フールズ・ゴールド/カリブ海に沈んだ恋の宝石 - 岡本太陽

全米No.1獲得のケイト・ハドソン&マシュー・マコノヒー主演映画(35点)

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 2003年2月全米公開され大ヒットしたあるロマンティック・コメディ映画がある。『10日間で男を上手にフル方法』というその作品には、ケイト・ハドソンとマシュー・マコノヒーが主演し、ニューヨークを舞台に仕事の為に10日以内で男と付き合いフラれなくてはいけない女と、大事な契約の為に10日以内に女を落とさなくてはいけなくなった男がバトルの様な駆け引きを繰り広げるというストーリーが人々に受け入れられた作品だった。

 そして 2008年2月新たなケイト・ハドソン&マシュー・マコノヒー主演によるロマンティック・コメディ映画が公開された。監督は『メラニーは行く!』や『最後の恋のはじめ方』のアンドリュー・テナント。今回のケイト&マシューの映画の舞台はニューヨークではなく、フロリダはカリブ海。そしてロマンティック・コメディだけではなく、宝探しを含んだアドベンチャー映画でもある。

 ベン(マシュー・マコノヒー)はカリブ海で1715年に沈んだとされるスペインの女王の財宝を8年間もの間探し求めていた。ある日ベンの妻であるテス(ケイト・ハドソン)は、宝探しばかり続けてろくに働こうとしないベンとの結婚生活に終止符を打つ為に離婚調停に出席していた。その日ベンはいつものように海に潜っては相棒のアルフォンス(ユエン・ブレンナー)と宝探しをしていたのだが、ベンの船が事故により爆発して海に沈んだ衝撃で、沈んだとされていたスペインの女王の財宝の一部であろうと思われるある一枚の皿の破片を手に入れる。それに興奮するベンだが、その頃テスはいつまで経っても離婚調停にやって来ないベンに呆れていた。急いでいまだ愛するテスのもとに向かうベンだが、彼らの離婚決定まで時間は刻一刻と迫っていた…。

 宝探しの映画と言うと、近年ではやはり『インディ・ジョーンズ』よりも『ナショナル・トレジャー』を連想する人も多いだろう。この『フールズ・ゴールド/カリブ海に沈んだ恋の宝石』もその類の映画に属するが、よりコメディとラブストーリー性を強調した作品である。カリブ海で宝探しというキーワードも含まれているので、言うならば、『ナショナル・トレジャー』と『イントゥ・ザ・ブルー』と『10日間で男を上手にフル方法』を足して3で割った様な作品だ。ストーリーが始まった途端に、ケイト・ハドソンとマシュー・マコノヒー夫婦は物語の最後に宝を探してよりを戻すのだろう、という予測を観客側は立てると思うが、その予測を全く裏切る事なくストーリーが展開する。あまりにも予想通り過ぎて話半ばでダルくなってしまうし、何よりラストがつまらなかったの一言に尽きる。

 ケイト・ハドソン&マシュー・マコノヒーのブロンド白人カップルの夫婦の物語はさておき、この映画の中で一番強烈なキャラを演じているのが、アレクシス・ジーナという女優。彼女は後にベンの宝探しを手伝うドナルド・サザーランド演じる大富豪のナイジェル・ハニーカットの娘ジェマを演じる。ブリブリのブリっ子の上に天然というよりはただの大バカという強烈な女の子で、ストーリーの中の笑いの拠点である。この女優、あまり知られていないが、ジム・ジャームッシュ監督作品『ブロークン・フラワーズ』の中のビル・マーレー演じる主人公が最初に出会うシャロン・ストーン演じる昔の彼女の娘と言われればピンと来る人もいるだろう。そう、あのビル・マーレーを電話で話しながら素っ裸で挑発する奇怪な娘役の女優だ。『ブロークン・フラワーズ』ではシュールな感じだったが、『フールズ・ゴールド/カリブ海に沈んだ恋の宝石』ではだいぶぶっ飛んでいる。もしかしたらアレクシス・ジーナ、彼女はそのうち突然化ける要注意人物かもしれない。

 それから気になったのはマシュー・マコノヒー演じるベンの宝探しの邪魔をする一味が全員黒人だった点。その黒人の中に途中から1人白人の助っ人が加わるものの、これはまさに白人と黒人の対決の様に思わされた。結果的にはもちろん白人側が勝利する。これは黒人の客はあまり入らないだろう。それでも公開された週末の興行成績では1位に輝いていた。この『フールズ・ゴールド/カリブ海に沈んだ恋の宝石』という映画、意外にもアドベンチャー・ロマンティック・コメディを装った差別映画であった。

岡本太陽

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