真幸くあらば - 渡まち子

◆印象に残るのは淳が描く鉛筆画(40点)

 風変わりなこのタイトルは「まさきくあらば」と読む。題名同様、中身の方も個性的だ。遊ぶ金ほしさに強盗に入りカップルを殺害した淳は、控訴も拒み自ら死刑囚となる。そんな彼のもとを、ボランティア・スタッフの女性・薫が訪れる。彼女は淳が殺した男性の婚約者だった。婚約者は自分以外の女性との逢引の最中に殺されたのだ。薫は、淳になぜか惹かれていく。愛の意味さえ知らなかった淳もまた、薫によって生きる喜びを知ることに。秘密の方法で互いの愛情を伝え合う二人だったが…。

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釣りバカ日誌20 ファイナル - スタッフ古庄

◆ありがとう! そしてお疲れ様!(50点)

 大手ゼネコン鈴木建設のトップ、鈴木一之助ことスーさん(三國錬太郎さん)と、万年平社員 ハマちゃん(西田敏行さん)の名コンビがついにファイナル!

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処刑山 デッド卍スノウ - 小梶勝男

◆タイトルはシリアス風だが実は爆笑スプラッターホラー。後半の残酷描写はかなり派手で、笑える場面もたくさんある。この手の映画が好きな人にはお薦めだ(66点)

 本作は「高名な霊媒師」の忠告によって、マスコミ試写を行わないという。じゃあどうやって見たのかというと、単にサンプルのDVDを取り寄せたのだが、子供っぽいギミックが、何だかワクワクするではないか。珍しい北欧ノルウェイのゾンビ映画で、「ノルディックホラー」を謳い、チラシには「ノルディック呪いディック」なんて書いてある。ダジャレとしては苦しいが、とにかく楽しそうな雰囲気は伝わってきた。

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ずっとあなたを愛してる - 福本次郎

◆彼女は心を閉ざし、笑顔は見せない。まるで自らを罰するかのように、他人のやさしさから距離を取る。罪の意識と死の影にさいなまれるヒロインを、クリスティン・スコット・トーマスが抑制の中にも鋭い悲しみを利かせて演じる。(70点)

 その女は心を閉ざし、笑顔は見せない。まるで自らを罰するかのように、他人のやさしさから距離を取り、言葉も控えめだ。そんなヒロインが、妹と新しい友人に恵まれて人生を見つめなおす過程がミステリー仕立てで描かれる。いったい何が起きていたのか、なぜ長期間にわたる不在があったのか、映画はそれらの疑問の答えを小出しにしながら、衝撃の真実に迫っていく。罪の意識と死の影にさいなまれながらも生き続ける道を選ぶ彼女を、クリスティン・スコット・トーマスが抑制の中にも鋭い悲しみを利かせて演じ、物語に深い奥行きをもたらしている。

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ティンカー・ベルと月の石 - 福本次郎

◆自分ではどうにもならない難局にぶつかったとき、頼りになるのは魔法よりも友人。様々な魔法が使えるヒロインが、いざという時に友情に救われる。映画は他人の知恵と力を借りれば物事は何倍にもはかどることを教えてくれる。(50点)

 ひとりではどうにもならない難局にぶつかったとき、頼りになるのは魔法よりも友人。妖精として様々な魔法がを使えるヒロインが、いざという場面で友情に救われる。邪魔をされ、鬱陶しく感じる時もある。我慢できずに口論になり感情にひびが入ることもある。それでも相手を許し先に「ごめんなさい」と謝る。その一言こそが不可能を可能にする“魔法の言葉”であると彼女は身をもって経験する。映画は彼女の冒険を通じて、他人の知恵と力を借りれば物事は何倍にもはかどる現実を教えてくれる。

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NINE - 岡本太陽

◆大事件! これはフェリーニの『8 1/2』に対する侮辱だ!(3点)

 例えば、誰かに好きな映画は何かと聞かれたら、映画好きの多くがフェデリコ・フェリーニの『8 1/2』をその1つに挙げるだろう。それは製作年から40年以上たった今でも人々に愛され続けている世紀の作品であり、1982年にはブロードウェイミュージカル化もされ(2003年にはリバイバル上演された)、巨匠の魂は形を変えながらも時代を越え受け継がれている。『8 1/2』を基にした『NINE/ナイン(原題:NINE)』は『シカゴ』『SAYURI』で知られるロブ・マーシャル監督最新作。舞台出身の監督なだけに本作は『シカゴ』同様ミュージカル映画となっているのだが、これは衝撃的な事件だ。傑作が汚されてしまった。

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シャーロック・ホームズ - 岡本太陽

◆ガイ・リッチー監督作のホームズは喧嘩が強い!?(70点)

 もう数えきれない程、映画化やテレビシリーズ化されている現代推理小説の生みの親アーサー・コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」。ベーカー街221Bにあるハドスン夫人の所有するアパートに住む細身の長身で、エレガントな風貌の私立探偵という基本的なホームズらしさを踏襲しつつも、主人公ホームズ像も作品によって様々に工夫されてきた。

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アバター - スタッフ古庄

◆正月映画の定番(!?)超大作!!! そして・・・(80点)

 イヤ~。

 スゴかった。

 確かに、大作だ!!!

 んでこれは、子供にも優しい社会派映画ですぜっ!

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すばらしき父さん狐 - 岡本太陽

◆ウェス・アンダーソンの世界では父さん狐が渋くてカッコいい(85点)

 アレクサンドル・デプラの軽快で心地良いサウンドトラックがまるでもう1つの脚本の様に、物語を綴ってゆくウェス・アンダーソン監督最新映画『すばらしき父さん狐(原題:FANTASTIC MR. FOX)』。ヘンリー・セリックに代わり、マーク・グスタフソンがアートディレクションを手掛け、哺乳類の動物たちを擬人化させた人形がストップモーションでアクションや家族ドラマを繰り広げる。それらの動物の人形の声に扮するのも、ジョージ・クルーニー、メリル・ストリープ、ジェイソン・シュワルツマン、ビル・マーレイ、マイケル・ガンボン、と演技派で豪華なハリウッドスター達。全てCGで作られるアニメが主流となり、加えアニメの3D化も進んでいるだけに、本作は新鮮で贅沢な時間を提供してくれる。

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海角七号 君想う、国境の南 - 渡まち子

◆「野ばら」を全員で歌う場面は、感動的だ(70点)

 日本統治下の時代の悲恋と現代の若者の恋を、今はない住所“海角七号”宛ての手紙が静かに結びつける、詩情あふれる佳作。1940年代の台湾で、若い日本人教師が台湾人女性と恋に落ちるが、終戦を迎え二人は離れ離れに。60年後、ミュージシャンの夢を諦め、郵便配達のアルバイトをしている青年アガは、古い住所「海角七号」宛ての小包を見つけ、つい開封してしまう。そんな時、アガは、日本の歌手のライブの前座に駆りだされることになるが…。

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ココシリ - 山口拓朗

◆混じりけのない壮大な大自然と、清濁を併せ呑む人間。そのコントラストが、見る者の心をゆさぶる(85点)

 "神が住む山"と称されるチベット山岳地帯の秘境"ココシリ"──。海抜4700m、零下20℃、空気濃度は地上の1/3という想像を絶する過酷な大自然を舞台にくり広げられる物語。実話に基づいた見ごたえのある骨太映画である。

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ヴィクトリア女王 世紀の愛 - 渡まち子

◆特別な破綻がない分、興奮もない(50点)

 19世紀、英国は「太陽の沈まない帝国」と呼ばれるほどの黄金期だったが、その時代に国を治めていたのがヴィクトリア女王である。彼女の若き日を描くこの歴史劇は、真実の愛で結ばれた夫婦の物語だ。英国の王位を継ぐヴィクトリアは窮屈な暮らしにうんざり気味だ。旧態然とした風習に縛られ、自由のない生活を送っているヴィクトリア。王室での権力争いが激化する日々の中で、ドイツ出身のアルバート公と心を通わせ結婚することに。だが、政治家とのかけひきから国民の暴動や、女王を狙った暗殺計画まで起こるようになる…。

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釣りバカ日誌20 ファイナル - 渡まち子

◆最後だからといってヘンに力まず、ユルいテイストの演出スタイルを貫いたことを評価したい(55点)

 ハマちゃんとスーさんの名コンビによる人気シリーズもとうとうファイナルを迎える。一流企業の鈴木建設も近年の不況により業績悪化の一途をたどっていた。会長のスーさんこと鈴木一之助は責任を感じ、無期限の給料全額返還を宣言、周囲を驚かせる。そんなスーさんのために奮起した万年ヒラ社員・ハマちゃんこと浜田伝助は、得意の釣りの人脈から、大型受注に成功。会長賞で有給休暇をもらい、スーさんとともに憧れの北海道へと釣り旅行に出かける。

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ヴィクトリア女王 世紀の愛 - 福本次郎

◆女の子ならだれもが夢見るプリンセス。しかし、王女の日常は軟禁状態に等しく、しきたりや決まりに縛られ、自由になりたいという思いだけが募っていく。そんな息が詰まるようなの宮殿内のディテールがリアルに再現されている。(60点)

 女の子ならだれもが夢見るプリンセス。しかし、実際に王女に生まれしかも王位継承権第一位にあるヒロインにとっては、宮廷での日常はまさに軟禁状態に等しい。しきたりや決まりに縛られ、階段を下りるのにも侍女の手を借り、就寝も母と一緒。常に誰かに監視され、行動を指図され、自由になりたいという思いだけが募っていく。そんな息が詰まるようなの宮殿内のディテールが非常にリアルに再現されている。映画は、権力とカネ、政治家や貴族の強欲に翻弄されながらも断固として自分の意思を貫いて、19世紀英国を空前の繁栄に導いた女王の若き日を追う。

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釣りバカ日誌20 ファイナル - 福本次郎

◆不況、リストラ、給料カット。オフィスの空気はよどんでいくのに、ハマちゃんだけは危機感ゼロ。経営者のスーさんも、利益より従業員の幸せを考えている。こんな会社などないと分かっていても、映画のノリに引き込まれてしまう。(60点)

 不況、リストラ、給料カット・・・。暗い話題にオフィスの空気はよどんでいくのに、ハマちゃんだけはどこ吹く風と釣り新聞に目を凝らし、危機感ゼロ。一方の経営者であるスーさんも、自分の死期を間近に感じ、目先の利益よりも従業員の幸せを考えている。巧みに現在の世相を取り入れリアリティを持たせることで、こんな居心地のいい会社などないと分かっていても、ついつい引き込まれてしまう。せめて映画館の中にいる間だけは世間の憂さを忘れて、人生を謳歌しているハマちゃんとともに映画を楽しんでもらおうという作り手に好感が持てる。高齢者にはスーさんの生き方を通じて鮮やかな引き際を示す。夢を売るという映画の本質を忠実に実行する姿勢は心地よい。

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