◆トム・クルーズとキャメロン・ディアスが久々にスター性を発揮(75点)
2度目の共演を果たしたトム・クルーズとキャメロン・ディアスが、米国内はもちろん、ザルツブルク、セビリア、楽園のような無人島などをダイナミックに駆けめぐる。爽快なアクションに、コメディとロマンスが絶妙の塩梅で配合された、極上エンターテインメントだ。
◆トム・クルーズとキャメロン・ディアスが久々にスター性を発揮(75点)
2度目の共演を果たしたトム・クルーズとキャメロン・ディアスが、米国内はもちろん、ザルツブルク、セビリア、楽園のような無人島などをダイナミックに駆けめぐる。爽快なアクションに、コメディとロマンスが絶妙の塩梅で配合された、極上エンターテインメントだ。
◆売れっ子ファッションデザイナーが映画監督デビュー(70点)
ダニエル・クレイグ演じる007の衣装を担当するだけでは飽きたらなかったか、ファッションデザイナーのトム・フォードが映画監督業に進出。クリストファー・イシャーウッド(ミュージカル『キャバレー』の原作者)の同名小説を、余技とは思えない緻密さで映像化し、コリン・ファースに09年ベネチア国際映画祭の主演男優賞をもたらした。
◆J・ロバーツのエキゾチックでモラトリアムな世界漫遊録(60点)
ここしばらく「子育て中心モード」を取っていたジュリア・ロバーツが久々の単独主演。自分を見つめ直す旅に出た傷心の女性ジャーナリストを、異国情緒あふれる多彩なロケーションの中で演じている。原作は全世界で700万部を売り上げたエリザベス・ギルバートの自伝的小説だ。
◆荻上直子が一皮むけた(70点)
乳児を何週間も放置する親がいるかと思えば、親の遺体をミイラ化させる子がいたりと、何だか最近、家族がおかしい。そんな中で公開される荻上直子監督の3年ぶりの新作は、切っても切れない家族のつながりを、独特のセンス・オブ・ユーモアでくるんだ良作だ。
◆ストリップ劇場に行かなくても“みなたん”のヌードが見られるぞ!(50点)
清純派グラビアアイドルから、すっかりお騒がせタレントになってしまった小向美奈子が、団鬼六原作のSM映画で堂々、主演。SM趣味のない筆者としてはどれほど集客に貢献するのかよくわからないが、とにかくプレス資料に記載の売り文句をそのままご紹介しておこう。なんと本作では「芋虫ころがし、生け捕り揚羽締め、三点逆股くぐり図といったオリジナル緊縛の数々が惜しげもなく披露」されているのだあ!
◆これぞ真夏の打ち上げ花火ムービーだ(70点)
80年代の人気TVシリーズが、リドリー&トニー・スコット兄弟のプロデュースでスクリーンに復活。無実の罪で追われる身となった4人の米軍レン
ジャーが、脱獄して正義の味方の<Aチーム>を結成するまでを、アクション満載で描き出す。
◆年齢層に応じて楽しめる感動の3Dアニメ(70点)
『シュレック』や『マダガスカル』で知られるドリームワークス・アニメーションの最新作。バイキングとドラゴンが壮絶な戦いを繰り広げていた時代を舞台に、マッチョなバイキング文化から浮きまくりの少年と、傷ついて飛べなくなったドラゴンとの、心温まる交流と冒険が描かれる。
◆アンジーの七変化とアクション(だけ)は必見(65点)
アンジェリーナ・ジョリーは(あるいは彼女のスタントマンは)この映画で何度、高所から飛び降りたことか。高架道路から飛び、トラックの屋根から飛び、地下鉄から飛び、エレベーターシャフトから飛び、その間に格闘、射撃、爆破、暗殺。ついでに目の色や髪の色を変え、人相を変え、服装を替え、ついには男装まで披露してくれた。
◆難病ものというよりも経済映画、バディ映画として観たい(65点)
92年作品の『ロレンツォのオイル/命の詩』は、難病の息子を持つニック・ノルティとスーザン・サランドンの夫婦が、「まだ効果が証明されていない」と渋る医師を説得して新薬を試させるという物語だった。日本だったら「功名心にはやる医師が親の反対を押し切って新薬を試す」ということはあっても、その逆はあまり考えられないので、大いに文化の違いを感じたものだ。『小さな命が呼ぶとき』も、『ロレンツォ~』と同様、実話をもとにした物語。ただしこちらの父親は、我が子の治療薬を開発するためだけに、なんと製薬会社を作ってしまう。
◆アクションあり、ロマンスあり、笑いありの健全ホラー(70点)
映画ライターがどんな映画でも観るかというと、決してそんなことはないわけで、たとえば私はホラーは観ない。理由は簡単、夜ひとりでトイレに行けなくなっちゃうから。今回はそんな恐がりでも安心して観にいけるゾンビ映画をご紹介しよう。何たってこれ、登場人物が不気味なゾンビに食い殺される不健全な映画ではなく、登場人物がゾンビをジャンジャンぶっ殺していく健全な(?)作品。おまけにアクションあり、ロマンスあり、胸を打たれるシーンありの痛快コメディなのですよ。
◆クリストファー・ノーランが夢を料理(70点)
『メメント』では記憶を、『プレステージ』では魔術をテーマに特異な世界を構築してきたクリストファー・ノーラン監督が、次なる題材に選んだのは夢。レオナルド・ディカプリオを主演に迎え、観る者を潜在意識の迷宮へと誘いこむ。
◆寄る辺なき魂が、孤独という共通項で響き合う(65点)
ご存じ、山田洋次監督の『幸福の黄色いハンカチ』(77)のリメイク作。オリジナル版で高倉健が演じた前科者にはウィリアム・ハートが、また武田鉄矢と桃井かおりが演じた若いカップルにはエディ・レッドメインとクリステン・スチュワートが扮している。桃井かおりは小さな(しかし濃い)役で友情出演。監督はインド出身のウダヤン・プラサッドが務めた。2008年作品が今になって公開される事情は定かではないが、もしかするとスチュワート主演の『トワイライト』シリーズが大ヒットした恩恵かもしれない。
◆ユニークな近未来の世界観と、粋な演出を楽しもう(75点)
人工臓器が爆発的に普及した近未来。高額の人工臓器をキャッシュで買える者はいいが、そうでない者は高利のローンを組まされる。支払いが滞ると、やって来るのが回収屋=レポゼッション・メン(レポメン)だ。車や宝飾品なら話は簡単だが、人工臓器はどのようにして“回収”するのか? 強力なティーザー(スタンガン)で相手を気絶させ、メスを使って摘出するのである。相手が死んでしまうって? そんなこと、レポメンの知ったことではない。
◆A型人間は割を食う(70点)
スポーツライター山際淳司の「たった一人のオリンピック」には、競技人口の少ないスポーツなら今からでもオリンピック選手になれるだろうとふと思い立ち、特に好きでもなかったボート競技を始めた大学生のことが書かれている。一方、『ソフトボーイ』で描かれるのは、県内に男子ソフトボール部を持つ高校が皆無であることに気づき、お気楽に全国大会出場を目指したお調子者の物語。佐賀県の高校で実際にあったエピソードを元にした、ギャグ満載の傑作青春ムービーだ。
◆驚愕のラストに向けた伏線を見逃すな!(70点)
いやあ、たまげた。本作の最後に明かされる「ある事実」には心底、驚嘆した。本当はサプライズがあることすら知らずに劇場に行った方が衝撃度は増すのだけれど、「なになに? どんなビックリがあるの?」とワクワクしながら公開を持つのも、それはそれで楽しいだろう。だから言っちゃう。あなたは本作のエンディングに必ずや目を丸くするだろう。そして劇中にちりばめられた数多くの伏線を思い起こし、それを再確認するためにもう1度観たくなるだろう。観るがいい。それだけの価値はある。