Genius Party ジーニアス・パーティ - 渡まち子

(70点)

 STUDIO4°Cの下に集まった7人のアニメ作家によるオムニバス映画。現在の日本製アニメの作風のカタログ的雰囲気がある。SFあり、不条理話あり、切ない青春物語ありでバラエティに富むが、アート系寄りなので万人受けは難しい。物語は渡辺信一郎の「BABY BLUE」が好きだが、湯浅政明作品「夢みるキカイ」が抜きん出ておもしろ味がある。シリーズ化も決定。期待したい。

リトル・チルドレン - 渡まち子

(80点)

 決して好きな類の映画じゃないのに、あまりに上質の人間ドラマに釘付けになってしまった。物語は幸せに気付かず、大人になれない男女を描く。不倫話が軸だが、性犯罪者や元警官などの歪んだ人生をも巧みに描き、偏見や許しへとダイナミックに展開する。必見だ。

怪談 - 渡まち子

(70点)

 綺麗な作品だ。だが美しさばかりが目立ってさっぱり怖くないのが玉にキズ。この映画はホラー映画ではなく、文字通り古典的な日本の“怪談”だと思って見るべき。古典落語の真景累ヶ淵がもとで「親の因果が子に報いる」運命を官能的に描く。表面は優しいが芯は冷淡な新吉役の尾上菊之助がハマり役だ。

トランスフォーマー - 渡まち子

(20点)

 最初から最後までぶっ壊しまくりで大騒ぎの男の子向け超大作である。見た目は派手だが内容は皆無。つまり極めてマイケル・ベイらしい作品で、頭を使う必要がないSF映画だ。未知の惑星から来た謎の金属生命体との戦いを描く物語は、日本のロボットが元ネタだというから、何だか責任を感じてしまう。

夕凪の街 桜の国 - 渡まち子

被爆者の心と体の消えない傷を、何気ない日常の中で描く新感覚の原爆映画。どこかの政治家に「しょうがなかった」なんて絶対に言わせない!(80点)

 昭和33年の広島。皆実(みなみ)は原爆で生き残ったことに負い目を感じながらも同僚からの愛を受け入れようとする。それから半世紀後、現代の東京で暮らす皆実の姪の七波(ななみ)は、挙動不審の父を追って広島へと旅をする。2つの物語でつづる被爆者の悲しみと生きる希望とは…。

この映画の批評を読む »

ゴースト・ハウス - 渡まち子

(40点)

 双子監督パン兄弟の英語作品は、ホラーというよりショッカー映画だ。田舎の古い家で体験する怪奇現象の恐怖を描くが、ひたすら突然の大きな音で驚かす演出に苦笑。そんなベタな演出におびえる臆病者の自分が情けない。タイ出身のパン兄弟らしさは壁を這うゴーストのぎこちなさに垣間見える。

魔笛 - 渡まち子

(50点)

 なぜ英語で歌うのか?!モーツァルトの魔笛ほど有名な作品で、本物の歌手を使うなら英語圏でも歌は独語でいくべきだ。才人ブラナーらしく、時代設定を20世紀に置き換えるが、もとが荒唐無稽な話なのであまり意味をなさない。ただ戦車に乗って登場する夜の女王のビジュアルには思わずシビれた。

ルネッサンス - 渡まち子

(70点)

 クールでおしゃれな映像が独創的なSFアニメーション。誘拐事件の裏側の巨大な陰謀を追うサスペンスだ。アヌシー国際映画祭でグランプリも納得のフィルム・ノワールで、近未来のパリの情景が魅力的。声優陣も豪華だ。ただ、バリバリにコントラストが効いた映像が鮮烈すぎて眼が疲れるのが難点。

【おすすめサイト】