NECK ネック - 渡まち子

◆文壇の中でも激しく評価が分かれる異色作家・舞城王太郎の原案だけに、後半は若者ウケしそうなハチャメチャな物語が炸裂し、正直、ストーリーがよくわからなくなる(40点)

 人気覆面作家・舞城王太郎原案の本作は、さまざまなジャンルがごちゃ混ぜになった、名付けて胸キュン・ホラー・青春ムービー。美人だが、変わり者の理科系大学院生の杉奈は、お化けを作る研究に没頭中。そんな杉奈に一目惚れしたフツーの大学生・首藤は勇気を振り絞って告白、彼女から深夜の研究室に呼び出される。デートかと期待したのに、大きな木箱“ネックマシーン”に入れられて、実験台にされるハメに。その後、ホラー作家やその編集者が入り乱れて、お化けを作リ出す“ネック(首)プロジェクト”が始動する…。

 怖がる気持ちがお化けを作る。このつかみは面白い。だが、文壇の中でも激しく評価が分かれる異色作家・舞城王太郎の原案だけに、後半は若者ウケしそうなハチャメチャな物語が炸裂し、正直、ストーリーがよくわからなくなる。この展開の破綻具合は、小劇場などのキッチュな舞台のノリに似ているのだが、これをポップでおちゃめと感じることができれば楽しめるだろう。物語が転がる度に顔を出すのは、子供時代の思い込みやトラウマ。想像力が恐怖を生み出すというテーマは、いつしか、精神的に消化できてないわだかまりを解消する内容に変化していく。“胸キュン・ホラー”とのキャッチだが、恋愛度数は極めて低い。ドタバタの果てにちょっとだけラブの予感があるという感じなので、人気若手俳優・溝端淳平の甘~い恋愛映画を期待すると肩透かしをクラうので要注意だ。特別出演のはずの栗山千秋演じる編集者・英子が、クールなのに妄想癖があるという曲者キャラで、最も存在感があって面白い。誰よりも大胆な彼女こそが影の主役、ラストのトンデモな展開がその証拠だ。それにしても相武紗季ちゃん、見た目は可愛いが、なんて演技が拙いんだろう。この作品では物語全体がドタバタなので、そのヘタっぷりが奇妙にフィットしている。いわゆる怪我の功名というヤツかもしれない。

渡まち子

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