◆お互いに屈折しながら歩んできた母と娘の和解の物語として味わうことができる(55点)
食に関する映画が流行しているが、これはちょっと風変わりなグルメもの。子供の頃から料理が大好きだった倫子は、レストランを開くのが夢。だが、恋人から資金を持ち逃げされ、ショックと失恋の痛手から声が出なくなってしまう。昔から折り合いの悪い母親の暮らす田舎に戻った倫子は、仕方なく母と暮らしながら、実家の物置を利用して小さな食堂を開くことに。お客は1日に一組。メニューも置かない。ユニークな“食堂かたつむり”は評判になり、いつしか倫子の料理を食べると願いがかなうという噂が広まった…。
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◆豪華キャストの割には渋い人間ドラマの本作、いい意味で期待はずれの内容(60点)
豪華キャストによる群像劇に見えるが、実はヒロインの女一代記だ。監督は、戯曲家アーサー・ミラーの娘のレベッカ・ミラー。ピッパ・リーは50歳。良き妻、良き母である彼女は年上の作家で出版社を経営する夫と結婚し、幸せそうに見える。だが、彼女を取り巻くのは老齢になっても浮気性の夫、自立心のないダメ女の親友、反抗的な娘、何より退屈な毎日に息がつまりそうな自分だった。30年近く完璧な妻を演じてきたピッパは、若い頃の波乱万丈の人生を振り返りながら、風変わりな青年クリスに惹かれていく…。
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◆親父譲りの悪趣味らしさがしっかりと味わえる(65点)
連続猟奇殺人事件が起き、ボビー、ステファニー、ジャックという事件の関係者と思われる3人を、FBI捜査官のエリザベスとサムが尋問する。別々の部屋でカメラで監視された被疑者たちの証言から、奇妙な共通点に気付いていく。
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◆2人組の警官が自分たちの持つ権力をひけらかし、被疑者のとる卑屈な態度をもてあそびあざ笑う。思わず嫌悪感を抱いてしまう警官の不正に何らかの因果応報があるのかと期待させながら、映画は予想外の方向にブッ飛んでいく。(50点)
ごく普通に自動車を運転している市民にスピード違反と因縁をつけて、さんざんいたぶった上に財布を取り上げる2人組の警官。彼らはただ自分たちが持つ権力をひけらかし、退屈な日常に刺激をもたらそうとしているだけだ。しかも周到に役割を分担して、被疑者のとる卑屈な態度をもてあそびあざ笑う。思わず嫌悪感を抱いてしまう警官の不正にきっと何らかの因果応報があるのかと期待させながら、映画は予想もしない方向にブッ飛んでいく。
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◆2人組の警官が自分たちの持つ権力をひけらかし、被疑者のとる卑屈な態度をもてあそびあざ笑う。思わず嫌悪感を抱いてしまう警官の不正に何らかの因果応報があるのかと期待させながら、映画は予想外の方向にブッ飛んでいく。(70点)
愛の喜びと失った時の怒りと絶望、一旦忘却の彼方に押しやったそれらの感情が年月を経て熟成され、主人公の胸によみがえる。死という事実を冷静に見つめなおして思い出を客観視し、新たな発見を加えて再評価する。悲劇には違いない、だが前に向かって歩き始めるのが生き残った者の務め。10年以上も時間が止まったままの彼が、ある男との出会いを通じて生きる力を取り戻す過程を、幾重もの秘密と嘘、謎と伏線で包み、愛という最もミステリアスな心の真実に迫っていく。現在と過去が頻繁に行き来する中で、諦観と希望、喪失と再生が見事なコントラストで描かれる。
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◆視力を失くした男がたどる愛の誕生、崩壊、再生の道。アルモドバルの物語はいつも原色で濃厚だ。(70点)
盲目の脚本家ハリー・ケインは、実業家エルネストが死亡したことを知る。直後にエルネストの息子がハリーを訪れ、ある脚本を依頼。それをきっかけに彼は、封印していた、深く愛した女性レナの思い出と向き合うことになるが…。
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◆製作日数&制作費にびっくり(50点)
パキッ
ミシ..ミシ…..
深夜、静寂に包まれた暗い部屋に響き渡る奇怪な音.音.音..
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◆クリント・イーストウッド監督、モーガン・フリーマン主演で南アフリカ初の黒人大統領ネルソン・マンデラを描いたドラマ。イーストウッドやフリーマンのメッセージは伝わってくるが、ドラマとしての面白みには欠ける(73点)
冒頭、マンデラ大統領(モーガン・フリーマン)がボディガードとともに朝の散歩に出る。まだ暗い中、官邸の近くを歩くが、いつ狙われるか分からない。ただならぬ緊張感が漂い、自動車の走る音が近づいてくると、それは頂点に達する。
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◆18歳にして子持ちのスーパー大型新人女優が誕生した(80点)
短編映画『WASP』で2004年アカデミー短編映画賞を受賞し、2006年の長編映画初監督作品『RED ROAD』ではカンヌ国際映画祭で審査印象を受賞した、元女優の映画監督アンドレア・アーノルドの長編映画第2作目『FISH TANK』。いわゆるワイドスクリーン型ではなく、正方形に近い枠の中に映し出されるイギリスはエセックス郡の風景の中で行きの詰まる思いをしながら踊る 15歳の主人公ミア。彼女に扮する演技経験ゼロのケイティ・ジャーヴィスが男っ気の全くない家庭に育つ思春期の少女を熱演し、その個性的で、力強く、優れた感覚を備えた体から何かとてつもなく巨大なエネルギーが溢れ出している。
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◆母性愛と友情を内包したヒューマンドラマ(85点)
気鋭の女性監督コートニー・ハントの初長編監督作品となる「フローズン・リバー」は、低予算のインディペンデント作品ながら、2008年のサンダンス映画祭でグランプリに輝くほか、第81回アカデミー賞(2009年)では、デビュー作にしてオリジナル脚本賞にノミネートを果たすなど、世界中で高い評価を受けた。
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◆ソツのない作りではあるが平凡な出来(65点)
偉人マンデラの理想と希望を、ラグビーとのつながりを通して描く実話だ。1994年、27年間の投獄生活から解放されたネルソン・マンデラは、南アフリカ共和国初の黒人大統領になる。アパルトヘイトにより黒人と白人の間にできた大きな溝、激しい経済格差、国際社会でのアピールなど、さまざまな課題を抱えたマンデラは、南アの白人社会の象徴であるラグビーチームの建て直しを図り、1995年の自国開催のラグビーW杯での優勝を目指すと宣言する。
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◆南アW杯の年に、南アW杯を映画を見る(75点)
あるひとつのものに、さまざまな側面があったり多機能だったりすると、無性にうれしいものだ。
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◆女性にとっては、少々キツい映画(40点)
『50歳の恋愛白書』とは思い切った邦題をつけたものだが、つけた側も賛否両論がおきるだろうことは承知の上での決断らしい。タイトルから受ける印象と映画の中身はだいぶ異なるわけだが、その気持ちはわからぬでもない。この映画は、きわめて対象がニッチで宣伝側としては悩ましいであろう作品だからだ。
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◆ペネロペ・クルスの脱ぎっぷりは健在(55点)
ゲイながら巨乳大好きなスペインの巨匠ペドロ・アルモドバルは、この最新作でもお気に入りのペネロペ・クルスの胸の谷間を追い掛け回す。『抱擁のかけら』は、そんな罪作りなおっぱいの物語である。
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◆早くも本年度を代表する良作の登場か(4点)
映画『食堂かたつむり』は、作詞家で小説家の小川糸による同名原作の映画化。この本は人気テレビ番組「王様のブランチ」で絶賛されベストセラーになったもので、ためしにamazonを見てみると、私が作者だったら枕を泣き濡らすに違いない、心温まる読者レビューの嵐である。
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