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	<title>映画批評なら映画ジャッジ！ &#187; 巧映画批評</title>
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	<description>最新映画の批評が満載！批評家による映画批評を参考にされて、良い映画を見て頂く為のサイトです。</description>
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		<title>食べて、祈って、恋をして</title>
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		<pubDate>Thu, 16 Sep 2010 23:00:41 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[-低得点映画]]></category>
		<category><![CDATA[2010年09月17日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[食べて、祈って、恋をして]]></category>

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		<description><![CDATA[ストーリーがあまりにも説得力に欠ける（25点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　映画はさながら世界一周の旅のようで開放感に溢れているが、ストーリーがあまりにも説得力に欠ける。NYでジャーナリストとして活躍するリズは、 30代半ばになって自分の人生が、望んでいるものではないことに気付く。夫との離婚、若い恋人との別れを経て、自らを探す旅に出ることを決意。イタリア、インド、インドネシアへと向かう。美食と瞑想を堪能した後、最後に訪れたバリ島で彼女の人生を大きく変える男性と出会うことになる…。</p>
<span id="more-12735"></span>
<p>　原作は女性作家エリザベス・ギルバートの自伝的小説だ。アメリカ女性は本当に“自分探し”が大好きである。だが、そもそもこのヒロインに感情移入するのが難しい。リズは、仕事も家庭もかなり恵まれていて、それゆえに虚しさに気付いてしまうのだが、バブル期を彷彿とさせるこの余裕に現代女性がはたして共感するだろうか。夫や恋人にさしたる非があるようにも思えない。何より、彼女が虚しさに気付き旅立つきっかけが、バリ島の怪しげな占いというのが失笑ものだ。リズの親友の「人生をチェックアウトすることなんてできないのよ」とのやんわりとした批判の言葉の方が、よほど説得力があるが、この忠告は彼女の耳には届かない。瞬時に外国生活になじみ、それぞれの場所で彼女を応援する素晴らしい友に恵まれるなど、展開はトントン拍子。同時代性もなく共感できない話に、ジュリア・ロバーツやハビエル・バルデムらオスカー俳優が顔をそろえていることが、いっそう虚しさを感じさせる。</p>
<p>　きっとヒロインは思い切り食べることも自分のためだけに祈ることも、これまでの人生で経験してこなかったに違いない。だが裕福なアメリカ女性の自分探しの旅は、スピリチュアルな悟りではなく、結局は、渇望していた新しい恋に落ち着く。そこでもヒロインはいちいち自らに足枷をはめながら物事を考え、自分を解放するのに時間がかかり、やきもきさせる。そんなに難しく考えることか？！　ついに素直になったリズの幸福を願いたいところだが、こういうタイプの女性は、満足するということを知らないのだ。新しい恋も長くは続かないのだろう…との思いがよぎる。リズの母が言う「あなたって子はいつも何かを探してる」との、愛情のこもったあきらめの言葉がそれを象徴していた。“足るを知るものは富む”という諺があるが、現状での精神的な充足こそ彼女が悟るべきことではなかろうか。インドとバリ島で学ぶことは、欧米人がアジアに求める安易な癒しにしか見えないが、唯一イタリアだけは習得すべきテーマが明確で普遍性がある。それは「何もしないことを楽しむ」こと。これだけは頷けた。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ナイト・トーキョー・デイ</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12731.html</link>
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		<pubDate>Wed, 15 Sep 2010 23:00:10 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年09月11日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ナイト・トーキョー・デイ]]></category>

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		<description><![CDATA[圧倒的な情報不足を不親切と見るか、想像力を刺激する演出スタイルと見るかで評価が分かれそう（55点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　殺し屋とその標的の許されない恋というと過激で情熱的に思えるが、この物語はどこかポエティックで不思議なムードが漂っている。築地の魚市場で働きながら、凄腕の殺し屋として闇の仕事を請け負う女・リュウ。ある時、新しい仕事が入り、抹殺するターゲットでスペイン人のダビが営むワイン店を訪れる。誰とも打ち解けず生きる孤独な女と、愛する妻を自殺によって亡くしたばかりの男は、出会った瞬間に恋に落ちる…。</p>
<span id="more-12731"></span>
<p>　夜明け前の魚市場、街の雑踏、瀟洒なワイン店、怪しげなラブホテル。異邦人の目で見た東京は、迷宮のようなトーキョーなのだろうか。スペイン出身の女性監督イザベラ・コイシェは、「死ぬまでにしたい10のこと」や「エレジー」などの作品で、どうしようもないほど孤独な人間が、ゆっくりと心を開いていく様子を、決してベタつかず、それでいてメランコリックな、独自の筆致で描いてきた。本作では、殺し屋という非日常的な職業のヒロイン・リュウの背景をほとんど説明しない。不眠症でイチゴ大福が好き。たまに誰だか分からない人間の墓参りをする。唯一の話相手である年老いた録音技師が彼女について知っているのはそれだけで、観客に与えられる情報もほとんど同じだ。この録音技師がリュウの存在を確かに認識する証明が、劇中に出てくるさまざまな音である。活気にあふれたラーメン屋で麺をすする音や市場で水を流す音、街のざわめきなど、周囲の音が際立つほどヒロインの孤独が立ち上ってくる。殺し屋を演じる菊地凛子は、ほとんど表情を変えずに演じるが、ダビとの逢瀬で愛に目覚めていく様子を、抑えた演技で表現していて、クールだ。リュウが最後に下したある決断と、それを胸に抱いて日本を離れるダビ。誰かに語られることを嫌う、愛の物語は、濃密な思い出と共に封印されたのだろう。圧倒的な情報不足を不親切と見るか、想像力を刺激する演出スタイルと見るかで評価が分かれそうだが、私にはこの寡黙でミステリアスなラブ・ストーリーの語り口は心地よいものだった。外国人が日本を語るときはどうしても類型化されるが、イザベラ・コイシェは感覚的に現代の日本をつかんでいて、そのセンスがなかなか面白い。</p>]]></content:encoded>
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		<title>リサとガスパール-とびきりキュートなパリの住人-</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12729.html</link>
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		<pubDate>Tue, 14 Sep 2010 23:00:16 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年09月11日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[リサとガスパール-とびきりキュートなパリの住人-]]></category>

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		<description><![CDATA[ほとんど夫婦漫才（めおとまんざい）の世界（55点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　フランス発の人気絵本が初のアニメーション映画になった。ウサギでもイヌでもない不思議な生物リサとガスパールのキャラは、シンプルで可愛らしい。お茶目で元気な女の子リサと心優しい男の子のガスパールは、大親友。パリに住んでいて、人間と同じ学校に通っている。人間の友達はいっぱいいるけれど、2人は特別の仲良し“永遠の友達（トワトモ）”なのだ。そんなリサとガスパールは、今日もいたずらをして思わず叫んでしまう。「ひゃー、やっちゃったー！」。</p>
<span id="more-12729"></span>
<p>　原作者は文を担当するアン・グッドマンと絵を担当するゲオルグ・ハレンスレーベンの夫婦。油絵で描かれた原画のタッチは、ぬくもりを感じさせるやわらかい雰囲気で、好感度大だ。ファン待望の初映画化となる本作は5つのエピソードでつづられる。ガスパールの兄さんのシャルルが作ったロケットを壊してしまう「スペースロケット」、リサとガスパールのクラスで飼うことになったモルモットが行方不明になってしまう「ちいさなともだち」、シャルルの凧が強風で飛ばされ街中を走り回って探す「凧あげ」、学校で手品をすることになったリサとガスパールがケンカしてしまう「マジックショー」。どれも好奇心一杯で暴走してしまうリサに、ガスパールがひきずられる格好で微笑ましい。このパターン、どこかで見たことがあるなと思ったら、フラッシュ・アニメの古墳ギャルのコフィーと幼馴染の墳丘墓ダニエルの関係に似てるのだ。可愛くてジコチューでメゲないリサ、彼女にやきもきしながらもいつもさりげなくフォローする優しいガスパール。ほとんど夫婦漫才（めおとまんざい）の世界である。毎日の暮らしに、明らかにヘンな生物が混じっているのに、まったく意に介さない人間たちの懐の深さも良い。4つのエピソードがどれもいたずらが中心の小話風なのに対し、映画オリジナル・ストーリーである「リサのいもうと」は、ちょっと泣かせる。リサは妹が生まれた時、お母さんは妹が可愛くて、もう自分をかまってくれないと思い込み大ショックでキレ気味。赤ちゃんを敵視するリサが、やがて心を開いて妹への優しさに目覚めるエピソードだ。上手いのは、これが回想形式で描かるため、リサの成長を実感できること。映画そのものはあくまでも子供向けだが、独特の絵柄が何ともラブリーで、いつまでも見ていたくなる。実在のパリの街のスポットが舞台で、登場するカフェやファッションなど、何気におしゃれ。癒し系アニメでのんびりしたひと時を過ごしたい人にお勧めしたい。</p>]]></content:encoded>
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		<title>君が踊る、夏</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12725.html</link>
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		<pubDate>Mon, 13 Sep 2010 23:00:15 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年09月11日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[君が踊る、夏]]></category>

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		<description><![CDATA[映画は安易な難病ものではなく、悩みながら生きる主人公・新平が、故郷の祭りを通して自分らしい生き方を模索する物語になっている（60点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　挫折しながらも追いかける夢。好きな人を思い続ける気持ち。高知よさこい祭りの高揚感。それらをミックスして、病と闘う少女の実話を単なる難病ものだけに終わらせず、さわやかな青春映画に仕上げている。高知出身の新平は、東京でプロのカメラマンを目指して厳しい修行の日々を送っていた。5年ぶりに帰郷した新平のもとに、別れた恋人の香織が会いに来て「一緒によさこい祭りに出てほしい」と懇願する。難病を患う香織の幼い妹・さくらの生きる支えがよさこい祭りなのだ。最初はとまどったが、新平は、かつてのチーム「いちむじん」を再結成し、踊りの練習を始める…。</p>
<span id="more-12725"></span>
<p>　「いちむじん」とは土佐の言葉で“一生懸命”の意味だと言う。発病して5年以上生存した例がないという悪性腫瘍の病を抱える少女が、よさこい祭りを生きる支えに、奇跡的に5年以上闘病を続けているという部分が実話。だが映画は安易な難病ものではなく、悩みながら生きる主人公・新平が、故郷の祭りを通して自分らしい生き方を模索する物語になっている。重要なファクターであるよさこい祭りは、全国的に有名だが、その“前に進む”スピリットがストーリーと自然に重なっていくところが上手い。伝統だけにとらわれず、現代的な味付けがなされているよさこいの踊りは、パワフルでとても魅力的だ。数十名で構成されるグループの振付はチームワークが最も大切。誤解やわだかまりを乗り越えて、先頭で旗をふる“纏（まとい）”を務める新平の誇らしげな表情がいい。初めて化粧をした香織の、パッと花が開いたような笑顔にも魅了された。いよいよ祭りの本番が近づいたその時、東京から、新平の写真がコンクールの最終選考に残り、受賞式に出席しないと受賞が取り消されてしまうとの連絡が入る。その授賞式は祭り当日と同じ日だった。少女との約束、故郷への思い、恋と友情、何より祭りへの情熱から、自分にとって何が一番大切かを知った新平が、どんな答を出すかは、映画を見て確かめてほしい。クライマックス、鮮やかな衣装で華麗に着飾った人々が、パワフルな鳴子踊りを披露する場面は圧巻だ。懸命に踊りの練習を重ねたという若手俳優たちが気迫溢れる素晴らしいパフォーマンスを見せる。よさこいで一番大切なのは笑顔。この言葉が心に残った。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士</title>
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		<pubDate>Sun, 12 Sep 2010 23:00:22 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[-高得点映画]]></category>
		<category><![CDATA[2010年09月11日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士]]></category>

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		<description><![CDATA[最後の最後まで、巧妙な仕掛けで悪を制裁するリスベットの知性に、溜飲を下げる（70点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　スウェーデン発ミステリー「ミレニアム」三部作の完結編。権力側の陰謀に決して負けないヒロインの反骨精神に尊敬の念を覚える。自分に罪をきせ命を狙った敵と対決し、瀕死の重傷を負ったリスベット。病院から退院後、収監されてしまう彼女はほとんど身動きがとれない“眠れる女”だ。だが彼女の無実を信じるジャーナリストのミカエルは、ひそかに連絡をとる術を見つけ出す。一方、ミカエルの妹で弁護士のアニカや、リスベットのハッカー仲間らも、独自の方法で調査を進める。なぜリスベットは12歳で精神病院に入れられ「無能力者」として後見人制度の下に置かれたのか。ついに始まった裁判で、リスベットは自分に起こった忌わしい出来事を話し始める…。</p>
<span id="more-12718"></span>
<p>　信じられないほど残酷で身勝手な、元公安警察「特別分析班」の男たちは、まるで旧時代の遺物のよう。スウェーデンの過去の歴史の暗部を覗き見るようでゾッとする。リスベットはそんな彼らの秘密を握る要注意人物として抹殺されようとしているのだが、事件は複雑で、リスベットの家族関係の悲劇までもがからむ壮大な展開に一瞬も目が離せない。誰も信用せず、外見も内面も攻撃的なリスベットのキャラクターに最初は感情移入は難しいが、本当に信頼している人間には、短い言葉で心からの感謝を捧げる彼女こそ、真に誠実な人間なのだと分かるだろう。裁判に望むとき、黒のパンクファッションでキメてみせる彼女のいでたちは、闇の権力と理不尽な暴力への毅然とした「NO！」の決意表明だ。最後の最後まで、巧妙な仕掛けで悪を制裁するリスベットの知性に、溜飲を下げる。それにしてもリスベットを何年もの間苦しめてきた精神科医のテレポリアンのなんと憎々しいことか。医師という立場を利用して彼が行う悪事には、怒り心頭だ。このトンデモない男の末路は映画を見て確かめてほしい。また、執拗にリスベットを狙う無痛症の大男のラストも必見。とても太刀打ちできそうにない巨悪を相手にするリスベットだが、彼女には、並はずれた知性と、味方になって彼女を守る“狂卓の騎士”たちがいる。3部作すべてでリスベットを演じきったノオミ・ラパスの、射るような瞳が忘れられない。そして時折見せるさびしげな横顔も。“女を憎む男たち”という原作の副題は1のものだが、3部作すべてに貫かれたテーマだ。だが小柄なヒロインは自分を虐げるおぞましい存在を決して許さない。悪に対する不屈の魂。それがこの秀作ミステリーの本当の主題だ。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ミレニアム2 火と戯れる女</title>
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		<pubDate>Sat, 11 Sep 2010 23:00:21 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年09月11日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ミレニアム2 火と戯れる女]]></category>

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		<description><![CDATA[事件の解決は3に持ちこされるが、次回への興味を最高の形でつなぐ巧みなストーリーテリングに、引きつけられる（65点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　世界的ベストセラーのミステリー小説を映画化した「ミレニアム」3部作の第2弾。天才ハッカーのリスベットとジャーナリストのミカエルがほとんど別行動なので前作に比べて少し物足りないが、リスベットの過去が現代の事件とつながる展開が面白い。孤独に生きてきたリスベットが、愛してしまったミカエルの前から姿を消して1年。社会派雑誌「ミレニアム」で少女売春組織の特集の準備を進めていたジャーナリストが殺害される。現場にはリスベットの指紋がついた銃が残されていた。その後、リスベットの後見人のビュルマンも殺害され、リスベットは容疑者として指名手配されてしまう。彼女の無実を信じるミカエルは、雑誌発売に関する脅迫を受けながらも、リスベットの嫌疑をはらそうとする…。</p>
<span id="more-12717"></span>
<p>　前作1は1話完結の形をとっていたが、本作2と次の3とは強く連動している。一気に見るのがお勧めだが、何しろ登場人物が多く展開がスピーディーなので、集中力が必要だ。本作では、身に覚えのない殺人事件の容疑者にされてしまったリスベットの衝撃的な過去が語られると共に、警察内部に存在した特殊機関の恐るべき陰謀が浮かび上がる。リスベットというヒロインは、小柄で華奢、全身をタトゥーとピアスで武装したかのような外見。中身は、誰にも媚びず、人を容易に寄せ付けない性格でバイセクシュアル、さらに天才的なハッカーという極めて特異なキャラクターだ。だが、本当に信じられる相手には心を開く。こんな人物像に至るのが納得できるほど、彼女が封印していた過去は忌まわしい。捜査の中で浮かび上がるザラという謎の男、無痛症という特異体質のザラの手下“金髪の巨人”が、リスベットにつながる秘密がとりわけショッキングだ。さらに、自らの罪を隠ぺいするためリスベットを亡き者にしようとする特殊機関の老人たちが、歴史の亡霊のようで不気味である。瀕死の重傷を負ったリスベットは、はたしてどうなるのか。事件の解決は3に持ちこされるが、次回への興味を最高の形でつなぐ巧みなストーリーテリングに、引きつけられる。「火と戯れる女」とは、リスベットが過去に起こした事件に由来する副題。北欧社会の裏側に潜む女性蔑視と暴力に戦慄を覚えた。と同時に、一人の女性の人生を破壊しようとする巨悪に立ち向かうヒロインの気概が胸を打つ。</p>]]></content:encoded>
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		<title>悪人</title>
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		<pubDate>Sat, 11 Sep 2010 01:00:01 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[-高得点映画]]></category>
		<category><![CDATA[2010年09月11日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[悪人]]></category>

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		<description><![CDATA[ひとつの殺人事件が重層的にあぶりだす人間の心の闇。愛を渇望する男女の逃避行が胸を打つ。（75点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　長崎在住の土木作業員の祐一と、佐賀に住む紳士服量販店店員の光代は、携帯の出会い系サイトで知り合い、強く惹かれ合う。だが祐一は、今世間を騒がせている女性保険外交員殺害事件の犯人が自分であることを告白する…。</p>
<span id="more-12713"></span>
<p>　芥川賞作家・吉田修一の原作小説は、多くの人物のモノローグで構成されているが、李相日監督と原作者との共同脚本による映画は、登場人物とエピソードを絞り込み、孤独な男女の刹那的なラブストーリーを中心に据えている。また被害者と加害者の肉親の思いを丁寧にすくい取ることで、主人公のバックグラウンドを巧みに描き、見るものを物語の奥深い場所へと連れて行く。</p>
<p>　殺人事件の犯人で、金髪の寡黙な青年・祐一は、きっと心根は優しい。だが、爆弾を抱えているような得体の知れない危うさをも内包している。そんな彼の望みは、ただ誰かに愛されることだ。祐一の願いは、光代によって叶えられるが、内向的な彼女もまた情念とエゴを心に秘めた女性だ。事件に関与する人物は、誰もが悲しいほど脆い。殺された佳乃が祐一を虫けらのように扱ったり、金持ちの大学生・増尾が佳乃を夜の峠に置き去りにするのは、彼らが人を見下すことでしかプライドを保てない弱い人間だからだ。自分に欠けた善のパーツを補う方法が分からない若者が事件の中心にいるのに対し、周囲の大人たちは、人を愛することの大切さを知りながら、それを次世代に伝える力がない。となれば、異なる世代のコミュニケーションの欠如が殺人の遠因にも思えてくる。</p>
<p>　やるせないほどの愛情で結びつく男女を体当たりで熱演する妻夫木聡と深津絵里が素晴らしいが、加えて、祐一の祖母を演じる樹木希林が抜群に光った。純朴な老人を狡猾に騙す悪徳業者や、執拗にカメラを向けるマスコミに狙われる祖母は、最も弱い人間に思えるが、孫の祐一を心から慈しむ気持ちが、最後には彼女を強くする。娘を奪われ打ちひしがれた佳乃の父親の手にスパナが握られるのも同じ理由だ。どれほど身勝手な娘でも無条件に我が子を愛する父もまた、くじけなかった。地方都市の閉塞感の中、善悪の根源を探るこの物語は、誰かを大切に思う気持ちを持つ人間を、決して見捨てはしない。</p>
<p>　物語後半は、恋人たちの逃避行というロードムービーへ。「もっと早く光代と出会いたかった」と声を震わせ、自首するという祐一を思わず引き止める光代。彼女もまた、誰かとの出会いを真剣に待っていた。「私と一緒に逃げて」。つかの間の幸せにすがりつく２人が向かうのは海を見下ろす灯台だ。</p>
<p>　悪人とは誰なのか。それ以前に悪とは何だろう。原作には「両方が被害者にはなれない」という言葉がある。追いつめられた祐一がとる行動は、映画には出てこないこの言葉を思い出させた。愛する人を“被害者”として守るために自らの手に罪を招き入れる祐一を、簡単に悪人とは呼びたくない。映画を見終わった後には、よどんだ澱（おり）のような暗い感動が残る。それでいて小さな希望を感じるのは、祐一が祖母にプレゼントしたスカーフが、殺人現場に結ばれていたから。それとも悲しい眼をした祐一が最後に泣いたような笑顔を見せるからか。殺人という絶対的な悪とその周囲の相対的な悪をえぐった物語は、現代社会を生きる私たちに「大切な人はいるか」と激しく問いかける。</p>]]></content:encoded>
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		<title>バイオハザードIV アフターライフ</title>
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		<pubDate>Thu, 09 Sep 2010 23:00:24 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[-ホラー映画]]></category>
		<category><![CDATA[2010年09月10日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[バイオハザードIV アフターライフ]]></category>

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		<description><![CDATA[3Dらしく急降下や突進を繰り返しながら、縦横無尽に空間を飛びまわるヒロインの戦いっぷりは、魅力的だ（50点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　人気アクションシリーズ最新作のウリはシリーズ初のフル3D仕様。物語に深みはないが映像はなかなか面白い。ウィルス感染によって無数のアンデッド（ゾンビ）が誕生し、荒廃した世界。東京でも感染者が現れ、街の機能は停止しているかに見えたが、地下に潜ったアンブレラ社は密かに活動を続けていた。生き残った人類を探して旅をする女戦士アリスは旧知のクレアと再会するが、彼女は記憶を失っていた。2人は安全が保障されている船「アルカディア号」を目指してLAへと向かうが、そこで目にした光景は、何千というアンデッドで埋め尽くされた中、堅固な刑務所に立てこもる僅かな人間の姿だったが…。</p>
<span id="more-12710"></span>
<p>　映画冒頭に自らのクローンを引き連れて戦うアリスのビジュアルは、まるで忍者の“くのいち”のよう。それでも3Dらしく急降下や突進を繰り返しながら、縦横無尽に空間を飛びまわるヒロインの戦いっぷりは、魅力的だ。強すぎるアリスのクローン増殖という大風呂敷は、本作では一応畳まれ、解決を見る。東京でのシークエンスで第一感染者として中島美嘉が出演するなど、日本生まれのゲームに対しリスペクトが見られるが、物語の主要な舞台はLA。アンデッドから逃れ安全な船へと向かうため刑務所内が戦いの場となるが、3Dを意識したスローモーションの映像が多用されるため、バトルシーンのテンポが損なわれるのが残念だ。ただしシャワー室での水を効果的に使った場面は美しく、見応えがある。顔を覆った謎の巨人マジニの登場はゲームファンには嬉しいだろう。だが、なんといっても本作の新キャラの目玉はウェントワース・ミラー演じるクリスの登場だ。といっても最強の敵ウェスカーの前ではいまひとつ頼りにならないのがご愛嬌だが。東京でもアルカディア号でもアンブレラ社のセキュリティが甘すぎること、最強のはずのウェスカーのパワーが中途半端なことなど、ツッコミどころは多く、人間描写もないに等しい。だが、このシリーズにドラマとしての深みなど誰も求めていない。ひたすらゾンビをぶっ殺し、障害をクリアしながら前進するのみだ。今度こそ災いの源を倒したかと思いきや、エンドロールの後にワンシーンが用意され、物語はまだまだ続きそうな気配である。となれば、ミラのファンとゲームファンは、必見の作品ということになろう。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ルンバ！</title>
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		<pubDate>Tue, 07 Sep 2010 23:00:25 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年07月31日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ルンバ！]]></category>

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		<description><![CDATA[いろいろあった末に「こんにちは」と挨拶を交わす2人の表情が最高だ（65点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　道化師が本業のアベルとゴードン、ロミーの長編第2作は、不幸の連打にもメゲず、愛に生きる夫婦の物語だ。ダンス好きの教師夫妻、ドムとフィオナは幸せなカップル。ダンス大会で優勝した帰り道、自殺願望のある男のせいで車が事故を起こしてしまい、フィオナは片足を失いドムは記憶を失くす。その後、職場をクビになり、家は全焼。パンを買いに行ったドムは暴漢に襲われるが見知らぬ男に助けられ、ドーナツ屋を手伝うことに。一方、フィオナはドムが死んだと勘違いしてしまう。はたして2人は再び巡り会い、愛を取り戻すことができるのか…。</p>
<span id="more-12696"></span>
<p>　前作「アイスバーグ」同様にセリフはほとんどないサイレント・タッチの作風だが、悲劇と喜劇が渾然一体になって主人公たちを襲い、さんざんなメに遭うにもかかわらず、どこかほのぼのとしている。命懸けの物語の隠し味は、ラテンダンスのルンバ。ドムとフィオナが踊るルンバと共に、2人の転落人生に途中から重要な役で加わる犬の名前もまたルンバである。まるで子供のような純真さが社会性欠如に至り、すぐそこにいるのに気付かず、まったく学習性がない。時に観客をイラつかせるドムとフィオナの言動だが、長回しで撮られた身体を張ったギャグを見ているうちに、不幸さえ芸の一部に思えてくるから不思議である。そんなとき、彼らへの罪滅ぼしのように、作り手からちょっとヒネッた偶然の出会いというプレゼントが用意される。いろいろあった末に「こんにちは」と挨拶を交わす2人の表情が最高だ。完全に様式化された笑いとリアリティ無視の不条理、鍛え抜かれた身体で見せる動きの数々が、シュールなパワーとなって、主人公たちをハッピーエンドに導いていく。貧乏臭いルックスの登場人物と曇天の地味な風景の中、衣装だけが異様にカラフルなのは「アイスバーグ」と共通したビジュアルだ。分かりやすく安直な映画が氾濫する世の中にあって、この“道化師映画”は、完全に異化効果の役割を果たしてくれる。確固とした個性を持つ作品に、惜しみない拍手を贈りたい。</p>]]></content:encoded>
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		<title>アイスバーグ</title>
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		<pubDate>Mon, 06 Sep 2010 23:00:12 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年07月31日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[アイスバーグ]]></category>

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		<description><![CDATA[何しろ身体を張ったギャグがすさまじく、その激しい動きは前衛舞踏のようにさえ見える（65点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　サイレント映画を思わせる、アナログ感満載の奇妙なコメディーは、アベルとゴードンのカップルによる監督・主演映画で、彼らの個性が炸裂している。ベルギー・ブリュッセル近郊に住む主婦のフィオナは、不注意から勤務先のハンバーガーショップの冷凍室に閉じ込められてしまう。翌朝、九死に一生を得て救いだされた時、フィオナはなぜか氷への愛に目覚めていた。自分の不在にさえ気付かない夫ジュリアンや子供たちを捨てて、仏の港町バルフルールに到着し、小舟タイタニック号の船長で寡黙なルネと共に、氷山を目指すのだが…。</p>
<span id="more-12693"></span>
<p>　ベルギー人のドミニク・アベルと豪生まれのカナダ人のフィオナ・ゴードンの2人は今も現役で活動する道化師（クラウン）だという。同じく道化師仲間のブルーノ・ロミと共に、サイレント映画のようにほとんどセリフのないコメディーを作り上げた長編第一作が本作だ。何しろ身体を張ったギャグがすさまじく、その激しい動きは前衛舞踏のようにさえ見える。コメディーと言っても爆笑ではなく、思わずプッと吹き出してしまうそのパントマイム風の肉体芸は、実は身体の動きひとつひとつが計算されていて、特に、前半にフィオナがベッドの中で悪夢に苛まれ、シーツで氷山の形を見せる場面が素晴らしい。他の登場人物の動きや、なりゆきで起こる出来事も、どれもこれも超が付くほどシュールである。ヒロインのフィオナは、氷や寒さへの偏愛に目覚めるが、それ以上に自分が愛するものを懸命に追うことに喜びを感じて、どんな逆境（？）にも立ち向かう。夫のジュリアンはフィオナがいなくなって初めて彼女への愛に目覚める恰好なのだが、この夫の粘りも妻に劣らずかなりなものだ。冒頭とラストに登場するイヌイットの女性の語りによる物語のオチがこれまたトボけていて魅力的である。監督・主演の他、映画製作のほとんどの過程で活躍するアベルとゴードンは、若くも美しくもないのだが、唯一無二の存在感を見せる。バスター・キートンやジャック・タチを彷彿とさせる作風は、奇妙なノスタルジーに溢れていて、クセになってしまいそうだ。ベルギーといえば、古くはジャック・フェデー、最近ではダルデンヌ兄弟やジャン・クロード・バンダムが思い浮かぶが、フランス映画と類似していながら独特の映画と作家性が生まれる、まったくもってスミに置けない小国なのである。</p>]]></content:encoded>
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		<title>コップ・アウト 刑事（デカ）した奴ら</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12692.html</link>
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		<pubDate>Sun, 05 Sep 2010 23:00:22 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年09月04日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[コップ・アウト 刑事（デカ）した奴ら]]></category>

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		<description><![CDATA[冒頭から取り調べ室で延々と続く映画オタクのポールの名作のセリフの連打に、あっけにとられる（45点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　ジャンルは刑事アクションだが、何しろ監督がクセモノのケビン・スミスなので、オタク趣味全開のトボけた映画になっている。NY市警で長年コンビを組む刑事のジムとポール。性格は正反対だが仕事の息はピッタリの彼らは、捜査中のミスで停職をクラうことに。そんな時、娘の結婚費用のためにレアものの野球カードを売ろうとしたジムは、強盗に遭い、貴重なカードを盗まれてしまう。そのカードを追ううちに残虐なメキシコ系ギャング“ポー・ボーイ”がからむ殺人事件に巻き込まれてしまうのだが、同じ署内の別の刑事コンビも事件を追っていた…。</p>
<span id="more-12692"></span>
<p>　ハリウッドの定番である刑事もの“バディ・ムービー” だが、組み合わせは、アクション映画の名作「ダイ・ハード」のブルース・ウィリスと、スタンダップ・コメディー出身のトレイシー・モーガンという珍妙なものだ。しかも監督がオタク系のケビン・スミスとくるから、これはもうフツーのポリス・アクションではないと予想はつく。案の定、冒頭から、取り調べ室で延々と続く映画オタクのポールの名作のセリフの連打に、あっけにとられる。これが事件の重要な伏線かと身構えたが、物語はそこから、換金前に盗まれた超レアものの野球カードの話へ、さらに野球好きのレア物収集オタクのギャングとのからみになるが、謎のメキシコ人美女が鍵を握る殺人事件の本筋は、映画とも野球とは別モノなのだ。マヌケなコソ泥が出てきたり、美人妻の浮気を疑うポールの隠しカメラが登場したりもするが、これまた、ただのお笑いに終始する。いったい何がしたいのかよく分からないのだが、このトボけた味わいがケビン・スミスだと言われればそんな気も。事件の解決や悪党への裁きよりも、大切なのはあくまでも野球カードなのだ。ボケとツッコミよろしく、男2人のかけあい漫才を見ているかのように楽しめばそれでいいのだろうが、ポールのキャラが、愛情も友情もベタついているのが、どうにもいただけない。はたして換金すれば大金になるというレア物の野球カードは、ジムの手に戻るのか。そして愛する娘の結婚式で立派な父親役ができるのか。このオチだけは、なかなか洒落ていた。エンド・ロールの途中のワンシーンまで人を食ったようなシークエンスなのが、いかにもケビン・スミスである。</p>]]></content:encoded>
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		<title>オカンの嫁入り</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12690.html</link>
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		<pubDate>Sat, 04 Sep 2010 23:00:29 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年09月04日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[オカンの嫁入り]]></category>

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		<description><![CDATA[舞台は大阪だが、登場人物の描写はありがちなコテコテでベタついたものではなく、感情を抑えた静かな演出なのが好感が持てる（60点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　軽すぎず、重すぎず。演出の抑制が絶妙な人間ドラマだ。初共演の大竹しのぶと宮崎あおいが母娘を演じるが、フワフワした雰囲気が共通していて本物の親子のよう。陽子と月子は、長年、母1人子1人で仲良く暮らしてきた。ある晩、陽子が、若い金髪の男・研二を連れてきて「おかあさん、この人と結婚することにしたから」と爆弾発言。あまりに突然の陽子の言葉に、月子は裏切られた思いで家を飛び出してしまう。周囲の者たちは、なんとか二人をとりなそうとするが、母娘にはそれぞれ、心に傷があったり、言い出せない秘密があって…。</p>
<span id="more-12690"></span>
<p>　原作は咲乃月音の日本ラブストーリー大賞受賞作だが、内容は、恋愛ものではなく母と娘の絆の物語だ。監督の呉美保は「酒井家のしあわせ」でも、秘密をかかえながら互いを思いあう家族の姿を描いたが、今回は母一人子一人、女どうしということで、わだかまりも複雑だ。母が唐突に結婚宣言をして娘を突き放すようなマネをするには理由がある。月子は、会社に勤めているとき、ある男性から理不尽な扱いを受け、それ以来引きこもりのような状態なのだが、このままで一生過ごせるわけはない。母の陽子の結婚相手・研二は、元板前だけあって料理の腕はプロ級、見た目とは裏腹に思いやりにあふれた好青年だ。人はみかけだけでは判断できず、つきあってみて始めて長所も短所もわかる。そのためには小さくて安全な世界から出てみるしかない。月子の心の扉を開けるため、母の結婚が強引なカンフル剤となっている。さらに陽子にもなかなか娘には言いだせない、ある秘密が。その秘密はヘタするとお涙ちょうだいになってしまうものだが、この映画ではそうはならない。軽妙なセリフの中にいたわりを感じさせるため、白無垢姿の母とそれをみつめる娘の和解の場面がごく自然な感動を生んでいる。母娘はときに辛らつな言葉やキツいまなざしをぶつけ合うが、なぜか激しさよりもコミカルな雰囲気なのは、やわらかな関西の言葉のおかげだろう。ただし、舞台は大阪だが、登場人物の描写は、ありがちなコテコテでベタついたものではなく、感情を抑えた静かな演出なのが好感が持てる。母娘が素直になって、それぞれの勇気ある旅立ちを迎える物語は、見終わってじんわりとした温もりが残った。古いおまじないの言葉「つるかめ、つるかめ」が微笑ましい。</p>]]></content:encoded>
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		<title>BECK</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12687.html</link>
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		<pubDate>Fri, 03 Sep 2010 23:00:21 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年09月04日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[BECK]]></category>

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		<description><![CDATA[ティーン・エイジャーが、音楽を通して自分の秘めたポテンシャルを自覚していく姿は、青春映画ド真ん中の展開で、ストレートに感動できる（50点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　打ち込むものをみつけた喜びとかけがえのない仲間との友情が熱く伝わってくるバンド系青春音楽映画だが、サウンドの演出には疑問が残る。平凡な毎日をおくる内気な高校生コユキは、ある日、NY帰りの天才ギタリストの竜介と出会い、バンドに誘われる。千葉、平、コユキの親友のサクも加わってバンド BECKが結成された。コユキは懸命にギターを練習し、内に秘めたヴォーカルの才能を発揮、バンドも少しずつ成功を重ねていった。そんな時、竜介のＮＹ時代のトラブルと、ライバルバンドの敏腕音楽プロデューサーの陰謀に巻き込まれたBECKは、大きな試練に見舞われる…。</p>
<span id="more-12687"></span>
<p>　いつも何かに飢えているのに、すべてをあきらめたかのような毎日を送るティーン・エイジャーが、音楽を通して、自分の秘めたポテンシャルを自覚していく姿は、青春映画ド真ん中の展開で、ストレートに感動できる。オープニングとエンディングの楽曲も、レッチリとオアシスという豪華なものだ。だがしかし。おそらく考え抜かれたであろう、この作品の音の演出には首をかしげたくなる。原作マンガは音楽に対する独特の描写で知られ、それゆえに強く支持されている。その原作をリスペクトした演出なのだが、映像と音の総合芸術が映画とするならば、これでは“逃げ”に等しい。配給会社から緘口令が出ているので触れることは出来ないが、原作ファンはいざしらず、映画ファンはこれでは納得しないだろう。ただしキャスティングは上出来。佐藤健や水嶋ヒロらBECKメンバーのバランスがよく、何度か登場するライブシーンもなかなか見栄えが良い。何より「バンドのメンバーは誰でもいいわけではなく、奇跡のような出会いによって生まれるものだ」との竜介のセリフが良かった。音楽の絆で結ばれた大切な仲間の存在を高らかに肯定する言葉で、多くのバンド系音楽映画に共通するメッセージだ。BECKとは、劇中に登場し、コユキと竜介が出会うきっかけとなるブルテリア犬の名前。とぼけた顔つきがユーモラスだが、ブルドッグの闘争心とテリアの俊敏性を併せ持つ優秀な犬だ。偶然からバンドの名前になるが、コユキやバンドの未来の可能性とダブってみえる。</p>]]></content:encoded>
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		</item>
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		<title>世にも怪奇な物語</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12685.html</link>
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		<pubDate>Thu, 02 Sep 2010 23:00:40 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[-ホラー映画]]></category>
		<category><![CDATA[-高得点映画]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[世にも怪奇な物語]]></category>

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		<description><![CDATA[1967年製作のホラー・オムニバス大作は今も色褪せない幻想世界の極み。中でもフェリーニ作品は背筋が凍る。（75点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　仏と伊の3巨匠が、エドガー・アラン・ポーの怪奇文学を映像化、1967年に傑作ホラー・オムニバス「世にも怪奇な物語」が誕生した。このほどこの作品が、デジタル・リマスター版として美しくお色直しされることに。デジタル化は、画質と音声がクリアになるメリットの他に、過去の名作を若い世代に紹介できる絶好のチャンスとなる。ホラー・オムニバスは、映画、TVを問わず人気だが、3話構成の本作は、クオリティーの高さで群を抜く。</p>
<span id="more-12685"></span>
<p>　最も耽美なのは、美しい女伯爵の歪んだ愛をテーマに、ロジェ・バディムが監督した第1話「黒馬の哭く館」。当時の妻のジェーン・フォンダを美しく撮ることに全力を注いでいる。美貌で気まぐれな女伯爵フレデリックが唯一自分になびかないウィルヘルムへの復讐のため、彼の馬小屋に放火。愛馬を助けようとしたウィルヘルムは焼死する。彼女はその直後に現れた不気味な黒馬に魅せられ、やがて自ら破滅へと向かう。ジェーンの弟のピーターにウィルヘルムを演じさせ、姉弟共演で愛憎劇を演出する倒錯性が見所だ。ヴァデムは常に愛した女優の魅力を巧みに引き出すが、中世とSFをごちゃまぜにしたエロティックな衣装をまとったジェーンは、米映画とはまったく違う美しさがある。</p>
<p>　最も残酷なのは、冷酷な美青年が出会う分身を描いた、ルイ・マル監督の第2話「影を殺した男」。サディスティックで狡猾な美男子ウィルソンには、自分と同姓同名の謎の男がつきまとっていて、ことごとく悪事の邪魔をしていた。賭博場で美女相手にイカサマを働き、彼女をいたぶっていたウィルソンのインチキを暴いたのもこの男だ。ついに彼はその男を短剣で刺し殺すのだが…。アラン・ドロンとブリジッド・バルドーの美男美女をSM風味で競演させるところがゾクッとするが、題材は、ドッペルゲンガー（自己像幻視）という内省的なもの。自己破壊というドライなアイロニーにルイ・マルらしさがある。</p>
<p>　そして最も気味が悪いのは、フェデリコ・フェリーニの「悪魔の首飾り」。落ち目の俳優でアル中のトビーは、夜のローマを車で疾走するうちに道に迷う。彼の前に、霧の中で白いボールを抱える少女が現れ、甘美な死の世界へと招き入れる。狂気の淵を彷徨うテレンス・スタンプの鬼気迫る演技もさることながら、美少女にも老婆にも見える白いボールを持つ少女の顔は、悪魔的で恐怖そのものだ。私は初めてこれを見たときは少女の薄笑いを何日もひきずってしまい、今もって映画的トラウマになっているほど。それほどこの1編の悪夢的な恐ろしさは鮮烈だ。原作から大きく離れ、フェリーニらしいカリカチュアした業界人への風刺から、怪奇譚へもっていく見事な演出は、現実離れした色彩の映像も含めて、傑出した魅力を持っている。</p>
<p>　オムニバスとは本来「乗合馬車」の意味。独立した物語が一つにまとまったとき、他作品とのバランスを保ちながら共通のコンセプトが立ち上ってくる。成功の鍵は、無駄のないストーリー、才能溢れる監督、インパクトのある俳優、の3つだ。これらは一般映画と同じだが、オムニバスは1本の時間が短いだけに、よりシャープな演出が必要となる。バディム、マル、フェリーニという60年代当時、ノリにノッていた名匠が集結して絶妙な化学反応を起こし、この贅沢な企画は大成功となった。後のホラー・オムニバス・ブームのはしりとなったのが納得の壮観な秀作。耽美と退廃に貫かれた恐怖の世界を堪能したい。</p>]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>ストーンズ・イン・エグザイル～「メイン・ストリートのならず者」の真実</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12683.html</link>
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		<pubDate>Wed, 01 Sep 2010 23:00:17 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年07月12日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ストーンズ・イン・エグザイル]]></category>

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		<description><![CDATA[「ミックは計画的で、俺は朝起きて考える」とのキースの言葉が印象的（50点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　生ける伝説のロックバンド、ザ・ローリング・ストーンズのアルバム「メイン・ストリートのならず者」の製作現場に密着した音楽ドキュメンタリー。南仏で行われたストーンズの曲作りと私生活、ライブなどを、貴重な写真と映像、インタビューで描いている。</p>
<span id="more-12683"></span>
<p>　1971年、フランスでアルバムを作る背景が、英国の高額な税金から逃れるためという生臭くかつ切実な問題だったことを初めて知ったが、彼らの南仏での生活は自由で優雅、自堕落で背徳的だ。キース・リチャーズが借りていたコート・ダジュールの別荘には、さまざまな人物が訪れる。フィルムには、ミック・ジャガーの結婚式や、メンバーの家族の姿が映し出され、子供たちも含む人々の目の前に、おそらくドラッグ、おそらく酒、おそらくセックスが、あけっぴろげにある環境に驚く。メインは地下にある自前の録音スタジオでの曲作りだ。そのスタジオ施設は決して充実しているとは言い難いものだが、何よりそこには自由な空気がある。イギリスからフランス、さらにアメリカまで渡って、アルバムを仕上げる彼らの音楽への情熱は並々ならぬものだ。「ミックは計画的で、俺は朝起きて考える」とのキースの言葉が印象的。この伝説的なバンドは異なる個性がぶつかりあいながらも互いを尊重することで、息長くトップの座を保っているのだ。出来上がった「メイン・ストリートのならず者」は、ストーンズのアルバムの中でも最高傑作のひとつと言われている。映画としては、DVDの特典映像のようなイメージだが、それが1本の作品として成立するところが、ストーンズがビッグ・ネームである証拠だ。ストーンズのレコーディング風景を記録したドキュメンタリーにはゴダールの「ワン・プラス・ワン」があるが、見比べてみるのも面白いだろう。いずれにしてもファンには垂涎もののお宝記録映画だ。</p>]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>トルソ</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12681.html</link>
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		<pubDate>Tue, 31 Aug 2010 23:00:54 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年07月10日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[トルソ]]></category>

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		<description><![CDATA[生身の男性にカメラが向かない分、ヒロコが大切にするトルソは繰り返し描かれるのが面白い（55点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　対照的な姉妹の再生を描く人間ドラマは、女性心理の深くてイタいところを突いている。アパレル業界で働く30代半ばのOLヒロコは、化粧もせず携帯も持たず同僚から合コンに誘われても断り続ける地味な女性だ。彼女は、顔や手足がない男性の身体の形をした“トルソ”という人形を恋人のように大切にして暮らしている。そんな彼女のマンションに、父親が違う妹のミナが恋人の暴力と浮気に耐えかねたと言いながら、強引に転がり込んでくる。図らずも共同生活をすることになった姉妹は、やがて少しずつ変化していくのだが…。</p>
<span id="more-12681"></span>
<p>　この物語には男性の影がほとんどない。奔放な妹ミナの恋人でヒロコの元恋人である、浮気男のジロウといい、ヒロコと深い確執があったであろう、脳梗塞で死んだ義父といい、会話の上では登場するものの、画面には現われない。そのことが余計に女性の内部に巣食う男たちの罪を浮き彫りにする。生身の男性にカメラが向かない分、ヒロコが大切にするトルソは繰り返し描かれるのが面白い。愛情をもって抱きしめ、一緒に入浴して体を洗い、休日は海に連れて行って楽しく遊ぶ。添い寝や時には性の対象にもなる。トルソは、ヒロコを決して傷つけず何も求めない、匿名の安らぎだ。しかもこのトルソは彫刻ではなくビニール製で空気をいれてふくらませるタイプ。中身がからっぽということも、ヒロコが、体温や重みも含めて、何も求めていないのがよくわかる。ミナは隠してあったトルソを発見し、姉の孤独を知ることになるが、自分勝手でわがままに見えるミナもまた、ある事件がきっかけで、顔や手足のある生身の男との生き方以外の選択をすることになる。ぬくもりを求めながらも、その温かさが時に嫌悪の対象ともなる女性心理の不安と闇、さらにしたたかさやたくましさまでもが、ビニール製のトルソを愛情の対象とすることによって見事に象徴化されていた。是枝裕和作品のカメラマンとして知られる山崎裕の初監督となる本作、自然光や少ないセリフなど、俳優の表情で物語を語る演出で、随所に“らしさ”がある。トルソを愛してはいるが、トルソを“葬る”ヒロコの決断の先には、たとえ傷つくことになっても積極的に人と係わっていく勇気が見えた。</p>]]></content:encoded>
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		<title>チョルラの詩</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12674.html</link>
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		<pubDate>Sun, 29 Aug 2010 23:00:42 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年06月12日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[チョルラの詩]]></category>

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		<description><![CDATA[全編とても寡黙だが、静かで抒情的な演出がじんわりと染みるようで、愛する人に伝えれられない恋心の物語にフィットしている（60点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　詩を通して結ばれる3人の男女を、リリカルに描くラブ・ストーリーだ。1987年、韓国の全羅道では、ソウル五輪に向けて高速道路の建設が急ピッチで進められていた。在日韓国人の幸久は日本で非常勤講師をしながら詩人を志していたが、祖父の葬儀のために、数年ぶりに故郷の村を訪れる。従兄で兄貴分のカンスと再会し、日本で働くよりも韓国で暮らすべきと誘われる。しばらく村に滞在することにした幸久は、カンスが想いを寄せる女性ソンエに、恋の詩を書くため、カンスに詩を教えることになるが、やがて幸久もソンエに惹かれていく…。</p>
<span id="more-12674"></span>
<p>　チョルラとは地名で、全羅道（チョルラド）のこと。韓国映画の秀作「風の丘を越えて〜西便制〜」の舞台としても知られる美しい風景と独特の風土の土地だ。物語は、男2人と女1人の三角関係の形だが、それぞれの思いを伝える方法が、詩ということで、繊細な心理描写が可能になり、愛情と友情の両方が同じ重みで感じられる。背景には、ソウルオリンピックを翌年に控えた韓国の経済発展や民主化という時代の流れ、今より難しかったであろう日韓関係の中で生きる在日韓国人の立ち位置などもある。だが、それらを声高に叫ばず、悲しみややるせなさをも詩を通して巧みに表現している。韓国では、詩人は社会的ステイタスがあって尊敬されているという。純朴でまっすぐなカンスが恋の詩から労働や社会への思いまで詩うようになる姿は、どこか誇らしげだ。そんなカンスがたどる運命から、生き方に悩む幸久にも決断の時がくる。2人の間で揺れるソンエの心情がやや分かりにくいのだが、終盤に、水没した道を懸命に走る場面で一気に彼女の思いが溢れだす演出が素晴らしい。この物語は、全編とても寡黙だが、静かで抒情的な演出がじんわりと染みるようで、愛する人に伝えれられない恋心の物語にフィットしている。監督は、台湾を舞台にした「トロッコ」で長編劇映画デビューを果たした日本人の川口浩史。主人公が日本名の幸久と韓国名・ヒョンスの両方を持っているように、異国の地で、アイデンティティーに悩みながらも前向きに生きていこうとする主人公をみつめるまなざしはボーダーレスで、優しかった。</p>]]></content:encoded>
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		<title>東京島</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12671.html</link>
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		<pubDate>Sat, 28 Aug 2010 23:00:52 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年08月28日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[東京島]]></category>

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		<description><![CDATA[男たちの間を渡り歩いて、まるで柳の枝のしなやかさとしぶとさで生き抜く清子というキャラクターが素晴らしい（60点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　人間の生存本能と社会性を問う、桐野夏生の同名小説の映画化だが、ヒロイン役の木村多江が絶妙にフィットしている。夫婦二人旅の途中で嵐に遭った清子と夫は、無人島に漂着。意外なほどたくましくサバイバルする清子に対し、夫はたちまち衰弱する。その島に、16人の若いフリーターの日本人の男たち、さらに6人の中国人密航者の男たちが流れ着き、男23人に女は清子1人という奇妙な共同生活が始まった。その島は東京島と名付けられ、清子はただ1人の女性として女王のように君臨するが、次第に島のバランスが崩れていく…。</p>
<span id="more-12671"></span>
<p>　無人島に複数の人間が共存すれば、必ず支配するものとされるものという命懸けの主従関係が生まれる。伊映画「流されて…」や英映画「蝿の王」を見れば一目瞭然だ。だが何事にも淡白な現代日本人が繰り広げる“東京島”でのサバイバルは、どこかピクニックのようにみえる。渋谷、新宿、東海村などの地名をつけて、みんなで仲良くツルみ、現状に甘んじる日本人集団の中で、ただ1人異質なのは清子の天敵ワナタベだが、彼とて中国人たちの逞しさの前では無力に等しい。ルールを作って秩序を保ち島に安住しようとする日本人グループと、たくましい生存本能を発揮しながら脱出計画を練る中国人グループ。そんな男たちの間を渡り歩いて、まるで柳の枝のしなやかさとしぶとさで生き抜く清子というキャラクターが素晴らしい。40代の主婦で何の特殊能力もないこのヒロインがどんどん図太くなっていく様子は滑稽なほどだ。後半、この島に別のグループが登場するところから、にわかに物語が駆け足になっていき、あっけなくラストを迎えるのが物足りないのだが、現代社会の縮図のような無人島で変化を続けるヒロインの姿は最後まで目が離せない。美しいだけでなく耐久性でも群を抜くエルメスのスカーフが重要な小道具として登場し、映画を華やかに彩っている。特に、終盤、清子がスカーフで、ある大切なものを包むのが印象的だ。単純な四角形なのに、シーツ、袋、花嫁衣装と変幻自在の形になる大判のスカーフは、前進を続けるタフなヒロインの象徴のようだった。</p>]]></content:encoded>
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		<title>トイレット</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12667.html</link>
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		<pubDate>Fri, 27 Aug 2010 23:00:35 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[-高得点映画]]></category>
		<category><![CDATA[2010年08月28日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[トイレット]]></category>

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		<description><![CDATA[不器用な3兄妹の成長と家族の絆が少ない言葉で語られる。ベタつかない家族愛が心地よい。（70点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　プラモデルオタクの青年レイは、母の死後、やむなく実家に戻る。そこには、引きこもりの兄モーリーと生意気な妹リサ、そして死んだ母が日本から呼び寄せた “ばーちゃん”がいた。誰とも深く係わらず生きてきたレイだったが、この奇妙な共同体で暮らすうちに、次第に変化していく…。</p>
<span id="more-12667"></span>
<p>　「今日、ママが死んだ」。いきなりカミュか…！と焦ったが、物語のテーマは、人間の不条理というネガティヴではなく、家族の絆というポジティヴなものだ。変わり者の3兄妹と、彼らを上回る変人のばーちゃんの日常は淡々としていて、そこに、ばーちゃんがトイレの前で深々とつくため息はなぜ？という疑問や、ばーちゃんは本当に祖母なのか？という謎が、まったりと絡んでいく。</p>
<p>　荻上直子監督らしく、語り口はぶっきらぼうだ。この人の演出は基本的に引き算で、説明的な要素はほとんどない。前作「めがね」では引き算しすぎて、何も残らない状態だったが、本作ではマイナス具合が絶妙だ。最も顕著なのが、劇中ほとんど言葉を発しない、もたいまさこ演じるばーちゃんである。英語が話せず、誰とも会話せず、飼い猫“センセー”にしか心を開いていないかに見えて、実は何もかも承知しているような、どっしりとした存在感がある。</p>
<p>　モーリーにミシンの使い方を教え、リサのエアギターに理解を示し、孫たちのために餃子を作ってくれるばーちゃん。そんな彼女がトイレから出るたびにつく深いため息の理由をレイが懸命に探り、どうやら、彼女は、驚愕のテクノロジーに支えられた日本のトイレが恋しいらしいとの結論に達する。トイレの形態・様式は世界中で多種多様。民族の個性そのものと言っても過言ではない。静かに我が道を行く3兄妹と祖母の関係性を、トイレ文化に見立てたセンスが冴えている。しかも、ハイテクによって繊細な心遣いを込めた日本の最新式のトイレに、母国を投影させるさりげなさもナイスだ。トイレは、スタイルは違っても絶対に必要なもの“家族愛”のメタファーになっている。</p>
<p>　3兄妹は、世間から見ると少し風変わりな異分子だ。そんな彼らのそばにいる、より大きな異分子・ばーちゃんときちんと対峙することで、人と人との慎ましいコミュニケーションを肯定する物語は、気持ちを温かくゆるめてくれる。花柄のスカート、迷わず選ぶ好物のイクラ、7枚の同じシャツ。小さなエピソードの積み重ねが、キャラクターの確固とした個性を見事に描き出した。愛すべき彼らだからこそ、勇気を出して一歩前へ進もうとする姿を心から喜べる。</p>
<p>　異国の地で暮らす異邦人のばーちゃんは、劇中でたった1回しか言葉を発しない。そのひと言こそ、3兄妹とばーちゃんが血のつながりを超えた本当の家族としてスタートする高らかなファンファーレだ。ただそこにいるだけの猫に心が和むように、ときおり無言で微笑むばーちゃんの存在に癒されるように、この作品の無愛想な空気が心地よい。荻上監督が海外で映画を作るのは初めてではないが、全編カナダロケ、全編英語で作品を撮るのは初めて。その意味で監督自身が“異邦人”だったのだろう。出来上がった物語には“太陽のまぶしさ”ではなく、陽だまりの優しさがあった。</p>]]></content:encoded>
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		<title>劇場版 怪談レストラン</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12665.html</link>
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		<pubDate>Thu, 26 Aug 2010 23:00:54 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[-ホラー映画]]></category>
		<category><![CDATA[-低得点映画]]></category>
		<category><![CDATA[2010年08月21日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[劇場版 怪談レストラン]]></category>

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		<description><![CDATA[あくまでも子供向けで、TV感覚で気軽に楽しむ作品（30点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　松谷みよ子のロングセラー児童文学が、劇場版の映画として登場。アニメ、CG、実写の融合とのキャッチコピーだが、実態はアニメパートと実写パートにくっきりと分かれていて、この内容で“融合”とまで呼ぶのはちょっとズルい。山桜市では、死神からのメールを受信したものが連れ去られてしまう事件が頻発。自称怪奇現象専門の探偵で、中学生のハルは、行方不明になった妹のマイを探して、第一の被害者の少年・リュウの友人のカオル、カオルのクラスメートの少女ジュンと共に、不気味な廃墟の洋館、通称「怪談レストラン」に向かう…。</p>
<span id="more-12665"></span>
<p>　冒頭のアニメパートは約10分。ここでは死神メールについてのざっくりとした説明がある。その後、怪談レストランの支配人こと闇のギャルソンがレストランについて解説するが、唐突に実写になるので唖然とした。こんなに不自然な移行なのに、実写とアニメの融合などと謳っていいのだろうか。しかも実写パートの役者ときたら、美少女コンテスト・グランプリの工藤綾乃を筆頭に、モデルや歌手、お笑い芸人など、俳優を本業としないメンバーが中心。おかげで、ほとんど演技と呼べるしろものではない。物語はバイオリンが得意なカオルが重要な鍵を握り、怪談レストランから死人の町へと誘われ、死神とその悪意の正体を暴いていくのだが、シリアス度は極めて低く、演出はライト感覚。ドタバタ喜劇のような、楽しいお化けを見ていると、文句を言う気も失せてしまった。ただ、死神が携帯の写メを使って闇の世界へと人々を引きずりこむ設定に、イマドキ感が漂っているのは、ちょっと面白い。エンマ大王や占いガラス、解剖模型などのお化けがにぎやかに登場するが、髪が伸びるおきくちゃんは、意外な形で活躍する。とりあえず伝統ある東映アニメーションが製作していること、「感染」「シャッター」などの本格ホラーを手掛ける落合正幸が監督を務めていることを付け加えておくが、あくまでも子供向けで、TV感覚で気軽に楽しむ作品といえそうだ。</p>]]></content:encoded>
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		<title>パリ20区、僕たちのクラス</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12661.html</link>
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		<pubDate>Wed, 25 Aug 2010 23:00:48 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年06月12日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[パリ20区、僕たちのクラス]]></category>

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		<description><![CDATA[アイデンティティーとは、自分の手で掴み育てて確立するしかないのだ（60点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　まるでドキュメンタリーのような作品だがれっきとした劇映画で、フランスの“今”を切り取った作品といえる。国語教師のフランソワは、24人の中学生たちに手をやく毎日だ。スラングばかり使う、反抗的な態度をとる、出身国が違うためにケンカが絶えないなど、問題はさまざまだ。そんな中、自己紹介文を書かせる課題が、生徒たちの間で大きな波紋を巻き起こすことに。さらに問題児スレイマンがささいなことから授業中にキレてしまい大問題になる…。</p>
<span id="more-12661"></span>
<p>　2010 年W杯南ア大会でのフランス代表のていたらくが記憶に新しいが、そこにはあまりにも出身国が多岐に渡る移民大国・フランス代表チームのアイデンティティーの危うさがあったように思う。この映画の舞台、パリ市内20区にある中学のクラスも、そのまま移民の子弟による複雑な対立が見て取れる。彼らを導く国語教師フランソワは、正しく美しいフランス語を教えることで彼らを導こうとするが、それは「おばあちゃんでも使わない」ような言葉ばかり。これでは10代前半の生徒の興味はおろか、中国やアフリカ出身の生徒たちの理解は得られない。授業はしばしば崩壊するのだが、生徒のわがままな発言から図らずも発展するディスカッションと、自己主張をしないと生きて生けない社会構造のおかげで生徒の本心の一部は垣間見える。目を引くのは受験のための勉強が最優先の日本と違って、たとえ授業を中断しても、安易な和解や他人への迎合を拒否する姿勢だ。それは生徒も教師も同じ。映画はフィクションなのだが、真っ向からぶつかり合う姿はおそらく本物だろう。</p>
<p>　スレイマンの退学問題をさまざまな思いで消化したフランソワのクラスは、一見、何の解決も見ないように見える。だが、怒りや批判、絶望や希望も含めて人生は続いていくということを、生徒も教師も共に学ぶ姿を、映画はいっさいの装飾を省いて描き出した。フランスは、自国の言葉と文化に大きなプライドを持つ国だ。だが、もはや移民の存在なしには国家としての体を成さないのも事実。W杯に関しても、移民抜きの仏代表チームなど、欧州予選突破の可能性すらないだろう。最終的には、アイデンティティーとは、自分の手で掴み育てて確立するしかないのだということを映画を見ながら体感した。第61回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作。国語教師フランソワを、原作者フランソワ・ベゴドーが演じているのも興味深い。</p>]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>ハロウィンII</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12660.html</link>
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		<pubDate>Tue, 24 Aug 2010 23:00:47 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[-ホラー映画]]></category>
		<category><![CDATA[2010年06月19日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ハロウィンII]]></category>

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		<description><![CDATA[あまりの流血シーンの連打に、見ていてぐったりと疲れる（45点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　ヘヴィ・ロック・ミュージシャンが本業のロブ・ゾンビがスプラッタ映画「ハロウィン」をリメークして思いがけず好評だったが、本作はその続編で、主人公の殺人鬼マイケル・マイヤーズの妹ローリーが中心の物語だ。どこか幻想的なタッチで、時折ミュージック・ビデオのようにも見える。ハロウィンが近くなり、不気味な夢を見るようになったローリー。彼女はマイヤーズ家で唯一の生き残りだったが、そうとは知らずにストロード家に引き取られ幸せな生活を送っていた。そんな時、売名行為に走るルーミス医師の本が発売され、自分が殺人鬼マイケル・マイヤーズの妹だと知ってショックを受ける。思わず家を飛び出したローリーだったが、時を同じくして精神病院から脱走したマイケルが再び殺戮行為を繰りひろげていた…。</p>
<span id="more-12660"></span>
<p>　問答無用のスプラッタ描写で人気の「ハロウィン」のオリジナルは、ジョン・カーペンター監督による傑作ホラーだが、ロブ・ゾンビ版「ハロウィン」はマイケルの幼少期を描いてオリジナルのファンにも強く支持された。その続編も、相変わらず残酷シーンがてんこもりだ。殺戮方法は巨大なナイフでめった刺しと、少々ワンパターンなのだが、それゆえにシンプルな怖さがある。そんな中、時折挿入される母親の記憶の映像が美しい。ブギーマンことマイケルと妹ローリーを精神的に支配する母親が、白いドレスで馬を連れて登場するそのシーンは、ロブ・ゾンビ夫人である女優シェリ・ムーン・ゾンビが演じている。繰り返し挿入されるこのシークエンスのおかげで、スプラッタ映画なのに幻想的な雰囲気を漂った。諸悪の根源の医師ルーミスによって、再び惨劇が繰り返されるが、今回は妹ローリーが決着をつけることに。血まみれになりながらも、兄への愛を口にする彼女には悲壮な決意が感じられる。あまりの流血シーンの連打に、見ていてぐったりと疲れるが、「13日の金曜日」のジェイソン、「エルム街の悪夢」のフレディと共に、近代が生んだ3大モンスターのマイケルに“安息”を与える本作、監督のホラー映画への愛情が垣間見えた。ロブ・ゾンビらしいこだわりの音楽が残虐性を引き立てている。</p>]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>キャッツ＆ドッグス 地球最大の肉球大戦争</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12657.html</link>
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		<pubDate>Tue, 24 Aug 2010 01:00:35 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年08月21日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[キャッツ＆ドッグス 地球最大の肉球大戦争]]></category>

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		<description><![CDATA[007をはるかにしのぐ秘密兵器の数々、ネコ界のハンニバル・レクターの登場以外にも、映画のファンならばワクワクするようなパロディが満載だ（50点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>大ヒットした動物映画の続編の本作は、共通の敵に対してライバル同士の犬と猫が手を組む展開が笑いを誘う。猫のスパイ組織の元エージェント、キティ・ガロアが、犬や猫、人間までも自らの支配下に置くという恐ろしい策略を企てていた。かつてない危機にさられたネコたちは、ずっと敵対してきた犬スパイ組織とも手を組むことを決心する。ネコ界からは名実ともトップ・エージェントのキャサリン、イヌ界からはすぐに暴走するが潜在能力を秘めた元警察犬のディッグス、なぜかハトのシーマスも加わって、打倒キティ・ガロアのチームを組むことに。果たして彼らはガロアの陰謀から自分たちと人間、引いては地球を守れるのか？！</p>
<span id="more-12657"></span>
<p>　本来は敵同士の犬と猫が共通の敵に向かって団結し手を…いや、肉球を結ぶ内容が、可笑しくも切実だ。彼らの共通項は、共に、人類の大切な友だちで、人間を守らねばならないという思い。このあたり、ひたすら人間に都合がよく作られているのだが、犬と猫が手を組んで打倒人間にならなかったのがありがたい。007をはるかにしのぐ秘密兵器の数々、ネコ界のハンニバル・レクターの登場以外にも、映画のファンならばワクワクするようなパロディが満載だ。張り切りすぎて暴走し謹慎をクラう落ちこぼれ警察犬のディッグスが、自分を可愛がってくれた元相棒で警官のシェーンの元へ戻りたいと願うけなげな思いや、キティ・ガロアがブチきれてならず猫になった悲しい（？）エピソードを挿入しながら、物語は遊園地での大バトルのクライマックスへと突入する。犬も猫も大好きだが、個人的には自然体の和犬、和猫が好み。実写、パペット、CGの融合で活写され、大活躍するスパイ組織の犬や猫よりも、マタタビ効果でひたすら幸せそうな家猫のシーンに癒された。</p>]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>ハナミズキ</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12654.html</link>
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		<pubDate>Mon, 23 Aug 2010 07:00:58 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年08月21日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ハナミズキ]]></category>

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		<description><![CDATA[ストーリーそのものは、出会ってはすれ違うという古臭いもので、終盤には偶然を多用する展開になり、目新しさは何もない（40点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　10年の歳月の中、すれ違い続ける恋人たちの物語だが、あまりに展開が早いせいか、あっさりと薄味の恋愛映画になっている。北海道に住む紗枝は、東京の大学を目指して受験勉強中。ある時、水産高校に通う康平と偶然出会い、恋に落ちる。やがて東京と北海道の遠距離恋愛が始まった。海外での仕事を目標に、都会生活でどんどん美しくなる紗枝と、たとえ苦労があっても漁師として頑張りたい康平は、互いを思いながらも次第にすれ違いはじめる…。</p>
<span id="more-12654"></span>
<p>　一青窈の名曲「ハナミズキ」をモチーフにした純愛映画だが、北海道、東京、ニューヨーク、カナダと、さながら世界一周のごとき展開で、ものすごいスピードで物語が進んでいく。ストーリーそのものは、出会ってはすれ違うという古臭いもので、終盤には偶然を多用する展開になり、目新しさは何もない。新しいのは、主役二人が演じる役柄で、高校生役が似合いすぎる新垣結衣がキャリウーマンを、繊細なイメージの生田斗真がワイルドな漁師を演じていること。これをフレッシュとみるか、ミスキャストとみるかで評価が変わりそうだ。遠距離恋愛の難しさ、すぐそばにいる人に温もりを求める寂しさ、それでも断ち切れない思い。そんな心情が切ないエピソードでつづられるが、もともと「ハナミズキ」という曲は、平和への祈りを込めて作られた曲。もう少し、グローバルな視点を盛り込んでほしかった。紗枝を支える先輩の北見の顛末や紗枝の父のエピソードなどは、言葉足らずに終わった感がある。すれ違いの恋を描く映画では、基本的に、戦争や事故など、大事件が起こるもの。なのにこの映画にはそれがなく、ひたすらベタな展開だ。ただ、基本的に悪人が登場しない物語と、どんなときも相手を思いやる恋人たちの優しさのおかげで、10年後の二人の再会を喜ぶことができる。</p>]]></content:encoded>
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		<title>NECK ネック</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12644.html</link>
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		<pubDate>Sun, 22 Aug 2010 05:00:34 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年08月21日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[NECK ネック]]></category>

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		<description><![CDATA[文壇の中でも激しく評価が分かれる異色作家・舞城王太郎の原案だけに、後半は若者ウケしそうなハチャメチャな物語が炸裂し、正直、ストーリーがよくわからなくなる（40点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　人気覆面作家・舞城王太郎原案の本作は、さまざまなジャンルがごちゃ混ぜになった、名付けて胸キュン・ホラー・青春ムービー。美人だが、変わり者の理科系大学院生の杉奈は、お化けを作る研究に没頭中。そんな杉奈に一目惚れしたフツーの大学生・首藤は勇気を振り絞って告白、彼女から深夜の研究室に呼び出される。デートかと期待したのに、大きな木箱“ネックマシーン”に入れられて、実験台にされるハメに。その後、ホラー作家やその編集者が入り乱れて、お化けを作リ出す“ネック（首）プロジェクト”が始動する…。</p>
<span id="more-12644"></span>
<p>　怖がる気持ちがお化けを作る。このつかみは面白い。だが、文壇の中でも激しく評価が分かれる異色作家・舞城王太郎の原案だけに、後半は若者ウケしそうなハチャメチャな物語が炸裂し、正直、ストーリーがよくわからなくなる。この展開の破綻具合は、小劇場などのキッチュな舞台のノリに似ているのだが、これをポップでおちゃめと感じることができれば楽しめるだろう。物語が転がる度に顔を出すのは、子供時代の思い込みやトラウマ。想像力が恐怖を生み出すというテーマは、いつしか、精神的に消化できてないわだかまりを解消する内容に変化していく。“胸キュン・ホラー”とのキャッチだが、恋愛度数は極めて低い。ドタバタの果てにちょっとだけラブの予感があるという感じなので、人気若手俳優・溝端淳平の甘～い恋愛映画を期待すると肩透かしをクラうので要注意だ。特別出演のはずの栗山千秋演じる編集者・英子が、クールなのに妄想癖があるという曲者キャラで、最も存在感があって面白い。誰よりも大胆な彼女こそが影の主役、ラストのトンデモな展開がその証拠だ。それにしても相武紗季ちゃん、見た目は可愛いが、なんて演技が拙いんだろう。この作品では物語全体がドタバタなので、そのヘタっぷりが奇妙にフィットしている。いわゆる怪我の功名というヤツかもしれない。</p>]]></content:encoded>
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		<title>カラフル</title>
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		<pubDate>Sat, 21 Aug 2010 01:00:25 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[-高得点映画]]></category>
		<category><![CDATA[2010年08月21日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[カラフル]]></category>

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		<description><![CDATA[もう一度世界を見つめ直した少年の心の旅。ファンタジーとリアルが絶妙にブレンドされている。（70点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　罪を犯して輪廻できない魂の“ぼく”に天使らしき存在のプラプラが話しかけた。「抽選に当たりました！」。自分が何の罪を犯したかを思い出せば、もう一度現世に戻ることができるという。自殺した14歳の少年“小林真（こばやしまこと）”の身体にホームステイした“ぼく”だったが…。</p>
<span id="more-12639"></span>
<p>　直木賞作家・森絵都の原作は、かつて中原俊監督で実写化された。今回のアニメ映画化では、日常を丹念に描くことで定評がある原恵一監督らしく、魂や天使という部分を除けば、ごく普通の家庭とごく普通の学校生活の中、揺れ動く思春期の少年の心情が、繊細なタッチでスケッチされていく。</p>
<p>　冒頭は“ぼく”の声が聞こえず、プラプラとのやりとりが、字幕で表されるのが上手い。何しろ、やる気がないのだ、この“ぼく”は。せっかく現世に戻るチャンスをくれるというのに「なんかめんどくさいし…」などと言って、ちっとも張り合いがない。真の身体に入ってはみるが、半年のステイ期間に罪の実態を探り反省するという課題もついつい忘れてしまう。なぜなら“ぼく”は、生き返ることに消極的。だって現世なんてつまらないもの。</p>
<p>　だがそんな“ぼく”も、幸せそうに見えた真の家庭環境の本当の姿を知り驚く。弱気な父を軽蔑し、不倫に走った母を嫌悪し、意地悪な兄とは口もきかない真。真自身はといえば、成績は最低だし、友達は1人もいない。唯一の関心は、絵を描くことだけという、どうしようもない少年だったのだ。しかも、好意を抱いていた後輩のヒロカはなんと援助交際をしていた。これでは絶望して死にたくなるのも無理ないな…と思ったところで、早乙女くんという友達ができる。彼との係わりが“ぼく”をどんどんポジティブに変化させていくのだ。早乙女くんは真同様に冴えないヤツだが、とことん優しく人がいい。自分をちゃんと見てくれる、たった一人の大切な友達。それがこんなにも少年を前向きに変えるとは。廃線になった電車の路線を訪ねたり、激安の靴屋に入るエピソードなど、何気ないのにグッとくるものばかりだ。まるで本物の写真のような古いモノクロの風景から、2人で見る夕暮れ時の河原まで。温かみのあるシンプルなキャラクターに対し、風景描写は、緻密で目を見張る美しさだ。</p>
<p>　やがて“ぼく”は、周囲の人々の本当の姿を知り、人は1色ではなくいく通りもの色を持つ存在でいいんだと気付いていく。違うスタンスから“今”を見る複眼の着想は、原作品にはよく登場するパターンだ。真が描いた絵は、白い馬が駆ける青空のように見えるが、水面を目指す白馬が泳ぐ青い海のようでもある。どちらも正解なのだ。答えはひとつではない。</p>
<p>　最後にプラプラが明かす“ぼく”の秘密やプラプラ自身の正体には、切ない驚きが。天使と一緒に現世をさまよう展開は、フランク・キャプラ監督の名作「素晴らしき哉、人生！」を思わせる。だがすべてハッピーエンドに収束するキャプラ作品と違い、本作の着地点は、より複雑で曖昧なもので、そこが味わい深い。それは、間違いや不道徳、失意、すべてを受け止め生きていくしかないという面倒な人生へのシビアな提言だ。同時に、これからいくらでも素晴らしい未来を作ることができる少年の可能性を示唆するものでもある。“ぼく”は、何色にもなれる。カラフルな色彩の海を漂って、強く生きてほしい。</p>]]></content:encoded>
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		<title>特攻野郎Aチーム THE MOVIE</title>
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		<pubDate>Thu, 19 Aug 2010 23:00:29 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年08月20日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[特攻野郎Aチーム THE MOVIE]]></category>

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		<description><![CDATA[ウジウジ悩まず、コ難しい社会性とも無縁の個性派4人が大暴れする様はアリエナイ爽快さ（60点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　単純にスカッとしたいならこの映画で決まり！　と言わんばかりの、正義のヒーローが悪党をやっつけるシンプルなアクション娯楽作だ。スミス大佐、通称ハンニバルが率いる元特殊部隊員で編成されるAチームは、数々の任務をこなしてきた4人の精鋭たち。イラクでのドル紙幣原版強奪事件を解決すべく現地で任務につくが、罠にハメられ無実の罪で投獄される。半年後、別々の刑務所から脱獄した4人は再集結し、身の潔白を証明するために立ち上がる。だが、そこには彼らが予想もしない人物の関与とさらなる陰謀が隠されていた…。</p>
<span id="more-12629"></span>
<p>　1980年代に大人気だったTVドラマ「特攻野郎Aチーム」が初の映画化となった。ウジウジ悩まず、コ難しい社会性とも無縁の、個性派4人が大暴れする様は、アリエナイ爽快さだ。Aチーム誕生秘話から、汚名をはらすための奇想天外な作戦、意外な敵の正体などなど、物語はエンタメ・アクションの王道を爆進する。やることは派手だが、残酷なバイオレンスシーンがないのは、TV版の特徴を踏襲するもの。これなら家族揃って、あるいはカップルでもOKである。リーダーで、口にくわえた太い葉巻がトレードマークのハンニバルが繰り出す作戦はいつだって奇抜なものだが、戦車にパラシュートを装着して空中からダイブし、湖に着地するというトンデモなシークエンスは、奇想天外な戦術ばかりの本作の中でも群を抜いてエキサイティングだ。プレイボーイの調達屋フェイス、怪力でメカに強いBA、クレイジーかつ天才的なパイロットのマードックらが集まって本気でバカをやる姿には限りないサービス精神を感じてしまう。リアリティーはないが型破りという意味では彼ら以上のチームはない。加えて、出世や金もうけなどには目もくれず、名誉と正義のために戦うAチームの心意気は昔ながらのヒーロー映画らしいものだ。現実にはありえない痛快さを味わえる、ハリウッド流娯楽作は、細かいことはいっさい気にせずに単純明快に楽しんでしまおう。エンドロールの後にワンシーンあるので、ぜひ最後まで見てほしい。オリジナルTVシリーズのファンには嬉しいプレゼントが用意されている。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ザ・コーヴ</title>
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		<pubDate>Wed, 18 Aug 2010 23:00:44 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年07月03日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ザ・コーヴ]]></category>

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		<description><![CDATA[主張の偏りはまだしも、事実の曲解はいかがなものか（40点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　ときどき、映画好きを沈黙させ、映画にはさして関心はないが社会問題に過剰に反応する人々の声をはりあげさせる作品にお目にかかるが、本作はまさにそれである。喧々諤々とした7月3日の日本初公開から1ヶ月余りが過ぎたが、騒がしかったのは最初だけで、その後はあっさりと夏休み大作映画の嵐に吹き飛ばされてしまった格好だ。日本の食文化に一方的に噛み付く内容に、観客の頭には「おおきなお世話だ」との思いがよぎったに違いない。</p>
<span id="more-12625"></span>
<p>　映画は、1960年代の人気ドラマ「わんぱくフリッパー」の調教師リック・オバリーが案内役となって、和歌山県・太地町の立ち入り禁止区域の入り江で行なわれているイルカ漁と、イルカの虐殺、イルカ肉偽装と水銀含有問題などを、隠し撮りという扇情的な方法で描いていく。終盤にはその隠し撮りが最大の力を発揮したショッキングな映像も登場する。表現の自由、映画館側の利害、隠し撮り、環境保護、食文化、イルカ漁。さまざまな問題が見えるが、映画には、相反する立場の人間両方を取材する公平性は皆無で、そのことが逆に洗脳に近い編集技術の上手さと怖さを浮き彫りにする。自分が好ましくないと思うものを徹底的に排除しようとする思想がいかに危険なものかということも。</p>
<p>　本作は、まず「イルカ漁は悪」という主張ありきで作られていることは言うまでもない。通常はまず取材して知った事実から結論へ至るものだが、この映画は最初から結論があって、それに好都合な映像をつなぎ合わせて、予め用意した結論にもっていく。過激な環境保護団体シー・シェパードによる活動から、太地町の入り江で行なわれる漁の隠し撮りを敢行するくだりは、ほとんどスパイ映画のノリで、苦笑した。だが、主張の偏りはまだしも、事実の曲解はいかがなものか。たとえば、劇中に、イルカ漁を擁護する発言をする水産庁の役人が登場するが、オリジナルでは彼は「その後解雇された」とのテロップが入っている。だがそれは事実無根。イルカの断末魔の叫びを“目撃”した女性ダイバーが落涙するシーンは映画の白眉なのだが、今ではイルカの映像と涙の映像は別々に撮られたものだと判明している。何もない海を見て唐突に泣けるとは、たいした“女優”だ。リック・オバリーの語りや演技は情緒的なもので、記録映画に不可欠な正確なデータはほとんど表示されない。もともと米国の映画作りには編集でなんとかする風潮があるとはいえ、これでは“いくらなんでも”だ。</p>
<p>　ドキュメンタリーが事実をそのまま伝えるものではないことは、映画ファンならばある程度分かっている。だが、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞作という冠が付くとなると話は別。しかも太地町の人々には反論する手立てが、現時点ではほとんどない。無理を承知で言わせてもらえば、太地町が自分たちのイルカ漁を正しく描く作品を作って公開し、「ザ・コーヴ」と並べて上映した上で、人々の意見を問うのが最も正統な方法ではないだろうか。</p>]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>きな子 ～見習い警察犬の物語～</title>
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		<pubDate>Tue, 17 Aug 2010 23:00:36 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年08月14日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[きな子 ～見習い警察犬の物語～]]></category>

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		<description><![CDATA[落ちこぼれペアの奮闘は、思わず応援せずにはいられない（50点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　思いがけずコンビを組んだ一人と一匹が困難を乗り越えて絆を結ぶ姿は、まるでバディ・ムービーのよう。失敗を相手のせいにせず、互いを補うことこそがパートナーと呼べる証だ。18歳の杏子は警察犬訓練士を目指して入所した訓練所で、ラブラドール・リトリーバーの子犬に出会う。身体が弱く警察犬にはなれないと言われたその子犬を、毛色から“きな子”と命名し、周囲の反対を押し切って「自分がきな子を警察犬にします！」と宣言する。その日から1人と一匹の奮闘の日々が始まった。だが、警察犬試験に何度も失敗するきな子と、きな子を訓練できない自分に失望し、杏子はとうとう訓練所を離れる決心をする…。</p>
<span id="more-12624"></span>
<p>　香川県丸亀市に実在するズッコケ見習い警察犬「きな子」は、試験に何度失敗してもチャレンジする姿と、警察犬にはない癒しの役割で地元をはじめ全国的に大人気になった犬。訓練士も犬も半人前だが徐々に成長していく姿や、訓練所の所長一家との厳しくも温かい交流、やがて起こる事件と、物語は定番の展開である。杏子ときな子の関係は、何かを達成することよりもそのプロセスにこそ価値を見出すかのようで、落ちこぼれペアの奮闘は、思わず応援せずにはいられない。もっとも、きな子という犬の資質を考えると、警察犬よりセラピー犬が向いているのは素人でも分かる。警察犬にさせようと何度も試験にトライするのは、人間側の都合で、きな子の適性を見誤るものではないのかという根本的な疑問は常につきまとった。ただ、警察犬になることが本当にきな子にとって幸せなのか？　と杏子が自問する姿は、そのまま、ヒロインが、訓練士になることへの迷いと不安にフィードバックする問いなのだろう。“あんこときなこ”のコンビは、実は犬のきな子が人間の杏子の成長に付き合っている構図なのだ。欧米は犬を目的をもって徹底的に改造する。一方、日本はできるだけ本質を生かして育てるという。杏子のきな子への接し方はそのどちらにもなりきれず、結局は両方にとって不幸なのではないか。杏子の手本となる先輩訓練士のエピソードも何だか中途半端だ。きな子は愛らしいし、ほのぼのとした顔立ちの夏帆も適役、子役たちは驚くほど達者な演技を見せる。だが、この映画は、人間と動物との係わりについてもう一度考えてみたくなるものになってしまった。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ヤギと男と男と壁と</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/12620.html</link>
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		<pubDate>Mon, 16 Aug 2010 23:00:46 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子</dc:creator>
				<category><![CDATA[2010年08月14日公開]]></category>
		<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ヤギと男と男と壁と]]></category>

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		<description><![CDATA[れっきとした実話がベースなのだが、いったいどこまでが本気…、いや、本当なのかと首をかしげたくなる（60点）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　マジですか？！　思わず確認したくなるのは、米軍に実在したという超能力部隊のお話。米ソにはスーパーナチュラルな力を軍事力として利用するため、研究を重ねてきた歴史があることは知られているが、こんなにも根が明るくノホホンとされては、戦争そのものがバカバカしくみえてくる。2003年、地方紙の記者であるボブは、離婚の痛手から立ち直るべく、スクープを求めてイラク戦争の取材に赴く。偶然クウェートで知り合ったリンという男が、以前取材した、米軍の超能力特殊部隊“新地球軍”所属の軍人と知り、イラクに行くというリンに同行することに。道中、リンは、80年代に設立された超能力部隊の驚くべき歴史を語り始める…。</p>
<span id="more-12620"></span>
<p>　コメディ・タッチの娯楽作だが、原作はジョン・ロンスンのノンフィクション「実録・アメリカ超能力部隊」。れっきとした実話がベースなのだが、いったいどこまでが本気…、いや、本当なのかと首をかしげたくなる。なにしろ、壁を突き抜け、見つめるだけでヤギを絶命させるパワーを持つ超能力プロジェクトの名前は“ジェダイ計画”だ。この話の語り部が「スター・ウォーズ」で若きオビ・ワン・ケノービーを演じたユアン・マクレガーなのだから、これだけで掴みは成功といえよう。超能力の師であるジェフ・ブリッジスや、隊員のジョージ・クルーニー、ケビン・スペイシーという並み居るオスカー俳優が、楽しげに演じているおかげで、物語はリズミカルかつ軽妙なテイストで進む。彼らの必殺技は、キラキラ眼力。そもそも、この力、超能力というより、ベトナム戦争時のカルチャー・ムーブメントである、ラブ・アンド・ピースのヒッピー文化に近いのだ。自称エスパーのリンのやることはどこまでもアホらしく効力などないのだが、たまにはまぐれ当たりも。どうだい、信じてみたくなっただろ？　と言わんばかりのクルーニーの眼力が、ボブの人生を少しだけ優しい方向へと向かわせる。地球上から争いごとをなくすための超能力部隊の奮闘がコミカルかつアイロイニカルに描かれるが、結局は、最新テクノロジーも怪しげな超能力も、すべては戦争に使われてしまうという、シニカルなメッセージも透けて見えた。演技達者がズラリと揃うが、なぜか女っけはなし。ちょっと不思議である。</p>]]></content:encoded>
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