◆アニメだからこそ描くことができた(85点)
元イスラエル軍兵士であったアリ・フォルマン監督が、自身の戦争体験を基にしたドキュメンタリー・アニメ作品。
◆ロックや音楽好き、クリエイティブな表現活動に関心のある方にオススメ(60点)
日本のロックシーンを語る上で外すことはできない伝説のバンド、キャロルのフロントマンにして、還暦を迎えた今もなおアリーナやスタジアム規模の会場を熱狂的なファンで埋め尽くすことができる永ちゃんこと矢沢永吉のドキュメンタリー。永ちゃんファンはもちろん、ロックや音楽好き、クリエイティブな表現活動に関心のある方にオススメの1本だ。
◆地割れと陥没をリムジンで逃げ切り、崩落するビルの谷間を飛行機をでかいくぐる。主人公に迫りくる危機を圧倒的な情報量の映像と重低音のサウンドで再現し、体験型アトラクションに乗っているようなアドレナリンの大量分泌を促す。(60点)
猛スピードで追ってくる地割れと陥没をリムジンで逃げ切り、降り注ぐ火山弾や崩落するビルの谷間を飛行機をでかいくぐる。主人公に迫りくる危機また危機を、圧倒的な情報量と重低音のサウンドで再現し、そのスリルと興奮はまさにテーマパークの体験型アトラクションに乗っているようなアドレナリンの大量分泌を促す。人間的なドラマなどこの作品には付け足しに過ぎず、大規模な地震・津波・溶岩噴出など地球の崩壊を目の当たりにしなんとかサバイバルしようとする男の体感を、ひたすら観客にも味あわせようというサービス精神の詰まった映像は、むしろ爽快なカタルシスさえ覚える。映画は見世物と割り切り、脳幹を刺激することだけに徹した作り手の姿勢は心地よい。
◆中卒・引きこもり・ニートの青年がやっと見つけた正社員の働き口は異常に劣悪な職場だった。それでも己を見失わず、今までの人生から脱却しようと奮闘する姿を通じ、働くこと・頑張ること・最後までやり遂げることの意味を問う。(40点)
入社初日からいきなり深夜まで残業、手当てなど当然出ない。中卒・引きこもり・ニートという就職氷河期における三重苦を背負った青年がやっと見つけた正社員の働き口。そこは、長引く不況で人件費が削減され、異常に劣悪な環境で働かざるを得ない、地獄のような会社だった。物語はそんな職場でも己を見失わず、なんとか今までの人生から脱却しようと奮闘する主人公の姿を通じ、働くこと・頑張ること・最後までやり遂げることの意味を問う。しかし、軍隊や「三国志」といったデフォルメされた彼の心象風景がいちいち押し付けがましくて興を殺ぐ。
◆周囲の目を気にしながら生きるエスパーたちのつつましさがほほえましい。透視や電磁波、念動力に時間凍結、そんなパワーを持ちながらせこい用途にしか応用できない彼らの現実が、超能力に対する偏見をリアルに反映している。(40点)
特殊な力を持っているのに、大っぴらに発揮するととんでもない災難が降りかかることが分かっている。そんな、周囲の目を気にしているエスパーたちのつつましさがほほえましい。透視や電磁波、念動力に時間凍結、パワーを自販機の懸賞やうどんに入った髪の毛を取るといったせこい用途にしか応用できない彼らの現実が、超能力に対する偏見をリアルに反映している。世間の好奇心と能力を利用しようとする権力者、ひっそりと生きていたい彼らにはいちばんの天敵なのだ。
◆知られざる未公開映画の世界。日本的な伝説にゾンビのテイストを加え、「ブレアウィッチ」的な手法で撮ったゾンビ・スプラッター(55点)
劇場公開されず、DVDのみで発売されるような自主制作、インディペンデントの作品の中にも、意外に面白かったり、驚かされたり、呆れたり、マニア心をくすぐられたり・・・・とにかく、無視するには惜しいものがある。「B級」どころか、時には「Z級」かも知れない作品群だが、そこにも映画の楽しさは確実に存在する。そんな作品を少しでも伝えたいというのも、「映画ジャッジ!」に参加した理由の一つだ。もちろん、劇場公開作と比べ、予算も人手も時間もかけられていないので、同じように評価は出来ない。そこで、<未公開作としての評価>と明記して点数を付けることにした。「知られざる未公開映画の世界」を少しずつ紹介していきたい。
◆「ホラー映画向上委員会」第1回上映作。日本的な恐怖を描いて、自主映画としては驚くほど出来がいい。(85点)
今年8月、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)のホラー映画コミュニティで知り合ったファンらが「ホラー映画向上委員会」というグループを結成した。名前の通り、ホラー映画の地位向上のため、良質のホラーを選んで上映するのが目的だ。
◆B級映画らしい面白さの中に、Z級映画のバカバカしさが顔を出し、意外に楽しめるSFコメディー(66点)
本作は元々、超低予算で撮影する予定がどんどん規模が膨らんでいったという。結果、大作とはいえないがそれなりの格好になった。もっとも、Z級がB級になった程度ではある。だが、Z級らしいバカバカしさが消えずに残っているのがかえっていい。それがスパイスとなって、独特のテイストに仕上がっている。
◆女の子は積極的に噛まれたい!(60点)
約1年前、アメリカ全土でステファニー・メイヤーの同名小説を映画化した『トワイライト?初恋?』が公開された(日本は今年4月公開)。そして封切りと共に、人間とヴァンパイアの悲恋を描くその映画は女子を中心にブームを巻き起こした。『ニュームーン/トワイライト・サーガ(原題:THE TWILIGHT SAGA: NEW MOON)』はその待望の続編。「葛藤」を全面に押し出した非常に感情的なストーリー展開で、本作はロマンティックな前作とは違う様相を見せる。
◆気楽なB級娯楽映画として楽しめる作品(65点)
巨大化した生物を扱ったモンスター・パニック作品は、70年代に量産された。中でも虫の巨大化及び異常化をネタにしたモノも多く存在した。
◆監督たちの狙いをしっかり汲み取った邦題にすればよかった(30点)
ラブコメの女王、なるフレーズが死語になって久しい。最近の米映画は熟女ラブコメとでも呼ぶべき作品が花盛りで、このジャンルで活躍する女優はもう一人や二人じゃないわけだ。
◆なぜかいつも裸のマッチョくん(60点)
若い女性の皆さんが思い切り感情移入して楽しむファンタジック・ラブストーリーのパート2である本作は、相変わらず障害だらけの恋にイケメン&美少女が悩まされる胸キュンな展開が楽しめる。
◆終盤の対決シーンが良くできている(65点)
サバゲーをやっていたら、相手がBB弾ではなく実弾を撃ってきました。ルール違反にもほどがあると思うのですが、どうしたらいいでしょうか?
◆ハワイを舞台にしたミラ・ジョヴォヴィッチ主演のサスペンス・アクション。ウソが本当に、本当がウソになる逆転が見事(72点)
この映画に関しては、何を書いてもネタバレしてしまいそうだ。一部に熱狂的なファンがいる「ピッチブラック」のデヴィッド・トゥーヒー監督らしい、凝ったストーリーには感心させられた。
◆「マッハ!」「トム・ヤム・クン!」でアクション映画の歴史を変えたトニー・ジャーが、今回も人跡未踏の領域に踏み込んだ。次々と繰り出されるアクション場面は圧倒的に凄いが、これは「前編」に過ぎない。話が完結していないのだ(88点)
トニー・ジャーは、ジェット・リー、ジャッキー・チェンと並び、現代のアクション俳優の中で最高峰の一人だろう。「マッハ!」(2003)「トム・ヤム・クン!」(2005)の両作では、これまで見たことがないハイレベルなアクションに、本当に驚いた。この新作は、「マッハ!」の続編のようなタイトルだが、前作と話は別物だ。今度は、日本人町があり、山田長政も住んでいたというあのアユタヤ王国(1351?1767)の時代が舞台で、クンフー映画だが歴史ファンタジーの要素もある。