ぼくのエリ 200歳の少女 - 福本次郎

◆体温のない体にも心は宿り、好きという気持ちに応えようとする。最初は相いれない禁断の関係に少年を拒絶していたヴァンパイアの少女の、空白を埋めてくれる彼が愛おしくなっていく様子が、寡黙かつ繊細な映像で描かれる。(60点)

 永遠の若さと命を手に入れた代償は太陽を拝めない人生。昼間は暗くしたバスルームで息をひそめ、夜になると欲望を満たすために街を徘徊する。そんなヴァンパイアの少女が、誰にも愛されない少年と知り合いお互いに惹かれあっていく。体温のない体にも心は宿り、好きという気持ちに応えようとする。最初は相いれない禁断の関係に彼を拒絶していた彼女も、己の空白を埋めてくれる少年の存在が愛おしくなっていく様子が寡黙かつ繊細、余白をたっぷり取った寂寥感あふれる映像で描かれる。少年も少女も、感情表現を抑えることで不気味さの中に切なさを醸し出す。

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トイ・ストーリー3 - 渡まち子

◆おもちゃの再出発というエモーショナルな展開で大人を泣かせる傑作。さよならの涙はこんなにも温かい。(85点)

 おもちゃの持ち主アンディは大学生に。屋根裏に行くはずだったおもちゃたちは、手違いで託児施設に寄付されてしまうが、そこは凶暴な子供たちがいるトンデモナイ場所だった。カウボーイ人形のウッディはアンディの元に帰ろうとするが、残ったバズやジェシーら仲間たちに危機が迫っていることを知る…。

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ガールフレンド・エクスペリエンス - 山口拓朗

◆持ち前の美貌やスタイルにおごることなく、完璧なサービスを追求するプロフェッショナルな姿勢には脱帽せざるを得ない(75点)

 「セックスと嘘とビデオテープ」(1989年)、「トラフィック」(2000年)、「オーシャンズ11」(2001年)シリーズ、「インフォーマント!」(2009年)などでおなじみのスティーヴン・ソダーバーグ監督が、主演に人気No.1ポルノ女優サーシャ・グレイを大抜擢した本作「ガールフレンド・エクスペリエンス」は、顧客に「恋人のようなひととき」を提供する高級エスコート嬢の日常を描いた物語だ。

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ロストクライム -閃光- - 福本次郎

◆老刑事の執念と血気にはやる若い刑事のコンビが3億円事件の真実を明かそうとする過程で権力の闇に行きあたる姿を通じて、正義とは何かを問う。しかし、壮大な構想の割にはミステリーとしてのツメが甘く、消化不良感が残る。(40点)

 時効により迷宮入りしてしまった3億円事件。その重要参考人と目された男の他殺体が川に浮かんでいたことから、事件は再び息を吹き返す。老刑事の執念と血気にはやる若い刑事のコンビが真実を明かそうとする過程で巨大な権力の闇に行きあたる姿を通じて、正義とは何かを問う。しかし、壮大な構想の割にはミステリーとしてのツメが甘く、点と点を結ぶ糸がとぎれとぎれになってしまい、途中をはしょられて結果だけを見せられたような消化不良感が残る。

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アデル ファラオと復活の秘薬 - 福本次郎

◆さまざまなトラップが施されたファラオの墓で、裏切り者を始末し横取りしようとする悪党を出し抜くヒロイン。抜群の行動力と胆力・鼻柱の強さを持つ彼女に次から次へと危機が襲いかかり、間一髪で難を逃れる姿は手に汗を握る。(40点)

 さまざまなトラップが施されたファラオの墓から医師のミイラを持ち出そうとするヒロイン。仕掛けを見抜き、裏切り者を始末し、横取りしようとする悪党を出し抜く。抜群の行動力と胆力・鼻柱の強さを持つ彼女に次から次へと危機が襲いかかり、間一髪で難を逃れる姿は手に汗を握る。そんな導入部に、血沸き肉躍る冒険が彼女を待ち受けているのかと期待するが、舞台をパリに移すと急にトーンダウン。作り手はエスプリを効かせているつもりなのだろうが、まったくセンスが合わないコメディを延々と見せられるハメになる。

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さんかく - 渡まち子

◆ビミョーな三角関係には、おしゃれなかけひきや真剣な修羅場もなく、ひたすらドンくさい(55点)

 「あぁ、なんてダメな人たちなんだろう」。見ている間に感じるこの軽い嫌悪感が、見終わった後に自らをふりかえる反省材料へと変貌する。この小さな作品が持つ意外なほどの力に驚いてしまう。30歳の百瀬は自信過剰なダメ男で、同棲中の佳代とは倦怠期。二人の住む部屋に佳代の妹で15歳の桃が、夏休みを利用して遊びにくる。天然なのか早熟なのか、奔放な桃に翻弄される百瀬は、すっかり彼女に夢中になるのだが…。

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ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション - 渡まち子

◆久々の新作だが、第2作の「ザ・リターン」の続きというより、第一作の物語の続編という位置付けだ(50点)

 90年代を代表するSFアクション「ユニバーサル・ソルジャー」の18年ぶりの新作は、オヤジパワーを炸裂させながら、スタントなしで挑む格闘シーンを満喫したい。物語の発端は、チェチェン民族主義のテロリストが、ロシア首相の子息を拉致・誘拐し、原子力発電所を占拠したこと。犯人は、人質の解放と引き換えに独立を要求する。テログループには、寝返った科学者が作り出した最先端の兵士再生プログラム“NGU”によって誕生した最強の兵士がいた。一方、このテロに対抗できる戦力として、社会に戻るためリハビリ中だった初代のユニソルのリュックを、再び兵士として送り込むことに。NGUの最強ソルジャーVS初期兵士再生プログラム“ユニソル”のリュックが対峙する。さらに、冷凍冬眠から覚めた旧敵スコットが現われるが…。

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踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! - 福本次郎

踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!

© 2010 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

◆2時間余りの上映時間に収まりきれないほどの雑多な要素を凝縮する反面、主人公の思いは独白で、感情は音楽で丁寧に解説し、普段バラエティ番組しか見ない観客層をもてなすかのようなかゆい所に手が届くサービス精神を見せる。(50点)

 圧倒的な物量作戦と人海戦術、カネと手間を惜しみなく掛けた壮大な映像と次から次へと迫る危機、そして階級と命令系統が複雑に入り組んだ人間関係の中で繰り広げられる葛藤とジレンマ。2時間余りの上映時間に収まりきれないほどの雑多な要素を凝縮する反面、主人公の思いは独白で、感情は音楽で丁寧に解説し、普段バラエティ番組しか見ない観客層をもてなすかのようなかゆい所に手が届くサービス精神を見せる。ただ、あらゆる表現が過剰で、その押しつけがましさは織田祐二の熱演以上に暑苦しい。

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ガールフレンド・エクスペリエンス - 福本次郎

◆セックスを伴う1対1のサービスを提供するエスコート嬢にとって、自分の判断・行動はすべて収入という結果に結び付く真剣勝負。映画は、「売春婦」という非合法な職業でありながら、プロとして強烈な向上心をもつ彼女の数日を追う。(50点)

 顧客の要望を満たすだけでなく、何を欲しているかを素早く読み取り、期待に応える。セックスを伴う1対1のサービスを提供するエスコート嬢にとって、自分の判断・行動はすべて評価に結び付く真剣勝負、それは収入という結果に表れる。シビアな世界でトップクラスの売り上げを誇るヒロインの日常は、刺激的であると同時に魅力的でもあるが、カネに溺れるような雰囲気とはほど遠い。冷静に自己を見つめ、商品価値を高めるための投資や努力も怠らない。映画は、「売春婦」というある種後ろめたい職業でありながら、プロとして強烈な向上心をもつ彼女の数日を追う。

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ロストクライム -閃光- - 渡まち子

◆当時の時代背景と警察組織内のタブーをえぐりながら進んでいく(60点)

 昭和最大の未解決事件を追う刑事が、巨大でどす黒い闇の中に、その執念ごと呑みこまれるクライム・サスペンスだ。異様な犯罪は、過去と現代を揺るぎなく結びつけ、関わった人間を呪縛する。出世を夢見る若手刑事の片桐と、定年間近のベテラン刑事の滝口は、ある殺人事件でコンビを組むことに。傍若無人な滝口の振る舞いに困惑しながらも、その事件の被害者が三億円事件の犯人グループの一人と分かったことから、恐るべき真相に辿り着く。と同時に二人は、警察組織の中の陰謀に係る闇へと引きずり込まれていくことになるが…。

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トイ・ストーリー3 - 岡本太陽

◆あのピクサーの名作アニメが11年振りに帰って来た!(80点)

 本編よりも面白いのではと思わせられた1999年『トイ・ストーリー2』の約5分間のオープニングシーン。スターウォーズを思わせる凝った演出で冒頭からわたしたちは心を鷲掴みにされてしまったが、11年の後に3D映画としてスクリーンに登場する事になったシリーズ最新作『トイ・ストーリー3(原題:TOY STORY 3)』ではちょっとハラハラする西部劇風のオープニングで物語の幕を開ける。ウッディ(トム・ハンクス)、バズ・ライトイヤー(ティム・アレン)、ジェシー(ジョアン・キューザック)、ミスター&ミセス・ポテトヘッド(ドン・リックルズ&エステル・ハリス)、ハム(ジョン・ラッツェンバーガー)やレックス(ウォーレス・ショーン)といった主要キャラクターを総登場させるこのオープニングはまさにピクサーの余裕を感じさせる。

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アデル ファラオと復活の秘薬 - 渡まち子

◆フランスの国民的人気コミック「アデル・ブラン=セック」シリーズの実写映画化だが、ハリウッド映画ばりの冒険アクションと、フランス映画らしいおしゃれなセンスが効いている(60点)

 良くも悪くも仏映画をエネルギッシュにしているのがリュック・ベッソンだが、本作はヒロイン・アドベンチャーでたっぷり楽しませるエンタメ映画になった。1911年のパリ。世界中の不思議を追う美人ジャーナリストのアデルは、仮死状態の妹を救うため、エジプト王家に伝わる復活の秘薬を入手すべく王家の谷にいた。ピンチを切り抜けてパリに戻ってみると、そこでは、翼竜・プテロダクティルスが孵化し、人々を襲うという事件が勃発、街は大騒ぎになっていて…。

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ザ・コーヴ - 前田有一

◆偽善者ホイホイ(60点)

 和歌山県・太地町で行われているイルカの追い込み漁を止めようとする、反捕鯨活動家たちのアウトローな活躍の姿を、けれん味たっぷりの演出で描いたドキュメンタリー。冗談好きなオスカー会員たちの悪ふざけか何かで、アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞した話題作だ。多数の捕鯨反対派へのインタビューと、太地町のイルカ捕殺現場への侵入アクションで構成されている。

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踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! - 渡まち子

踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!

© 2010 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

◆シリアスに思えるが、中身は確信犯的にユルユルな物語(55点)

 日本映画の興収記録を塗り替えてきたシリーズの7年ぶりの最新作は、過去の登場人物総出演の趣で、まるで同窓会か歌舞伎の顔見世興行のようだ。湾岸署を襲った連続殺人事件から7年が経ち、青島刑事は強行犯係係長に昇進、新湾岸署への引越しを一任される。だが、引っ越しの真っ最中に、湾岸署管内で、金庫破りやバスジャック、さらには青島らの拳銃が3丁が盗まれるという事件が次々に発生。特別捜査本部が設置され、管理補佐官の鳥飼とともに青島たちは捜査を開始するが、ついに新・湾岸署が占拠されてしまう…。

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レポゼッション・メン - 福本次郎

◆持って生まれた心臓には宿っていない情けという気持ちが、金属の心臓には備わっていた皮肉。映画は主人公の心境の変化と、彼に降りかかる危険を振り払う過程を通じて、人格を損なわずに心を入れ替えることが可能かを問う。(50点)

 “heart”とは、体に血液を循環させる臓器であると同時に喜怒哀楽や善悪愛憎といった感情の拠り所。職務上の任務であれば冷酷に徹していた主人公が、人工心臓を移植されると人の命を奪えなくなる。持って生まれた心臓には宿っていない情けという気持ちが、金属の心臓には備わっていた皮肉。映画はそんな男の心境の変化と、彼に降りかかる危険を振り払いつつ真実に近づいていく過程を通じて、肉体の機能は機械に代替させると同時に、人格を損なわずに心を入れ替えることも可能なのかを問う。しかし、歪んだ世界では正義や良識が排除の対象になるのだ。

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