◆欧州を感動させた映画ではあるが……(15点)
くせもの揃いのカンヌ国際映画祭。そこで2008年の最高賞(パルムドール)をとったとなれば、映画好きならば誰だって興味がわく。しかも審査委員長の映画監督ショーン・ペンは満場一致と絶賛するし、考えてみれば純粋なるフランス映画がパルムドールをとるのは久しぶりな気もする。これは見逃せないと試写に出向いたが、これが残念な肩透かしであった。
◆欧州を感動させた映画ではあるが……(15点)
くせもの揃いのカンヌ国際映画祭。そこで2008年の最高賞(パルムドール)をとったとなれば、映画好きならば誰だって興味がわく。しかも審査委員長の映画監督ショーン・ペンは満場一致と絶賛するし、考えてみれば純粋なるフランス映画がパルムドールをとるのは久しぶりな気もする。これは見逃せないと試写に出向いたが、これが残念な肩透かしであった。
◆北野監督らしいトンガリが感じられず(55点)
近年の内向きな作品「TAKESHIS’」(2005)「監督・ばんざい!」(2007)「アキレスと亀」(2008)をへて北野武監督は、もうひとつの顔、バイオレンス作品に戻ってきた。最新作『アウトレイジ』は群像ヤクザ映画で、全編にあふれた暴力シーンが見所となっている。
◆説明的台詞の雨あられ、各女優はそれぞれの女優にしか見えず(30点)
資生堂のCMでおなじみの6人の女優を競演させる企画もの映画。とはいえメガホンをとるのが好編「ガチ☆ボーイ」の小泉徳宏監督ということで、多少の期待とともに試写室に出かけた。
◆余裕ある大人向けコメディ(65点)
セックス・アンド・ザ・シティに夢中になる女子(参考年齢平均38歳)を見ていると、たしかに少々イタい。だが、セックス・アンド・ザ・シティの女性観を必死に叩く、余裕のない人たちの姿はもっとみっともない。なにごとも、ゆったりした心構えで楽しみたい。そんな大人のたしなみを理解したカップルなどにこの作品は、なかなか楽しい時間を与えてくれる。
◆真っ黒な爽快感(95点)
後世になれば、この映画は松たか子の代表作にして最高傑作と呼ばれることになるかもしれない。現時点(2010年6月)における、私が見た中で本年度ベストといえるこの映画を、本サイトで公開前に紹介できなかった事をたいへん申し訳なく思う。(Web以外の原稿等の締切が、70作品分以上集中する緊急事態でした、すみません)
◆娯楽性の高さを主張しないつくり(55点)
映画「孤高のメス」の原作者・大鐘稔彦は現役医師で、「輸血不可」の教義を持つ新興宗教団体の患者を、無輸血手術で救った実績などで知られている。その小説の映画化となれば、これは「かつてないリアルな医療シーン」を見せ場に持ってくることは最低限のハードル。そして幸い、それはほぼ達成された。医療映画ファンにバカにされない程度のリアリティは、なんとか確保されているといえるのではないか。
◆キャスティングD頑張りすぎ(55点)
ボクシング映画にはずれなしとよくいわれるが、その原因は見る側の目が肥えていることが大きい。昭和の昔から国民的スポーツであるこの格闘技を、映画という作り物の上で再現するには、相当な工夫が要る。映画監督になるような世代の人なら誰もがそれを理解しているから、安直な実写映画が生まれにくいのではないかと想像する。
◆疲れた女性たちの背中を押してくれる映画(65点)
この映画をエレン・ペイジの主演最新作とみるか、ドリュー・バリモアの初監督作品とみるか、まず分かれるところだろう。87年生まれのエレン・ペイジは若手女優の中では群を抜く異質さを感じさせる逸材で、その出演作(「JUNO/ジュノ」(07)、「ハード キャンディ」(05))を見た者なら、二度と忘れられないインパクトを受けたはずである。
◆お笑いプロパガンダ(80点)
『グリーン・ゾーン』を見ると、この映画を作った製作者らスタッフが、現代アメリカの本流というべき立場にいることがよくわかる。アメリカウォッチャーは、今後はこの人たちの作る映画から絶対に目を離すべきではないだろう。
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◆凶悪度はダウンしたが、相変わらずぶっとんだ映画(70点)
「東京はセックスに取り付かれた街だから(ロケ地に)選んだ」と、本作の監督ギャスパー・ノエは言った。このフランス映画界の鬼才は、よく日本を理解していらっしゃる。確かにある意味、日本人の性に対するこだわりはハンパではない。セックスと輪廻をテーマにした『エンター・ザ・ボイド』の舞台として、これ以上ふさわしい場所はないだろう。
◆原作と違う結末が秀逸(80点)
ギリシャ経済のゴタゴタに伴う暴落で、GW明けに即死状態となった投資家も少なくあるまい。金というものは……というより、そこにかける人々の情熱とは、なんとパワフルで恐ろしいものか。すっかりポジションを失い、抜け殻のようになったFX初心者などに、私はこの『運命のボタン』をすすめたい。
◆これといった特徴なし(30点)
前作を見た人にシリーズはこれで完結……と思わせておいて、ほとぼりが冷めたころにまるっと復活。始まる前から見事なトリックを見せてくれた劇場版第3作である。そもそも、確実に儲かるものをやめるなんてこの不況時ありえぬ話。仲間由紀恵&阿部寛の芸達者コンビならば、アラフォー、アラフィフになろうとも、変わらぬ夫婦漫才を見せてくれるに違いない。
◆高品質な物語と世界観、そしてアニメーション(75点)
巨匠ティム・バートンがほれ込んだ至高の11分。その短編アニメーションを、同じ監督(シェーン・アッカー)が長編リメイクしたものが本作『9 ~9番目の奇妙な人形~』である。
◆ホームレスだらけのサッカー大会(65点)
私が生まれ育った東京の下町には山谷という、それこそホームレス世界大会をやれば準決勝くらいまでいきそうな気合の入った町がある。世界第2位とか第3位とか言われるこの経済大国、それも大東京の端っこに、明らかに物価と価値観が一桁ずれた町が存在するわけだ。ある意味その特殊性は、世界的に見ても珍しい部類に入るのではないか。
◆国内専用ミュージカル(70点)
『矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~』を見ると、身の程を知るという言葉がいかに大事かがよくわかる。誰がどう見てもキワモノなこの企画を、本作のスタッフたちは予算人員等限られたリソースを自らの得意分野に集中させる事で、それなりに見られる形にした。自分たちにできる事とできない事を冷静に判断できたからこその成功例である。いかにもテレビ的な発想だが、それが良い方向に働いたといえる。