わたし出すわ - 小梶勝男

◆同級生に大金を次々と差し出す女の物語。アイデアはとてもいいが、話がダイナミックに展開していかない(68点)

 森田芳光監督の迷走は続いている。

 「家族ゲーム」「それから」のような名作から、「模倣犯」のような迷作まで、振り幅は大きいが、常に意欲的な作品に挑戦する森田監督。最近は、「サウスバウンド」「椿三十郎」と、試みや狙いは面白いものの、成功とはいい難い作品が続いた。

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空気人形 - 小梶勝男

◆ファンタジック・ラブストーリーと宣伝されているが、これはモンスター映画の一種だろう。空気人形の存在が、町を「孤独の集積」として浮かび上がらせていくのが感動的だ(85点)

 「誰も知らない」「歩いても 歩いても」の是枝裕和監督が、業田良家のマンガを映画化し、主演に韓国の女優ペ・ドゥナを迎えた。ペ・ドゥナが演じる空気人形が「心」を持って、恋をする話と聞けば、誰もが感傷的なファンタジーを想像するだろう。実際、「ファンタジック・ラブストーリー」として宣伝もされている。それも間違ってはいないが、さすがに是枝監督。ただのファンタジーにはなっていない。

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TAJOMARU - 小梶勝男

◆芥川龍之介「藪の中」を「SFサムライ・フィクション」の中野裕之監督が映画化。時代劇に舞台を借りた現代劇だが、何をやりたいのかよく分からない失敗作となった(49点)

 芥川龍之介の小説「藪の中」の映画化では、黒澤明「羅生門」(1950)、三枝健起「MISTY」(1997)などが思い浮かぶ。本作は同じ「藪の中」を原作としながら、この2作とは全く違う独自のストーリーを展開している。

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パンドラの匣 - 小梶勝男

◆作品全体は今ひとつわけが分からないが、川上未映子と仲里依紗がエロチックでいい。終戦直後に奇跡のように輝いた一瞬のユートピアは見事に表現されていた(72点)

 この作品については、圧倒的に川上未映子と仲里依紗だ。2人がエロチックでいい。見ているだけで幸せだった。個人的に、2人が非常に好みでもある。

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ウルヴァリン:X-MEN ZERO - 小梶勝男

◆「X-メン」シリーズのスピンオフだがCGもアクションもかなりレベルが高い。アカデミー外国語映画賞のギャヴィン・フッドが監督し、ドラマ部分もしっかりと描かれた力作(80点)

 「X-メン」シリーズのスピンオフ作品。主要キャラクター、ウルヴァリンの誕生秘話を描いている。

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アート・オブ・ウォー2 - 小梶勝男

◆ウェズリー・スナイプス主演のB級アクション。すべてが「それなり」であるが、「それなり」には楽しめる(65点)

 「おつな味」という表現がある。「コンビニ食と脳科学」(加藤直美)によると、甲乙丙丁の「乙」で、一番(甲)ではないがそれなりに美味しい、という意味だそうだ。今の言葉で言えば「B級グルメ」ではないか、と書かれている。

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アルティメット2 マッスル・ネバー・ダイ - 小梶勝男

◆パルクールの動き、格闘アクションのレベルが高く、ユーモアもあるリュック・ベッソン映画。前作に劣らず楽しめた(70点)

 驚異的な身のこなしで屋根から屋根を渡り、窓から地面へ飛び降り、階段の手すりを乗り越えジャンプするエクストリーム・スポーツ「パルクール」。本作はパルクールに格闘技を交えたアクション映画「アルティメット」の続編だ。監督はパトリック・アレサンドランだが、前作と同様、リュック・ベッソンが製作・脚本を務めている。いわゆる「ベッソン映画」の一つといっていい。

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ホースメン - 小梶勝男

◆「羊たちの沈黙」「セブン」に「SAW」シリーズの要素を加えた猟奇サスペンス。チャン・ツィイーが犯人役を演じているのが見もの(67点)

 銀のトレーに載せられた、大量の人間の歯が見つかるところから、物語は始まる。最初から気味悪く、猟奇ムードはたっぷりだ。そして、釣り針とワイヤーで吊られた全裸死体が登場し、現場に残された「来たれ」というメッセージが謎をかける。連続殺人事件を捜査する主人公は、デトロイト警察のベテラン刑事。妻に先立たれ、仕事に没頭し過ぎて2人の子供たちからは愛想を尽かされている。演じるデニス・クエイドがいい。役作りのためだろう。やや太って、うらぶれた感じをうまく出している。そして突然、驚きの展開が訪れる。最初の犠牲者の養女(チャン・ツィイー)が、犯行を唐突に自白するのだ。しかし、事件はそれだけでは終わらない。

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悪夢のエレベーター - 小梶勝男

 俳優、構成作家として活躍する堀部圭亮の長編映画初監督作。木下半太の人気小説を映画化している。

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サブウェイ123 激突 - 小梶勝男

◆「サブウェイ・パニック」のリメークだが作風はまるで違う。トニー・スコットらしい映像美とテンポの良さで一気に見せる(67点)

 1974年のジョセフ・サージェント監督作「サブウェイ・パニック」は秀作だった。本作はそのリメークだが、見事にいつものトニー・スコット監督の世界になっているのが面白い。

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実験室KR-13 - 小梶勝男

◆濃密なソリッド・シチュエーション・スリラー。異様な緊張感で観客を心理的に追いつめていく(68点)

 「テキサス・チェンソー ビギニング」のジョナサン・リーベスマン監督が手がけたサスペンス。心理実験のため、テーブルとイスがあるだけの殺風景な部屋に集められた4人の男女。その前に現れた「博士」と称する男は、1日250ドルという高額な報酬を約束し、4段階の実験で1人ずつ被験者が脱落していくと説明する。そして突然、被験者の1人である女性の頭をピストルで撃ち抜く。「博士」が素早く部屋を出ると、ドアはロックされ、死体と一緒に残りの3人が閉じ込められる。室内に「問題」のナレーションが流れ、制限時間後に「正解」から一番遠かった者が、1人ずつ殺されていくという。

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のんちゃんのり弁 - 小梶勝男

◆東京の下町・京島の風景が生き生きと描かれた喜劇。31歳子持ち女性の現実がコミカルだがリアルに描かれ、同年代の女性に素直に共感してもらえそうだ(70点)

 ダメ亭主に愛想を尽かし、実家の東京・京島に戻った31歳の子持ち女性・永井小巻を小西真奈美が演じるコメディー。小巻は独り立ちするため仕事の面接を受けまくるが、どこからも断られ、貯金も減るばかり。水商売を紹介されるが、セクハラを受けてすぐに断念する。そんな中、娘のために作ったのり弁が評判となり、弁当屋を開く決心をする。

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20世紀少年<最終章>ぼくらの旗 - 小梶勝男

◆「ともだち」の正体を含め、ラストは伏線をすべて回収してよく出来ている。昭和へのノスタルジーが胸を打つ3部作の最終章(69点)

 3部作ものは第2部が一番面白いと、いつも思う。「マトリックス」、「ロード・オブ・ザ・リング」、「スター・ウォーズ」、どのシリーズも第2部が良かった。1部では物語の世界観を提示しなければならず、3部では物語を終結させなければならない。ある程度、説明的にならざるを得ない。だが2部だけは、すでに提示された世界観の中で、その世界観を総括することなく、自由に物語を展開させることが出来るからだろう。

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ワイルド・スピード MAX - 小梶勝男

◆シリーズ第4弾だが1作目の正統な続編。娯楽に撤した派手なカー・アクションの連続は楽しいが、ドキドキするには至らない(66点)

 「ワイルド・スピード」シリーズの第4弾だが、これが正統な続編で、2作目、3作目はスピン・オフと言えるかも知れない。1作目と同じヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ミシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースターの4人のキャストが再び揃い、物語も1作目と直接に繋がっている。

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ゴー・ファースト 潜入捜査官 - 小梶勝男

◆ドキュメンタリーのような独特の緊迫感。実録ものとしてのリアリティーと娯楽の面白さがうまく両立している(70点)

 「潜入もの」は、潜入者の正体がいつ暴かれるかとハラハラするものだが、この映画には、それだけではない独特の緊迫感がある。

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