ブギーマン 死霊の鏡 - 小梶勝男

◆ドイツ・トラッシュ・ムービー界の巨匠、ウーリー・ロメル監督の代表作。スプラッター場面はそれなりだが、意味不明な展開が笑いを誘う(64点)

 トラッシュ・ムービーの世界はとても広い。本作は1980年製作のB級ホラーだ。スプラッターともオカルトともつかない作品で、その分野では有名なドイツのウーリー・ロメル監督の代表作である。あるウェブサイトでは最低映画の一つにも挙げられているので、ご存じの方もいるかも知れない。いや、ほとんどの人が知らないだろうし、別に知らなくてもいい。

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心霊音 THE MOVIE - 小梶勝男

◆ある建物の心霊現象を扱ったフェイク・ドキュメンタリー。ハイビジョンとデジタル処理で浮かび上がってくる霊が怖い(48点)

 映画監督・阿見松ノ介がある建物の心霊調査を依頼され、女優2人と撮影に訪れる。ハイビジョンで撮影した映像をデジタル処理すると、本物の心霊現象が浮かび上がってきた。

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不思議の国のアリス(1915年版) - 小梶勝男

不思議の国のアリス(1915年版)

◆幻の作品といわれていたW.W.ヤング監督による映画化作品。ジョン・テニエルの挿絵の世界を着ぐるみで再現し、不思議な幻想世界を作り上げている(80点)

 W.W.ヤング監督による52分の中編だ。原作者ルイス・キャロルが1865年に最初に出版社から出したとき、挿絵を描いた風刺画家ジョン・テニエルの世界を、ほぼ忠実に再現したことで知られている。だが、1915年の米国公開後、フィルムが紛失し、日本では未公開のままだった。そのため、幻の作品と呼ばれていたという。昨年、WHDジャパンから出たDVD「不思議の国のアリス1903-1915」に収録されたのは、ファンにとっては嬉しい驚きだっただろう。100年近く昔の作品で、モノクロ、サイレントであり、点数を付けるのは非常に難しいが、やはり「映画ジャッジ」の趣旨に則り、あえて点を付けた。

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不思議の国のアリス(1903年版) - 小梶勝男

alice1903

◆ルイス・キャロルの原作を初めて映画化した8分の短編(80点)

 昨年、WHDジャパンからDVD「不思議の国のアリス1903―1915」が発売されたのは、「アリス」ファンにとってはうれしい驚きだった。「アリス」の世界初の映像化である1903年版と、原作の挿絵を描いたジョン・テニエルの世界を忠実に映像化したとされながら、日本未公開で長らく幻の作品とされていた1915年版の2本が収録された、実に魅力的なDVDだった。両作は、ティム・バートンの3D映画「アリス・イン・ワンダーランド」の原点ともいえる。バートン版と併せて見ると大変に興味深い。

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ステップファーザー 殺人鬼の棲む家 - 小梶勝男

◆「プロムナイト」をリメークしたネルソン・マコーミックが、今度は「Wステップファーザー」をリメークした。米国ではそれなりにヒットしたが、地味で日本では劇場未公開に。スリラーとしてはまずまずの出来(76点)

 ホラーファンの間では知られている1987年公開のジョセフ・ルーベン監督作「Wステップファーザー」のリメークだ。2009年の米映画で、米国でそれなりにヒットしたにもかかわらず、日本では劇場未公開で、DVDのリリースのみとなってしまったサイコ・サスペンス。

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カンニバル・マン 精肉男の殺人記録 - 小梶勝男

◆1972年スペイン製ホラーの米国編集版である。日本では未公開で、これまでソフト化もされていないという。余りの残酷描写に世界中で公開中止が相次ぎ、映画館では「嘔吐用パック」が配られたとされるが、今見ると、それほど過激な描写があるわけではない。だが、全体にどうにも奇妙な雰囲気が漂っていて、それが一種の「味」になっている(66点)

 冒頭、精肉工場で牛から血がドクドクと流れる場面が、ドキュメンタリーのように映し出される。ここで何だか嫌な感じになるのだが、この「嫌な感じ」は、ラストまで続くことになる。工場で働く主人公マルコス(ヴィセンテ・パラ)は恋人とデート中、タクシー運転手とトラブルを起こし、つい殴ってしてしまう。後になって、運転手が死んだことを知った恋人が、主人公に自首を迫る。またしてもつい恋人を殺してしまった主人公は、さらについ兄を殺し、兄を探しに来た兄の恋人をつい殺し・・・・と、最初の殺人を隠すため、何となく成り行きで次々と殺人を重ねてしまう。そして死体の処分に困り、精肉工場の牛の肉に混ぜるようになる。

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新怪談必殺地獄少女拳/吸血ゾンビと妖怪くノ一大戦争 - 小梶勝男

◆極北の映画人・山田誠二の現在(2010年3月)時点での代表作。江戸時代、西洋の吸血鬼と日本の妖怪、九ノ一たちの全面戦争という壮大なストーリーを、見事な「見立て」の力で描ききっている(65点)

 山田誠二監督は極北の映画人といえるだろう。日本唯一の怪談映像専門プロダクションを主宰し、怪談映画や「必殺」シリーズの研究家、小説家、脚本家、コミック原作者、映像プロデューサーと様々な顔を持つ。その作風は非常にマニアック。子供じみたストーリーとチープな特殊効果で繰り広げられる残酷絵巻は、人によっては、あの“最低監督”エド・ウッドにちなみ、「日本のエド・ウッド」と呼ぶほどだ。

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妖奇怪談全集/恐怖に叫ぶ6人の女 - 小梶勝男

◆書籍の付録ながら、今年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭で上映された短編集。美女が次々と登場するのが楽しいが、中でも亥戸碧と中西絵里奈がいい(55点)

 今年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭で上映された、極北の映画人・山田誠二監督の最新作だ。とはいえ、劇場公開用作品ではなく、DVDで販売されるものでもない。何と、書籍の付録なのだ。心霊スポットの紹介や実録怪談などを一冊にまとめた山田監督の著書「妖奇怪談全集」(ビジネス社)の付録として作られた短編6本で、1本が5分弱、全部で27分しかない。書籍の付録が国際映画祭で上映されるのは、初めてか、極めて稀なことだろう。

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HATCHET/ハチェット - 小梶勝男

◆昔懐かしいオールド・スクール・ホラーに捧げるスプラッター・コメディー。残酷描写が派手で、ホラーへの愛に満ちている(80点)

 オールド・スクールとは「保守的」という意味だが、普通は70~80年代前半の「古き良き」ヒップホップのことをいう。本作は「オールド・スクール・ホラー」を謳っている。70年代後半から80年代前半の古き良きスプラッター映画を指しているのだろう。それは、「ハロウィン」(1978)、「13日の金曜日」(1980)、「バーニング」(1981)など、当時大量に作られた殺人鬼ホラーのことだ。

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サイコ・イコール - 小梶勝男

◆WHDジャパンのオリジナル・ホラー第1弾。「アンダルシアの犬」(1928)以来の目玉切り裂きシーンが見もののJトラッシュ(55点)

 関西の残虐ホラー製作会社・WHDジャパンの記念すべきオリジナル・ホラー第1弾。本作の後、「鬼殻村」(2009)「腐女子」(2009)と続き、現在(2010年1月)第4弾が企画されている。

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ゾンビの秘宝 - 小梶勝男

◆「ユーロ・トラッシュの帝王」ジェス・フランコのゾンビ映画。ユーロ・トラッシュとは何かを知るには格好の作品(20点)

 最近、ヨーロッパのZ級映画を「ユーロ・トラッシュ」と呼んで再評価する傾向がある。言葉はお洒落な感じだが、要するにヨーロッパのクズ映画というわけだ。その代表格として有名なジェス・フランコ監督が1981年、当時のゾンビブームに乗って発表したのが本作。A・M・フランク監督との表記もあるが、フランコの変名の一つだ。「オアシスゾンビ」としても知られている。当然ながら日本で劇場公開はされていない。

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女子高生サバイバル・ドライブ - 小梶勝男

◆女子高生対狂女。ブレブレの手持ちビデオキャメラの映像に妙なリアリティーを感じさせられる(50点)

 タイトルからしてZ級のにおいがプンプンしているが、本当にバカな映画だった。まずはDVDのジャケット。よくあることだが、映画と全く関係なし。美人でかっこいい女子高生たちが並んでいるが、本編には誰一人として、一切出てこない。

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ロボット・モンスター - 小梶勝男

◆想像を超える最低映画。見どころは一つもないとも言えるし、驚きの連続とも言える。なぜか見た後、幸せな気持ちになってしまった。(35点)

 「見たら頭が痛くなる」「目がチカチカする」などとウワサを聞いていたが、幸いそのような症状は出なかった。しかし、唖然としてなぜか多幸感に襲われ、寝付きが悪くなってしまった。1953年製作のモノクロ映画で、監督はフィル・タッカー。音楽はエルマー・バーンスタインだが、勿論、「大脱走」などを作曲したあの人とは別人だ。本当に安いテイストで、ジャケットに「チープSF代表作」とあるが、まさにそんな感じだ。

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鬼殻村 - 小梶勝男

◆知られざる未公開映画の世界。日本的な伝説にゾンビのテイストを加え、「ブレアウィッチ」的な手法で撮ったゾンビ・スプラッター(55点)

 劇場公開されず、DVDのみで発売されるような自主制作、インディペンデントの作品の中にも、意外に面白かったり、驚かされたり、呆れたり、マニア心をくすぐられたり・・・・とにかく、無視するには惜しいものがある。「B級」どころか、時には「Z級」かも知れない作品群だが、そこにも映画の楽しさは確実に存在する。そんな作品を少しでも伝えたいというのも、「映画ジャッジ!」に参加した理由の一つだ。もちろん、劇場公開作と比べ、予算も人手も時間もかけられていないので、同じように評価は出来ない。そこで、<未公開作としての評価>と明記して点数を付けることにした。「知られざる未公開映画の世界」を少しずつ紹介していきたい。

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憑依 - 小梶勝男

◆「ホラー映画向上委員会」第1回上映作。日本的な恐怖を描いて、自主映画としては驚くほど出来がいい。(85点)

 今年8月、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)のホラー映画コミュニティで知り合ったファンらが「ホラー映画向上委員会」というグループを結成した。名前の通り、ホラー映画の地位向上のため、良質のホラーを選んで上映するのが目的だ。

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