ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵No.1と呼ばれた男 Part1 ノワール編 - 渡まち子

◆悪だけでは語れない複雑な人物像が面白い(70点)

 フランスに実在した伝説のギャング、ジャック・メスリーヌの壮絶な半生を2部構成で描く大作。Part1 ノワール編では、1959年、ジャック・メスリーヌが、アルジェリア戦争で非情な戦場の実態を体験し、60年代、パリに帰還後、幼馴染に誘われて次第に悪事に手を染め、若いチンピラからいっぱしのギャングになって犯罪に手を染めていく様子を描く。

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PUSH 光と闇の能力者 - 渡まち子

◆最終的には“風が吹けば桶屋が儲かる”的なオチなのが苦笑(55点)

 別々の能力を持つ超能力者が戦ったらどうなるか。これはそんな異業種格闘技のような味わいのアクション映画だ。最強の超能力軍隊を作るため、謎の政府機関「ディヴィジョン」が暗躍する中、ニックは念動力を隠して香港に潜伏していた。そこに予知能力を持った少女キャシーが現われ、組織から逃げた女を一緒に捜してほしいと訴える。その女は大金の入ったケースと重大な秘密を握っているのだが、ディヴィジョンも彼女を狙っていた。

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大洗にも星はふるなり - 渡まち子

◆超ユルいテイストの謎解きミステリー(65点)

 妄想と勘違いをベースに繰り広げられるマドンナ争奪戦は、超ユルいテイストの謎解きミステリーだ。個性豊かな若手俳優たちの怪演と、しようもない状況設定が笑いを誘う。クリスマス・イブの夜、茨城県の大洗に男たちが集まる。彼らは夏の間、一緒に大洗の海の家でバイトした仲間だが、皆、憧れのマドンナ・江里子からの手紙でこの場所に呼び出されていた。「イブの夜、海の家で会いたい」と書かれた同じ手紙を手に、互いにけん制しあう彼らは、自分こそ江里子の本命!と主張しあい、妄想系バトルはヒートアップしていく。

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SAW6 - 渡まち子

◆真の後継者は誰であるべきか(40点)

 秋来たりなば「ソウ」遠からじ。今や季節行事的なムードが漂う人気シリーズ第6弾だ。2004年に誕生して以来、ソリッド・シチュエーション・ホラーというジャンルを決定付けたこのシリーズ、いいかげんに終わってくれよ…という願いを抱きつつ、完全にクセになっているファンも多いだろう。死のゲームを強要する殺人鬼ジグソウ亡き後、彼の遺志を継ぐ者が新たなゲームを仕掛ける。今回のターゲットは保険会社の社員たち。重病で高額の医療費支払いに苦しむ加入者を非情な態度で切り捨てる彼らは、強制的に死のゲームの参加者となる。一方、前作で生還したホフマン刑事への疑念を抱くエリクソンFBI捜査官は、真相を調べ始める。

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副王家の一族 - 渡まち子

◆素晴らしい美術や衣装をたっぷりと堪能したい(75点)

 イタリア映画「山猫」に日本映画「華麗なる一族」をブレンドしたような、重厚な歴史劇だ。滅びの美学を貫いたヴィスコンティの作品と決定的に異なる点は、時代をしたたかに生き抜く登場人物の生命力である。19世紀半ばのシチリア。名門貴族ウゼタ家では、絶対的な権力をふるう封建的な父ジャコモと、嫡男のコンサルヴォが激しく対立していた。母は病に倒れ、叔父は遺産を奪われ、妹は政略結婚させられるという無念を見ながら、やがて当主になったコンサルヴォは生き抜くためにある決心をする。

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SOUL RED 松田優作 - 渡まち子

◆最初で最後の公式ドキュメンタリー映画(65点)

 11月6日は、40歳の若さでガンのため急逝した伝説の映画俳優・松田優作の命日だ。本作は、彼の出演作の映像と、彼を知る映画関係者、共演者、さらに龍平と翔太の二人の息子のインタビューなどでつづる、最初で最後の公式ドキュメンタリー映画とされている。1949年生まれの松田優作は、TVドラマ「太陽にほえろ!」でスターの仲間入りを果たす。多くの名監督との仕事で秀作・話題作に出演しながら、映画のみのならずTVドラマや音楽活動、監督業でも才能を発揮した。熱い魂を持った一人の俳優の、演技への情熱を浮き彫りにする。

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スペル - 渡まち子

◆不気味な老婆に呪いをかけられたヒロインの壮絶な運命に絶句。怖くて笑えるお得な1本だ。(70点)

 銀行のローンデスクで働くクリスティンは、仕事ができることを上司にアピールするため、顧客の老婆のローン延長願いをきっぱりと断った。ジプシー風のその老婆は逆恨みし、クリスティンに不気味な言葉で呪いをかける…。

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ホワイトアウト - 渡まち子

◆ミステリーとしては平凡(55点)

 南極を舞台にした映画はいくつかあるが、この地でのサスペンスは珍しい。極寒の地・南極大陸。米国連邦保安官キャリーは、あと3日で2年の任務を終えるはずだった。しかしキャンプから離れた場所で他殺死体が見つかる。捜査を開始した彼女は、長い間氷の下に埋もれていた重大な秘密を知ることに。南極で初めて起こった殺人事件の謎を追うキャリーに危険が迫る。

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サイドウェイズ - 渡まち子

◆大人になりきれない大人の成長物語(65点)

 ハリウッド映画の日本版リメイクという珍しいパターンで、オリジナルはアレクサンダー・ペイン監督の「サイドウェイ」だ。物語の舞台は同じカリフォルニア、登場人物を日本人の男女4人に置換え、さえない40代の男二人が人生を見つめなおしていく様子を描く。俳優は日本人だが、監督やスタッフは海外という点は作り手のこだわりなのだろう。売れない脚本家の道雄は、米国留学時代の親友でアメリカ在住の大介の結婚式に出席するため、LAを訪れる。式を前に、二人はワインの産地ナパ・バレーへドライブ旅行に出かけるが、そこで道雄はかつての片思いの相手・麻有子と出会い心ときめく。一方、大介は麻有子の友人のミナに惹かれる。

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ジェイン・オースティン 秘められた恋 - 渡まち子

◆アン・ハサウェイという女優は見るたびに上手くなる(70点)

 「高慢と偏見」や「エマ」など、著作の映画化も多い英国の女流作家ジェイン・オースティン。今なお人気の作家だが、封建的な環境で結婚をハッピーエンドととらえる彼女の物語は、時に古臭く思えたものだ。だが本作では、そんなジェイン本人の、生涯唯一の激しい恋の顛末を描いて、思いがけず引き込まれる。1795年の英国。女性の地位は低く、恋愛結婚は愚かなことで、裕福な相手との結婚でなければ不幸せと思われていた時代。オースティン家の次女で小説家を目指すジェインは、両親が望む地元の名士との結婚をしぶしぶ検討していたが、ロンドンから来た法律を学ぶアイルランド人青年トム・ルフロイと出会い、運命的な恋に落ちる。

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わたし出すわ - 渡まち子

終盤は見所が多い(70点)

わたし出すわ

© 2009 アスミック・エース エンターテインメント

 何だかドキッとする響きのタイトルだが、出そうとしているものはお金だ。この映画には、本来、お金というのは何かの目的のためのツールであるべきなのに、いつしかお金そのものが目的になっている世の中への素朴な疑問がある。と同時に、目的のための大金を手にしたら、それがその人の幸せにつながるのかとも問いかける。東京から故郷の函館に突然もどってきた摩耶は、再会した高校時代の同級生たちの夢や希望を叶えるために、大金を差し出す。陸上選手としての再起、世界の市電めぐり、魚類の研究資金などの夢はかなうのか。そして、大金を提供する摩耶の真意とは。

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風が強く吹いている - 渡まち子

チームで戦う駅伝競技の素晴らしさを伝えてくれる(75点)

風が強く吹いている

© 2009「風が強く吹いている」製作委員会

 風を感じるさわやかな映画だ。駅伝に賭ける若者たちの絆を、けれん味のない演出で描いて感動を呼ぶ。事件を起こして競技から遠ざかった天才走者カケルと、故障によりエリート・ランナーの道を諦めたハイジ。二人の若者が出会い、彼らの才能に引っ張られる形で、寄せ集めに等しい大学陸上部のメンバーたちが、無謀ともいえる箱根駅伝に挑戦する物語である。

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母なる証明 - 渡まち子

複雑な魅力を持つミステリアスな人間ドラマ(80点)

 母と子の関係はすべての人間関係の基本だ。本作は、とりわけ母親であることの原初的な力強さを感じる、すさまじい映画である。だが俊英ポン・ジュノ監督は、ありがちな親子愛ではなく、複雑な魅力を持つ、ミステリアスな人間ドラマを作り上げた。漢方薬店で働きながら、一人息子のトジュンを女手ひとつで育て上げた母は、貧しくとも静かに暮らしていた。ある日、二人が住む街で、凄惨な女子高生殺人事件が起き、トジュンが第一容疑者に。無垢な心を持つ息子の無実を信じる母は、真犯人を追うべく、たった一人で走り出す。

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僕の初恋をキミに捧ぐ - 渡まち子

◆とても病人には見えない元気な難病美少年と、やたらとモテるヒロイン(30点)

 純愛と難病という二本柱で、ティーンエイジャーの女子の涙を誘導するラブ・ストーリー。ヒロインの周囲の人間の死亡率はハンパじゃない。医師を父に持つ少女・繭は、父の患者である少年・逞と出会い、幼い頃から互いに惹かれあう。だが逞は20歳まで生きられない重い心臓病だった。「大人になったら結婚しよう」と誓う二人だったが、高校に入学し、逞と同じ病気を患う年上の女性・照や、繭に好意を寄せる同級生の昂らの登場で、二人の思いは揺れ始める。

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ホースメン - 渡まち子

どれも描写は中途半端(40点)

ホースメン

© 2008 Horsemen Productions, LLC All Rights Reserved.

 「吊る」という行為は「ザ・セル」でも意味深く使われていたが、サイコ・サスペンスである本作でも、サディスティックな“吊り”の残酷度は相当なものだ。ベテラン刑事ブレスリンは、猟奇的な連続殺人事件を担当することになる。極太のフックで不気味な器具に吊るされた異様な姿の遺体からは大量の血が流され、現場には「COME AND SEE(来たれ)」というメッセージが残されていた。そんな中、犠牲者の養女であるクリスティンが衝撃的な告白と共に自首するが、事件はまだ終わらないという彼女の言葉の通り、さらなる惨劇が起こってしまう。

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