斜め構図と後半の唐突な展開はNG(65点)
心は自分のままで、カラダだけ異性と入れ替わる。しかも相手はクラスメートの可愛い幼馴染。……そんな、思春期の少年少女の琴線に触れる設定が有名な「転校生」は、いうまでもなく青春ファンタジーの名手、大林宣彦監督の代表作。今回は、自身の手による25年ぶりのリメイクとなる。
斜め構図と後半の唐突な展開はNG(65点)
心は自分のままで、カラダだけ異性と入れ替わる。しかも相手はクラスメートの可愛い幼馴染。……そんな、思春期の少年少女の琴線に触れる設定が有名な「転校生」は、いうまでもなく青春ファンタジーの名手、大林宣彦監督の代表作。今回は、自身の手による25年ぶりのリメイクとなる。
カンヌ受賞で世界のクロサワに並んだ?!(20点)
カンヌ国際映画祭で、日本人として17年ぶりにグランプリを受賞(カンヌは賞のネーミングを時折変更するのでわかりにくいのだが、今回は審査員特別賞のこと)した超話題作。……が、その話題性ゆえ、映画を見慣れていない一般人に多数の被害者を出すことが予想される地雷的な一本。
加えたものはすばらしく、削ったものは致命的(70点)
乙一というミステリ作家の小説は、文章や構成はライトノベル的な子供向けの印象だが、その発想はなかなか鋭く、必死に読者を楽しませようというエンターテナー精神も旺盛なので個人的には好感度が高い。この映画の同名原作「きみにしか聞こえない」は彼の代表的短編のひとつだが、まさに上記の特徴が如実に現れた見所ある一篇だ。
映画史上有数の問題作(85点)
『ブリッジ』をすこぶる気に入った私は、すでにテレビや雑誌等いくつかの媒体で紹介してきたが、今日はここ超映画批評で初めて知ったという方のためだけに、まったく新しい形でこの映画の記事を書こうと思っている。
深夜の大邸宅にひとり、執拗にかかってくる無言電話の怖さ(75点)
暇つぶしにネットサーフィンしているとき、掲示板などで「今、きみの後ろにいるよ。振り返ってみてごらん」なんて書き込みを見つけると、状況によってはものすごく怖かったりする。ハイテクに囲まれている現代においても、人々が感じる根源的な恐怖というものはあちこちに存在する。
殺人をお茶の間のエンタテイメントにした実在の殺人鬼の物語(65点)
ゾディアックといっても、若い日本人にはぴんとこないかもしれない。だが、一定以上の年齢の米国人にとって、この人物は相当な有名人だ。
ハイテンションな阿部サダヲが見所(45点)
『さくらん』で蜷川実花監督が江戸吉原・花魁の世界を華々しく描いたかと思えば、ハリウッド映画『SAYURI』ではチャン・ツィイーが京都の舞妓を演じた。そして今回は宮藤官九郎脚本で同じく舞妓をテーマにした娯楽映画が作られる。最近は伝統的な女性の様式美が人気のようだ。
お手軽でもいいから、エロにもっと気合を入れよ(30点)
バブル経済のころ、平凡な女の子たちがカネによって狂い、堕ちていくさまをレポートした家田荘子の『バブルと寝た女たち』。このベストセラーは、そのセンセーショナルな内容から何度も映画、ビデオ化されている。本作も同原作の映画化となるが、ヒルズ族などと呼ばれ世間をにぎわせたIT長者の女、という現代的な形に設定変更され、同時にタイトルもちょっとだけバージョンアップしている。
マジメに死を描く(65点)
特定のヒット曲をモチーフにした映画は数多い(最近では長澤まさみの『涙そうそう』など)が、人気と知名度をあてこんだお手軽映画である場合も少なくない。しかし、荒井由実の有名曲と同じ名を持つ本作は、幸いにしてその手の安直な作品ではない。
特攻隊の真髄を完璧に表現(90点)
石原都知事の『俺は、君のためにこそ死ににいく』に加え、日系アメリカ人監督リサ・モリモトの『TOKKO-特攻-』など、最近は特攻隊をテーマにした映画の製作が相次いでいる。だが皮肉なことに、カミカゼ特攻隊とはまったく無関係の『300<スリーハンドレッド>』ほど、その歴史的意義を表現した映画はない。
ばかばかしいパロディながら、作り手の本気度が高感度大(50点)
『最終絶叫計画』に代表されるようなハリウッド映画のパロディ作品は定期的にリリースされるが、これもそのひとつ。この手のジャンルを得意とする同作品のスタッフが、相変わらず気合の入った構成で送る最新作だ。
映画としては破綻、長澤まさみとしては極上(30点)
この作品も、いつもどおりの長澤まさみ映画であった。点数はたったの30点だし、脚本も演出も破綻しまくっているが、それでも彼女は笑顔一発、許してねと笑いかける。なんとなくそれで許せてしまう、それが長澤まさみ映画たるゆえんである。ただし言うまでもないが、彼女のファン以外にはまったく通じない。
幼児の積み木遊びがごとき(20点)
ダウンタウンの松本人志初監督作である本作は、同じくお笑い出身ながら専業監督以上の実績と評価を得ている北野武の存在により、過剰なまでの期待と話題性を背負っている。カンヌ映画祭で監督週間へ出品という最高のハクをつけ、北野映画最新作と同時期に公開するという完璧な戦略により客の入りも上々だ。今回、私はこれを、地元亀有の映画館で初日に見た。
他人を支配する面白さをサスペンス仕立てに(90点)
密室殺人やアリバイトリックに縁のない、ごく普通の人々の生活の中にも、スリリングな局面というものは存在する。そんな「何も事件がおこらない」日常で、サスペンス映画を一本作ってしまった、それが『あるスキャンダルの覚え書き』だ。
99%の人にとっては0点(70点)
なぜこの点数なんだと思うかもしれないが、そこだけ見て判断しないでほしい。これは「ビートたけしのやることならすべて受け入れられる」という特殊な人がみてギリギリこのくらいだろうという点数であり、それ以外の人にとってこの映画はおそらく0点である。