ぜひ小さい息子さんとご一緒に(90点)
手塚治虫の代表作で、日本アニメの元祖的存在「鉄腕アトム」は、意外だがこれが初の劇場版となる。製作したのは香港発のアニメ制作会社「イマジスタジオ」。そこにハリウッドスターが声を当て、米国では300スクリーン越えの大規模公開、その他50カ国以上で上映が予定されている。日本原産のコンテンツとしては、大本命といってよい話題作である。
ぜひ小さい息子さんとご一緒に(90点)
手塚治虫の代表作で、日本アニメの元祖的存在「鉄腕アトム」は、意外だがこれが初の劇場版となる。製作したのは香港発のアニメ制作会社「イマジスタジオ」。そこにハリウッドスターが声を当て、米国では300スクリーン越えの大規模公開、その他50カ国以上で上映が予定されている。日本原産のコンテンツとしては、大本命といってよい話題作である。
ヒロインはいい女だが、だからこそ男は耐えられない(60点)
同じ週に公開される『カイジ 人生逆転ゲーム』が新世代のだめ人間を描いているとしたら、『ヴィヨンの妻 ?桜桃とタンポポ?』の主人公は元祖ダメ人間。生誕100年となる太宰治による短編『ヴィヨンの妻』をベースに、他のさまざまな作品の内容を組み込んだ、太宰文学(の中のダメ的側面)集大成のごとき内容となっている。
ラジオ好きのための感動群像ドラマ(70点)
ラジオファンにとって、パーソナリティーとは憧れの存在。なまじ声しか聞こえないから、妄想いや想像によっていくらでも膨らませることができる。一家団欒でラジオを囲んで食事する人などいないように、このメディアは出演者と一対一で向き合うような、パーソナル感が最大の魅力である。パーソナリティーとの距離感は、テレビとは比較にならないほどに近い。
東野圭吾の社会派ミステリを映画化(60点)
手元にはあるのだが、あまりの分厚さにいまだ原作を読んでいない。だから映画との違いはわからないが、なんとなく想像がついてきた。というのはすなわち、なぜこの映画がイマイチなのか、という理由についてである。
見終わったあとに議論がまきおこる(85点)
どんなに若くても、女は女。たとえ11歳の子供に見えても、その中には大人をさえうならせるオンナの一片が必ず入っている。
◆「揃いも揃ってクズでござい、って顔してやがる!」(80点)
福本伸行の漫画は、手軽に人生の極意を学べることで、若い人に大人気だ。独特の台詞回しや擬音、個性的な絵柄など、語るに足る要素を多く備えることから、インターネット上でも共通のネタ基盤として確立されている。『カイジ ~人生逆転ゲーム~』は、その待ちに待った、そして誰もが「無理だろ」と思う実写映画化である。
美少女好きにもすすめたい、衝撃の一本(75点)
『エスター』は、ある日ロシアから美少女が養子としてやってくるお話である。それはある種の嗜好を持つ人にとっては特に素敵な状況であろうが、正直なところ、そういう人にもぜひ本作を見てほしい。その理由は、いすから転げ落ちたついでに床をも突き破る、常識はずれの衝撃的結末をみればすぐにわかる。
◆100回死んでもおかしくない無茶なドライビング(60点)
「ワイルド・スピード」シリーズといえば、国産車(アメ車)や輸入車(日本車など)をハイレベルにチューンナップ&カスタムしたクルマが、激しいカーチェイスをくり広げる現代カーアクションムービーのけん引者的存在。これまでに、キャストや舞台を微妙にチェンジしながら第3作まで製作されたが、今回は「MAX」と銘打って、シリーズ最大級的な雰囲気をアピール。キャストにもオリジナルメンバーを集結させるなど、ファンの期待を煽っている。
◆涙によるデトックス効果は今年No.1(80点)
11歳のアナ(アゲビイル・グレスリン)は、小児白血病を患う姉のケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)のドナーとなるべく両親が遺伝子操作でもうけた子供であった。母親(キャメロン・ディアス)は、ケイトのためにアナが協力するのは当然だと思っていたが、ある日、アナが両親を相手に訴訟を起こした。「もうケイトのために手術を受けるのはイヤ」と。母はアナの行動に憤慨するが……。
◆コーエン兄弟が描く真面目に生きる男の悲劇(85点)
『ライフ・イズ・ビューティフル』というタイトルの映画があるように、何があっても人生は素晴らしい。片や、人生ってものは最悪で、悲惨な出来事の連続でしかない。コーエン兄弟(ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン)の新作『A SERIOUS MAN』は後者を語る。これが本当のディザスタームービーと言わんばかりに、主人公の中年男に次々と災難が降り掛かるのだ。
脚本には大いに難があると言わざるを得ない(50点)
邪悪な子供が主人公というと「オーメン」のようなホラー映画を想像するが、本作はむしろ異色の心理サスペンス。赤ん坊を死産で亡くしたケイトとジョンの夫妻は、心の空白を埋めるため、孤児院から養子を迎える。だが、その少女エスターが家に来た日から次々に奇妙な出来事が起こり始める。気のせいだと取り合わない夫ジョンとは裏腹に、エスターに不気味な気配を感じたケイトは、家族の身の危険を訴えるが、周囲は信じてくれなかった。
◆サスペンスとしての面白さに注目したいホラー作品(75点)
近年、外国映画の3D作品が目立っている。そんな中、ついに日本映画もこの3D作品製作に乗り出した。日本初の3D作品、それが『戦慄迷宮3D』なのだ。監督は清水崇。
藤原竜也、天海祐希が好演(60点)
人生一発逆転。そんな上手い話は疑ってかかるのが普通だが、才能も目的もなく生きる主人公はヤバい夢にすがりつくしかない。自堕落な毎日を送る26歳フリーターのカイジは、多額の借金を帳消しにするため金融会社の女社長・遠藤の話に乗る。ある秘密の船に乗船し、負け組の男たちを集めてジャンケンのような単純な勝ち負けを競う勝負に参加。なんとかクリアするが勝負は終わりではなく、それは一握りの金持ちが仕組んだ残酷なゲームの序章にすぎなかった。非日常的な状況の中でチャンスをものにすべく奮闘する人間たちを描いていく。
◆男心を存分にくすぐらせてくれる(75点)
チャールズ・ブロンソン主演の“デス・ウィッシュ”シリーズの第一弾でブロンソン映画の傑作として未だに人気の高い『狼よさらば』(74)の原作は、ブライアン・ガーフィールドの同名小説であり、その続編に当たる「Death Sentence」はシリーズの原作として映像化されなかった。だが、ブロンソン亡き後に映像化がやっと実現したのである。監督は、年一回のペースで世に送り出されている『ソウ』シリーズの生みの親であるジェームズ・ワン。
投資会社勤務のヒューム(ケビン・ベーコン)は、ごく普通の真面目なサラリーマンであり、妻と息子二人の四人家族で幸せな生活を送っている。ある日、ヒュームはホッケーの試合を終えた長男ブレンダンを車に乗せて帰路に向かっている途中にガソリンが少なくなり、スタンドで給油をするが、その時、武装したギャング団がスタンドを襲撃する。ブレンダンはヒュームの目の前で首を刃物で切られてしまい、病院に搬送したものの死亡。連中は逮捕されたが、ヒュームは刑罰内容に納得できず、法の裁きを断念。ブレンダン殺しの張本人は釈放されてしまう。怒りに怒りを重ねたヒュームは、警察や法律といった手段を一切使わずに自らの手で連中を蹴散らすことを決意。復讐に燃える一匹狼となったヒュームの孤独な戦争が始まった。
70年代前半から80年代半ば頃に多数製作されたヴィジランティ系アクション映画の雰囲気を再現させた本作は、単純明快でわかり易い上にかなり面白く仕上がっている。しかも男心を存分にくすぐらせてくれるのだからこんな作品を待っていたという男性には、持って来いだ。
内容は、まさに『狼よさらば』に似通っている点も観られるが、アクション映画としての魅せ方は非常に秀逸であり、ド派手な爆破や激しいカーチェイスはないものの面白さをしっかりと味わえるように作られていることが何よりも良い。
ヒュームが一人殺すと自身に危険がじわじわと迫り、それが更なる悲劇を招いてしまう。その後は面白さがヒートアップしていく。ブレンダンの革ジャンを着込み、頭を刈り、身も心も傷ついた復讐の狼、鬼、戦士として敵を追い求め、ショットガンで蹴散らしていく。ここで描かれる銃撃戦は、これぞスーパー・バイオレンス・アクションと呼ぶに相応しい描き方であり、強烈さを遺憾なく発揮している。しかもこれがかつての勧善懲悪系アクション映画のようにスカっと良い気分にさせてくれる。とにかく細かいことに拘ったり、ゴチャゴチャとツッコミを入れたりせずに素直に受け入れて楽しむべきだ。ようは、理屈抜きに楽しんだ者勝ちということなのである。
アクションやバイオレンスも良いが、ケビン・ベーコンの姿も最高だ。先般公開された『96時間』も娘を拉致して傷物にした敵を相手にリーアム・ニーソン扮する元凄腕スパイのオヤジがハイテンションに大暴れするというアクション作品だったが、本作のケビンの暴走オヤジも良い味を発揮している。アクション面は、リーアムのオヤジは元凄腕スパイということでハードに描かれたが、本作のケビンのオヤジは普通の真面目なリーマンということで派手さは抑え目で丁度良い感じであるものの、それにしても少しやり過ぎているという感じもする。男臭さの面では、リーアムよりも遥かにケビンの方が勝っている。眉間にシワを寄せ、次第に寡黙な男へと変貌していく模様は、真の男への成長なのだ。しかも敵連中を蹴散らしていく姿からは、鶴田浩二や高倉健が活躍した一連の東映任侠ヤクザ映画や『ローリング・サンダー』(77)のウィリアム・ディヴェインを彷彿とさせ、これが面白さの一つだと捉えることもできる。とにかくアクションスターではないケビン・ベーコンのアウトロー系アクション映画のアンチヒーローは最高だと言いたい。
古き良き時代の男性向け娯楽アクションの復活というべき本作は、アクション映画好き男児にはオススメだ!! と言うよりも絶対に観るべきだと言いたい!!