ACACIA-アカシア- - 福本次郎

◆肉体は衰えても“闘魂”は燃え尽きていない。亡くしたものに心を痛める繊細な老人をアントニオ猪木が好演。息子に先立たれた老人と父に棄てられた少年が、喪失感を埋めるかのようにひかれあう姿を通じ、家族の絆とは何かを問う。(60点)

 かつて研ぎ澄まされた日本刀のようなオーラを放っていた背中は、今やダボダボのシャツの中で小さくなっている。それでもアントニオ猪木は圧倒的な存在感となってスクリーンを支配する。肉体は衰えても“闘魂”はまだ燃え尽きておらず、しかも亡くしたものに心を痛める繊細な老人を好演。映画は息子に先立たれた老人と父に棄てられた少年が、喪失感を埋めるかのようにひかれあっていく姿を通じ、家族の絆とは何かを問う。

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矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~ - 前田有一

矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~

© 矢島美容室プロジェクト

◆国内専用ミュージカル(70点)

 『矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~』を見ると、身の程を知るという言葉がいかに大事かがよくわかる。誰がどう見てもキワモノなこの企画を、本作のスタッフたちは予算人員等限られたリソースを自らの得意分野に集中させる事で、それなりに見られる形にした。自分たちにできる事とできない事を冷静に判断できたからこその成功例である。いかにもテレビ的な発想だが、それが良い方向に働いたといえる。

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クレイジー・ハート - 岡本太陽

クレイジー・ハート

© 2009 Twentieth Century Fox

◆崖っぷちのカントリーシンガーが再起を図る(65点)

 俳優としても活躍するスコット・クーパーの映画監督デビュー作『クレイジー・ハート(原題:CRAZY HEART)』。低予算の非常に小さな映画でありながらも、演技派の俳優たちが集い、彼らの技が物語の中で絶妙に映える。本作はアメリカ南西部の広大な自然を背景に、老年期に差し掛かろうとしているジェフ・ブリッジス扮するカントリーシンガーのミュージシャンとして、そして男としての葛藤を丁寧に描きだす。

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マッハ!弐 - 前田有一

◆個別の動きは素晴らしいが……(55点)

 『マッハ!』(03年)で世界のアクション映画ファンに衝撃を与えたトニー・ジャーも、気づいてみればはや33歳。類まれなる運動能力も、ほうっておけば陰りが見えだす年齢である。

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監獄島 - 佐々木貴之

◆アウトローたちによるアウトロー映画(75点)

 アメリカの人気プロレス団体WWEの製作第三弾作品で、スコット・ワイパー監督がメガホンを取ったB級娯楽アクション。

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アンヴィル!夢を諦めきれない男たち - 岡本太陽

◆この映画はまるで『スパイナル・タップ』×『レスラー』だ(85点)

 1984年に公開された架空バンドの全米ツアーの模様を追う映画『スパイナル・タップ』。『スタンド・バイ・ミー』で知られるロブ・ライナーが監督を務めた「ロキュメンタリー」と称すこのモキュメンタリー作品は今もなおカルト的人気を誇っている。2009年、まるで『スパイナル・タップ』を観ているかの様な感覚に陥ってしまう正真正銘のドキュメンタリー映画が全米で公開された。『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち(原題:ANVIL! THE STORY OF ANVIL)』。そう、あのバンド、アンヴィルのドキュメンタリー映画だ。

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しんぼる - 福本次郎

◆あらゆる事象には理由があり、誰かが原因となる出来事の引き金を引く。「自分が選ばれた」という、偶然のひらめきを啓示と理屈付け、自らを神格化していく過程で、怪しげな宗教家の説く終末論の胡散臭さをシンプルに視覚化する。(60点)

 あらゆる事象には理由があり、誰かが原因となる出来事の引き金を引く。原因と結果、出口のない部屋に閉じ込められてその関連を学んだ男は、世の中に影響を与える力を手に入れたことを知る。ところが、世界を操ることができても、そこに本人がいないという矛盾。映画は意思に反して他人の運命を握ることになった主人公がたどる迷宮を通じ、怪しげな「宗教家」が説く精神世界を描く。「自分が選ばれた」という、偶然のひらめきを啓示と理屈付け、自らを神格化していく過程で、彼らの説く終末論の胡散臭さをシンプルに視覚化する。

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ガチ☆ボーイ - 山口拓朗

◆挫折に絶望するな、というメッセージ(80点)

 大学生の五十嵐良一(佐藤隆太)は、憧れのプロレス研究会に入部するが、学生プロレスにおいて一番大事な"段取り"を覚えられずにいた。商店街で行われたデビュー戦で、良一は段取りを忘れてガチンコ(真剣勝負)の試合をしてしまうが、それが観客にウケて一躍人気レスラーとなる……。

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しんぼる - 前田有一

◆へんな映画(60点)

 松本人志監督の『大日本人』に続く第二弾は、試写会を行わなかった前回より、ある意味で秘密主義の宣伝戦略がなされた。ようは、一応マスコミに見せはするが、あれは書くなこれは書くなと細かい注文をつけ、監督のメディア露出も謎のパジャマ姿のみという、視聴者の興味を引く作戦だ。

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しんぼる - 渡まち子

◆これを映画館で見る必要性があるのか(10点)

 何しろ配給会社から“ネタバレ禁止命令”が出ているので、どうレビューを書いたらいいのか悩む。核心に触れる部分はすべて秘密なのだ。それが核心と呼べるものかどうかは別として。とりあえず、ストーリーはこんな感じだ。それがストーリーと呼べるものかどうかは別として。メキシコのとある町で暮らす中年プロレスラー“エスカルゴマン”は、若くて過激な対戦相手テキーラ・ジョーとの試合を前に緊張していた。一方で、派手な水玉のパジャマを着た男が、四方を白い壁に囲まれた密室で目を覚ます。ここはどこなのか。なぜ閉じ込められているのか。脱出方法はあるのか。その男は、部屋の壁に無数にある“あるもの” の存在に気付く…。

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BIG FAN - 岡本太陽

◆憧れのスターにボコボコにされてしまったら、さてどうする!?(70点)

 映画『BIG FAN』、そのタイトルが映画の中にどんな人物が出て来るのか指し示す。野球ファン、ポップスターのファン、ハリー・ポッターファンと様々なファンが世の中にはいるが、本作の主人公ポール・アルフィエロ(パットン・オズワルト)はアメフト(NFL)のファン。また大阪に阪神タイガースファンがいる様に、ニューヨークに住むこの主人公は地元ニューヨーク・ジャイアンツに熱狂している。しかも、彼はアメフトのために毎日生きている様なもので、本作のタイトルが『オタク』でもかまわない程チームを崇拝している。

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ハート・ロッカー - 岡本太陽

◆これは本年度の『レスラー』か、米軍の隠れた英雄達の姿を描く。(85点)

 今日までに既にイラク戦争を扱った映画は多く作られている。そのジャンルの作品にもはや新鮮味を感じる事は出来ない人もいるはずだが、映画『ハート・ロッカー(原題:THE HURT LOCKER)』はそこに新風を吹き込む。イラク市内には駐屯するアメリカ兵を忌み嫌い、爆弾で兵士を誘き寄せ彼らを死に至らしめる事さえ厭わないという人々がいる。それに対しアメリカ軍は爆発物処理班を組織し、人々の安全を守る。本作では今までわたしたちが知り得なかった隠れた英雄であるアメリカ軍爆発物処理班の活動に注目し、戦地において最も危険な役割を担う男達の生き様を描く。

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ウィッチマウンテン/地図から消された山 - 前田有一

アナソフィア・ロブの可愛さは地球最高レベル(70点)

ウィッチマウンテン/地図から消された山

© 2008 Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.

 ゲームの『アステロイド』が映画化決定したり、ドリームワークスのアニメ『モンスターVSエイリアン』がお化けヒットしたりと、最近はUFOネタが流行中。この『ウィッチマウンテン/地図から消された山』もそのひとつで、ロズウェル事件で有名な「エリア51」に並ぶ怪しいスポット、という触れ込みの「ウィッチマウンテン」を舞台に冒険が繰り広げられる。

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ウィッチマウンテン/地図から消された山 - 町田敦夫

◆ザ・ロックが宇宙人の兄妹を助ける(70点)

 ミッキー・ロークが演じた『レスラー』の主人公は、とうとうリングの外に居場所を見つけることができなかったけど、プロレスラーのザ・ロックことドウェイン・ジョンソンは、着々とハリウッドで地歩を固めている様子。今作でもそれと知らずに宇宙人の兄妹を助けるタクシー運転手を演じ、十分鑑賞に堪える演技を見せている。相手役の年若い兄妹(セスとサラ)には、ともに児童文学の映画化作品に主演した経験を持つアレクサンダー・ルドウィグ(『光の六つのしるし』)と、アナソフィア・ロブ(『テラビシアにかける橋』)が扮した。

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フィースト2/怪物復活 - 福本次郎

いかにもB級というチープな味わいに満ちた映像と人間の本性を前面に押し出す展開は、不快を通り越してむしろ「なんじゃこりゃ」といった驚きやあきれ返りと共に笑いが込み上げ、低俗を極めた楽しみが全編にあふれている。(50点)

フィースト2/怪物復活

© 2008 The Weinstein Company, LLC. All rights reserved.

 質の悪いフィルムで撮ったような粗い映像、かぶり物の怪物、短いカットでごまかそうとする編集、そして小人プロレスラーや女バイカーといった胡散臭そうな登場人物。いかにもB級、いやC級といっていいほどのチープな味わいに満ちている。本来はホラーとして作られたはずなのに、あまりにもグロテスクな表現の連続と、追い詰められた人間が見せる「自分だけは助かりたい」という本性を前面に押し出す展開は、不快を通り越してむしろ「なんじゃこりゃ」といった驚きやあきれ返りと共に笑いが込み上げ、低俗を極めた楽しみが全編にあふれている。

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