愛を読むひと - 山口拓朗

◆一見大きなサイドチェンジを試みながらも当初の軸をまったく失っていない(80点)

 舞台は1958年のドイツ。体調を崩して座り込んでいた15歳のマイケル(デヴィッド・クロス)を21歳年上のハンナ(ケイト・ウィンスレット)が助けたことをきっかけに、ふたりは恋に落ちる。毎日のように逢瀬を重ねていたふたりだったが、ある日突然、ハンナが姿を消してしまう。8年後、大学生になったマイケルが偶然目にしたのは、ナチスの戦犯裁判の法廷で被告席に座るハンナの姿だった……。

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人生に乾杯! - 山口拓朗

◆デンジャラスでほほ笑ましいロードムービー(60点)

 81歳のエミル(エミル・ケレシュ)と70歳のヘディ(テリ・フェルディ)は、半世紀以上も連れ添っている夫婦。派手な生活をしているわけでもないのに、年金だけで食べていくことができず、借金取りに追われる毎日をすごしていた。ある日、堪忍袋の緒が切れたエミルは、なんと郵便局で強盗におよぶ! 一度は警察に協力しかけた妻のヘディも、エミルの熱意にほだされて、あてのない逃避行に付き合うが……。

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築城せよ! - 山口拓朗

◆奇想天外なアイデアを実現させた企画にまずは拍手

 舞台は2009年の日本。ある夜、過疎の町・猿投(さなげ)に、かつてこの土地を治めていた恩大寺(片岡愛之助)ほか2名の戦国武将の霊が現れる。彼らは今から約400年前に、自分たちの城を完成させることがきないまま無念の死を遂げていた。そんな元領主の「築城せよ!」の号令により、段ボールで城を作るという無謀なプロジェクトがスタート。建築学を専攻する大学生ナツキ(海老瀬はな)が棟梁になって築城を進める。ところが、築城を快く思わない町長(江守徹)や役場の人間が、城攻めの計画を練り始め……。

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マン・オン・ワイヤー - 山口拓朗

◆再現ドラマを織りまぜて構成したスリリングな作品(70点)

 1974年、ニューヨーク世界貿易センターのツインタワーに1本のワイヤを張り、上空411mで空中散歩した伝説の綱渡り師フィリップ・プティ。彼の偉業(のちに『今世紀最大の犯罪芸術』と呼ばれた)を伝えるドキュメンタリー映画。2008年度アカデミー賞最優秀ドキュメンタリー賞受賞作品だ。

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ターミネーター4 - 山口拓朗

 2018年、核戦争後の荒廃した地球では、核戦争で生き残った人類と、スカイネット擁する機械軍が死闘をくり広げていた。人類軍のリーダーとして頭角を現し始めていたジョン・コナー(クリスチャン・ベイル)は、スカイネットの一網打尽を画策していたが、コナーの父親となる運命のカイル・リース(アントン・エルチン)が、スカイネットに捕われたことを知り……。

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レスラー - 山口拓朗

◆知らぬ間にランディのファンになっている観客も少なくないだろう(85点)

 プロレスラーのランディ(ミッキー・ローク)は、かつて絶頂の人気を誇っていた。20年がすぎた現在は、トレーラハウスに住み、小さな興行に出場しながら生計を立てている。ある日、試合後に心臓発作を起こしたランディは、医者から引退をうながされる。途方に暮れた彼は、行きつけのクラブのストリッパー、キャシディ(マリサ・トメイ)に事情を打ち明けにいくが……。

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ハイキック・ガール! - 山口拓朗

◆「リアルな格闘シーンありき」で作られたもの(50点)

 空手道場へ通う運動神経抜群の女子高生・圭(武田梨奈)は、型稽古ばかりやらされる毎日に少々うんざりしていた。そんなある日、格闘技や武道の達人を多数擁する武闘派集団「壊し屋」から電話を受ける。圭は自分の空手の実力を試そうとするが……。

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路上のソリスト - 山口拓朗

◆音楽の使い方にはもう少し工夫がほしかった(65点)

 LAタイムスの人気コラムニストのロペス(ロバート・ダウニーJr)は、ある日、ベートーヴェンの銅像が建つ公園で、路上で暮らす音楽家ナサニエル(ジェイミー・フォックス)と出会う。ナサニエルは、その昔、名門「ジュリアード音楽院」に通っていたが、病のために中退を余儀なくなれたという。ナサニエルの人生に興味を抱いたロペスは、彼についてのコラムを書く決意をする……。

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消されたヘッドライン - 山口拓朗

◆社会派ネタが好きな方にオススメ(75点)

 高潔なイメージの国会議員スティーヴン・コリンズ(ベン・アフレック)のもとで働く美人職員が、出勤途中に駅のホームで謎の死を遂げた。地元新聞紙の敏腕記者カル(ラッセル・クロウ)は、その前夜に起きた黒人少年殺害事件の取材をしていたが、死亡した少年の携帯電話を調べたところ、ある驚くべき事実が発覚した。果たしてふたつの事件から浮かび上がってくる真実とは……!?

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バンコック・デンジャラス - 山口拓朗

◆殺し屋としてのポリシーや威厳、美学がまったく感じられない(30点)

 舞台はタイのバンコック。自分に課したルールを遵守しながら、暗殺者としてこれまで完璧に仕事をこなしてきたジョー(ニコラス・ケイジ)だったが、暗殺者としての能力が低下する前に引退しようと、ある組織から最後の仕事となる4件の暗殺依頼を受ける。ジョーは地元のチンピラのコン(シャクリット・ヤムナーム)を手下に雇うが……。

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新宿インシデント - 山口拓朗

◆どこか物足りなさを感じる(55点)

 ゆくえが分からなくなった恋人シュシュ(シュー・ジンレイ)を探すために、日本へ密入国した中国人の鉄頭(ジャッキー・チェン)は、新宿歌舞伎町で同じく不法滞在する同胞たちと一緒にアジト暮らしを始める。不法滞在者ゆえに精神的にも経済的にも苦しい状況を強いらるが、ある日、ヤクザの江口(加藤雅也)の横にいた美女に目を奪われる。なんと、その美女は鉄頭が探していたシュシュだった……。

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グラン・トリノ - 山口拓朗

◆観客の人生観をゆさぶるに十分なインパクトを備えた映画(97点)

 かつて朝鮮戦争を戦った元軍人のウォルト(クリント・イーストウッド)は、家族や周囲の人たちから"扱いにくい老人"として疎まれていた。そんな彼の隣家に住む少年タオ(ビー・バン)のファミリーは、モン族というアジア系の移民。ある事件をきっかけに交流を始めたウォルトとタオだったが、タオと地元の不良少年たちとのあいだでトラブルが起き……。

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デュプリシティ ?スパイは、スパイに嘘をつく? - 山口拓朗

◆男女ふたりのスパイの運命をユーモアたっぷりに描いた(60点)

 バーケット・ランドル(B&R社)社とエクイクロム社は、お互い存在や動向が気になって仕方がない同業者。B&R社が新製品を開発したという情報を得たエクイクロム社のCEOディック(ポール・ジアマッテ)は、スパイのエキスパート集団を雇って、B&R社に諜報員を潜入させる。そんなスパイ集団に新しく加わったのは、元MI6の諜報員レイ(クライヴ・オーエン)と元CIAの諜報員クレア(ジュリア・ロバーツ)。実はレイとクレアとは、今から5年前にドバイで出会っていた……。

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アンティーク 西洋骨董洋菓子店 - 山口拓朗

◆思わせぶりなミステリーに主役を奪われた(45点)

 一流企業を辞めたジニョク(チュ・ジフン)は、小さな洋菓子店「アンティーク」を開く。そこに、男性関係のトラブルで店を転々としてきた一流パティシエにして"魔性のゲイ"の異名を取るソヌ(キム・ジェウク)を含めた3人のスタッフが加わり、アンティークは評判の店となる。そんなある日、街で連続誘拐事件が発生し……。

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キング・コーン 世界を作る魔法の一粒 - 山口拓朗

◆どんどんおもしろさが加速していく(70点)

 大学の親友であるイアンとカートは、自分たちの食生活に対する見識を深めようと、国内最大のトウモロコシ生産地アイオワで農業を始める。収穫したトウモロコシのゆくえを追跡しようというのだ。ふたりは補助金制度や化学肥料、遺伝子組み換えなどの問題を通じて、アメリカの現代農業の実情を目の当たりにする……。

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