ある日突然、ミツバチが消えた。間もなく、NYのセントラル・パークで人々が突然倒れる異常現象が起こり、街では自殺者が続出する。科学教師エリオットは、家族や同僚と共に安全な場所を目指して避難するが…。
ハプニング - 渡まち子
ドラゴン・キングダム - 福本次郎
雲に乗った猿が高い山の頂で長い棒を振り回して暴れまわるという、なじみの深い孫悟空の世界にいきなり観客を誘う。それは今まで何度も映像化されてきた孫悟空とよく似ており、本場の中国人が演じているのにも関わらず日本製の孫悟空と変わりばえしないところにかえって違和感を覚えてしまう。なぜ、誰も見たことのないような孫悟空像を創造しなかったのだろうか。米国人にはこのほうが受けるのかもしれないが、日本で見るとジェット・リーが香取慎吾の二番煎じに見えてしまうところが非常に惜しい。
敵こそ、我が友 ?戦犯クラウス・バルビーの3つの人生? - 福本次郎
ハリウッド映画に描かれるような、ナチス対連合国という単純ではない第二次世界大戦の構図。特にフランスのように一度ドイツに降伏した後に戦勝国になった場合、そのシチュエーションは二元論では語ることはできない。さらに終戦後のドイツの混沌の中、反共のためには元ナチスとも手を組む米国・バチカンの節操のなさ。それは戦場で殺し合いをするだけではない裏切りと欺瞞に満ちた正史の裏側、膨大なアーカイブから集めた資料映像と生存者へのインタビューで再現されたひとりの戦犯の生涯を通じて、戦争の真実に迫る。
崖の上のポニョ - スタッフ古庄
◆幼児版(?)人魚姫ならぬ金魚姫♪・・・かわいいけどね・・(60点)
『ハウルの動く城』から4年!宮崎駿監督待望の新作です!宮崎駿監督の完全オリジナル作品で、CGを使わず、ほぼ手描きの長編アニメーションです。
おいしいコーヒーの真実 - 渡まち子
作品の志は高いが内容がおとなしすぎる。コーヒー原産国エチオピアでの搾取の実態を訴える人物タデッセ・メスケラを追う記録映画だ。極貧のコーヒー農家と、無邪気に消費する先進国の対比や、生活のため麻薬を育てる実態に愕然とする。だが企業の利益優先はどんな産業でも同じ仕組みだ。多国籍大企業は取材拒否だろうが、スタバの客にインタビューして実態を訴えるくらいのガッツがほしい。まずは“認知”がこの映画の目的なのだから。
百万円と苦虫女 - 福本次郎
深い人間関係を築くことが苦手で、ただひっそりと生きていこうとする女。非常に内省的で、たいていのことは自分の中で完結させ、外部には迷惑をかけないかわりに干渉もされたくない。きっと一日中誰とも口を利かなくとも平気で、むしろその方が気楽と感じているのだろう。そんな過剰に気を使うがゆえにバリアを張ってしまうようなヒロインを、眉間にしわを寄せた不機嫌な表情で蒼井優が好演。結局、不器用にしか生きられないままだけれど、少しだけ成長する姿をカメラはやさしい視線でとらえる。
GATE A TRUE STORY - 福本次郎
広島を焼き尽くした炎を絶やさず燃やし続ける平和への執念が米国人の琴線に触れ、原爆の悲劇を60年の年月を経て始まりとなった場所で終わらせる。ひたすら真夏の太陽の下を歩く僧侶たちの目的を知り、無償の支援やお布施をする人々の姿に、世界の警察として紛争地域に派兵する米国も市民レベルでは戦争にうんざりしている人々がたくさんいることを教えてくれる。願い、祈るだけでなく、行動することが共感を呼び、大きなうねりとなって政治すら動かす。純粋な善意が動機の行為は必ず賛同者が現れるのだ。
センター・オブ・ジ・アース - 岡本太陽
「八十日間世界一周」、「海底二万マイル」、「十五少年漂流記」の作者として知られるSFの父ことジュール・ヴェルヌ。実に多くの人に愛されている彼の作品の中に「地底探険」がある。これはアメリカが制作した1959年のヘンリー・レヴィン監督、パット・ブーン、ジェームズ・メイソン出演の『地底探険』を始め、ヴェルヌの祖国フランス以外でも映画化がなされ、時にはアニメ化もなされている人気の高い作品だ。そのヴェルヌの「地底探険」が実写3D映画『センター・オブ・ジ・アース(原題:JOURNEY TO THE CENTER OF THE EARTH)』として2008年夏スクリーンに登場する。主演には『ハムナプトラ』のブレンダン・フレイザーを迎えており、この新作は冒険映画でかつコメディ要素のある映画であることが伺える。
ビルと動物園 - 渡まち子
派手さはないが、作り手のまなざしは温かい。うだつの上がらないOLとビル清掃のバイトをする音大生の淡いラブストーリーだ。将来への不安で揺れる気持ちが、大仰なセリフではなく微妙な表情で語られる様子がいい。寡黙な父の精一杯の励ましも泣ける。高層ビルの窓ガラス越しに出会い、少しずつ地上に近くなる展開が物語を象徴している。地味だがリアルな佳作だ。
たみおのしあわせ - 渡まち子
これほどの豪華キャストなのに、作品にまったく好感が持てないのは、登場人物全員がイヤな奴だからか。悪いヤツならまだ救われるものを。子離れできない父と成り行きまかせの息子が、結婚しようと奮闘する。名作青春映画を意識したラストは、幸せな未来ではなく、大人になることを拒み過去へと逃避するものだ。不完全燃焼は狙ってのことだろうが、これでは共感は得られない。ダサいオダジョーと謎の人物・忌野清志郎は秘かにウケた。
地球でいちばん幸せな場所 - 佐々木貴之
◆かりそめのベトナム観光を疑似体験できる(80点)
10歳の少女トゥイ(ファム・テイ・ハン)は両親を亡くして以来、叔父が経営するすだれ製造工場で働きながら暮らしている。だが、仕事のミスで叔父にキレられることに嫌気がさし、家出する。辿り着いたホーチミンの街で、知り合ったフーティウ店の少年の紹介でバラの花束売りの仕事をすることになったトゥイは、誰も知らない人たちばかりのこの街で客室乗務員のラン(カット・リー)と、動物園の飼育係担当の青年ハイ(レー・テー・ルー)に出会う。トゥイは、三人で暮らすことを願って二人を引き合わせるのだが……。
敵こそ、我が友 ?戦犯クラウス・バルビーの3つの人生? - 前田有一
能力の高い人材は職場を問わず活躍できるので、不況になっても食いっぱぐれることがない。諜報の分野にもどうやらその法則は当てはまるようで、裏社会の人脈に通じ、たくさんの拷問法を知っていて、かつ自分の手でそれを実行できるような才能はそう簡単に裁かれる事はない。
ドラゴン・キングダム - 前田有一
今週はカンフーの映画が重なったが、話題性はこちらがダントツ。なんといってもジャッキー・チェンとジェット・リーが共演、しかも対決シーンがあるというのだからたまらない。長年の友人同士というこの二人が、スクリーンで戦うというのはもちろん史上初。実現しただけで嬉しいようなほっとするような、そんな気になる大ニュースである。
カンフー・パンダ - 前田有一
カンフー映画が大好きなお父さんも、動物好きの女の子も、アニメ好きの少年も、あるいは吹き替え声優のファンたちも、全部まとめてとりこもうという『カンフー・パンダ』は、目論見どおり全米では大ヒットを記録した。
ダークナイト - 岡本太陽
クリストファー・ノーランのこの夏の新作は凶暴だ。これは2008年の夏の映画の最も大きな作品でありながら、深く、詩的ですらあり、わたしたちを暗黒の世界へいざなう。2005年に『バットマン・ビギンズ』で『バットマン』シリーズの新境地を切り開いたノーランが、3年後の今放つその続編『ダークナイト(原題:THE DARK KNIGHT)』はヒーロー映画の域を完全に超越しており、驚きと狂気に満ち溢れ、わたしたちにその牙を向ける。


























