やじきた道中 てれすこ - 渡まち子

(65点)

 おなじみの弥次さん喜多さんってこんな人だったのかと思わずウケる。前半はコメディタッチだが後半は正統派の人情話で、上質な落語を聞いているような気分だ。花魁の足抜け騒動の周りには、忠臣蔵の失敗話や、子狸を助けたり、喜多さんが酒乱で暴れたりと、笑える仕掛けがいっぱい。てれすことは謎の魚で、ちょっぴり泣かせるエピソードが用意されている。トウのたった花魁役の小泉今日子が魅力的だ。

ディスタービア - 渡まち子

(75点)

 ティーン版「裏窓」という趣で、楽しめる青春スリラー。退屈しのぎの覗き見で殺人事件を目撃する少年の物語だ。足首に付けるGPS装置は実際に米国で使われている。21世紀らしくデジカメや携帯電話で犯人に迫るところが面白い。ただし隣の美女を覗いて恋が成就するくだりは映画だけの絵空事なので真に受けないように。現実では、よくてドン引き、ヘタすると警察に通報だ。よい子は決して真似してはいけない!

ボーン・アルティメイタム - 渡まち子

まれに見る出来の良さで3部作をしめくくる人気アクション・シリーズ完結編。気合の入った映像は興奮もの。(85点)

 記憶を失くし、愛する人を奪われた、最強の暗殺者ジェイソン・ボーンは、自分を亡き者にしようとしている組織に立ち向かうことを決意する。自らのルーツと陰謀の真相を知るために、彼が最後にたどり着いた場所はNYだった…。

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オリヲン座からの招待状 - 渡まち子

(70点)

 原作の短編とは異なるアプローチで物語をふくらませ、映画は大人の純愛物語になった。昭和30年代から、小さな映画館を守った男女の生き方を丁寧に描いている。少し綺麗すぎる展開と、作品全体が年配向けになってしまったのが気になるが、これも昭和の空気だろうか。出演者は皆、好演で、蚊帳の中と外で手をつないでホタルをみつめる場面が特に美しい。劇中に登場する名作日本映画にも注目。

鳳凰 わが愛 - 渡まち子

(65点)

 中井貴一が初めて製作を務めたことでも話題の、日中合作映画。獄中で出会った男女が、結ばれることを信じて激動の時代と多くの苦難に耐える物語だ。この愛の物語は、実話が元だというから驚き。主人公は本当は日本人という設定だが、中国側の審査のせいか、物語上であまり活かされてないのが惜しい。撮影、検閲の苦労は大変なものだったらしいが、映画で日中友好を目指す中井の熱意を感じる。

恋空 - 渡まち子

(35点)

 波乱万丈の初恋を描いた大人気携帯小説の映画化だが、エピソードの詰め込みすぎで、何もかもが表層的。どこまでが真実の話なのかは、もはや問題ではない。若手俳優たちの熱演は買うが、不幸の連打を甘い言葉でなぞり、人間描写も薄く生活感もないようでは映画として成立しない。携帯小説そのものを否定はしない。ヒット狙いで安易に映画化する作り手側に問題があるのだ。猛省を促したい。

バイオハザードIII - 渡まち子

(60点)

 人気シリーズ第3弾の舞台は砂漠。次々に障害をクリアしながら進むゲーム的要素は健在だ。荒野をさまよう超人アリスは、生存者と出会うが、自分のDNAが悪用されていると知り、自らを犠牲にしても決着を付けようと覚悟する。ゾンビホラーとしての新味はないが、クローンの死体が山積みになった光景が心理的に怖い。ミラは、歩く、立ち止まるなどの何気ない動きが美しい。さすがは元スーパーモデルだ。

ALWAYS 続・三丁目の夕日 - 渡まち子

(70点)

 大ヒット映画の続編で一番気になるのは、今度こそ芥川賞を取ると奮起する茶川と、彼を愛する踊り子ヒロミとの行く末だ。新キャラは小粒でインパクトが薄いが、その分安心して見ていられる。母と初恋の人との再会、失った部下など、昭和30年代の復興の気運の中に残る戦争の影を上手く織り込んだ箇所を評価したい。茶川と淳之介の、血縁を介さない家族のつながりが、この物語を現代に絶妙に接続している。

長江哀歌(エレジー) - 渡まち子

三峡ダム建設現場を訪れた男女を通して見る現代中国の姿。水没する景勝地の貴重な記録としても価値がある秀作。(80点)

 世界最大の三峡ダム建設のため、水没する運命にある長江の奉節(フォンジェ)。ハン・サンミンは、16年前に帰郷した妻子を探すためにこの古都にやって来た。一方、看護婦のシェン・ホンもまた、音信不通の夫を捜しに来るのだが…。

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トランシルヴァニア - 渡まち子

(70点)

 ガトリフ監督がロマの血を引くのは有名だが、アーシア・アルジェントにもロマの血が混じっているらしい。そのせいか愛を求めて刹那的にさまようヒロイン役がよく似合う。姿を消した恋人を探して東欧に来た妊娠中の主人公は、ある男と出会い不思議と惹かれあう。ロマの儀式、掌の目、おなかの天使などビジュアルも意味深い。何より独特のジプシー音楽が心地よい。音楽はガトリフ作品の最重要アイテムなのだ。

象の背中 - 渡まち子

(30点)

 自分の死期を知った男が生きた証を模索する。骨格は名作「生きる」と同じだが、中身は正反対だ。物分りのいい妻、若い愛人、頼れる息子と可愛い娘に見守られて死を迎えたいと願う主人公。中年男の勝手な願望が炸裂し、死を売り物にした安直な物語に力が抜ける。役所広司と岸部一徳がスイカを食べながら会話する場面は感動的だが、無駄に豪華な俳優の名演が空しいばかり。象になるだと?!象に失礼だ。

アレックス・ライダー - 渡まち子

(50点)

 英国発のジュニア版007。諜報部にスカウトされた少年の活躍を描く物語だ。妙なユルさが英国らしいが、スパイだった叔父が本人が知らないうちにスパイ教育を施していたという設定が巧み。主演のアレックス・ベティファーは、ファンが増えそうなイケメン君だが、劇中に披露する怪しげな日本語に苦笑した。豪華でツボをはずした脇役が確信犯的でこれまた笑える。シリーズ化するらしいが、それにしては印象が地味か。

犯人に告ぐ - 渡まち子

(70点)

 トヨエツは意外にも刑事役が初らしいが、なかなかハマッている。連続児童殺人事件を、メディアを使った公開捜査で解決しようとする刑事の苦闘を描くサスペンスだ。全編を通して緊張感が持続し目が離せない。名脇役の笹野高史のさりげないサポートが効いている。劇場型捜査は、実は昔からある離れ業で、メディアに振り回される現代人への警鐘なのだ。ラストに甘さはあるが、むしろ好印象を残す。

ブレイブ ワン - 渡まち子

(70点)

 ニール・ジョーダンのクールな演出とジョディ・フォスターの熱演が光る問題作。暴漢に恋人を殺されたヒロインの取った行動は、自衛のために銃を手にすること。正義のために引き金を引いても、それを爽快と感じない主人公の苦悩をジョディが熱演し、さすがの上手さを見せる。意見が分かれそうな復讐劇の結末に、鑑賞後いろいろと話合うのにいいが、暴力の源の描写が浅いのが惜しい。街の音を拾う映像が詩的だ。

自虐の詩 - 渡まち子

(65点)

 不幸と貧乏が2本柱の現代版「夫婦善哉」。原作の4コマ漫画の味わいと、堤監督得意の小ネタ満載の演出がピッタリかみあった。ダメ男にひたすら尽くす幸江役に中谷美紀、パンチパーマがキモ新しい(?)イサオ役に阿部寛と、配役も絶妙。お約束はCGを駆使したチャブ台返しだ。幸江がイサオに耐える理由と少女時代のエピソードの2つの回想パートのバランスの悪さが気になるが、見終われば心があったかくなる。

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