◆ポルノでも文芸映画でもなく、怪談映画。この「白日夢」は100パーセントの「悪夢」だ(68点)
「白日夢」といえば、1981年に武智鉄二が監督し、愛染恭子が出演した「本番映画」が有名だが、今やアダルトビデオ(といってもすでにビデオを見ている人は少なく、DVDや動画ファイルだろう)でいくらでも本番行為が見られるようになった。本番が売りにはならない時代になってしまった。
◆ポルノでも文芸映画でもなく、怪談映画。この「白日夢」は100パーセントの「悪夢」だ(68点)
「白日夢」といえば、1981年に武智鉄二が監督し、愛染恭子が出演した「本番映画」が有名だが、今やアダルトビデオ(といってもすでにビデオを見ている人は少なく、DVDや動画ファイルだろう)でいくらでも本番行為が見られるようになった。本番が売りにはならない時代になってしまった。
◆シンプルなストーリーとリーアム・ニーソンの好演、質の高いアクションの連続で見ごたえのある作品(75点)
パリで東欧系マフィアに拉致された娘を救うため、元CIAの父親が、かつて秘密工作員として培った技術を使って組織を追い詰める。リュック・ベッソンが製作・脚本を務める本作は、「プロ」がプロの技を使って誰かを守り抜くという点で、いつもの「ベッソン映画」だ。だが、冒頭から結末まで一直線に進むシンプルなストーリーと、主演のリーアム・ニーソンの好演、そして質の高いアクションの連続で見ごたえのある作品になった。
◆フェアレディZを巡る因縁話。Zへの偏執狂的な愛が語られ、車好きには楽しめる(59点)
講談社「ヤングマガジン」連載の同名マンガの映画化。監督は「GUN CRAZY」シリーズや「SCORE」の室賀厚。
◆主演3人、特にイ・ビョンホンが魅力的な韓流ウエスタン。娯楽作として十分に楽しめるが、ロマンチシズムが希薄である点が惜しい(75点)
1930年代の満州を舞台に、マカロニ・ウエスタンの世界を「韓流ウエスタン」として復活させる。そんな奇抜なアイデアは、ともすればキワモノを生みがちだが、チョン・ウソン、イ・ビョンホン、ソン・ガンホという3人の俳優たちを得て、見事に娯楽作品として結実した。同じように日本でウエスタンをやろうとした三池崇史の「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」の失敗に比べると、成功と言えるだろう。
◆凄まじい残酷描写。フレンチ・スプラッターの系譜に連なるがそれだけに収まらない孤高の問題作(80点)
凄まじい作品だ。インパクトの強さだけで言えば、これまで見た作品の中でも、かなり上位に入るだろう。ホラーやフレンチ・スプラッターの系譜に連なってはいるが、単純な分類を許さない。孤高に位置する問題作だ。
◆安心して楽しめる分かりやすい笑い(67点)
映画館で、字幕を見ている我々日本人には全く可笑しくないのに、外国人(たぶん英語圏の人)だけが英語のセリフに大笑いしている、という場面に覚えはないだろうか。あれはなかなか悔しいものだ。洋画のコメディを見るといつも、もっとセリフが分かればもっと面白いんじゃないか、などと思ってしまう。
◆いつもながらの車、格闘アクション、美女の3点セット(67点)
プロの運び屋フランクを主人公にした「トランスポーター」シリーズの第3弾。製作・脚本を兼ねるリュック・ベッソンが大好きな「車、格闘アクション、美女」の3点セットがいつも通りきっちりと揃っている。
◆悪役が魅力的な映画は面白い(74点)
あらゆるものを破壊し尽す新兵器「ナノマイト」を巡って、悪の組織コブラと、米政府の組織した国際機密部隊G.I.ジョーが、最新科学を駆使して戦う。現代の東京のど真ん中に少林寺風の寺があり、そこで忍者が訓練されているなどというバカバカしい設定に加え、絵に描いたような勧善懲悪のストーリー。笑ってしまうしかないのだが、それでも映画が面白いのは、悪役が魅力的だからだろう。
◆ドラマとしての深み(80点)
南極観測隊員として、南極ドームふじ基地で調理を担当した西村淳のエッセイ「面白南極料理人」を映画化。監督はこれが商業映画デビューの沖田修一。主演の料理人を堺雅人が演じている。他の隊員たちに生瀬勝久、きたろう、高良健吾ら。
◆ワニがあくまでも、普通のワニであるところがいい(66点)
巨大なワニが人を襲うというと、「アリゲーター」や「クロコダイル」を思い出す。ホラーファンならトビー・フーパーの「悪魔の沼」も浮かぶかも知れない。「U.M.A/レイク・プラシッド」も、UMA(未確認動物)といいながら、実際には巨大ワニの映画だった。
◆クンフー映画ファンにお薦め(55点)
1970年代前半に伊藤俊也監督、梶芽衣子主演で4本作られた「女囚さそり」シリーズ(4作目のみ長谷部安春監督)の、香港スタッフによるリメーク。主演は、最近はアクション女優として活躍している水野美紀だ。