(50点)
DERAMS COME TRUEの名曲をモチーフにした物語は、お互いの夢を追いかけながら愛をはぐくむ恋人たちが主人公。バルセロナでロケを行うなど、ゴージャスなムードもあり、星空、花火、10年後の約束など、ロマンチックな展開で進んでいく。内容はベタなラブ・ストーリにすぎないが、ヒット曲をモチーフにした映画は、必ずこうなるという見本のような作品だ。エンドロールのドリカムの曲が印象に残る。
(50点)
DERAMS COME TRUEの名曲をモチーフにした物語は、お互いの夢を追いかけながら愛をはぐくむ恋人たちが主人公。バルセロナでロケを行うなど、ゴージャスなムードもあり、星空、花火、10年後の約束など、ロマンチックな展開で進んでいく。内容はベタなラブ・ストーリにすぎないが、ヒット曲をモチーフにした映画は、必ずこうなるという見本のような作品だ。エンドロールのドリカムの曲が印象に残る。
(60点)
童話「赤ずきんちゃん」のパロディ・アニメーション。森で続発するお菓子のレシピ泥棒の謎に、ダンディーな蛙探偵が挑む。ヒロインのレッド、おばあさん、狼、きこりは皆、秘密と裏の顔を持つが、それを羅生門スタイルで見せるアイデアがいい。だが、大人も子供も両方楽しめるようにとの狙いがかえって焦点をボヤけさせた。徹底的にブラックにしてしまった方が良かったろうに。何しろ絵が可愛くないのだから。
(70点)
デジタル機材で撮影した演劇を映画館で鑑賞するゲキ×シネの新作。魔女に命を捧げ、悪の限りをつくし王になる男の物語だ。観客の姿や、役者の額の汗まで映す手法は、映画ファンには目新しいが、演劇ファンはやはり生で見たいと思うのでは?しかし、劇場のない地方や、チケット入手困難などの条件をクリアするという点で評価したい試みだ。作品は美しく迫力があり、3時間の長丁場も全く退屈しない。
(65点)
東西アクション・スターの激突が売り物のこの作品、日本の描写が笑いどころで、マニアックな珍作だ。熱血FBI捜査官と伝説の殺し屋ローグの対決を描くが、終盤に驚きが用意されている。ミステリー要素を前面に出したためジェット・リーの華麗なアクションが少ないのが残念。怪しげな中国マフィアに扮するのはお久しぶりのジョン・ローンだ。ステイサムのおかしな日本語がかなりウケる。もしやコメディなのか?!
(65点)
骨太な映画を予想したが、意外にも軽い感じに仕上がっていた。全共闘の心意気を今も引きずる破天荒な父親を息子の視点で描く物語。悪しき社会への熱い反抗は、現代にも必要だというメッセージは分かるが、南の島へ移住してからの行動は疑問も多い。影の大黒柱である母親の力をもっと強調してほしかった。トヨエツは熱演だが、地元住民や子役のセリフがあまりに棒読みで苦笑する。
現実と妄想が美しくも残酷に交錯する。どぎつくて甘美なビジュアルで描くダーク・ファンタジーの傑作。(85点)
1944年のスペイン。内戦で父を亡くしたオフェリアは、冷酷な義父のビダル大尉から逃れるため、屋敷の近くの謎の迷宮に足を踏み入れる。そこで出会った牧神パンはオフェリアに、あなたは本当は魔法の国の王女の生まれ変わりだと告げるのだが…。
(70点)
ベテラン監督の新藤兼人自らが、戦争体験を語るドキュメンタリー部分と、それをドラマ化したパートのユニークな2部構成。陸は“おか”と読む。独特の語りの魅力が功を奏し、時折、笑いを誘う演出が上手い。軍隊の不条理な暴力を浮き彫りにすることで訴えるのは戦争の愚かさだ。現代にも通じるテーマだが、映画のイメージは年配層向き。若い世代にアピールするためにはもうひと工夫ほしい。
(35点)
ハル・ベリーの演技力を無駄にした情けないサスペンスで脱力させられる。宣伝文句と良くできたCMにだまされるファンがきっと多いだろう。幼馴染の死を調べる元新聞記者の女性が大富豪に近づき、意外な秘密と真実へと導かれる。怪しげな風貌のジョバンニ・リビシは適役だが、ウィリスはただのエロ親父にしか見えないのが困ったもの。ベリーは相変わらず抜群に美しいので、目の保養にはいい。
(60点)
日本のアニメーションはSFが主流で、時代劇は珍しいが、このジャンルはもっと開拓すべき。謎を秘めた少年を巡り、凄腕の剣士二人が競い合う。本作はキャラが立っているのと、アクション場面のスピーディな描写がいい。剣士の名無しは、決して無敵ではなく人間らしい弱さやスキもあるので感情移入できるだろう。声優初挑戦の長瀬智也が熱演だが、やはり本職の山寺宏一の上手さが光った。
(65点)
ドイツ映画「マーサの幸せレシピ」は小品ながら秀作だった。そのリメイクが出来がいいのは当然で、いい違いはハリウッド版はゴージャスになる所だ。おいしそうな料理、少し力を抜いて自分を見つめること、何より素直になることの大切さが伝わってきた。ただ、もっとコメディ色を強くすれば、よりアメリカ映画らしくなって良かったのではと思う。エッカート演じる男性シェフの、何気ない優しさがいい。
(50点)
行定監督得意のセンチメンタルでノスタルジックな恋愛映画。物語終盤には驚きが用意されているが、これは最初から読めるオチなので効果は薄い。偶然に頼りすぎるし、女の子好みの設定に甘さがあるが、誠実な教師役を繊細に演じた竹内結子の透明感あふれる演技で救われた作品だ。久しぶりにフツーの演技を見せる伊勢谷友介も新鮮。窓から外を眺めるシーンが印象的に使われている。
(75点)
伝記ものは主役のなりきり演技と俳優魂あってこそ。偉大な歌手ピアフの波乱の生涯を、エピソードを厳選し、感動的に描いた秀作だ。天賦の歌の才能とエキセントリックな気性、生涯唯一の恋など、凡人とはかけ離れた女性像を、コティヤールが怪演に近い熱演。名曲がたっぷりと聴けるが、やはり「愛の讃歌」は特別だ。映画を見終われば以前と同じには聞こえず、深い哀しみと喜びの曲になる。
盲目の少年が、音で新しい未来を切り開く姿に感動。トスカーナの光あふれる美しい風景が心に染みる。(75点)
1971年のイタリア・トスカーナ。映画好きの少年ミルコは事故で視力を失う。親元を離れジェノバの盲学校に入ったミルコは心を閉ざしてしまうが、古ぼけたテープレコーダーとの出会いが彼を音の世界へと導いていく…。
(70点)
迫力ある秀作記録映画で、日系3世のオカザキ監督の執念が形になった。広島と長崎の被爆者、さらに原爆投下に係わった米国人へのインタビューは貴重な証言ばかりである。被爆者の体験談は壮絶なもので、涙があふれて困った。映画を見て、恒久平和を願わずにはいられないが、日本の10代の若者たちが8月6日や9日に何が起こったかを知らないのもまた事実。語り継ぐ大切さを痛感する。
(65点)
飲酒運転に警鐘を鳴らす映画だ。事故で息子を亡くし、悲しみをこらえて刑法の厳罰化を実現した女性が主人公。信念を貫く彼女の強い思いは、時に周囲をとまどわせるが、決して揺らがないからすごい。地味な教育映画を予想していたが、謝罪に来た加害者との対面の場面は、激しさにが満ち溢れていて驚いた。安易な赦しに流れない脚本の深みが印象的。挑戦し続ける女性の物語としても鑑賞できる。