フランドル - 渡まち子

(75点)

 暗くて貧乏くさくて悲惨な話なのに、見終わると荘厳な気持ちなってしまうから不思議。地方に生きる若い男女の愛を、戦場での悲劇と対比させながら描く。デュモン監督得意の暴力と性がテーマで、人間の罪と業を赦し、愛を与えるヒロインはマグダラのマリアと重なる。男性には衝撃的な場面もあるので覚悟して見てほしい。音楽を一切排除するなど、決して万人向けの作品ではないが、深みがある映画だ。カンヌ映画祭グランプリ受賞作。

レッスン! - 渡まち子

(55点)

 教育こそが人間を作る。やる気のない子供たちが、良い指導者と情熱を傾ける対象に出会って輝きはじめる展開は平凡だが、やっぱり感動できるもの。社交ダンスによって落ちこぼれ生徒を導いた世界一のダンサー、ピエール・デュレイン先生の物語はNYのスラム街で実際にあった出来事だ。それを青春物語とダンスで上手く演出している。バンデラスのラテンのフェロモンは控えめだが、劇中で踊るタンゴは情熱的で絶品。

プロヴァンスの贈りもの - 渡まち子

(65点)

 リドリー・スコット監督がラブロマンスとは珍しい。仕事人間の男性が真の人生に目覚める温かい物語のテーマは、ロハス。隠し味は伝説のワインだ。主人公の少年時代を演じるハイモア君は絶品だが、成長してクロウになるのが疑問。おまけに、なぜ彼が仕事と金儲けしか興味がない人間になったかを描き忘れている有様だ。物語的には欠点が目につくものの、スコット監督らしさは、シネスコープでとらえた美しいワイン畑の映像に垣間見える。

遠くの空に消えた - 渡まち子

(40点)

 子供たちの力を信じたい。そんな思いが暴走した感がある奇妙なファンタジーだ。空港建設問題に揺れる田舎町で、少年2人と1人の少女の友情と成長を描く。はたして奇跡は起こるのか?クストリッツァを露骨に模倣した演出が鼻につくが、それよりも長すぎて焦点がボケたのがマズい。優秀な俳優が演じる個性的なキャラもむなしく空回り。天才子役の神木隆之介君と互角に渡り合う、ガキ大将役ささの友間君は掘り出し物である。

ベクシル ?2077日本鎖国? - 渡まち子

(60点)

 ハイテク鎖国というアイデアが絶妙でおもしろい。「ピンポン」の曽利監督のSFアニメ大作は、技術で世界をリードし国際社会から離脱した日本を、米国特殊部隊の女性ベクシルが訪れ、驚愕の事実を知るストーリー。主人公の声を担当する黒木メイサが拙いのが気になる。特に叫び声が浮きまくりでクライマックスなのに脱力感が訪れた。3Dライブ・アニメの映像が見所で、荒廃した土地を金属のモンスターが爆走する映像が圧巻。

呪怨 パンデミック - 渡まち子

(60点)

 ついに伽椰子と俊雄は海外へ!霊に国境はないのだ。ハリウッド版呪怨の第2弾では、呪いの拡大と伽椰子の出生の秘密が描かれる。だが、理由もなく呪い殺される“恐怖の核のなさ”がこのシリーズの一番のキモだったのだ。それなのに原因が判っては興味がそがれるのでは?恐怖シーンはやっぱり怖いが、写真現像液からの登場シーンは妙なおかし味があり、ウケてしまった。

インランド・エンパイア - 渡まち子

強烈にワケがわからない。でもそれを快感に変えるのがリンチのすごいところだ。映画とはいったい何なのか?ということまで考えさせられる。(80点)

 女優のニッキーは新作映画の主役に決まる。いわくつきの不吉な映画の撮影が進むにつれて、ニッキーは映画のストーリー同様に相手俳優と不倫関係に。さらに彼女は、映画と現実、本物と妄想の区別が付かなくなっていく…。

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絶対の愛 - 渡まち子

(70点)

 目には目を。整形には整形を!十分美しい顔を「恋人に飽きられるから」との理由で整形し別人になるヒロインは極端だが、究極の純愛と考えると奇妙にいとおしい。時の流れに抵抗してでも愛情をつなぎとめたい女心が泣かせると同時に滑稽だ。鬼才ギドク監督らしい韓国整形事情批判である。名前や顔が変わっても愛する人が判るだろうか?!恋人同士で見るにはちょっと危険な映画かもしれない。

赤い文化住宅の初子 - 渡まち子

(50点)

 テーマは、まとわりつく不幸の中でのかすかな希望。ほとんど救いはないのだが、なぜかピュアなあと味が残るから不思議だ。極貧生活を送る少女のささやかな夢と初恋を描く異色の青春映画である。原作は松田洋子の人気漫画。ヒロイン初子を徹底的に突き放す演出がいい。そんな中、全くやる気がない女教師が、怪しげな宗教団体から初子を救う場面が秀逸。

おやすみ、クマちゃん - 渡まち子

(65点)

 素朴でレトロな人形アニメは、ポーランドの国民的キャラクターのクマちゃんが主人公。折れた耳が特徴のクマちゃんが、寝る前にその日の出来事を振り返る趣向の短編だ。パジャマの柄や小道具などが癒し系で可愛いが、動きは日本製アニメなどと比べるとやはり稚拙。ぎこちなさが魅力と受け取るべきか。物語の終わりのクマちゃんのひと言は、なかなか深い。

ブラインドサイト?小さな登山者たち? - 渡まち子

(75点)

 チベットでは盲人は前世の罰を受ける者として嫌悪されると知り絶句した。盲目の子供たちがヒマラヤの登山に挑戦する様子を追ったこの作品は、子供たちをサポートする独人教育者や登山のプロの言動に注目。時に子供たちにはつらい選択もあるが、それら全てをカメラに収める情熱に脱帽だ。下山後、前向きに生きる子供の表情がいい。

ユアン少年と小さな英雄 - 渡まち子

(55点)

 子供と動物という最強コンビの感動作は19世紀のスコットランド・エジンバラで本当にあったお話。ピンチになった時、助けてくれるのは、勇気と教育なのだというメッセージが伝わってくる。家族みんなで楽しめるハート・ウォーミングな1本だ。忠犬のテリア犬のボビーが最高に可愛い。そして賢い!

天然コケッコー - 渡まち子

(70点)

 ド田舎の風景の中で繰り広げられる少女の初恋や小さな冒険がみずみずしい。些細な出来事が世界の全てに感じて心が揺れる思春期の女の子そよの成長を描いていく青春映画だ。小道具やイベントで季節感を上手く出した映像が魅力。やわらかな方言も耳に心地よい。くるりの主題歌が耳に残るさわやかな1本だ。

オーシャンズ13 - 渡まち子

(65点)

 スタイリッシュな映像とユルいギャク満載で安心して楽しめる娯楽作だ。今回、人気女優を切り捨ててまで取り入れたのは男気。仲間をハメた悪徳ホテル王に復讐するためオーシャンたちが奇想天外な作戦を遂行する。豪華キャスト競演のこのシリーズ、11、12、13…と永遠に続けるつもりか?!

消えた天使 - 渡まち子

(50点)

 香港のアンドリュー・ラウの初英語作品にしてハリウッド進出作は、サイコ・サスペンス。「セブン」を思わせる展開だがギアとデインズの男女コンビが噛み合わず終止違和感がある。アブリル・ラヴィーン映画初出演もパンチ不足で効果なし。犯罪者を監視する監察官という職業を知る意味では新鮮か。

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