カールじいさんの空飛ぶ家 - 渡まち子

◆ディズニー/ピクサー初の3D作品。計算されつくした映像と完璧な物語に圧倒される秀作アニメ。(80点)

 主人公・カールじいさんは、決してヒーローではない。だが、彼が繰り広げる冒険物語は、驚くほどの感動に満ちている。78歳のカールは一人暮らしの孤独な老人。最愛の妻エリーに先立たれ、住み慣れた我が家を奪われそうになった時、妻と憧れ夢見ていたのに果たせなかった、あることを実現させようと決意する。無数の風船を付け、家ごと空高く舞い上がったカールじいさんが目指すのは南米にあるという伝説の滝だ。なりゆきで一緒に旅をすることになった少年ラッセルと共に、カールは人生で最初の冒険の旅に出ることになる。

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ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない - 渡まち子

◆問題企業の実態が、誇張とも現実ともとれるディテールで描かれるのが笑える(65点)

 過酷な職場で煉獄のような日々を送る人に、元気を与えるユニークな物語は、2ちゃんねるの書込みから生まれた実話を基にしている。ニート生活から母親の死で一念発起した26歳のマ男は、プログラマーとして就職活動を行なう。だが、中卒の彼をようやく採用してくれたIT企業は、サービス残業・徹夜・ありえない仕事量など、超過酷でトンデモナイ職場。いわゆるブラック会社での毎日に、マ男は心身ともに限界に達していく。

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イングロリアス・バスターズ - 渡まち子

◆先読みできない展開がすごい(75点)

 ナチスやヒトラーと、その打倒を描いた映画は多いが、この作品はスタンスといい、切り口といい、まったくもって奇想天外だ。歴史的な事実を背景にしてはいるが、史実通りに描く気など、タランティーノには微塵もない。1941年、ナチス占領下のフランスで、家族を虐殺されたユダヤ人少女ショーシャナは、間一髪で逃げ延びる。成長した彼女は映画館を経営しながらナチスへの復讐を誓っていた。一方、イングロリアス・バスターズと呼ばれる連合軍のならずもので構成された極秘部隊は、レイン中尉をリーダーに次々にナチスを血祭りにあげて独軍をふるえあがらせる。独人美人女優で二重スパイであるブリジットの情報をもとに、ある極秘ミッションが計画されていたが、それはショーシャナにも復讐のチャンスとなる。

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なくもんか - 渡まち子

◆勢いだけが勝負のような作品(40点)

 相変わらずのハイテンション、コロコロと変化する物語、人情とバカバカしさが同居する本作は、勢いだけが勝負のような作品だ。幼い頃に生き別れた兄・祐太と弟・祐介はお互いの顔も名前も知らずに育つ。東京下町・善人通り商店街でハムカツが名物の店を切り盛りする祐太は、誰に対しても親切をモットーに生きていた。お人好しの祐太、突然実家に戻った初代店主の一人娘・徹子、さらに赤の他人を兄としてお笑い芸人コンビでブレイクした弟の祐介の運命と再会劇は、意外な方向へと転がっていく。

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きみに微笑む雨 - 渡まち子

◆二人のやるせない感情が手に取るように分かる(70点)

 日本でも人気の韓流スター、チョン・ウソンが演じる大人のラブストーリーは、ホ・ジノ監督らしい静かなタッチの佳作だ。出張で中国・四川省の成都に来た韓国人ビジネスマンのドンハは、観光名所の杜甫草堂でガイドをしている友人メイと再会する。米国留学時代、互いに恋心を抱いていた二人は再び惹かれあうが、メイにはある秘密があった。

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THE WAVE ウェイヴ - 渡まち子

◆実話に基づいているというから背筋が凍った(70点)

 ヒトラーは最悪の独裁者。ファシズムなど許されない。頭では分かっていたのに、若者たちは、あっというまに独裁の魔力に取り込まれて狂気に走る。これが実話に基づいているというから背筋が凍った。ドイツのとある高校で、ベンガーという教師が、生徒と共に心理実験を行なう。それは、いくつかのルールをつくり独裁制を学ぶものだが、教師の予想を超えて独裁制に魅せられた生徒たちは、学校内外で過激な活動を行なうようになる。

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笑う警官 - 渡まち子

◆社会性より娯楽性が際立つエンタメ映画(60点)

 角川春樹が11年ぶりにメガホンを取ったことが話題のサスペンスだが、社会性より娯楽性が際立つエンタメ映画になっている。札幌市内のアパートで女性警官の変死体が発見される。すぐに元交際相手の巡査部長・津久井に容疑がかけられ、異例の射殺命令までも下される。一連の流れに何かしらの秘密を感じた所轄警部補・佐伯は、信頼できる仲間たちと極秘で捜査を行なうが、彼らはこの事件の裏にある警察内部の隠された闇に踏み込んでいく…。

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Disney’s クリスマス・キャロル - 渡まち子

◆ホラー・ファンタジーのようだったのが意外(60点)

 誰もが知るディケンズの名作が、最新技術を駆使したユニークな映像で蘇った。家族も持たず、人との絆も信じられず、ただ金銭欲を満たすために生きる老人スクルージ。街一番の嫌われ者の彼のもとに、クリスマス・イブの夜、元ビジネス・パートナーの亡霊が現われ、スクルージに「過去・現在・未来をめぐる時間の旅へと連れ出す3人の亡霊にとりつかれる」と予言する。翌日から一夜ずつ現われた亡霊と共に、彼が見たものとは…。

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脳内ニューヨーク - 渡まち子

◆摩訶不思議系エンタテインメント。内容はひとりよがりだが、カウフマンの非凡な才能が垣間見える。(65点)

 NYに住む人気劇作家ケイデンは、ある日突然、妻と娘が出て行き途方に暮れる。そんな時、名誉あるマッカーサー・フェロー賞受賞の知らせが。ケイデンは人生を立て直すため、賞金で壮大な芸術プロジェクトを開始する。

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ゼロの焦点 - 渡まち子

◆幸せを探してもがく女性たちが過去に囚われる運命は、あまりにも切ない(65点)

 2009年に生誕100年を迎える社会派ミステリーの巨匠・松本清張。初期の傑作を映画化した本作は、原作にはない新たな要素が加わっている。昭和30年代、禎子は、見合いで鵜原憲一と結婚。しかし式から7日後に、夫は仕事の引継ぎに向かった前任地の金沢で行方不明に。禎子は夫を探すために冬の北陸へと向かう。地元の名士の夫人である佐知子や、どこか影がある受付嬢の久子と出会うが、夫の行方は分からず、時を同じくして連続殺人事件が起きる。

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天使の恋 - 渡まち子

◆コテコテのお涙頂戴ものに大人の映画ファンはドン引き(20点)

 大人気ケータイ小説が原作で、カリスマティーンモデル・佐々木希が初主演した純愛映画だ。飛びぬけて美しく、常に仲間の中心にいる女子高生・理央。性別を問わず誰もが彼女に夢中になるが、理央自身は過去のトラウマから他人を信じられず、お金にしか興味がない。近寄ってくる人間を利用するだけだった彼女は、17歳になったある日、35歳で無愛想な大学講師・光輝と出会い、運命的な恋に落ちる。だが光輝には彼女を受け入れられない理由があった。

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ファッションが教えてくれること - 渡まち子

◆カリスマ編集長の仕事ぶりに迫るドキュメンタリー(60点)

 華やかな場所に見えるファッション業界が、極めて厳しい世界であることは、映画「プラダを着た悪魔」でうかがえた。本作はメリル・ストリープが演じた鬼編集長のモデルと言われるアメリカ版「ヴォーグ」誌のカリスマ編集長・アナ・ウィンターその人と、彼女の仕事ぶりに迫るドキュメンタリーだ。1年で最も重要な秋の特大号・9月号の準備に余念がない編集長アナと、ディレクターのグレイスは、何かと対立しながらも、いくつもの特集を用意し、雑誌を作り上げていく。

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僕らのワンダフルデイズ - 渡まち子

◆ちょっと遅れて始まった二度目の青春のようで微笑ましい(60点)

 平凡な中年男が末期ガンで自分の余命は半年と知る。こう聞けば、お涙頂戴ものを連想するが、しめっぽいところはほとんどない。青春時代の仲間と再結成したバンドでコンテストを目指す日々は、若い頃以上にワンダフルなのだ。主人公の藤岡徹は53歳のサラリーマン。胆石で入院したが、末期ガンであることを偶然に知ってしまう。残された日々で「家族に音(演奏)を残したい」と考えた徹は、学生時代のバンドのメンバーに声をかける。

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ディセント2 - 渡まち子

◆思いもよらないどんでん返しが用意されている(70点)

 低予算のカルト・ホラー「ディセント」は未踏の洞窟という舞台設定の面白さでヒットを飛ばした佳作だった。本作は待望の続編だが、続編のマンネリ感とは無縁で、なかなか出来がいい。アパラチア山脈の洞窟探検に出かけた女性6人グループが行方不明になり、サラだけが血まみれの状態で生還する。記憶が混濁し錯乱状態のサラを容疑者と疑う保安官は、彼女を連れて数人のレスキュー隊と共に問題の洞窟へと向かうが、岩の崩落で路をふさがれ孤立。彼らが目にしたのは、行方不明者の無残な死体と、洞窟の闇でうごめく謎の生き物だった。

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ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵No.1と呼ばれた男 Part2 ルージュ編 - 渡まち子

◆アンチヒーローとして目立ちたいというメスリーヌの嗜好が興味深い(70点)

 フランスに実在した不世出のギャング、ジャック・メスリーヌの半生を2部構成で描く大作の完結編。Part2 ルージュ編では、70年代、フランスに舞い戻ったメスリーヌが、犯罪と脱獄を繰り返したあげく“社会の敵No.1”と呼ばれるようになる過程と、壮絶な最期を遂げるまでを描く。

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