マイケル・ジャクソン THIS IS IT - 渡まち子

◆完璧を求める天才ミュージシャンの情熱そのもの(70点)

 マイケル・ジャクソンの急逝がなかったら、はたして、この作品は誕生したか? との疑問はさておき、一流のアーティストの才能が満喫できる貴重な音楽ドキュメンタリーだ。2009年6月に死去したキング・オブ・ポップことマイケル・ジャクソンが、死の直前まで行なっていたコンサート・リハーサルの模様を収めた映像を編集し映画化したもの。マイケルはスタッフに細かい注文をつけるが口調はあくまでも穏やかで、彼の人柄が垣間見える。復帰ステージと位置付けたロンドン公演へ向けての準備は、完璧を求める天才ミュージシャンの情熱そのものだ。

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携帯彼氏 - 渡まち子

携帯小説の映画化にしては上出来(65点)

携帯彼氏

© 2009「携帯彼氏」フィルム・パートナーズ © 魔法のiらんど

 ホラーと純愛という異なる素材の組合せで、携帯小説の映画化にしては上出来の作品だ。女子高生がハマっている「携帯彼氏」は、好みの彼氏のアバターを設定して遊ぶ恋愛シミュレーションゲーム。里美と由香は、ラブゲージと呼ばれる恋愛度数が100または0になると死ぬという不気味な噂を耳にする。謎の自殺を遂げた同級生の携帯画面にリアルなアバターの顔が映し出されたのを見た二人は、真相を探るためゲームをダウンロードする。不審な事故に遭った里美の元カレの直人の死も、どうやらこのゲームに関係があるらしい。里美は、警察に調査を懇願するが相手にされず、さらなる事件が起こる。

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REC/レック2 - 渡まち子

意外にも出来のいいオカルト・ホラーの佳作(70点)

REC/レック2

© 2009 CASTELAO PRODUCTIONS, S.A.

 続編にありがちな安易な設定ではなく、意表を突く恐怖を提供するホラー映画だ。物語の舞台は前作と同じ、バルセロナ、謎のウィルスが蔓延するアパートだ。惨劇の直後、ある特命を帯びたオーウェン博士と撮影要員、武装したSWAT、彼らを統率するチーフという面々が恐怖のアパートに突入する。完全隔離されたその場所で、もはや人間ではない生き物に変わったウィルス感染者からたびたび襲われながら、感染の深層部である最上階へと向かうが、そこで彼らは博士の正体と本当の目的、さらに信じられない光景を目にすることになる。

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沈まぬ太陽 - 渡まち子

直球勝負の映画の作りと俳優たちの熱演に深く感動させられた(75点)

沈まぬ太陽

© 2009「沈まぬ太陽」製作委員会

 社会性と娯楽性を兼ね備えた力作で見応えがある。大企業・国民航空の社員・恩地は、労働条件の改善を求めて奔走し勝利するものの、会社の懲罰人事で僻地の海外勤務を強いられる。10年に及ぶ孤独な日々に耐えて本社復帰を果たすが、ジャンボ機墜落事故という未曽有の惨事の遺族世話係という過酷な任務につくことに。組合闘争、出世欲、大事故、政界と企業の癒着などを描きながら、腐敗に屈せず、信念を貫く一人の男の人生を追う。3時間22分の長編だが、日本の社会構造を鋭くえぐる内容は、スクリーンに対峙する価値がある。

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きみがぼくを見つけた日 - 渡まち子

風変わりな恋愛映画(50点)

きみがぼくを見つけた日

© MMVIII INTERNATIONALE SCARENA FILMPRODUKTIONSGESELLSCHAFT 2 MBH & CO.KG TM NEW LINE PRODUCTIONS, INC.

 タイムトラベルものにつきものの矛盾を確信犯的に散りばめる、純愛ラブストーリー。ヘンリーとクレアは特別なカップルだ。なぜならヘンリーは遺伝子の異常から時空を旅するタイムトラベラーなのだ。ヘンリーと運命的に愛し合うことになるクレアは、異なる年齢の彼と出会うたびに、やがて二人一緒にいられる時間は残りわずかであることに気付く。

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パイレーツ・ロック - 渡まち子

音楽ファン以外も十分に楽しめる内容(70点)

パイレーツ・ロック

© 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

 常に音楽シーンを牽引するブリテイッシュ・ロックにこんな規制秘話があったとは。1966年、英国では国営のBBCラジオからロックを流す時間はわずか45分。だが法が及ばない海上に海賊放送局があったというお話だ。高校を退学になったカールは、更正のため母の旧友のクエンティンの船に乗り込む。そこは個性的でクールなDJたちが政府の目を盗んで1日中ロックを流し続ける海賊放送局だった。自由を謳歌する船での生活で、カールは徐々に変化していく。

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パンドラの匣 - 渡まち子

ちょっと自虐的なユーモアがいい(65点)

パンドラの匣

© 2009「パンドラの匣」製作委員会

 全編にレトロ・モダンな雰囲気が漂う、異色の青春映画にして文芸映画だ。終戦を迎えた年、結核を患う少年・利助は、風変わりな療養施設・健康道場に入る。患者や看護婦を互いにあだ名で呼び合うその場所で彼は“ひばり”と呼ばれ、看護婦の竹さんやマア坊、同じ病を患う仲間と過ごすうち、少しずつ希望を見出していく。

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ファイティング・シェフ/美食オリンピックへの道 - 渡まち子

ボキューズ・ドールに挑むための準備と苦労、戦いの熾烈さには驚かされる(65点)

 道を極めることは並大抵のことではない。スポーツでも学問でも、料理でも同じだ。本作は、2年に一度開催されるフランス料理の国際大会“ボキューズ・ドール”を舞台に、世界最高のシェフの称号を目指して戦う一流の料理人を追ったドキュメンタリーである。まだ満足な成績を残せていない美食の国スペインの料理界を背負って大会に挑む、若き代表ヘスース・アルマグロを中心に、入念な準備と熱い戦いの様子が描かれる。

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狼の死刑宣告 - 渡まち子

平和的な普通の男が、激しい怒りで変貌していく様子がすさまじい(65点)

狼の死刑宣告

© 2007 HPE Rights, Inc.

 司法や警察に頼らず、自らの意志と圧倒的な暴力によって裁きを与える復讐劇を、ヴィジランテ(自警)映画と呼ぶ。“自分のことは自分でカタをつける”という自立自助の精神はアメリカ建国以来の理念だ。それが負の沸点に達した時、法を無視した復讐という形になる。家族と幸せな日々を送るニックは、大切な長男をギャングに殺されるが、裁判では犯人に納得のいく刑罰が与えられないことを知る。ニックは、怒りと悔しさから自らの手で報復するが、彼が殺した犯人はギャングのボスのビリーの弟だった。それはやがて凄惨な暴力の応酬を招いていく。

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悪夢のエレベーター - 渡まち子

キャラが抜群に立っているのが魅力(65点)

悪夢のエレベーター

© 2009「悪夢のエレベーター」製作委員会

 密室型のサスペンス・コメディには驚きの仕掛けが満載で、謎解きの醍醐味が味わえる。マンションのエレベーターが急停止し、男女4人が中に閉じ込められる。偶然乗り合わせた彼らは、空き巣専門の刑務所帰りの男、他人の過去が読める中年の超能力者、自殺願望のゴスロリ少女、そして臨月の妻がいながら浮気中の若い男という面々だ。4人は互いに不信感をつのらせるが、腑に落ちない小さな違和感から、やがて互いの秘密を暴露しあうことになる。

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クヒオ大佐 - 渡まち子

騙す方も騙す方なら、騙される方も騙される方(70点)

クヒオ大佐

© 2009『クヒオ大佐』製作委員会

 詐欺というと華麗なテクニックが常だが、この映画の主人公のそれはまぬけすぎて逆に魅力に見えるから不思議だ。恋愛詐欺師・クヒオ大佐は実在の人物で、女性たちから約1億円を巻き上げたというから驚きである。名前こそクヒオだが正真正銘の日本人だ。90年代初頭、米軍特殊部隊のパイロットを名乗るクヒオは、デタラメな経歴で女性を騙して金を巻き上げていた。どう見ても怪しい彼に、弁当屋の主人のしのぶや自然博物館の学芸員の春は騙され、正体を見破ったホステスの未知子でさえも彼に惹かれていく。

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戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH - 渡まち子

3Dの美しい効果を真面目に追及している(70点)

戦慄迷宮3D

© ショック・ラビリンス・フィルム・コミッティ2009

 3Dのホラー映画は、飛び出してビックリさせることだけを目的にしたものも多いが、本作は非常に丁寧に作られ、かつ3Dの美しい効果を真面目に追及している。10年前に遊園地のお化け屋敷で行方不明になった少女ユキが突然戻ってくる。主人公ケンと友人のモトキ、盲目の少女リン、ユキの妹のミユは戸惑うが、突然ユキが倒れたため深夜病院に向かう。辿り着いたその病院はやがて姿を変え始め、朽ち果てた迷宮のような空間と化した。見覚えのあるその場所で、ユキを含めた5人は10年前の事件の秘められた真実を体感していく。

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ファイナル・デッドサーキット 3D - 渡まち子

相変わらずグロテスクな描写が満載(50点)

ファイナル・デッドサーキット 3D

© MMV New Line Productions, Inc. All Rights Reserved.

 創意工夫に満ちたショックシーンとどこかコミカルな味を売りにした「ファイナル・デスティネーション」シリーズの第4弾の発端は古びたサーキット場だ。ニックは友人たちと訪れたサーキットでクラッシュ事故による大参事の予知夢を見てしまう。間一髪で助かった彼らだったが“死の運命”は彼らを見逃してはくれず、生き残った者たちは次々に悲惨な事故死を遂げる。

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ATOM - 渡まち子

爽快感よりも悲劇性が強い(50点)

ATOM

© 2009 Imagi Crystal Limited Original Manga c Tezuka Productions Co., Ltd.

 日本の有名アニメのハリウッド実写化はいつもビミョーだが、今回も同様。だが、違和感を感じつつの鑑賞も、次第に物語に引き込まれるのはさすがではある。ロボットと人間が共存する空中都市メトロシティ。ロボット工学の権威・テンマ博士の息子トビーが不慮の事故で命を落とす。深く悲しんだ博士は息子そっくりのロボットを作るが、やはり生身の人間とは違っていた。博士に疎まれたトビーはメトロシティを去り、地上にやってくる。“アトム”として生まれ変わったトビーだったが、胸に埋め込まれた究極のエネルギー・ブルーコアを狙う魔の手が迫る。

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あなたは私の婿になる - 渡まち子

“お約束”感が安心で心地よい(60点)

 女性上司が男性部下に自分との結婚を“命令”するのは新しい。だが、婚活と永住権の組み合わせは、新機軸というよりむしろ古典。いずれにしても明るいノリはロマ・コメの王道だ。出版者の鬼編集長マーガレットは、NYで成功したカナダ人・40歳のキャリウーマンだが、ビザの申請をサボッたために国外退去を命じられる。そんなことでキャリアを捨てるものかと、とっさに思いついた捨て身の案は、なんと、気弱な部下・28歳のアンドリューとの偽装結婚。バレれば重罪の二人は、入国管理官の質問に備えて、週末をアンドリューの実家のアラスカで過ごすハメに。マーガレットは、素朴な街で思いがけない歓待を受け、とまどうことになる。

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