STOP THE BITCH CAMPAIGN 援助交際撲滅運動 - 福本次郎

売る女子高生が悪いのか、買うオッサンが悪いのか。現行条例では18歳未満の少女は被害者として守られ、オッサンが罰せられる。そんな法の矛盾に疑問を持ち、売春をやめない女子高生に天誅を加える謎の男の一人芝居が笑える。(40点)

STOP THE BITCH CAMPAIGN 援助交際撲滅運動

© 2009 キングレコード

 売る女子高生が悪いのか、買うオッサンが悪いのか。現行条例では18歳未満の少女は被害者として守られ、オッサンが罰せられる。しかし、はたして一方的に大人だけが犯罪者なのか。自分の体で安易にカネを得ることしか考えない少女の側にも重大な過失があるはずだ。そんな法の矛盾に疑問を持ち、売春をやめない女子高生に天誅を加える謎の男の一人芝居が笑える。映画は彼を追う女性ライターとの駆け引きを通じて援助交際がいかに危険なものかを訴える。

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パッセンジャーズ - 福本次郎

寒々とした映像はどこか現実感に乏しく、ヒロインが体験するさまざまな事件も奇妙な感覚に包まれている。映画はあくまで謎が謎を呼ぶような構成。立ち位置が不安定なまま直感を信じて突っ走る彼女の知覚がリアルに再現される。(50点)

パッセンジャーズ

© 2008 PASSENGERS PRODUCTIONS,LLC.ALL RIGHTS RESERVED

 暖色を廃した寒々とした映像はどこか現実感に乏しく、ヒロインが体験するさまざまな事件も奇妙な感覚に包まれている。他の登場人物にも一貫性がなく、笑顔の下に一物を抱えていそうだ。彼女はいったいどこにいて、何を探しているのか。航空機墜落事故の生存者の心のケアを担当することになった若い女医が、聞き取り調査をしていくうちに真相に近づいていく。その過程はあくまでミステリアスで、謎が謎を呼ぶような構成。立ち位置が不安定なまま己の直感を信じて突っ走る彼女の知覚がリアルに再現される。

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ヤッターマン - 福本次郎

キメ台詞から毎回繰り返されるナレーションまで、原作に忠実に実写化する。作りこまれた世界観はほぼ完全に30年前のアニメを現代に再現しており、元ネタを知っている者にとってはつい懐かしさがこみ上げてくるほどの完成度だ。(60点)

ヤッターマン

© 2008 タツノコプロ/ヤッターマン製作委員会

 「やっておしまい!」「説明しよう」「ブタもおだてりゃ木に登る」など、キメ台詞から毎回繰り返されるナレーションまで、原作に忠実に実写化する。そのこだわりはメカや衣装、背景にまで及び、さらに俳優たちもまるで古いビデオから飛び出してきたかのようにキャラクターになりきっている。作りこまれた世界観はほぼ完全に30年前のアニメを現代に再現しており、元ネタを知っている者にとってはつい懐かしさがこみ上げてくるほどの完成度。思わず笑い声をこらえきれなくなるシーンにたびたび遭遇した。

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デメキング - 福本次郎

変化の乏しい生活がこの先ずっと続いていくのではという不安を覚え、悶々とした日々を根底から覆してくれる物がやってこないかと期待する中学生と青年。いまだ将来の展望もなく進路も定まらない冴えない彼らの心情がリアルだ。(50点)

デメキング

© 2009「デメキング」製作委員会

 スポーツも勉強もイマイチの少年は、ただその日その日を暇つぶしのようにだらだらと過ごしている。そして、そのような生活がこの先ずっと続いていくのではという不安も覚え、悶々とした日々を根底から覆してくれる物がやってこないかと期待している。瀬戸内の田舎町を舞台に、いまだ将来の展望もなく進路も定まらない冴えない主人公の心情がリアルだ。事件などめったに起きない、そんな中、年長の友人にもらった冒険のヒントを読み解くうちに、好奇心忘れずに行動を起こすことの大切さを説く。その上で人生はそれほど甘くないときちんと諭しているところに好感が持てる。

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オーストラリア - 福本次郎

赤茶けた大地を馬で駆け抜け、牛の大群を移動させる人々。まるで50?60年代のハリウッド製西部劇かと見まがうほど米国中西部に似ている。タイトルに母国の名を冠しながら、バズ・ラーマンはなぜローカル色を強調しなかったのか。(40点)

© 2008 TWENTIETH CENTURY FOX

 赤茶けた大地を馬で駆け抜け、牛の大群を移動させる人々。まるで50?60年代のハリウッド製西部劇かと見まがうほどこの地の風土は米国中西部に似ている。そこで繰り広げられる物語も、上流階級の夫人が荒野での生活をものともとせずたくましく生き抜くというステレオタイプ。わずかに原住民に対する差別と太平洋戦争での日本軍の攻撃を描き、この作品の舞台がオーストラリアであることを思い出させてくれる。タイトルに母国の名を冠しながら、バズ・ラーマンはどうしてローカル色を強調しなかったのか。

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ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー - 福本次郎

美しくてタフなヒロインが格闘技の腕を頼りに巨大な組織に挑んでいく。しなやかに伸びた手足から繰り出される拳や脚、軽々と宙を舞い相手を翻弄する身のこなし、骨の軋みまで聞こえる関節技。新鮮でスピーディな格闘術が楽しい。(50点)

© CAPCOM CO.,LTD./Based on Capcom’s Street Fighter Video Games

 美しくてタフなヒロインが格闘技の腕を頼りに巨大な組織に挑んでいく。しなやかに伸びた手足から繰り出される拳や脚、軽々と宙を舞い相手を翻弄する身のこなし、そして骨の軋みまで聞こえる関節技。格闘ゲームの実写化するにあたってストーリーよりもアクションを重視するのは当然、ワイヤーを使ったさまざまなトリッキーな動きだけでなく、屈強な男たちの力と力のぶつかり合いまで迫力十分。特に香港風とタイ風、アメリカ風のテイストが巧みに融合した新鮮でスピーディな格闘術の数々が目を楽しませてくれる。

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罪とか罰とか - 福本次郎

妄想なのか、悪ふざけなのか。売れないタレント、マヌケな3人組、小心者のサラリーマン、そして魔窟のような警察署。物語はまったく無関係な登場人物が、実は密接につながる意外性の糸を辿るうちに壮大な虚構に落ちていく。(50点)

罪とか罰とか

© 「罪とか罰とか」製作委員会

 妄想なのか、悪ふざけなのか、いまいち冴えないヒロインが奇妙な体験を通じて一皮向けていく過程で、どこか現実とはズレた感覚で心をくすぐる。売れないタレントの不遇、マヌケな3人組、小心者のサラリーマン、そして魔窟のような警察署。物語はまったく無関係な登場人物が、実は密接なつながりを持っていたという意外性の糸を辿るうちに壮大な虚構に落ちていく。その笑いのセンスや間の撮り方は絶妙で、スタンガンの使い方や立ちションの流れていく先など、3人組のやり取りは上質のコントを見ているようだ。

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ホルテンさんのはじめての冒険 - 福本次郎

苦虫を噛み潰したような表情を終始変えず、感情を殺して生きているような主人公がふとしたきっかけで日常を踏み外していく。映画は彼の姿を通して、小さな驚きと新しい出会いが人生を豊かにしてくれるということを静かに語る。(50点)

ホルテンさんのはじめての冒険

© 2007 COPYRIGHT BulBul Film as ALL RIGHTS RESERVED

 苦虫を噛み潰したような表情を終始変えない謹厳実直な男。数十年もの間、時間を厳守する仕事についているうちに、感情を殺して生きる術を身につけたのだろう。どんなときも運行スケジュール優先、自己の都合など後回しにしてきた結果、真面目なだけがとりえの面白みのない人間になってしまった。そんな主人公がふとしたきっかけで日常を踏み外していく。それは他人から見ればほんの一歩に過ぎないが、彼にとっては冒険にも等しい大きな体験。映画は内面から変化していく老人の姿を通じて、小さな驚きと新しい出会いが人生を豊かにしてくれるということを静かに語る。

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ハルフウェイ - 福本次郎

好きだけれどむかつく、一緒にいたいのに拘束したくない。頭では理解しても心では納得できない。矛盾した感情に、精一杯悩み、気持ちに折り合いをつけようとする少女。そんな大人になりきれないヒロインを北野きいが好演する。(60点)

ハルフウェイ

© 2009「ハルフウェイ」製作委員会(シネカノン/幻冬舎/ロックウェルアイズ)

 高校生の恋人たちが交わすとりとめもない会話が延々と続く。好きだけれどむかつく、ずっと一緒にいたいのに拘束したくないという、少女の移ろいがちな心理状態を象徴するような手持ちカメラの揺れが、彼女の気持ちをダイレクトに伝える。頭では理解しても心では納得できない。そんな矛盾した感情を抱えながらも、精一杯悩み、折り合いをつけようとする、大人になりきれないヒロインを北野きいが好演。映画は、誰もが経験するような通過儀礼を必死で乗り越えようとする姿を色濃い風景に焼き付ける。

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7つの贈り物 - 福本次郎

幸せが一転した大過去と、他人のプライバシーを調べるという近過去の断片が混在し、一切の説明はない。主人公の真意を隠しミステリーテイストを纏うが、もう少しヒントを小出しにして見る者の興味を殺がない工夫をすべきだろう。(40点)

 自殺予告電話をかけた男の人生がフラッシュバックされる。幸せだった妻との記憶、やり手営業マンで相当な収入、そして悲劇的な交通事故。そういった大過去と、公務員として数人のプライバシーを調べ上げた末に接近する近過去の断片が混在し、一切の説明はない。彼が何者で、その意図をなかなか見せないことでミステリーのテイストを纏うが、思わせぶりな語り口でほぼ映画の最後まで答を明かさないという、あまりにももったいぶった構成のおかげで、中盤以降はかなり中だるみした印象を受ける。もう少しヒントを小出しにして見る者の興味を殺がない工夫をすべきだ。

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シリアの花嫁 - 福本次郎

建前ばかりで思考が硬直した男たちと、既成事実を積み重ねて現状を打破しようとする女たち。だが、個人の力が及ばない壁に阻まれる。映画はイスラエル占領地域に住むシリア系住民の実情を踏まえて、民族と国家のあり方を問う。(70点)

シリアの花嫁

 面子や建前ばかり重視して思考が硬直してしまった男たちと、既成事実を積み重ねて何とか現状を打破しようとする女たち。戒律は緩いとはいえいまだに父権が圧倒的なイスラム系の家族、これから嫁いでゆく娘の幸せを願う彼女の父と母、姉と兄たちの間で小さな諍いが起こるが、それらを乗り越えてゴールに向かう。だが、国家間の紛争という、個人の力ではどうすることもできない壁に行く手を阻まれる。映画はイスラエル占領地域に住むシリア系住民の実情を踏まえて、民族と国家のあり方を問う。

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ラ・ボエーム - 福本次郎

パリの若きアーティストとお針子の恋というスケールの小さいこの作品は劇的な展開に欠け、ストーリーも凡庸。アンナ・ネトレプコ、ローランド・ビリャソンのコンビも、クローズアップに耐えうるほどの美形ではないのが残念だ。(40点)

ラ・ボエーム

© Unitel and MR Film Pietro Domenigg

 オペラには映画化しても楽しめるものとそうでないものがあるが、パリの若きアーティストとお針子の恋というスケールの小さいこの作品は劇的な展開に欠け、ストーリーも凡庸。同じプッチーニの作ならば、「トスカ」は激情ほとばしる作品に、「トゥーランドット」はイマジネーションを大胆に刺激する作品に仕上がったはず。アンナ・ネトレプコ、ローランド・ビリャソンという当代きってのゴールデンカップルも、確かに歌声はすばらしいがクローズアップに耐えうるほどの美形ではないのが残念だ。

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チェンジリング - 福本次郎

テーマは子供のすり替えから警察の腐敗、さらに連続殺人事件へと目まぐるしく変わる。この奇妙な展開は事実に基にしているからだが、イーストウッドは丁寧にエピソードをすくい取り、子を探し続ける母の愛に見事に昇華している。(80点)

チェンジリング

© 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

 悲劇の被害者であるにもかかわらず、より大きなトラブルに巻き込まれてしまうヒロイン。しかし、どれほど困難な状況でもあきらめず、戦い続けることで強くなる。偶然なのか必然なのか、複雑に絡まりあった不幸の糸が彼女をがんじがらめに縛っても、根気よくひとつづつほどいていく。作品のテーマは子供のすり替えから警察の腐敗、さらに警察を告発する市民団体と連続殺人事件へと目まぐるしく変わる。この奇妙な展開は映画が事実に基づいていることに起因するのだが、イーストウッドは丁寧にエピソードをすくい取り、失った子を探し続ける母の愛として見事に昇華している。

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少年メリケンサック - 福本次郎

既成の価値観を壊しても、壊し続けることはできない。冴えないオッサンに堕した元ロッカーを佐藤浩市が熱演。頑なに「焼き飯」と呼び、自分の世界観にしがみつくことでしか自己表現する術を持たない男の哀愁を見事に表現する。(60点)

© 2009「少年メリケンサック」製作委員会

 既成の価値観を壊しても、壊し続けることはできない。パンクロックという破壊的な旋律と歌詞で世の中を挑発した若者も例外なく齢を重ね、いまや冴えないオッサンに堕している。そんなトホホ感を振りまく元ロッカーを佐藤浩市が熱演。「チャーハン」を頑なに「焼き飯」と呼ぶように、自分の世界観にしがみつき若い娘に悪態をつくことでしか自己表現する術を持たない男の哀愁を見事に演じていた。若いころは変革の先導者とあがめられても、年をとればただの偏屈オヤジになるのだ。

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鎧 サムライゾンビ - 福本次郎

裏切られ、惨殺された怨念は時を越え、現代に生きる者の運命をも支配し、ゾンビとなった鎧武者がみせる憤怒の表情はその怒りがいかに深いものであるかを物語る。いかにも低予算、鎧武者のリアルな造形を味わうべきなのだろう。(40点)

鎧 サムライゾンビ

© 2008 鎧 サムライゾンビ フィルムパートナーズ

 裏切られ、惨殺された怨念は時を越え、現代に生きる者の運命をも支配する。仲のよい家族だけでなく、強盗や人殺しを平気でする悪党、そして警官まで巻き込んで、呪われた土地の血塗られた伝説を引き継いでいく。ゾンビとなった鎧武者がみせる憤怒の表情はその怒りがいかに深いものであるかを物語る。しかし、映画はホラーというより血しぶき飛び散るスプラッターを基本にしたむしろコメディといったほうがいいかもしれない。いかにも低予算ながら、体を張ったスタントとチンピラたちのぶっ飛んだ演技、鎧武者のリアルな造形を味わうべきなのだろう。

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