派に誘拐された末 斬首殺害された 実際1996年に起こった事件を映画化したもの。44歳のフランス人監督がメガホンを握った。

監督:ザビア ボーヴォワ
キャスト
クリスチャン:ランバート ウィルソン
ルーク   :ミカエル ロンズデール
クリストフ :オリビエ ラローデイン
セレステイン:フィリップ ランデンバック
アメデイー :ジャッキー へリン
ジャンピエール:ロイック ピション
マイケル  :ザヴィア マリイ
ポール   :ジャン マリー フリン

【ネタバレ注意】

この映画の批評を読む »

プリンセス トヨトミ - 福本次郎

大阪人の「太閤さん」への尊敬やこだわりの視覚化には親しみさえわいてくる。(点数 60点)


(C)2011 フジテレビジョン 関西テレビ放送 東宝

一見普通なのにどこかおかしい。それは背中に視線を感じるが振り返
ると誰もいないという、言葉にできない気持ち悪い感触。慣れない土
地で覚える居心地の悪さをみごとに映像化している。そんな「大阪中
が口裏を合わせている」ような、公然の秘密を自分だけが知らない不
安と緊張がスクリーンからにじみだし大阪の街が異次元空間のように
思えてくるほど不気味なリアリティを伴う演出にのめり込んでしまう。
さらに歴史から隠ぺいされた出来事をを人知れず守る人々の存在が、
「ダ・ヴィンチ・コード」風のミステリアスな知的興奮を刺激する。

この映画の批評を読む »

クロエ - 福本次郎

複雑にねじれた感情を、ジュリアン・ムーアは繊細な表情の動きで見事に表現し、映像のテンションをスリラーの域にまで高めていく。(点数 50点)


(C) 2009 Studio Canal All Rights Reserved.

夫は年齢を重ねても魅力的になっていくのに、自分の容姿は日々衰え
ていく。女としての自信をなくし、夫とのセックスさえ拒むようにな
った妻は更年期を迎えますます不安定になっていく。そんな彼女のわ
ずかな疑念が疑惑に成長し、やがて確信へと変化していく過程は緊張
感たっぷり。映画は高級娼婦に夫の身辺調査を頼んだ女が、その顛末
を知らされていくうちに妄想の度を深め、狂気の寸前まで追い込まれ
ていく姿を描く。女性の体を知り尽くした産婦人科医でありながら、
自らの肉体と精神の変調には冷静に対応できない設定は皮肉が効いて
いる。

この映画の批評を読む »

パイレーツ オブ カリビアン4 生命の泉 - テイラー章子

今後も キャプテン ジャック スパロウに敬意を表して 見逃さずにちゃんと最後まで観よう。このシリーズ、何作続いても、おもしろい。(点数 80点)


(C)Disney Enterprises Inc.All Rights Reserved.

パイレーツ オブ カリビアンの第4作、「生命の泉」3Dくを観た。
監督が変わって ロブ マーシャルになった。「シカゴ」、「NINE」などのミュージカルを手がけた監督だ。137分。
デイズニー配給のアメリカ映画。ハワイで撮影された。

第1作「呪われた海賊たち」、第2作「デッドマン チェスト」、第3作「ワールドエンド」の3作は、カリビアンの海賊首領のジャック スパロウが主役というよりも、ウィル ターナーと エリザベス スワンの恋がメイン ストーリーだった。

【ネタバレ注意】

この映画の批評を読む »

マイ・バック・ページ - 福本次郎

「男の涙」を嫌っていた沢田の涙は、ヒリヒリするほどの切なさに満ちていた。 (点数 80点)


(C) 2011映画『マイ・バック・ページ』製作委員会

「泣く男は男じゃない」、そういってアメリカン・ニューシネマのア
ンチヒーローたちの涙を否定する若きジャーナリストは学生運動家に
のめり込み、“歴史の目撃者”になろうとしている。一方、革命家を
気取る学生は、社会を変えるのが使命と考えているが、明確なビジョ
ンを持っているわけではない。物語はそんな、他の者ではない何者か
になりたい2人が出会い、己を取り巻く世界と格闘しながら自分とは何
かを問い続け、答えを探してもがき苦しむ姿を描く。

この映画の批評を読む »

愛の勝利を - 福本次郎

「初期のカラー映画の色彩の感覚を再現」しているらしいが、暗過ぎて見づらいようでは本末転倒ではないか。。。(点数 40点)


(C)2009Rai Cinema-Offside-Celluloid Dreamas

彼の気高い理想と行動力に魅せられた。運命の人だと信じてすべてを
捧げた。だが、彼は指導者になった途端、彼女との過去を封印した。
後に独裁者となる男を誰よりも愛し、誰よりも憎んだ女は、当局によ
ってあらゆる記録を消され、最愛の息子とも隔離されてしまう。映画
は、社会主義の隆盛から第一次世界大戦、独裁政治、教会との和解、
そして破滅へと向かうイタリアの歴史を背景に、悲劇のヒロインの人
生を通じて人間性が抑圧されていく過程を描く。

この映画の批評を読む »

ミスター・ノーバディ - 山口拓朗

脳の全領域をフル稼働させた者だけに、ようやく示唆めいたものが見えてくる作品(点数 90点)


(C) 2009 PAN-EUROPEENNE — MR NOBODY DEUTSCHLAND GmbH 6515291CANADA INC — TOTO&CO FILMS — FRANCE 2 CINEMA — FRANCE 3 CINEMA

たとえば、あなたに好きな人がいるとする。しかし残念なことに、
その人は明日旅立ってしまう。会えるのは今夜が最後。あなたは自
分の気持ちを好きな人に伝えることもできるし、伝えずに立ち去る
こともできる。

さて、ドウスル?

この映画の批評を読む »

ゲンスブールと女たち - 福本次郎

癒せない孤独といったセルジュの苦悩にまで言及していれば、作品に重層的な深みが出たのではないだろうか。 (点数 50点)


(C)2010 ONE WORLD FILMS-STUDIO37-UNIVERSAL PICTURES INTERNATIONAL FRANCE – FRANCE 2 CINEMA – LILOU FILMS – XILAM FILMS

「醜い子はイヤ」と女の子に邪険にされた幼い日、彼は女という生き
物を意のままにしようと決意した。それも飛びきり上等の女ばかりを
・・・。子供のころからヌードモデルを口説き、人気歌手に気にいられる
など、早くも女心をとろけさせるテクニックを身につけている主人公。
どんなに美人で裕福でも、必ずコンプレックスを抱えていて、それを
埋めてやり、夢を語れば大抵の女は寝てくれる。映画はそんな、酒と
タバコと歌を愛した男の破天荒な人生をなぞる。

この映画の批評を読む »

アジャストメント - 福本次郎

映画は“運命”という命題に“調整局”を名乗る組織を介在させ、運命は決まっているけれど突発的な例外もありうると示唆する。(点数 60点)


(C) 2011 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

運命とは定められたものなのか、それとも独力で切り開いていくもの
なのか。自分の未来が望まぬ結果に変えられたと知った主人公が、強
靭な意志で本来あるべき道に戻そうとする。彼は愛という感情に支え
られ、そのエネルギーは人知を超越した者たちでさえ翻弄し、心の叫
びに忠実に生きる大切さを訴える。映画は“運命”という命題に“調
整局”を名乗る組織を介在させ、運命は決まっているけれど突発的な
例外もありうると示唆する。

この映画の批評を読む »

パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 - 福本次郎

3Dの奥行きと飛び出す映像に、“映画は大スクリーンで楽しむもの”であると、あらためて思う。(点数 60点)


(C)Disney Enterprises Inc.All Rights Reserved.

血沸き肉躍るようなテーマ曲と共に帰ってきた海と冒険と女を愛する
ヒーローは、期待にたがわず今回も大暴れ。巧みな交渉術で相手から
譲歩と好条件を引き出していく。ロンドンでの大捕り物に始まり海賊
船での魔術、人魚の襲撃、そして宣教師の恋……物語は息つく間もな
いテンポで疾走、アクションにつぐアクションは圧倒的な情報量で見
る者に思考停止状態をもたらす。3Dの奥行きと飛び出す映像に、“映
画は大スクリーンで楽しむもの”であると、あらためて思う。

この映画の批評を読む »

サーカス象に水を - テイラー章子

畑正憲 ムツゴロウ先生も言っているが、象は最も知恵の高い動物だそうだ。象が主役のラブストーリー。象が好きな人は 観て楽しい。(点数 75点)

アメリカ映画「サーカス象に水を」、原題「WATER FOR ELEPHANTS」を観た。
原作サラ グルエンによる小説を映画化したもの。アメリカ映画。
監督:フランシス ローレンス
キャスト
サーカス団長 オーグスト:クリストフ ワルツ
サーカスの花形 マレーナ:リース ウィザスプーン
獣医学部学生 ヤコブ    :ロバート パテインソン

【ネタバレ注意】

この映画の批評を読む »

【おすすめサイト】