ニューイヤーというのは、万人に平等に希望の光を注いでくれる魔法なのだ。(点数 70点)

(C)2011 NEW LINE PRODUCTIONS, INC.
大晦日のニューヨークを舞台に、妊婦が、末期がんの老人が、ロックスターが、15歳の少女が、レコード会社の御曹司が、自転車便の配達係が、腕利きの女性シェフが、引きこもりのコミック画家が、タイムズスクエアの副会長……等々が、東奔西走する群像エンタテインメント。喜怒哀楽を詰め込んだ、総勢18人のエピソードがランダムに描かれていく。
ニューイヤーというのは、万人に平等に希望の光を注いでくれる魔法なのだ。(点数 70点)

(C)2011 NEW LINE PRODUCTIONS, INC.
大晦日のニューヨークを舞台に、妊婦が、末期がんの老人が、ロックスターが、15歳の少女が、レコード会社の御曹司が、自転車便の配達係が、腕利きの女性シェフが、引きこもりのコミック画家が、タイムズスクエアの副会長……等々が、東奔西走する群像エンタテインメント。喜怒哀楽を詰め込んだ、総勢18人のエピソードがランダムに描かれていく。
「死」を見つめることで、「生」を考えさせる作品でありながら、このうえなく切ないラブストーリーでもある。(点数 90点)
上映時間はわずか90分、5600秒。『ミルク』(2008年)のガス・ヴァン・サント監督は、この限られた時間に「生きること、愛することの尊さ」を密閉した。ぜい肉のない必要最低限の描写で、「死」というテーマと対峙した、世にも美しいラブストーリーだ。風変わりな脚本も、瑞々しい映像や繊細な音楽も、すべてがこの美しいパズルを完成させるために不可欠なピースである。
ビリー最大の成果といえる「データに基づいた新たな価値の創出」は、あらゆる業界や組織のマネージメントに置き換えることができるだろう。(点数 75点)

(C)Columbia TriStar Marketing Group, Inc. All rights reserved.
少しの疑いも持たないまま、常識、ルール、モラル、セオリー、既製のシステムなどを“最善”“最良”のものとして受け入れることに警鐘を鳴らした映画――それが『マネーボール』である。
元メジャーリーガーのビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は、アスレチックスのGM(ゼネラルマ・ネージャー)に就任する。チームは優秀な選手を雇うことのできない貧乏球団で、とてもワールドシリーズ優勝を狙える状態にない。ビリーは、データ分析能力に優れたピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)をパートナーに指名し、野球というゲームと選手の評価基準を一から見直した。ところが、選手の獲得法や試合での起用法を巡って、球団スタッフや監督と対立することになり……。
大切なパートナーとの観賞をオススメしたい。(点数 75点)

(C) 2011「ツレがうつになりまして。」製作委員会
かつて花粉症がじわじわと国民病として台頭してきたように、近い将来、うつ病もまた国民病になってしまうのか?
そんな推測すら「当たらずといえども遠からず」な気配が漂う今日このごろ、細川貂々のベストセラーコミック原作の映画『ツレがうつになりまして。』は、多くの人が漠然としか把握していない「うつ病」について、正しい情報を伝えるという啓蒙的役割を果たしている。
スクリーンに、<はやぶさ>プロジェクトに懸ける関係者の「熱い思い」を焼き付けることに成功している。(点数 70点)

(C)2011『はやぶさ/HAYABUSA』フィルムパートナーズ
2010年6月、絶体絶命の危機を脱して帰還を果たした小惑星探査機<はやぶさ>。
もしもこの探査機が完璧にミッションをこなして予定通りに帰還していたなら、
あるいは日本列島を熱狂の渦で巻き込むほどの話題にはならなかったのかもしれ
ない。
見どころは1963年という時代を投影した描写に尽きる。(点数 75点)

(C)2011 高橋千鶴・佐山哲郎・ GNDHDDT
スリル、驚き、爽快感、癒し、学び、悲しみ、喜び……。映画から与えられるものは作品ごとに異なる。
スタジオジブリの最新作『コクリコ坂から』から与えられたものは、ノスタルジー、つまり、郷愁である。
東京オリンピックを目前に控えた1963年の横浜。高校に通う海(うみ)は、毎朝、今は亡き父のために、港が見える丘の上にあるコクリコ荘から旗を揚げていた。研究者の母は海外出張中で、海は、下宿人を含め6人の面倒を見ている。
一方、同じ高校の新聞部に在籍する俊は、明治時代に建てられた由緒ある部室棟――通称「カルチェラタン」――の取り壊しに反対し、抗議活動を続けていた。ふたりは心惹かれ合うが、やがてお互いの出生の秘密を知ることになり……。
エンドロールが消えてからも、しばらく席を立てない。(点数 80点)

(C)2009 MENAGE ATROZ S. de R.L. de C.V., MOD PRODUCCIONES, S.L. and IKIRU FILMS S.L
負の連鎖を描いた群像作品『バベル』の名匠アレハンドロ・ゴンザレス・イニャ
リトゥ監督と、アカデミー賞に輝いた『ノーカントリー』で映画史上屈指の悪役
シガーを演じたハビエル・バルデムがタッグを組んだ作品につき、少なからず期
待(いい意味で、覚悟)をしていたが、結果は、いいほうに裏切られた。「少な
からず」という気弱なエクスキューズなど付けずに、「大いに」期待しておけば
よかったのだ。おかげで「覚悟」が足りず、ヒドい目にあった。エンドロールが
消えてからも、しばらく席を立てないではないか。
脳の全領域をフル稼働させた者だけに、ようやく示唆めいたものが見えてくる作品(点数 90点)

(C) 2009 PAN-EUROPEENNE — MR NOBODY DEUTSCHLAND GmbH 6515291CANADA INC — TOTO&CO FILMS — FRANCE 2 CINEMA — FRANCE 3 CINEMA
たとえば、あなたに好きな人がいるとする。しかし残念なことに、
その人は明日旅立ってしまう。会えるのは今夜が最後。あなたは自
分の気持ちを好きな人に伝えることもできるし、伝えずに立ち去る
こともできる。
さて、ドウスル?
果たしてこの演出でよかったのだろうか?(40点)
「自分探しの旅」が、ザックを背負って貧乏旅行をする沢木耕太郎の『深夜特急』のイメージだといえば、若い世代に“きょとん”とされるだろうか?
国が異なるからか、時代が異なるからか、はたまた性別のせいかなのか。ハリウッドの大物女優ジュリア・ロバーツを起用して描かれる「自分探しの旅」は、平穏な結婚生活を送り、お金も十分にあるキャリアウーマンが主人公。家族や仕事を投げ出して旅に出る主人公のメンタリティは、なんとも理解に苦しむ。ハタチ前後の小娘でもなかろうに。とはいえ、物質的にも環境的にも満たされている彼女が、説明のつかない「虚しさ」に襲われる心理は、意外に少なくない「満たされない症候群」を病む女性にはピンとくるかもしれない。
◆ワレンチン自身が実体験を通じて、愛の本質を見極めていく姿勢がいい(70点)
スターやヒーローは、遠くの人には愛されるが、近くの人には恨まれる。よく耳にする話だ。肥大化しながら世の中を一人歩きする自分の虚像と、現実の自分(実像)とのギャップが生み出す皮肉のようなものである。
◆無人島が備える「極限状態」というアドバンテージをどぶに捨てたような作品(35点)
簡単に筋を説明すると、無人島に漂着した22人の男と1人の女。さてこのあとどうなるでしょう? という映画である。「22人VS.1人」という確信犯的な設定からも察しがつく通り、ドラマのキーマンは、紅一点の主人公、清子(木村多江)である。もし桐野夏生の原作を未読の方であれば、鑑賞前に、彼女がこの過酷な状況下でどのように生き抜くのか、予測してみるといいかもしれない(ただしその場合、この批評は読まないほうが賢明です)。
◆本作ほど作り手の目論み通りに仕上がったドキュメンタリーも珍しい(80点)
アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞し、日本では上映中止問題で話題となった「ザ・コーヴ」。和歌山県太地町のイルカ漁に反対するクルーが撮 影したドキュメンタリーだ。
◆綿密にドラマを練り上げた脚本家には、最大級の賛辞を送りたい(95点)
おもちゃにとびきり魅力的な個性を与え、彼らの日常(人間の目が行き届かない時間帯)をユーモアたっぷりに描くピクサー製作の「トイ・ストーリー」(第1作は1995年/第2作は1999年)。そんな人気アニメシリーズが11年ぶりに送り出した第3弾は、持ち主アンディとおもちゃ、双方向の「卒業」を描いた物語だ。
◆クライマックスとなるユニオン社内での至近戦は、バイオレンス・アクションファンがヨダレを垂らすであろう壮絶さ(65点)
舞台は近未来のニューヨーク。世の中には人工臓器が普及し、誰もが「お金さえ払えば」人工臓器を装着することができる。心臓や腎臓、肝臓あたりまでかと思えば、人工臓器メーカーのユニオン社は、眼球や鼓膜、膀胱、関節までラインアップしている。なかには、体のありとあらゆる臓器を人工臓器に替えている強者も。それほど高度な医療技術をもつ医師がどれだけいるのか? 臓器移植による拒絶反応はないのか? そんな疑問に答える気などさらさらなく、映画は人工臓器ビジネスがスタンダード化した世界を描く。
◆持ち前の美貌やスタイルにおごることなく、完璧なサービスを追求するプロフェッショナルな姿勢には脱帽せざるを得ない(75点)
「セックスと嘘とビデオテープ」(1989年)、「トラフィック」(2000年)、「オーシャンズ11」(2001年)シリーズ、「インフォーマント!」(2009年)などでおなじみのスティーヴン・ソダーバーグ監督が、主演に人気No.1ポルノ女優サーシャ・グレイを大抜擢した本作「ガールフレンド・エクスペリエンス」は、顧客に「恋人のようなひととき」を提供する高級エスコート嬢の日常を描いた物語だ。