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見映画批評

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2010年3月18日

スイートリトルライズ

◆ゲームに熱中する夫と現実感が希薄な妻。お互いの領域に深く踏み込まないことでバランスを保っている。快適さの中のぎこちなさと物足りなさの中の安心感。夫婦を維持していくには、情熱や真実よりも、小さな嘘が必要なのだ。(40点)

フィリップ、きみを愛してる!

◆嘘だらけの人生の中でたった一つの真実、それは愛。しかし、物語は要領のよい主人公のイージーな人生観を投影しているのみで、切実な感情が描かれているわけではない。せめてコメディの味付けがあれば退屈せずに済んだはずだ。(40点)

ダレン・シャン

◆人の血をすする悪の権化でもなく、本能に苦悩する理性でもなく、人間と折り合いを付けて共存しているバンパイア。人間の敵ではなく、見世物の舞台に活躍の場を求めるあたりが、善悪の価値観が一元的でなくなった21世紀的だ。(60点)

2010年3月16日

シャーロック・ホームズ

◆鍛え上げられた肉体と洗練された格闘術、抜群の記憶力と洞察力。科学の力が神秘や魔法にとってかわった時代、論理的な思考とタフな肉体を武器に難事件を解決する主人公は、さまざまな顔を持つある種のスーパーヒーローだ。(40点)

噂のモーガン夫妻

◆離婚が当たり前のNYから、家族だけでなく地域全体が一つのコミュニティの田舎町にやってきた別居中の夫婦が、日常からの遮断の中でパートナーの良さを再発見する。きれいな水や空気、新鮮な食べ物は人間性まで浄化するのだ。(50点)

2010年3月15日

マイレージ、マイライフ

◆人間関係のしがらみを捨て、人を解雇することを生業にしている主人公が薄っぺらな生き方に気付き、人生に本当に必要なものは何かを問いかける。たまったマイレージでワンランク上のサービスを受けて優越感に浸る姿が滑稽だ。(80点)

アイガー北壁

◆目まぐるしく変化する山の表情を前にして、己の知識と経験、そして肉体を頼りに頂上を目指す。垂直に切り立った絶壁で重力を克服し、氷雪と風がもたらす最悪のコンディションと戦い、凍傷の痛みに耐える姿が生々しく再現される。(60点)

息もできない

◆粗暴な言葉しか口にせずいつキレるかわからない、触れるだけで切れそうな危険な男がスクリーンから発する荒んだ緊張感は、まさに息ができないほど。映像から発散する常識をぶち破ろうとする異常なまでのパワーに圧倒される。(80点)

ウディ・アレンの夢と犯罪

◆仲の良い兄弟は金持ちになる夢を見る。それは成功した人々のアイデアや勤勉を見習うのではなく、稼いだカネという結果に憧れる浅はかなもの。幸運は簡単に訪れるはずもなく、ふたりが陥穽に落ちていく過程は教訓に満ちている。(50点)

抵抗 死刑囚の手記より

◆モノクロの画面は淡々と主人公の行動を描写するが、映像にかぶせられた独白が心理的な緊張感を盛り上げる。カメラと対峙する俳優は感情を大げさに表現することを拒み、脱走の準備をする過程はこの上ないテンションをはらむ。(60点)

2010年3月13日

時をかける少女

◆「記憶は消されても、心は覚えている」。出会いから別れまでほんの短い間だったけれど、その気持ちはまぎれもなく恋。人探しの途中で、ヒロインが偶然遭遇した大学生との間に芽生える人を思う感情は、時を経ても変わらない。(60点)

2010年3月9日

ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ

◆裏切りと嘘、ハッタリと罠、欲の皮が張った男女が綾なす壮絶な心理バトルがスリリング。参加者の行動を予測し、心の動きを解説する主人公はクールかつニヒルで、人間の本質を突く彼の考察は一般論としても十分に楽しめる。(40点)

劇場版 喧嘩番長~全国制覇

◆どちらが強いかだけでなく、誰がいちばん強いのかを確認したくなる、そんな高校生たちがバトルロイヤルを繰り広げる。小賢しい理屈はなく、有り余るエネルギーを爆発させる機会をもちたい若者たちの情熱がほとばしっている。(50点)

2010年3月6日

ハート・ロッカー

◆息をのみ、瞬きを忘れ、背筋は固まり、拳を握りしめ座席から身を乗り出していた。ほんのわずかなミスや油断も許されない緊張感のもと、死と隣り合わせ、極限まで集中した命がけの作業は、見る者にも一瞬の気の緩みを許さない。(70点)

後ろから前から

◆女性タクシー運転手のセクシー営業がコミカルだ。客が彼女の太ももに手を這わせるだけでなく、客に運転をさせて自らは口淫に励んだり、果ては背面騎上位で運転する。ヒロインのセックス大好きなキャラが男の妄想をかきたてる。(50点)

2010年3月4日

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々

◆自らの知力と体力と仲間を信じて若者は旅に立ち、途中に立ちふさがる様々な困難を、友情と信頼、勇気とアイデアで乗り越える。映画は、ギリシア神話と現代米国文化を巧みにコラボさせ、壮大な特殊効果で最後まで見せ場が続く。(50点)

渇き

◆現実と妄想が複雑に入り混じり、映画はノワールな色調を湛えたファンタジーの様相を帯びる。それはイマジネーションが生む幻惑的な感覚のリアル、はかなさの中にも凶暴なきらめきを宿す映像は、生きることの切なさを訴える。(50点)

2010年3月2日

猿ロック THE MOVIE

◆銀行強盗、ヤクザ、警察、そして謎の美女。逃げては追い、信じては裏切られる複雑に入り組んだ人間関係の中でのスリリングな男の冒険は、スピーディで見る者に考える間を与えず、細かい矛盾や疑問点の芽を強引に引き抜いていく。(40点)

しあわせの隠れ場所

◆両親の愛を知らない少年が裕福な家庭に引き取られ、才能を開花させていく。恵まれない子供に手を差し伸べ自立させるのは、決して気まぐれな自己満足でできるものではなく、その子の人生に全責任を負う覚悟を伴う行為なのだ。(60点)

2010年2月27日

すべて彼女のために

◆濡れ衣を着せられた妻を救うために、周到に準備し実行に移す男。それは真面目な教育者としての人生を捨て、犯罪者になる決意だ。国家という強大な権力に個人で立ち向かう主人公の姿は緊迫感がみなぎり一時も予断を許さない。(60点)

福本次郎氏 高得点批評

3時10分、決断のとき

「守るべきものは家族か名誉か。囚人護送を請け負った男が、命より大切なものがあることを、身をもって息子に伝えていく。駅馬車、銃撃戦、裏切りと騙しあい、汗と埃にまみれたガンマン・・・。本格的な西部劇の風格を備えた作品だ。(70点)」

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湖のほとりで

「わが子だからこそ余計に憎み、その気持ちをどこにも追いやることができない。障害や難病の子を持つ親はふと頭によぎるそんな思いに胸を痛め、己を責めている。映画は、殺人事件をきっかけに、人々が抱える闇をあぶりだす。(70点)」

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南の島のフリムン

「オチが読めるベタなボケだけでなく、意外なオチの新鮮なネタまで惜しげもなく詰め込まれたサービス精神と、沖縄人独特のおおらかな感性をデフォルメした上に、彼らの神秘的な底力まで見せようとするパワーは最後まで衰えない。(70点)」

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