(50点)
番号は18だが、シリーズ20作目に当たる。認知症のきざしを感じて落ち込み家出したスーさんを追って、ハマちゃんは瀬戸内の小さな町へ。原点回帰の展開だが、お決まりの問題発生後の、決着のつけ方は禁じ手。これをスーさん自身が「企業人として失格」と言ったり、ハマちゃんが「しょせん縦社会ですから」とつぶやいたりと、ふと漏らすセリフがなかなか深い。檀れいは現代劇でもたたずまいが美しい。
(50点)
番号は18だが、シリーズ20作目に当たる。認知症のきざしを感じて落ち込み家出したスーさんを追って、ハマちゃんは瀬戸内の小さな町へ。原点回帰の展開だが、お決まりの問題発生後の、決着のつけ方は禁じ手。これをスーさん自身が「企業人として失格」と言ったり、ハマちゃんが「しょせん縦社会ですから」とつぶやいたりと、ふと漏らすセリフがなかなか深い。檀れいは現代劇でもたたずまいが美しい。
(40点)
大ヒットしたTVドラマを安直に劇場版にする態度には、いいかげん辟易する。せめて大画面で見るにふさわしい内容かどうか考えるべきだ。型破りな熱血検事が、敏腕弁護士との対決に挑むストーリーは、韓国ロケとイ・ビョンホンの友情出演が売り。ユルいギャグやお決まりの設定などは全てTVのファンに向けたものだ。松本幸四郎と松たか子の親子共演が、うるさくない程度に設定してあるのがせめてもの救い。
風変わりなグルメ映画にして、ほろ苦い大人のラブ・ストーリー。エデンの園を連想させる原題が意味深だ。(65点)
グレゴアは天才的な料理の腕を持つシェフだが、容姿のコンプレックスからか、人づきあいが苦手。そんな彼が平凡な主婦エデンに恋をした。エデンもまたグレゴアの料理の魅力の虜になるが、エデンの夫はそんな二人の様子を快く思わない…。
(90点)
恋愛の国イタリアらしいテイストの4話オムニバスで、老若男女に勧めたい。テーマは、出会い、倦怠、浮気、別れで、4話は少しずつつながりがある。どれもユーモラスでテンポがいいが、笑いとアイロニーを持つ総集的な第4話が特に上手い。所々でスクリーンの中から語りかける演出が観客の感情移入を誘い、効果的だ。温もりに満ちた上質の恋愛指南映画として、近年屈指の出来栄えで、見終われば誰もがきっと恋をしたくなる。
(65点)
亡くなった男優の中で、私が最も好きなのがこのマルチェロ。イタリアが生んだ名優の生涯を、彼の2人の娘やゆかりの映画人のインタビューでつづるドキュメンタリー映画だ。国際的な名優なのに決してエラぶらず、女性に大モテだったのにどこか内気な面があるなど、彼の内面の魅力に焦点を当てている。ヴィスコンティなど、さまざまな著名人が彼を語るが、“勤勉な”怠け者と分析しているのが興味深い。
(55点)
米国の安直な訴訟志向と、巨額の金がからむと人格が豹変する醜い人間性がまるだしで見ていて疲れる。サンフランシスコ・ジャイアンツのボンズ選手のホームランボールをめぐる泥沼の訴訟を追ったドキュメンタリーだ。戦争や貧困、失業など山ほどある深刻な問題を尻目に、野球のボールの所有権を争うなど、笑うに笑えない内容だが、争った果ての結果は皮肉なもので考えさせられる。あらゆる意味でアメリカ的な記録映画だ。
(70点)
ハードコアな内容で始まるがそれは最初だけ。J.C.ミッチェル監督はいたって真面目な気持ちでこの作品を作っている。NYの恋愛カウンセラーの女性とゲイのカップルを中心に、心と体の結びつきで悩む“ちょっと変わった”人たちの心温まる物語だ。題名は障害を持つ子供たちが乗るスクールバスのことで、劇中ではアングラ風のサロンの名前。一瞬、自分の視力を疑うほどの大量のボカシから、日本の情けなさが漂ってくる。
(60点)
デジャヴ?と思うほど再放送のノリ。素晴らしい色彩設計など、映像のクオリティは極めて高いが、もっと新しい“何か”を見たかった。まずは序でおさらいということか。社会現象になった名作SFアニメの特徴は、主人公シンジのネガティブな内面と、残酷なまでの戦闘場面のくっきりした対比から生まれるエモーション。全4部作なので今回だけでは評価は難しいが、エンドロールの後に付く次回作「破」の予告編を見ると、今後の劇的な新展開に期待できそうだ。
タランティーノ印のB級ガールズ・ムービー。前半と後半の激しい転調に思わずクラクラする。(65点)
テキサスの田舎町。女の子たちがバーに繰り出した。そこで、スタントマン・マイクという遊び人風の中年男と知り合うが、実はマイクは耐死仕様(デス・プルーフ)のシボレーで女性を殺す連続殺人鬼だった。それから14ヶ月後のテネシー。車を乗り回す女の子たちに目をつけたマイクだったが…。
(20点)
「シムソンズ」とそっくりな場面と展開、榮倉奈々の生ぬるいダンスに脱力必須。東京から徳島に転校してきたダンス好きの女子高生が、地元の仲間たちとヒップホップと阿波踊りの融合に挑む。笑福亭松之助演じるおじいちゃん以外、キャラの性格に一貫性がないので、全てのセリフがその場限りに聞こえ説得力に欠ける。最も目に余るのは、神聖な阿波踊りの列に乱入する無礼さだ。ずさんなストーリーは見ているこっちが恥ずかしい。
(60点)
サッパリ怖くないこの映画は、ホラーではなくコメディ寄りの青春映画として売るべき。聴いた者は自殺するという謎の歌をめぐる恐怖の物語だ。松田龍平、伊勢谷友介の大根系エキセントリック役者と、アイドルユニットAKB48によるPRイベントの合体というワケの分からない内容を、都市伝説にまとめ上げた原田眞人はスゴイ。劇中でチラリと話題になる、自殺の聖歌を扱った映画「暗い日曜日」は大人の悲恋を描いた佳作。
(40点)
フランス人うけするギャグが満載のシリーズ第4作は、バカさ加減が一気に増加。すご腕ドライバーのダニエルとドジ刑事エミリアンは、凶悪犯を追ってモナコへ爆走。だがカー・チェイスは少なめで、その分コメディ色が高まった。前作で生まれたそれぞれの息子と父のほのぼのシーンも加わって、まるでホームドラマのよう。タクシーが活躍するというユニークさが売りだったこのシリーズも、新鮮味が尽きた気がする。
(50点)
世界的なプロ・ウィンドサーファーというと華やかだが、下積み時代は本当に大変なのだとしみじみ。若くしてガンで逝った飯島夏樹の半生を、彼を支えた家族の視点で描く物語だ。飯島氏の生き方が感動的だが、何より妻の寛子さんが素晴らしい。なのに、なぜに彼女を演じるのが大根女優の伊東美咲なのだろう?この役は美しさより、芯の強さが重要。演技派の女優にやってほしかった。ハワイのさわやかな風景とレース場面は見所。
(60点)
お騒がせ刑事コンビのシリーズ3作目は、内容はややマンネリながら、舞台はパリという華やかさ。エッフェル塔での激闘など、ジャッキー本人によるアクションの頑張りには頭が下がるが、今回は悪役の真田広之の方が動きにキレがある。物語的には、これではたして事件解決と言えるのか?との疑問は残るが、もはや固い事は言いっこなしか。お約束の楽しいNG集でアクションシーンの苦労がしのばれる。
大企業の悪と政治の罪をあぶりだすムーア得意の戦法だが、かつての毒気は薄め。口に出して言いたくない邦題に苦笑する。(75点)
あまりにも国民に背を向けたアメリカの医療制度の実態を、インタビューや体験談、さらに英・仏・加の制度を比較しながら、監督のマイケル・ムーア本人が暴いていく様子を記録した映画である。