6才のボクが、大人になるまで。 - 山口拓朗

12年をかけて描いた165分(点数 75点)


(C)2014 boyhood inc./ifc productions i, L.L.c. aLL rights reserved.

この映画は、撮影に12年の年月が費やされている。

上映開始時に6歳だった何ともかわいい少年は、165分後の上映終了時には、耳にピアス、あごに不精ヒゲの生えた18歳に成長している。

姉と両親を含めた4人が、それぞれ12年分、歳を取っていく。

子供たちの成長もさることながら、主人公の母を演じたパトリシア・アークエットの体型が、「ふっくら」から「どっしり」へと変化していく様子もリアルだ。

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そして父になる - 山口拓朗

欠陥を抱えるひとりの父親の成長物語(点数 70点)


(C)2013「そして父になる」製作委員会

映画『そして父になる』は、ひとりの父親の成長の物語だ。

6年間、大切に育ててきた息子が、じつは、出生時に病院で取り違えられた他人の子だった、という物語。

大切なのは、血のつながりか? それとも、過ごした時間か?

表向きは、子供を交換するべきかどうか、答えを出せずに葛藤する2組の夫婦の物語である。

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幸せの教室 - 山口拓朗

人が人によって輝きを取り戻すその光景は、アメリカ同様の雇用問題を抱える日本でも、少なからず共感を呼ぶだろう。(点数 65点)


(C)2011 Vendome International, LLC. All Rights Reserved.

公開中、トム・ハンクス監督作品『幸せの教室』を鑑賞。主演はハリウッドを代表する二大スター、トム・ハンクスとジュリア・ロバーツのご両人だ。

大学を出ていないという理由で勤務先のスーパーをリストラされたラリー(トム・ハンクス)。彼は、再就職をにらんで地元の大学に通うことになったが、ラリーを教える教師のテイノー(ジュリア・ロバーツ)は、家庭内で問題を抱えており、仕事への情熱を失っていた。ある夜、ひとりバス停に座り込むテイノーを拾って、ラリーが自宅へ送り届けるが……。

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アーティスト - 山口拓朗

絶妙な演技によって、言葉にならない複雑な感情を見事に表現する(点数 90点)


(C)La Petite Reine – Studio 37 – La Classe Américaine – JD Prod – France 3 Cinéma – Jouror Productions – uFilm

気軽に楽しめるエンターテインメントというのは、日本ではヒットしやすい。ご丁寧な説明、分かりやすいキャラクター、教科書通りの展開。日本人の映画館での平均映画鑑賞数が「年間=1本」という現実を考えると、「年に1度の映画鑑賞くらい頭を使わずに楽しませておくれ~」という方々の気持ちも分からなくはない。

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TIME/タイム - 山口拓朗

気ラクに楽しめるエンタテインメントにして、ピリ辛な社会風刺作品でもある。(点数 75点)


(C)Twentieth Century Fox Film Corporation

『TIME/タイム』は、近未来を舞台にした世界観がやたらとおもしろい。人類は遺伝子操作により25歳で全員成長が止まり、そこからは等しく余命が与えられる。唯一の通貨は「時間」だ。「時間」があれば「余命」をチャージできる。つまり「時間」を多く所有しているほど長く生きられるのだ(富豪は半永久的に生きられる)――この設定がキモである。

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ALWAYS 三丁目の夕日’64 - 山口拓朗

複数の細かいエピソードを出し入れしながら、観客の涙腺と笑いのツボを刺激する。(点数 70点)


(C)2012「ALWAYS 三丁目の夕日’64」製作委員会

『釣りバカ日誌』シリーズの終了(2010年)を受けて、大衆娯楽映画は姿を消したかのように思えたが、『ALWAYS 三丁目の夕日』がシリーズ化されたことによって、その絶滅に「待った!」がかかった。

シリーズ第3弾となる『ALWAYS 三丁目の夕日’64』は、高度経済成長に沸く1964年が舞台。複数の細かいエピソードを出し入れしながら、観客の涙腺と笑いのツボを刺激する。ベタも、お涙も、お約束も、娯楽映画に求められる立派な資質。そこに本シリーズの武器であるノスタルジックなCG映像が絡めば、唯一無二の娯楽映画が、はい一丁できあがり~、である。

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50/50 フィフティ・フィフティ - 山口拓朗

がん患者の闘病を「決して特別ではない日常」として描いた点が新鮮だ。(点数 70点)


(C)2011 IWC Productions, LLC

主人公ががん患者でありながら、ユーモアを多分に編み込んで、颯爽と、軽やかに、人生を生きる歓びを活写する『50/50 フィフティ・フィフティ』。「死」や「死別」を悲劇――しばしば安直なお涙ちょうだいドラマの――モチーフとして扱うことの多い邦画とは一線を画す作品である。

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ニューイヤーズ・イブ - 山口拓朗

ニューイヤーというのは、万人に平等に希望の光を注いでくれる魔法なのだ。(点数 70点)


(C)2011 NEW LINE PRODUCTIONS, INC.

大晦日のニューヨークを舞台に、妊婦が、末期がんの老人が、ロックスターが、15歳の少女が、レコード会社の御曹司が、自転車便の配達係が、腕利きの女性シェフが、引きこもりのコミック画家が、タイムズスクエアの副会長……等々が、東奔西走する群像エンタテインメント。喜怒哀楽を詰め込んだ、総勢18人のエピソードがランダムに描かれていく。

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永遠の僕たち - 山口拓朗

「死」を見つめることで、「生」を考えさせる作品でありながら、このうえなく切ないラブストーリーでもある。(点数 90点)

上映時間はわずか90分、5600秒。『ミルク』(2008年)のガス・ヴァン・サント監督は、この限られた時間に「生きること、愛することの尊さ」を密閉した。ぜい肉のない必要最低限の描写で、「死」というテーマと対峙した、世にも美しいラブストーリーだ。風変わりな脚本も、瑞々しい映像や繊細な音楽も、すべてがこの美しいパズルを完成させるために不可欠なピースである。

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マネーボール - 山口拓朗

ビリー最大の成果といえる「データに基づいた新たな価値の創出」は、あらゆる業界や組織のマネージメントに置き換えることができるだろう。(点数 75点)


(C)Columbia TriStar Marketing Group, Inc. All rights reserved.

少しの疑いも持たないまま、常識、ルール、モラル、セオリー、既製のシステムなどを“最善”“最良”のものとして受け入れることに警鐘を鳴らした映画――それが『マネーボール』である。

元メジャーリーガーのビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は、アスレチックスのGM(ゼネラルマ・ネージャー)に就任する。チームは優秀な選手を雇うことのできない貧乏球団で、とてもワールドシリーズ優勝を狙える状態にない。ビリーは、データ分析能力に優れたピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)をパートナーに指名し、野球というゲームと選手の評価基準を一から見直した。ところが、選手の獲得法や試合での起用法を巡って、球団スタッフや監督と対立することになり……。

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ツレがうつになりまして。 - 山口拓朗

大切なパートナーとの観賞をオススメしたい。(点数 75点)


(C) 2011「ツレがうつになりまして。」製作委員会

かつて花粉症がじわじわと国民病として台頭してきたように、近い将来、うつ病もまた国民病になってしまうのか? 

そんな推測すら「当たらずといえども遠からず」な気配が漂う今日このごろ、細川貂々のベストセラーコミック原作の映画『ツレがうつになりまして。』は、多くの人が漠然としか把握していない「うつ病」について、正しい情報を伝えるという啓蒙的役割を果たしている。

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はやぶさ - 山口拓朗

スクリーンに、<はやぶさ>プロジェクトに懸ける関係者の「熱い思い」を焼き付けることに成功している。(点数 70点)


(C)2011『はやぶさ/HAYABUSA』フィルムパートナーズ

2010年6月、絶体絶命の危機を脱して帰還を果たした小惑星探査機<はやぶさ>。
もしもこの探査機が完璧にミッションをこなして予定通りに帰還していたなら、
あるいは日本列島を熱狂の渦で巻き込むほどの話題にはならなかったのかもしれ
ない。

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コクリコ坂から - 山口拓朗

見どころは1963年という時代を投影した描写に尽きる。(点数 75点)


(C)2011 高橋千鶴・佐山哲郎・ GNDHDDT

スリル、驚き、爽快感、癒し、学び、悲しみ、喜び……。映画から与えられるものは作品ごとに異なる。

スタジオジブリの最新作『コクリコ坂から』から与えられたものは、ノスタルジー、つまり、郷愁である。

東京オリンピックを目前に控えた1963年の横浜。高校に通う海(うみ)は、毎朝、今は亡き父のために、港が見える丘の上にあるコクリコ荘から旗を揚げていた。研究者の母は海外出張中で、海は、下宿人を含め6人の面倒を見ている。

一方、同じ高校の新聞部に在籍する俊は、明治時代に建てられた由緒ある部室棟――通称「カルチェラタン」――の取り壊しに反対し、抗議活動を続けていた。ふたりは心惹かれ合うが、やがてお互いの出生の秘密を知ることになり……。

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BIUTIFUL ビューティフル - 山口拓朗

エンドロールが消えてからも、しばらく席を立てない。(点数 80点)


(C)2009 MENAGE ATROZ S. de R.L. de C.V., MOD PRODUCCIONES, S.L. and IKIRU FILMS S.L

負の連鎖を描いた群像作品『バベル』の名匠アレハンドロ・ゴンザレス・イニャ
リトゥ監督と、アカデミー賞に輝いた『ノーカントリー』で映画史上屈指の悪役
シガーを演じたハビエル・バルデムがタッグを組んだ作品につき、少なからず期
待(いい意味で、覚悟)をしていたが、結果は、いいほうに裏切られた。「少な
からず」という気弱なエクスキューズなど付けずに、「大いに」期待しておけば
よかったのだ。おかげで「覚悟」が足りず、ヒドい目にあった。エンドロールが
消えてからも、しばらく席を立てないではないか。

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ミスター・ノーバディ - 山口拓朗

脳の全領域をフル稼働させた者だけに、ようやく示唆めいたものが見えてくる作品(点数 90点)


(C) 2009 PAN-EUROPEENNE — MR NOBODY DEUTSCHLAND GmbH 6515291CANADA INC — TOTO&CO FILMS — FRANCE 2 CINEMA — FRANCE 3 CINEMA

たとえば、あなたに好きな人がいるとする。しかし残念なことに、
その人は明日旅立ってしまう。会えるのは今夜が最後。あなたは自
分の気持ちを好きな人に伝えることもできるし、伝えずに立ち去る
こともできる。

さて、ドウスル?

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