1位. スター・トレック
◆数ある映画版の中でも屈指の傑作
オバマ大統領の登場を機に、ハリウッド映画はネクラからネアカへと変化している。米国民のニーズがそうなっている、あるいは業界がそうした流行を作ろうとしているため、明るい企画が通りやすくなっているわけだが、中でも『スター・トレック』最新作はその典型例というべきエンタテイメント作品だ。
英雄的な艦長を父に持つ若者カーク(クリス・パイン)は、進むべき道が決まらぬまま、無軌道な青春時代を送っていた。だが、新型艦USSエンタープライズのキャプテン直々の誘いにより、父と同じ惑星連邦艦隊に志願。熱い性格のカークとは正反対に冷静沈着なスポック(ザカリー・クイント)と反発しあいながらも、メキメキ頭角を現していく。
2位. ゲット スマート
◆80億円以上の予算をかけたコメディ
アメリカではコメディジャンルが人気があると、ここでは何度も書いている。人気があるということは、そのぶん金をかけられるということ。だからあの国では、『ゲット スマート』のようなお笑い映画一本に、なんと80億円以上もつぎ込むという無茶な現象がよく見受けられる。
極秘諜報機関"コントロール"の情報分析官マックス(スティーヴ・カレル)は、優れた分析能力があだとなり、長年の夢である現場の諜報員になれずにいた。ところが本部が犯罪組織"カオス"に襲撃され、全諜報員の顔と名がバレてしまう。そこで身元を知られていないマックスが急遽昇格となり、偶然整形手術直後だったベテラン女エージェント99(アン・ハサウェイ)と組み、カオスに対峙することになった。
3位. ダイ・ハード4.0
◆CGの進化によるアクションシーンの迫力の違いが歴然
30代くらいの人に聞くと、ダイハード第一作目こそアクション映画の最高傑作と推す人が多い。ブルース・ウィリスの出世作となったあの88年の傑作には、確かに文句の付け所がない。今見たら私も100点を献上するだろう。
だが、この4作目も相当なものだ。コンセプトが違うので単純に比較はできないが、期待すべき点を誤らなければこれだけ面白い映画はそうない。
久々に会う愛娘ルーシー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)に冷たくあしらわれたジョン・マクレーン刑事(ブルース・ウィリス)は、本部から近所に住む若いハッカーのマット(ジャスティン・ロング)を連行せよとの指令を受ける。つまらぬ任務に乗り気ゼロで向かったマクレーンだったが、マットの部屋に入ったとたん何者かによる激しい銃撃を受ける。
4位. バンテージ・ポイント
◆凝った構成と完璧な脚本の政治サスペンス
冒頭、いきなりアメリカ大統領がスペインの大群衆の前で狙撃される。ほぼ同時に大爆発も起こり、集まった人々はパニックに。全力ダッシュで始まり、ペースを落とすことなくそのまま90分間駆け抜ける、大興奮サスペンスアクションの登場だ。
5位. トゥモロー・ワールド
◆8分間ワンカット、映画史に残る衝撃の映像体験
環境ホルモンや電磁波の影響と思われる若い男性の精子の減少、女性の社会進出による晩婚化、そして格差社会による低所得者層の増加に伴い、少子化が叫ばれて久しい。しかしながらこの『トゥモロー・ワールド』の世界は、少子化を飛び越えて"無子化"になってしまった近未来だ。
6位. ハンコック
◆ウィル・スミスが嫌われ者ヒーローを演じるトンデモ作
ウィル・スミスは暑い男だ。暑いというのは、彼が圧倒的に夏に強いという意味で、その出演作は7月初旬の独立記念日シーズン(米国でもっとも映画興行が盛り上がる季節)の歴代ベストテンに4本も入っている。そのひとつとなったこの『ハンコック』は、彼の主演作としては8本連続初登場1位という華々しい記録も奪取した。
7位. 300<スリーハンドレッド>
◆特攻隊の真髄を完璧に表現
石原都知事の『俺は、君のためにこそ死ににいく』に加え、日系アメリカ人監督リサ・モリモトの『TOKKO-特攻-』など、最近は特攻隊をテーマにした映画の製作が相次いでいる。だが皮肉なことに、カミカゼ特攻隊とはまったく無関係の『300<スリーハンドレッド>』ほど、その歴史的意義を表現した映画はない。
8位. ボーン・アルティメイタム
◆このスパイ、速すぎ&強すぎ
『ボーン・アイデンティティー』(2002)『ボーン・スプレマシー』(2004)に続く三部作の完結編。ものわすれの激しい超人スパイが活躍する、ロバート・ラドラムのベストセラーの実写化だ。
9位. ディスタービア
◆隣の女の子の着替えを覗いていたら、とんでもないモノが見えてしまった
隣の家に毎日ビキニで泳ぐ美少女が住んでいる。手元には双眼鏡もビデオカメラもある。家族は夜まで帰ってこない。さて、残された10代の少年は何をするでしょうか? そんな興味深い設定の『ディスタービア』は、徹底して若者向けに作られたスリラーで、その明快なコンセプトが全米で大いに受けた。確かにこれ、サイコーに面白い。
10位. デジャヴ
◆ハイテク衛星システムの運用にローテクが必要という面白さ
デジャヴとは、「一度も経験したことのないことが、いつかどこかですでに経験したことであるかのように感じられること」(三省堂・大辞林)という意味だが、実際のところ本作の内容とそれはほとんど関係がない。
当サイト、人気批評家「前田有一氏」の監修にてランキングを作らさせて頂いております。















