◆歴史の背景に忍び(影)あり(75点)
CGもすごいけど、歴史上の人物設定がすごすぎ!
1582年、天下統一を目前にした織田信長が、明智光秀の謀叛により本能寺で暗殺。信長の家臣、豊臣秀吉が信長の後を継ぎ豊臣政権を制定した、この歴史は周知の事実だろう。
しかし、これと同じ時代に、あの天下の大泥棒、石川五右衛門が存在していたことは、あまり知られていない(忘れてる?)のではないでしょうか?
超人的な身体能力を武器に、金持ちから盗み、貧しきものに分け与える庶民の英雄、石川五右衛門。
豊臣秀吉の命にて捕らえられ、京都三条河原で実子とともに釜で煎殺されたと言われている。(これが有名な"五右衛門風呂"?)
残された史料(『日本王国記』や『豊臣秀吉譜』など)には問題点も挙げられているが、石川五右衛門という人物が安土桃山時代に徒党を組んで盗賊を働き、京で処刑されたという事実は間違いないと考えられている。(Wikipedia参照)
そんな五右衛門の半生を、今回の映画『GOEMON』では、日本史なんて関係ねぇ!と気持ちいいぐらいに豪快な設定(事実ごちゃまぜ)で描ききっている。
なんたって、石川五右衛門は忍者服部くん(服部半蔵)の弟子!幼き頃は茶々様の護衛でもあった! 無二の親友は、霧隠才蔵ですし、猿飛佐助は家来みたいになってますし、(その他にも驚くべき設定がありますが、ネタバレになってしまいますのでこのあたりで・・)めくるめく世界です。
思いっきりフィクションだと頭でわかっているのに、「え?」「え?」「ええーッ?」っと・・あまりの設定にいろんなところで、驚いちゃいました(笑)テンションが上がっちゃいました(笑)
さらに、安土桃山時代がこんなにド派手かよ!! っとまずツッコミを入れたくなるほどの豪華絢爛ぶりには、時代劇なんだけど、未来像のような独特の世界感で、わくわくさせてもらいました♪
事実、安土桃山時代といえば、南蛮貿易による異文化との接触で、独特のデザインが生まれていたのかもしれませんが、着物のような洋服のような斬新かつド派手な衣装に、西洋と融合したような無駄に渋い鎧、どうやって使うのかわからない刀に、かっこよくモデルチェンジした手裏剣。CGを駆使したド迫力の城!! 煌びやかな町並み! どれもこれもデザインがすばらしかった♪
アクションや爆破シーンなどは、まるで他人のやってるゲーム画面を見せられているようで、ちょいと冷める場面もありましたが、それでも! スピード感と迫力はさすが! 『CASSHERN』の紀里谷和明監督&脚本、こういったCGに関してはあっぱれ♪ だったと思います。
まぁ・・・実は・・この点(CGによる映像美)意外、あまり期待はしていなかったんですが・・・
意外にも!? 『CASSHERN』のときと同様の豪華キャストでしたが、『CASSHERN』のときとは違い(笑)今回はキャストの良さを存分に生かした、ストーリー自体も濃い内容でよかったです!
信長暗殺の真実は衝撃で!!! 五右衛門風呂の真実には・・・・・涙しました。
一人一人のキャラがしっかりとたっていて、石川五右衛門を取り巻く登場人物の背景を含め、それぞれの思い、野望や苦悩、葛藤、正義に信念、そして友情に淡い恋まで・・・様々な人物の様々な思いが入り乱れ、歴史の真実が明かされる(映画の中でね)とともにヒューマンドラマとしての濃さも増していき、楽しめましたー!!
まぁ・・・時代劇によくありがちな「今のうちにどうして殺ってしまわない!!?」みたいな(笑;)"ツッコミどころ"は満載でしたが、そこは侍魂ということで(笑)ご容赦いただき・・・(笑)
歴史的ミステリーをこれでもか!ってぐらいはっちゃけさせて、テンポの良さで力いっぱいラストまで引っ張った!そんな感じです。
人物設定も世界観もぶっ飛んじゃってる豪快さが潔く、私は好きでした♪
ただ、この映像美を含めた豪快さは、巨大スクリーンでなければ味わえないと思いますので、DVDでの鑑賞はお勧めできません。楽しさ半減だと思います。
ですので、どうせ観るなら是非!スクリーンで! 1800円! というとちょっと高く感じますが・・(笑)レイトショーか1000円の日に観るくらいはとってもお勧めの映画ですよ♪
(スタッフ古庄)