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	<title>映画批評なら映画ジャッジ！ &#187; 映画批評</title>
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	<description>最新映画の批評が満載！批評家による映画批評を参考にされて、良い映画を見て頂く為のサイトです。</description>
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		<title>時をかける少女</title>
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		<pubDate>Wed, 17 Mar 2010 01:06:51 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[時をかける少女]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆70年代の過去を特別に良い時代とも悪い時代ともとらえていないのがいい（65点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　「時かけ」が何度も映画化されるのは、物語の骨格が魅力的な上に何通りものバリエーションが可能なためだ。高校3年生の芳山あかりは、薬学者の母・和子が交通事故に遭ったと聞いて病院に駆けつける。母は「1972年４月の土曜日の実験室、深町一夫に会いにいく」とうわ言のようにつぶやいた。和子は初恋の人・深町にメッセージを伝えるため、時間を越える方法の研究をしていたのだ。母に代わって過去へ行く決心をしたあかりは、和子が開発した薬を飲んでタイムリープに成功するが、間違って1974年に着いてしまう。あかりは偶然出会った大学生で映画監督志望の涼太を強引に巻き込んで、深町一夫を探しはじめるが…。</p>
<p>　実写、アニメと何度も映像化されているので物語の大筋は承知しているのに、なぜか毎回ワクワクするのはタイムトラベルもの特有の笑いと切なさが自然と胸に立ち上がってくるからだろうか。この物語には、甘酸っぱい青春映画のきらめきが詰まっている。2010年版の本作は、大林宣彦監督作品のリメークではなく後日談という設定で、大林版のヒロイン芳山和子の娘・あかりが主人公。同じく後日談だったアニメ版でヒロインの真琴の声を担当した仲里依紗が本作で主役を務めるということも、映画同士の不思議なつながりを感じて嬉しくなる。</p>
<p>　70年代の過去を特別に良い時代とも悪い時代ともとらえていないのがいい。過剰なノスタルジーにひたることなく物語を活写するので、21世紀の現代っ子あかりが程よい異化効果となり、生き生きとして見える。彼女は、目的を達成するべく積極的に70年代に順応し、いつしかサイケな服を着こなして、楽しそうに銭湯に通ったりするから逞しい。演じる仲里依紗のみずみずしい演技がとても魅力的だ。やがてあかりは涼太に淡い恋心を抱くが、二人にはやるせない運命が待っている。タイムリープが終われば記憶はなくなっているのに、心では覚えている不思議。人が人を大切に思う心と、時さえも越えてみせる出会いの素晴らしさを感じる。「時かけ」の少女はいつの時代も時間を駆け抜けてさわやかな風を届けてくれるのだ。</p>]]></content:encoded>
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		<title>NINE</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/raku/11613.html</link>
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		<pubDate>Tue, 16 Mar 2010 01:36:14 +0000</pubDate>
		<dc:creator>町田敦夫氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[楽映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[NINE]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆スクリーン上のセクシーな“国連会議”に酔え！（80点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　スランプに陥った映画監督の産みの苦しみを、周囲を取り巻く多彩な美女との関係を絡めて描いたミュージカル。同名のブロードウェー・ミュージカルの映画化作品だが、そのまた原点には名匠フェデリコ・フェリーニの代表作『8 1/2』（63）がある。</p>
<p>　何はさておきキャスティングの豪華さに触れないわけにはいかないだろう。不遜で女好きな映画監督グイドを演じるのはダニエル・デイ＝ルイス（英）、その妻ルイザはマリオン・コティヤール（仏）、愛人カルラはペネロペ・クルス（西）。さらにグイドのミューズたる女優にニコール・キッドマン（豪）、心を許せる衣装係にジュディ・デンチ（英）、グイドの母親役にソフィア・ローレン（伊）を起用した。ほとんど国連かEUかという多国籍な陣容だ。それに加えて上記の全員がアカデミー賞受賞経験者。「百年に1度」の不況下に作られた映画とは思えない贅沢さだ。</p>
<p>　主要キャストの中では記者を演じたケイト・ハドソン（米）だけがオスカー未受賞だが、実は全編の白眉たる曲は彼女の歌う「シネマ・イタリアーノ」だ。その歌唱力、そのダンス！　ただの七光り女優だと思っていたが、いやはや、まいりました。コティヤールやクルスも歌唱シーンでは露出度たっぷりのコスチュームに身を包み、グイドならぬロブ・マーシャル監督（『シカゴ』）にサービス満点のご奉仕。歌えないデンチには語りでごまかせるシャンソン風の曲を与え、歌手が本業のファーギーにはセリフのない役（グイドが幼い頃に“教育”してもらった娼婦）を振るなど、マーシャル監督、適材適所もよく心得ている。</p>
<p>　マルチェロ・マストロヤンニが演じた『8 1/2』の主人公（役名はやはりグイド）にはフェリーニの半ば自虐的な自画像が投影されていたが、『NINE』のグイドは巨匠としての評価が確立してからのフェリーニの分身だ。劇中のプロデューサーがグイドに語る「君がイタリアを撮ったのではなく、イタリアが君の映画を真似たのだ」というセリフは、フェリーニへの最大級のオマージュだろう。とはいえこの主人公は、映画と女という2つの宿痾を抱えた、ある意味、非常にみっともない男。製作中の映画やもつれた女性関係から物理的にも心理的にも逃避し、それでもなお現実や幻想に追いまくられて彷徨する姿には、独特のおかしみやペーソスが漂う。</p>
<p>　よく言ってシュール、悪く言えば自己満足的だった『8 1/2』を下敷きにしていながら、誰もが理解可能なエンターテインメントに仕上がっているのも『NINE』の特筆すべき点。現実のシーンに唐突に幻想や回想を忍びこませても、『NINE』の方は観客をとまどわせることがない。ハリウッド特有の「万人に受け入れられる映画を作らなければならない」というプレッシャーが、本作に関しては明らかに好結果を生んだ。「王様は裸だ！」と叫ぶのは勇気がいるので“キネマ旬報王国”ではこんなことは書けないが、“映画ジャッジ！共和国”ではあえて明言してしまおう。『NINE』の方が『8 1/2』より8 1/2倍は面白い！</p>]]></content:encoded>
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		<title>アイガー北壁</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/raku/11612.html</link>
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		<pubDate>Tue, 16 Mar 2010 01:32:09 +0000</pubDate>
		<dc:creator>町田敦夫氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[楽映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[アイガー北壁]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆久々の傑作山岳映画がお目見え（80点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　ジャーナリストとしては有能だが（あるいは、ジャーナリストとして有能であるがゆえに）人間性にいささか欠陥のあるベテラン記者が、劇中でいみじくもこう語る。「記事になるのは栄光か悲劇だ。『登頂を断念して無事に下山』では誰も読まない」と。この言葉はそのまま「映画になるのは栄光か悲劇だ」と言い換えられるだろう。1930年代、スイスの名峰アイガーの北壁は、「ヨーロッパ最後の難所」と呼ばれていた。本作はその初登攀を目指した若者たちの友情と苦闘を、実話を元に描いたドイツ映画。結末が「栄光」なのか「悲劇」なのかは、あえて予備知識なしで観にいくことをお勧めしたいので書かない。</p>
<p>　ナチスドイツが国威発揚のためにアイガー北壁初登攀を煽り立てていた1936年、登山家として名を上げ始めていたトニーとアンディは、この＜殺人の壁＞に挑むことを決意する。一方、ベルリンの新聞社でアシスタントに甘んじていたルイーゼは、2人と幼なじみだったことから大抜擢され、上司のアーラウと共に現地取材に赴く。出発の前夜、トニーは想い出の詰まった登山日記をルイーゼに託すと、翌早朝からアンディと共に北壁へのアタックを開始。しかしオーストリア隊も負けじと後を追って……。</p>
<p>　監督・脚本のフィリップ・シュテルツェルが再現した、当時のアイガーを巡る状況が興味深い。未踏の北壁に挑む登山家を「見物」するのが、物見高い金持ちたちのレジャーだったのだ。彼らはふもとのホテルのテラスに望遠鏡を並べ、北壁が征服される歴史的な瞬間を持った。もちろん時には登山家が滑落する姿や、凍死する姿も見たはずだ。金持ちの1人が「残酷だな。まるで剣闘士の戦いを見物するローマ貴族だ」と口にするのは、まさに至言。夜ごと正装して豪華な食事を楽しむ下界の人々と、風雪にさらされながらわずかな岩棚でビバークする登山家との対比に、こちらの口中には苦いものが広がった。実際の山でのロケと、冷凍倉庫でのセット撮影を組み合わせた映像は驚くほどリアル。高所と極寒のイメージに思わず身がすくむ。</p>
<p>　シュテルツェル監督は人間描写の腕もたしか。寡黙なトニーとお調子者のアンディという構図は、2人が登場して数シーンで明確になる。ルイーゼと久々に再会するシーンでは、躊躇なく彼女をハグするアンディに対し、トニーはぶっきらぼうに突っ立ったまま。だがそれだけで、観客にはルイーゼが2人のどちらを好きかがわかるのだ。トニーとアンディが生死の瀬戸際に立たされる終盤、上司からの取材命令を突っぱねるルイーゼの叫びは強く胸を打つ。しかし、あえて彼女にカメラを持たせても、それはそれで劇的な映画になったように思う。</p>
<p>　実話に基づいた映画というのは意外に脚色が難しく、わけてもモデルとなった人物が存命の場合にはその傾向が倍加する。彼らへの配慮が最優先となり、一定の感動は呼ぶもののストーリーの面では凡庸な作品になりがちなのだ。アンジェリーナ・ジョリーの『マイティ・ハート／愛と絆』（07）や、現在公開中の『しあわせの隠れ場所』などはその典型だろう。</p>
<p>　その点、この『アイガー北壁』の元ネタは70年以上も前の話だから、かなり大胆な脚色が可能だったと推察される。たとえばドイツ軍に籍を置くトニーとアンディが反ナチス的で、逆にライバルのオーストリア隊がナチス党員であるという設定は、主人公コンビへの感情移入を促すための創作なのではあるまいか。ルイーゼなどは、ことによるとまったくの架空の人物かもしれない。それでいいのだと思う。映画作家は面白い映画を作るのが一番の仕事。その点で、シュテルツェルは実に素晴らしい仕事をした。あなたもぜひ「ふもとのテラス」からトニー、アンディ、ルイーゼの試練を見守り、3人の愛や友情、命ぎりぎりの決断に涙してほしい。</p>]]></content:encoded>
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		<title>シャーロック・ホームズ</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11610.html</link>
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		<pubDate>Tue, 16 Mar 2010 01:31:24 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[シャーロック・ホームズ]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆鍛え上げられた肉体と洗練された格闘術、抜群の記憶力と洞察力。科学の力が神秘や魔法にとってかわった時代、論理的な思考とタフな肉体を武器に難事件を解決する主人公は、さまざまな顔を持つある種のスーパーヒーローだ。（40点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　クールでスタイリッシュかと思えば少し間の抜けたところがあり、鍛え上げられた筋肉と洗練された格闘術を身につけているが女の扱いには疎い。さらに抜群の記憶力と観察力で過去を見通してしまう洞察力がある割には他人の心を読めない。科学の力が神秘や魔法にとってかわった時代、論理的な思考とタフな肉体を武器に難事件を解決する主人公。ガイ・リッチーによって新たに創作されたシャーロック・ホームズ像は、さまざまな顔を持つある種のスーパーヒーロー、しかし、映画はそんなキャラクターよりも圧倒的な見せ場の波状攻撃で見る者の興味をつなぎとめる。</p>
<p>　黒魔術を使った連続殺人の犯人・ブラックウッド卿がホームズの活躍で逮捕される。ブラックウッドは死刑を宣告されるが復活を予言、刑の執行後埋葬された墓から逃亡する。ブラックウッドは秘密結社を通じて全世界の支配を目論んでいた。</p>
<p>　相棒のワトソンとともにブラックウッドの陰謀を暴こうとホームズは奔走する。そこにひと癖ありそうなアイリーンというクライアントが絡んで来て、3人は幾度もの危機を何とか乗り越えて真相に迫るが、その過程で醸し出される雰囲気にどうもなじめない。言葉の端々にユーモアと皮肉が巧みに混ぜ合わされているが、そのニュアンスが映像から伝わってこないのだ。結果的に、ホームズにもワトソンにも、ましてやアイリーンにも感情移入することができず、見かけの派手な展開とはうらはらにただストーリーを追うだけに集中力を費やしてしまう。</p>
<p>　やがてホームズたちはブラックウッドの国会議員皆殺し計画をキャッチ、阻止すべく彼の手下と戦い、ブラックウッドの魔術のトリックを見破る。ところが、このあたりの種明かしも、あっと驚くような仕掛けというよりは21世紀の水準からすれば手品のレベルで知的興奮はなかった。期待した以上に斬新なホームズではあったが、彼の感情にも行動にもいまひとつ共感を覚えなかった。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>噂のモーガン夫妻</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11609.html</link>
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		<pubDate>Tue, 16 Mar 2010 01:28:01 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[噂のモーガン夫妻]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆離婚が当たり前のNYから、家族だけでなく地域全体が一つのコミュニティの田舎町にやってきた別居中の夫婦が、日常からの遮断の中でパートナーの良さを再発見する。きれいな水や空気、新鮮な食べ物は人間性まで浄化するのだ。（50点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　夫の浮気が許せない妻、過ちを認め妻に許しを請う夫。決して嫌いになったわけではないけれど、結婚生活から少し距離を置きたい男女が命の危機にさらされたとき、再び夫婦の絆を取り戻せるのか。離婚や別居が当たり前のNYから、家族だけでなく地域全体が一つのコミュニティの田舎町にやってきたカップルが、日常からの完全な遮断の中でパートナーの良さを再発見する。そして、生き延びるという共通の目標の中で双方ともに相手を必要としていた事実に気づく。映画は、ニューヨーカーが遭遇するカルチャーショックをユーモラスにとらえつつ、きれいな水や空気、新鮮な食べ物が人間性まで浄化していくことを教えてくれる。</p>
<p>　別居中のポールとメリル夫妻は殺人現場に居合わせ、犯人に顔を見られてしまう。FBIの証人保護プログラムによってワイオミング州の小さな町の保安官宅に隔離されたふたりは、そこで過ごすうちに溝を埋めていく。しかし、殺し屋の魔の手がこの町にも伸びてくる。</p>
<p>　都会人のポールとメリルが初体験のまき割りや射撃・野生の熊などで、彼らのサバイバル能力のなさを笑い飛ばす一方、自分の車に他人が乗れるようにキーをつけっぱなしにしておくなど田舎ならではの信頼に基づいたた人間関係が描かれる。生き馬の目を抜くようなビジネス業界にいるふたりにとって、契約書もなく人を信じる経験はなかったに違いない。彼らが生きてきた世界の毒が徐々に抜け、素直になったふたりは満天の星空の下でキスをするが、愛する相手と同じものを見る幸せをかみしめる美しいシーンだった。</p>
<p>　彼らを追ってきた殺し屋を町の人々の協力で撃退するのはお約束通りの展開。その過程で、町の住人が殺し屋を疑いもせずにポールたちの居場所を指示したりもするが、ふたりに手出ししようとする殺し屋に住人が一斉に銃口を向けるなど、力を合わせなければ暮らしていけなかった開拓時代のルールをそのまま受け継いだ人々の気質の表の部分にだけスポットを当て、あくまで善意を強調する。事件解決後、お互いのみならずもっと積極的に他人を信じる気になっているポールとメリルが、子供にも恵まれて心も豊かになるという、後味の良い作品だった。</p>]]></content:encoded>
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		<title>花のあと</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11608.html</link>
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		<pubDate>Tue, 16 Mar 2010 01:27:52 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[花のあと]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆年老いた以登が孫に聞かせる昔語りの回想というスタイルがいい（70点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　凛々しい女剣士の一途な思いが美しい珠玉の映画だ。江戸時代、東北の小藩・海坂藩。組頭の家の一人娘・以登は、男顔負けの腕を持つ剣術の使い手。藩でも有数の剣士で、一度だけ竹刀を交えた下級武士・江口孫四郎に恋心を抱くが、以登には決められた許婚・平助がいた。数ヵ月後、孫四郎が自ら命を絶ったと聞いた以登は、その裏の陰謀を感じ取り、平助に頼んで事の真相を探ろうとする…。</p>
<p>　藤沢周平の同名小説は、文庫本にして40ページにも満たないささやかな掌編。だが映画は、小説の行間を映像で見事に埋め、はかなさと強さとが同居する鮮烈な作品になっている。まず年老いた以登が孫に聞かせる昔語りの回想というスタイルがいい。遠い娘時代を懐かしみながら彼女が伝えたいこととは、どんな恋、あるいは事件なのかと期待が高まる。ただ一度の剣術の試合だったが、自分を女と侮らず真剣に向き合ってくれた男性に恋心を抱いた以登は、彼が卑怯な罠に嵌ったことを知って仇討ちを決意する。武家の娘のたしなみなのか、ほとんど感情を表にださない以登だが、剣を持てばほとばしる情熱が露に。その変身ぶりが鮮やかだ。決闘の場面は、腹黒い悪党と正義の女剣士の息詰るアクションで、大いに盛り上がる。北川景子の美剣士コスプレの様相だが、これがなかなか魅力的だ。</p>
<p>　だが映画の本当の魅力は、以登が、美形で凄腕の剣士の孫四郎に惹かれた一瞬の恋ではなく、以登の頼みを聞いて事件の真相を探り、彼女の思いを影からサポートする平助の、平穏な愛にある。風采が上がらず仕事熱心にも見えない昼行灯のような許婚が、どんなに心が広く、どんなに以登を深く思っているか、そして実はかなりデキる男だったかが、すべてが終わった後に痛いほどよく分かった。一瞬の恋、正義の剣、穏やかで深い愛。桜で始まり桜で終わる物語の余韻にずっと浸っていたくなる。出演はせず語りだけで参加する名女優・藤村志保の柔らかな声が、映画の大きな魅力のひとつであることは言うまでもない。</p>]]></content:encoded>
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		<title>バッド・ルーテナント</title>
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		<pubDate>Tue, 16 Mar 2010 01:26:51 +0000</pubDate>
		<dc:creator>山口拓朗氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[感映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[バッド・ルーテナント]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆見どころは、薬に手を染めるテレンスの悪徳刑事＆ジャンキーぶり。これに尽きる（70点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　鬼才ヴェルナー・ヘルツォーク監督がニコラス・ケイジを主演に迎えて撮影した本作「バッド・ルーテナント」は、その暴力性と宗教描写で公開当時物議を醸した「バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト」（1992年）のリメイク作品。場外では新旧作品の監督同士が互いをなじる舌戦をくり広げたそうだが、そんなきな臭さももこの作品にはお似合いか。</p>
<p>　基本は＜バッド・ルーテナント＝悪徳警部補＞な主人公の予見不可能な行動に迫ったスリルあふれるクライム・サスペンス。暴力、ドラッグ、ギャンブル、SEX、犯罪……などが渦巻くワル指数120％の異色エンターテインメントだ。</p>
<p>　舞台はアメリカ南部のニューオーリンズ。テレンス刑事（ニコラス・ケイジ）は、優秀な刑事として警察内部で高い評価を受けていた。ところが、それはあくまでも表の顔。裏の顔は、アメフト賭博にのめり込み、交際する高級娼婦フランキー（エヴァ・メンデス）と一緒にドラッグに手を染める“不良”であった。しかも、ドラッグの入手ルートのひとつは、警察で押収した証拠品だ。ある日、子供を含めた一家5人が惨殺される事件が起き、テレンスは捜査の指揮を執ることになるが……。</p>
<p>　見どころは、薬に手を染めるテレンスの悪徳刑事＆ジャンキーぶり。これに尽きる。ヘロイン所持のカップルを捕まえたかと思えば、その場で押収したヘロインを吸い始め、女性には性的暴力さえ加えるという“あり得ない”やりっぷり。隠し事を吐かせるためにある老婆に対して行った強請（ゆすり）などは、マフィアも真っ青の傷害行為である。</p>
<p>　テレンスのドラッグ依存度が高まっていき、中盤以降はテレンスにふつうに接する周囲の態度が不自然に思えるほどの“グダグダ時々バイオレンス”モード。「リービング・ラスベガス」（1997年）で見せたニコラス・ケイジの泥酔い演技は今でも語りぐさだが、今回のトリップ演技（幻覚状態の演技）もすさまじい。テレンスが「イグワナ」や「ダンス」をキーワードにした幻覚に襲われるシーンでは、まるで観客に肩すかしを食らわすかのように、シュールな演出が取られている。もっとも映画ファンはニヤリとするだろうが。</p>
<p>　「新春・悪徳刑事大賞」が開かれていたら、最有力候補としてノミネートされるであろうテレンスが、刑事としてのプライドと正義感をわずかに残しているところも、本作「バッド・ルーテナント」のおもしろさ。人間性が崩壊していき、テレンスの犯罪行為も徐々に表沙汰になっていくが、体には刑事としての本能が染み付いているようだ。明らかに挙動不審な状況のなか、彼は完全に堕落するのか、それとも……。結末はその目でご確認のほど。まさか世の中の不条理をこの形で描くとは、恐れ入った。</p>
<p>　善悪のボーダーラインについて考えさせられる「バッド・ルーテナント」は、＜悪徳警部補＞テレンスの立ちまくったキャラクターも相まって、強烈な印象を残す1本だ。ちょっぴり汚れた女性を演じさせたらピカイチなエヴァ・メンデスの起用も見ごとに的中している。</p>
<p>　惨殺事件の犯人探しにスリルと意外性がなかったのが残念だが、ニコラス扮する＜悪徳警部補＞の強烈なキャラクターが、そんな物足りなさを補ったうえに、何の出血大サービスか、お釣りまでふるまってくれる。ニコラスのキャリアにおいても、本作は重要な作品となるだろう。</p>]]></content:encoded>
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		<title>孤高のメス</title>
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		<pubDate>Mon, 15 Mar 2010 02:30:01 +0000</pubDate>
		<dc:creator>小梶勝男氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[通映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[孤高のメス]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆地方の市民病院を一人の医師が変えていく医療ヒューマンドラマ。手術場面のリアルさと、堤真一の演技が素晴らしい（78点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　現職医師である大鐘稔彦の小説を「ミッドナイトイーグル」（2007）「ラブ・ファイト」（2008）の成島出が監督した、医療ヒューマンドラマ。地域医療の問題を真っ向から捉えて、実に見応えがあった。</p>
<p>　1989年、地方の市民病院に、米国のピッツバーグ大学で肝臓移植も手がけた外科医・当麻鉄彦（堤真一）が赴任する。まともに手術も行われない市民病院でやる気を失っていた看護師・浪子（夏川結衣）は、目の前の患者を助けたいという当麻の信念と、圧倒的な手術の腕に驚き、次第に仕事への情熱を取り戻していく。ある日、市民病院の充実に力を注ぐ市長の大川（柄本明）が肝硬変で倒れた。命を救うには生体肝移植しかない。そんなとき、息子を脳死と診断された小学校教師・静（余貴美子）が、息子の臓器を使って欲しいと願い出てきた。当麻は、当時の法律では認められていなかった脳死肝移植を決断する。</p>
<p>　どんな人にも美点と欠点があるように、映画にも双方がある。本作の最大の美点は、手術シーンの驚くべきリアルさだろう。順天堂大医学部が監修したというその場面は、外科手術を扱ったこれまでの様々な映画の中でも、一、二を争う出来栄えだと感じた。手術中の臓器も見せるが、「本物」そのものに見えた。手術中の患者の開かれた腹の中から、外科医の表情を映すカットもあった。ゾンビ映画などでは見たことがあるが、シリアスな映画では記憶にない。一歩間違えると珍妙な場面になってしまうからだろう。そうならなかったのは、市民病院のセットも含め、病院内部の細かい描写にリアリティーがあるからだと思う</p>
<p>　そして、主役の堤真一が素晴らしかった。手術する手つきが、本物の医師そのものに見えたのだ。ここに説得力がなければ、話全体の説得力もなくなってしまう。血管の縫い方を練習するキットを自宅に持ち帰ったという堤は、相当に修練を積んだのだろう。手術場面を監修した順天堂大の医師らも、「本物に見間違える」と舌を巻いたという。堤は「容疑者Xの献身」（2008）でも天才数学者を好演していたように、孤独な天才がピッタリとくる。本作でも、都はるみの演歌を大音量でかけながら手術をするような変人だが、胸のうちに理想の医療への情熱を燃やす天才外科医を、実に生き生きと演じている。手術用の帽子とマスクを付けた場面でも、目と声のトーンだけで見事に演技をしていた。</p>
<p>　ストーリーは非常にストレートで、力がある。成島監督は、病院内の場面はアップを多用し、屋外の場面ではロングを中心に撮って、メリハリをつけている。手術場面の血や内臓の赤さ、手術着の緑、病院の壁の白という屋内のカラーと、どんより曇ったり、小雨が降っていたりして、水墨画のように色が感じられない屋外との対比もいい。</p>
<p>　ここまでが美点の部分だ。次は欠点について言及しなければならない。まず、「説明過多」だと感じた。物語は看護師・浪子の葬儀の際、息子（成宮寛貴）が遺品の中から日記を見つけるところから始まる。この日記の内容が物語の大部分を占めるのだ。手術場面で、堤演じる当麻が鮮やかな手つきを見せると、（正確な表現ではないかも知れないが）「まるで魔法のようだった」というような、浪子の日記の文章がナレーションとして入るのだ。堤の演技だけで十分にその鮮やかさは分かるのに、そこにわざわざナレーションが被せられると、せっかくの鮮やかさが色あせてしまうのである。そんな「言わずもがな」のナレーションが随所に入ると、場面に集中できない。「ライアーゲーム　ザ・ファイナルステージ」（2010）のレビューにも書いたが、このような過剰な分かりやすさは、私にはテレビ的な演出のように思えてしまう。</p>
<p>　また、生瀬勝久が演じる悪徳医師のキャラクターが、まさに「絵に描いたような」という表現がピッタリくる過剰さで、作品のシリアスな雰囲気に合っていない。これは生瀬のせいではなく、演出のせいだと思う。</p>
<p>　美点と欠点を比較すると、本作は美点が大きく勝っている。成島監督は地域医療という真面目で地味なテーマを扱うに当たり、意識的に「分かりやすさ」を強調し、エンタティンメントとしても成立させようとしたのかも知れない。その代わり、徹底して手術場面のリアリティーにこだわったのだろう。「ディア・ドクター」（2009）のようなストーリー上の「仕掛け」もなく、主人公同様、極めてバカ正直に医療問題に切り込みながら、十分に面白い作品になっている。</p>]]></content:encoded>
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		<title>キャタピラー</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/tsuu/11606.html</link>
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		<pubDate>Mon, 15 Mar 2010 02:29:38 +0000</pubDate>
		<dc:creator>小梶勝男氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[通映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[キャタピラー]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆江戸川乱歩の「芋虫」をモチーフにした、若松孝二監督らしいエロティックで幻想的、かつ政治的な反戦映画。戦場で四肢を失って帰ってきた男の妻を演じる寺島しのぶが、ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した（80点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　主演の寺島しのぶが、ベルリン国際映画祭で日本人として35年ぶりに最優秀女優賞を受賞した話題作だ。監督はかつて、ピンク映画の巨匠と呼ばれ、その後も政治的な作品を発表し続ける若松孝二。本作も若松監督らしい、エロスと権力への怒り、反戦思想が結びついた奇怪で刺激的な作品だ。</p>
<p>　シゲ子（寺島しのぶ）の元に出征していた夫・久蔵（大西信満）が、四肢を無くし、顔面の半分が焼け爛れた無残な姿で帰ってくる。3つの勲章を胸に、村で「生ける軍神」と呼ばれる久蔵だったが、シゲ子にとっては久蔵の食欲と性欲を満たすばかりの日々が続いた。やがて、大本営が発表する勝利の報告にもかかわらず、生活は困窮を極めていく。</p>
<p>　「原作」の表記はないが、江戸川乱歩の短編「芋虫」をモチーフにしている事は間違いない。子供のころ読んで、大変なショックを受けた。その後、少年漫画誌でマンガ化されたものを読んだ記憶があるのだが、誰が書いたものか、覚えていない。ご記憶の方はいらっしゃらないだろうか。今考えると、よくもあんな陰惨で変態的な物語をマンガに出来たな、と思うほどだった。</p>
<p>　乱歩の小説は怪奇幻想色が濃いが、本作は若松監督だから、小説では隠れたテーマになっていた反戦思想が前面に出ている。何度も何度も、しつこいくらいに昭和天皇皇后の御真影や、勲章、勲功を讃える新聞記事などが写される。これが映したかったから、映画を作ったのではないかと思うほどだ。その一方で、食欲と性欲しかない「肉の塊」と化した男の無残な姿が、長閑な田園風景の中で描かれるのである。その対比は、国家がいくら嘘臭い奇麗事を言おうと、国民にとっては性欲と食欲、「食べて、寝て」の繰り返しなのだという若松監督の主張が伝わってくる。そして、昭和天皇・皇后の御真影は、天皇の戦争責任を明確に問うている。</p>
<p>　イデオロギッシュな作品ではあるが、それだけでない。ベルリンで受賞したからというわけではないが、寺島しのぶの演技はやはり凄い。作品をただの反戦イデオロギー映画でも、変態ホラーでもなく、一種独特のファンタジーにしているのは、映画の中心に常に寺島がいるからだろう。夫への嫌悪感、「軍神の妻」としての奇妙なプライド、貞淑な妻という表の顔に隠された変態的な性欲、頭の中からではなく、体の中から沸き起こる国家や時代への苛立ちなどを、見事に表現している。停電になってランプだけの光の中、四肢を失った夫とシゲ子が裸で重なり合う場面は、妖しい美しさを感じさせる。大八車に夫を乗せてシゲ子が村を歩く場面、シゲ子が裸になって庭で体を洗う場面、夫の待つ蚊帳の中に入っていく場面など、一つひとつが実に幻想的に撮られていて、イデオロギーの前に、映像として強烈に惹きつけられる。限られた場所でだけ撮影されていることが、予算の少なさを感じさせる場面もあるが、それ以上に、ひどく魅力的な場面があるのだ。</p>
<p>　そして、敗戦の日の晴れ晴れとした青空が、見事に描かれていることに感動した。戦後生まれの私は勿論、敗戦の日を知らないが、映画や小説などでイメージするあの日の空に、ピッタリの映像だった。若松監督はそのとき小学校3年生だったというから、きっとあんな空を見たのだと思う。</p>
<p>　一部に、本作が日本兵の中国での蛮行を描いていることが問題だという指摘もあったが、主人公のトラウマとして描かれているので、日本軍の戦争犯罪かどうかはよく分からない。日本軍の戦争犯罪を告発するのは本作の主たる目的ではないだろう。東京大空襲や原爆投下が描かれていることを考えると、むしろ、真っ当すぎるほど真っ当に、日本に限らず、国家を戦争へ導いた「権力」そのものを告発しているのだと思う。</p>]]></content:encoded>
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		<title>時をかける少女</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/tsuu/11605.html</link>
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		<pubDate>Mon, 15 Mar 2010 02:29:22 +0000</pubDate>
		<dc:creator>小梶勝男氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[通映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[時をかける少女]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆大林宣彦監督の名作の続編。大林版へのリスペクトが随所に感じられ、世界観の踏襲に成功している（68点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　大林宣彦監督、原田知世主演の「時をかける少女」（1983）には、今も多くの熱狂的なファンがいる。名作と言っていいだろう。本作は、そのリメークではなく、続編である。かつて原田知世が演じた芳山和子（今回は安田成美）の子供、あかり（仲里依紗）が、母親の代わりに1974年にタイム・リープし、深町一夫（石丸幹二）を探す物語だ。</p>
<p>　名作の続編は、前作からの世界観の踏襲が上手くいかず、失敗してしまうことが多い。だが本作は、大林版の世界を壊すことなく、新しい物語を作ることに成功している。劇場用長編を初めて手がけた谷口正晃監督は、大林版のファンなのだろう。随所に大林版へのリスペクトが感じられ、大林版で尾美としのりが演じた浅倉吾朗が突然登場しても、違和感がほとんどなかった。</p>
<p>　谷口監督は、冒頭で仲里依紗が「ガニ股」で叫ぶシーンで主人公の「あかり」像が見えた、という。まさにその通りで、あの「ガニ股」は実に良かった。大林版の原田知世は、友人宅に入るときに、靴をきちんと揃えていた。そんなちょっとした場面から、芳山和子のキャラクターや時代が伝わってきたが、本作では「ガニ股」が、あかりのキャラクターと今の時代を、一目瞭然に語っている。元気で明るい仲は、大林版にはないこの映画ならではの、新たな魅力となっていたと思う。</p>
<p>　タイム・リープ後の1974年の描写には、細かいところは別として、すぐに分かる明らかな嘘がある。私は2か所見つけたが、もっとあるのかも知れない。そこ以外は、うまくあの時代を再現しているように思った。どこが「嘘」なのかは、見つける楽しみを奪わないため、あえて書かない。是非、見て探して欲しい。</p>
<p>　主人公がタイム・リープして1974年の若者たちと過ごす下りがやや退屈なのと、大林版にあったような、印象的な映像に乏しいのが残念。大林版のスピンオフとしてはよく出来ていると思うが、大林版を知らない観客にとってはどうだろうか。また、大林版には「ジュヴナイル」という前提があったが、「ジュヴナイル」というジャンル自体が意味を持たなくなった今、本作のタイム・リープの方法やその描写など、SFとしての設定は、かなり安っぽく、矛盾だらけに見えてしまうかも知れない。やはり本作は、大林版のファンのための映画なのだろう。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
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		<title>カンニバル・マン 精肉男の殺人記録</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/tsuu/11604.html</link>
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		<pubDate>Mon, 15 Mar 2010 02:29:06 +0000</pubDate>
		<dc:creator>小梶勝男氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[通映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[カンニバル・マン 精肉男の殺人記録]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆1972年スペイン製ホラーの米国編集版である。日本では未公開で、これまでソフト化もされていないという。余りの残酷描写に世界中で公開中止が相次ぎ、映画館では「嘔吐用パック」が配られたとされるが、今見ると、それほど過激な描写があるわけではない。だが、全体にどうにも奇妙な雰囲気が漂っていて、それが一種の「味」になっている（68点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　冒頭、精肉工場で牛から血がドクドクと流れる場面が、ドキュメンタリーのように映し出される。ここで何だか嫌な感じになるのだが、この「嫌な感じ」は、ラストまで続くことになる。工場で働く主人公マルコス（ヴィセンテ・パラ）は恋人とデート中、タクシー運転手とトラブルを起こし、つい殴ってしてしまう。後になって、運転手が死んだことを知った恋人が、主人公に自首を迫る。またしてもつい恋人を殺してしまった主人公は、さらについ兄を殺し、兄を探しに来た兄の恋人をつい殺し・・・・と、最初の殺人を隠すため、何となく成り行きで次々と殺人を重ねてしまう。そして死体の処分に困り、精肉工場の牛の肉に混ぜるようになる。</p>
<p>　人間離れした殺人鬼の話はよくあるが、本作が異様なのは、主人公が普通の人間であることだ。殺したくて殺すわけではない。嘘に嘘が重なっていくように、悩みながら仕方なく、しかしメチャメチャに殺人を重ねていくのである。牛の肉に混ぜるのも、死体の隠し場所がなくて仕方なくやっていることなのだ。工場の肉を使った料理に吐きそうになってしまうように、主人公はどんなに残酷な殺人を続けても、いつまでも正常な感覚を失わない。それがブラック・ユーモアでもなく、いわゆるホラーでもなく、記録映画のように淡々と描かれる。そこにどうにも奇妙なリアリティーを感じてしまう。殺人シーンも派手ではないが生々しい。女の首を切る場面など、1972年当時の特殊効果としてはよく出来ている。</p>
<p>　そして、冒頭から同性愛者らしき男が登場するのだが、話の流れにどう関係してくるのか全く読めない。この男が主人公に次第に絡んでゆき、ある意味驚きのラストにつながっていく。カット割のぎこちなさは多分、ヘタクソなだけだと思うが、それも含めて不気味な雰囲気を作り出しているのが面白かった。半分やけになって人を殺しまくる主人公の気持ちは、分からなくもない。一般向けの作品ではないが、この味は捨て難い。</p>]]></content:encoded>
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		<title>マイレージ、マイライフ</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11603.html</link>
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		<pubDate>Mon, 15 Mar 2010 02:28:57 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[マイレージ、マイライフ]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆人間関係のしがらみを捨て、人を解雇することを生業にしている主人公が薄っぺらな生き方に気付き、人生に本当に必要なものは何かを問いかける。たまったマイレージでワンランク上のサービスを受けて優越感に浸る姿が滑稽だ。（80点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　人間関係のしがらみという名の荷物をすべて捨て去り、人の働き口を奪うことを生業にしている男。もちろん彼にも多少の後ろめたさがあるのだろう、しかし、それを意識すまいと心がけ、他人からは充実しているように見られたい。そんな主人公が薄っぺらな生き方に気付き、人生に本当に必要なものは何かを問いかける。地に足のついた暮らしよりも忙しく動き回る自分の姿に酔っていて、一年中飛行機に乗り出張ばかりのなかで、ワンランク上のサービスを受けて優越感に浸る姿が滑稽だ。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ダレン・シャン</title>
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		<pubDate>Mon, 15 Mar 2010 02:28:48 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ダレン・シャン]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆人の血をすする悪の権化でもなく、本能に苦悩する理性でもなく、人間と折り合いを付けて共存しているバンパイア。人間の敵ではなく、見世物の舞台に活躍の場を求めるあたりが、善悪の価値観が一元的でなくなった21世紀的だ。（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　人の血をすする悪の権化でもなく、体内に潜む本能に苦悩する理性でもなく、きちんと人間と折り合いを付けて共存しているバンパイア。超人的な力が必要な時だけ少しだけ人間の血を盗み、むやみに仲間を増やそうとはしない。そんな、永遠の生を運命と受け入れ、人目につかないようにひっそりと暮らしている姿が健気。もはや人間の敵ではなく、フリークスとして見世物の舞台に活躍の場を求めるあたりが、善悪の価値観が一元的でなくなった21世紀的だ。人間対バンパイアの対立ではなく、バンパイア界でのタカ派とハト派の主導権争いという視点も斬新だ。</p>]]></content:encoded>
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		<title>アイガー北壁</title>
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		<pubDate>Mon, 15 Mar 2010 02:28:33 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[アイガー北壁]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆目まぐるしく変化する山の表情を前にして、己の知識と経験、そして肉体を頼りに頂上を目指す。垂直に切り立った絶壁で重力を克服し、氷雪と風がもたらす最悪のコンディションと戦い、凍傷の痛みに耐える姿が生々しく再現される。（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　雲ひとつない満月の夜、足元さえ見えない濃霧、容赦なく吹きつける極寒の猛吹雪。目まぐるしく変化する山の表情を前にして、己の知識と経験、そして肉体を頼りに頂上を目指す。しかし、当時の装備では気まぐれな風雪に対抗するには十分とはいえず、挑戦者たちは無残にも命を落とす。垂直に切り立った絶壁で重力を克服し、氷と雪と風がもたらす最悪のコンディションと戦い、凍傷の痛みに耐え、それでもわずかな生存への望みをかけるクライマーたちの姿が生々しく再現される。</p>]]></content:encoded>
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		<title>息もできない</title>
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		<pubDate>Mon, 15 Mar 2010 02:28:09 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[息もできない]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆粗暴な言葉しか口にせずいつキレるかわからない、触れるだけで切れそうな危険な男がスクリーンから発する荒んだ緊張感は、まさに息ができないほど。映像から発散する常識をぶち破ろうとする異常なまでのパワーに圧倒される。（80点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　男は女を殴り、夫は妻を殴り、チンピラは学生を殴り、息子は父を殴り、取り立て屋は債務者を殴る。殺伐とした暴力の連鎖は、素直に感情を表現できない主人公の荒廃。肉親に愛された記憶がない男が、成長してもなざらついた心を持て余し、バイオレンスの衝動を抑えきれないでいる。粗暴な言葉しか口にせずいつキレるかわからない、触れるだけで指を切ってしまいそうな危険な男がスクリーンから発する荒んだ緊張感は、まさに息ができないほど。映像から発散する従来の常識をぶち破ろうとする異常なまでのパワーに圧倒される。映画はこのチンピラと女子高生の間に生まれた奇妙な共感を通じて、孤独な人間が他者と関わりの中でやさしさを取り戻していく過程を描く。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ウディ・アレンの夢と犯罪</title>
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		<pubDate>Mon, 15 Mar 2010 02:27:52 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ウディ・アレンの夢と犯罪]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆仲の良い兄弟は金持ちになる夢を見る。それは成功した人々のアイデアや勤勉を見習うのではなく、稼いだカネという結果に憧れる浅はかなもの。幸運は簡単に訪れるはずもなく、ふたりが陥穽に落ちていく過程は教訓に満ちている。（50点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　仲の良い兄弟は金持ちになる夢を見続ける。それは世間で成功した人々のアイデアや勤勉を見習うのではなく、稼いだカネという結果に憧れる浅はかなもの。兄は怪しげな投資に夢中になり、弟はギャンブルで一攫千金を狙う。そんな、貧しさにあえいでいるわけではない、それでも今より豊かになりたい人間の愚かな欲望に油を注ぐ21世紀的な拝金主義に、映画は強烈なしっぺ返しをくらわせる。自分の利益にこだわる彼らに幸運は簡単に訪れるはずもなく、ふたりが陥穽に落ちていく過程は教訓に満ちている。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>抵抗 死刑囚の手記より</title>
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		<pubDate>Mon, 15 Mar 2010 02:26:51 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[抵抗 死刑囚の手記より]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆モノクロの画面は淡々と主人公の行動を描写するが、映像にかぶせられた独白が心理的な緊張感を盛り上げる。カメラと対峙する俳優は感情を大げさに表現することを拒み、脱走の準備をする過程はこの上ないテンションをはらむ。（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　自動車のドアノブ、狭い独房、木製のドア、スプーンで作ったノミ、高窓からみた中庭・・・。主人公は目で見た世界を分析し、脱走のプランを練る。モノクロの画面は淡々と彼の行動を描写するが、映像にかぶせられた独白が心理的な緊張感を盛り上げる見事な演出だ。カメラと対峙する俳優は感情を大げさに表現することを拒み、あくまでリアリティに徹する。それゆえ狭い独房で繰り広げられる外部との通信、道具の製作といった脱走の準備はこの上ないテンションをはらんでいく。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>アイガー北壁</title>
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		<pubDate>Sun, 14 Mar 2010 01:05:13 +0000</pubDate>
		<dc:creator>佐々木貴之氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[狂映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[アイガー北壁]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆壮大なスケールで魅せつけ、緊迫感を漂わせたスリリングな描写が魅力的（75点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　アルプス登攀史上最大の事件と呼ばれた実話をフィリップ・シュテルツェルが映像化した入魂のアドベンチャー・ドラマ。</p>
<p>　ベルリン五輪開幕直前の1936年ドイツ。ナチス政権は、スイスの難所で多くのクライマーの挑戦を阻んできたことから“殺人の壁”と呼称されるようになったアイガー北壁へのドイツ人初登頂を最大目標に掲げ、成功者にはオリンピックで金メダルが授与できることを決定した。トニー（ベンノ・フユルマン） とアンディ（フロリアン・ルーカス）の山岳猟兵コンビとヴィリー（ジーモン・シュヴァルツ）とエディ（ゲオルク・フリードリヒ）のオーストリア人登山家コンビの四人がこれに挑戦するが……。</p>
<p>　実話ということもあってリアリティーを追求することに拘った本作。当然、メインである登攀のシーンはウソっぽさをまったく感じさせないほど忠実に再現されており、説得力があると言い切れるほどだ。タダでさえ危険極まりない山でロケを敢行し、見事に完成させたことにはスゴいとしか言いようがなく、同時に「よくここまで出来た！！」という驚きもあれば、役者やスタッフたちが相当な苦労を積み重ねてきたことも薄々感じられた。</p>
<p>　悪天候による猛吹雪に吹き荒れる強風、雪崩、落石が四人を苦しめるのが見所の一つであり、かなり印象深い。自然の恐ろしい一面がじっくりと伝わり、この山が如何に恐ろし過ぎる山であるかということにも納得が出来る。そして、何よりも四人の過酷かつ精神的にも肉体的にも厳しい状況に置かれていることをしっかりと浮き彫りにしており、痛々しさが感じられる。</p>
<p>　トニーとアンディの幼馴染であるベルリン新聞社の女性記者ルイーゼ（ヨハンナ・ヴォカレク）も素晴らしい。四人の挑戦を見守る彼女の存在がラストの悲劇を盛り立て、愛を感じさせるドラマへと仕立て上げた。</p>
<p>　本作は男の激闘ドラマでもある。二組がライバル心を露にしていがみ合うが、後に仄かな友情が芽生えて協力し合ったりといったシーンは、男心をくすぐらせる。</p>
<p>　壮大なスケールで魅せつけ、緊迫感を漂わせたスリリングな描写が魅力的だと言えるが、単にこれらを楽しむというモノではない。死と隣り合わせの挑戦の壮絶さと大自然が持つ厳しさと恐ろしさを存分に味わえるドラマである。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>フィリップ、きみを愛してる！</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11596.html</link>
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		<pubDate>Sun, 14 Mar 2010 00:56:31 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[フィリップ、きみを愛してる！]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆ブランドものの服や小物、優雅な邸宅。ゲイ・ライフとはかくもお金がかかるものなのか！（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　主人公は「愛してる」の一言のために懲役167年をくらった男。これが実話だというから恐れ入るが、何ともロマンチックな犯罪者だ。警官のスティーヴンは大事故で命を失いかけたのを機に、自分らしく生きようと決意。警官を辞め、ゲイであることをカミングアウトし、詐欺師人生に突入する。保険金詐欺で投獄された刑務所で心優しいフィリップと出会い一目惚れ。彼を喜ばせたい一心で出所後も詐欺を繰り返すが、フィリップに嘘がばれてしまう…。</p>
<p>　ブランドものの服や小物、優雅な邸宅。ゲイ・ライフとはかくもお金がかかるものなのか！　と驚くが、それ以上の驚きは、IQ169の天才の破天荒な生き方だ。好きな人の好みの自分を演出し、その人が喜ぶ顔が見たいと思うのは、男も女も同じだが、スティーヴンの場合、そのやり方がハンパじゃない。ひとつの嘘のためにさらにつく嘘が雪だるま式にふくらんで、詐欺を繰り返しては発覚、投獄されては脱獄する。ホントにこの人、頭がいいの？　と疑いたくなるのは、これだけの頭脳ならまっとうに働けば、豊かな人生がおくれるはずだからだ。思うにスティーヴンは、大事故と同じほどのスリリングで刺激的な人生を求めていた違いない。</p>
<p>　主人公のやってることは明らかに犯罪なのに、演じるジム・キャリーの怪演に近い熱演にいつしか説得されてしまい、これは崇高な純愛だと頷いてしまった自分がいた。スティーヴンが、騙されたと知ってショックを受けたフィリップに会おうとする努力は涙ぐましいばかり。命懸けで愛を伝えるスティーヴンの生命が終わろうとする、まさにその時、ビックリ仰天の事実が分かる。アメリカというところは、騙す話も騙される話も、あきれるほどドラマチックだ。ジム・キャリーの恋のお相手フィリップを演じるのは子犬のように可愛い表情がキュンとくるユアン・マクレガー。刑務所の中だというのに、ラブラブな恋愛モードに浸る二人が微笑ましい。ちなみに本物のスティーヴンは現在1日23時間の監視下で服役中。お気の毒というか自業自得というか。もちろん物語には誇張があるだろうが、なんだかこの話、あまりに映画的でどうにも憎めない。</p>]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>時をかける少女</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11577.html</link>
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		<pubDate>Sat, 13 Mar 2010 01:46:33 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[時をかける少女]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆「記憶は消されても、心は覚えている」。出会いから別れまでほんの短い間だったけれど、その気持ちはまぎれもなく恋。人探しの途中で、ヒロインが偶然遭遇した大学生との間に芽生える人を思う感情は、時を経ても変わらない。（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　「記憶は消されても、心は覚えている」。出会いから別れまでほんの短い間だったけれど、その気持ちはまぎれもなく恋。30年以上前にタイムリープした少女が、知識では知っていても感覚としては未体験の時代をエンジョイする姿が楽しい。古い自動車や路面電車、消えつつある駄菓子屋、銭湯のマッサージチェア、 4畳半一間のアパートとこたつでの雑魚寝、サイケ調の隣人、そして8ミリカメラ。映画は、人探しをするヒロインが偶然遭遇した大学生と接近していく過程で、人を思う感情は時を経ても決して変わらないことを描く。</p>
<p>　タイムリープを研究する和子はカズオという少年に会いに行こうとするが、交通事故に遭う。娘のあかりが代わりにタイムリープすると、リープ先を間違って 1974年2月に着地してしまう。あかりはそこで知り合った涼太とカズオ探しを始めるが、涼太が監督を務める映画の撮影につきあうハメになる。</p>
<p>　風景や小道具に凝ってリアルな74年を再現する一方、希望や人情といった懐古趣味に走らずに、登場人物を美化していないところに好感が持てる。現代ほど他人に対して警戒感を持っていないし、人間関係が濃かった事実をことさら強調するでもなく、あくまでこの世界を肯定も否定もしない。だからこそあかりも、最初こそ軽度のカルチャーショックを受けても、すんなりと涼太たちになじんでいくのだ。</p>
<p>　やがてあかりは涼太が乗るバスが事故に遭うのを思い出し、知らせようとするが、時の番人に過去を変えてはいけないと阻止されて現在に戻される。涼太のことを忘れても彼の存在を感じ、願いは叶わなくても愛は届いている、そんな優しい気分を満喫できるラストシーンだった。ただ、涼太の部屋に貼られた映画ポスターで、「ドラゴン怒りの鉄拳」「未来惑星ザルドス」「ヤング・フランケンシュタイン」といった作品は74年2月の時点では日本公開されておらず、当然ポスターもまだ作られていないはず。まあ、作り手が確信犯で観客の蘊蓄を試したのかもしれないが。。。</p>]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>シャーロック・ホームズ</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11595.html</link>
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		<pubDate>Sat, 13 Mar 2010 00:53:26 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[シャーロック・ホームズ]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆世界一有名な名探偵は、タフな武闘派。科学と魔術が混在する19世紀ロンドンの空気が伝わってくる。（65点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　1891年、ロンドン。若い女性を狙う連続殺人事件が起きる。名探偵シャーロック・ホームズと相棒のワトソン博士は、犯人のブラックウッド卿の逮捕に貢献するが、黒魔術を操る卿は、自分はたとえ死んでも蘇ると豪語する…。</p>
<p>　知性、教養、記憶力、もちろん推理力も超人的なシャーロック・ホームズ。誰もが知るこの名探偵を、格闘系のヒーローとして再構築したことで、まったく新しいホームズ像が完成した。シャーロキアン（シャーロック・ホームズの熱狂的ファン）が、この斬新なホームズをどう感じるかはさておき、エネルギッシュな新ホームズからは、とんがった映像感覚と、時間軸をバラして物語を語るスタイルを得意とするガイ・リッチー節が聞こえてくる。</p>
<p>　いつも難事件に挑んでいるホームズだが、今回のそれは前代未聞。儀式めいた殺人を繰り返すブラックウッド卿は、邪悪な組織の頂点に立つことで、大英帝国を崩壊させ、世界を征服しようと企んでいる。国家を動かす貴族階級の鬼っ子である卿のアイテムは、呪い、死者の復活、黒魔術。こんな言葉が必要以上の恐怖を孕んでしまうのが、いかにも19世紀だ。産業革命や科学の発達によって驚異的な発展を遂げたロンドンの街には、同時に闇の世界が存在し、人々は科学で解明できないものを恐れ敬う。ただ一人、冷静なホームズを除いて。</p>
<p>　ただし、本作のホームズは、私たちが知っている今までの彼とは違う。演じるロバート・ダウニー・Jrのイメージそのままの、やんちゃキャラなのだ。何しろ事件がないオフには、うつ状態で散らかり放題の自室に引きこもる。相棒のワトソンが結婚して身を固め、自分とのコンビを解消すると聞けば、ダダをこねた末に相手の女性に意地悪したり。さらに、気取った英国紳士とばかり思っていたこの名探偵は、パワフルな格闘能力をも披露する。武闘派探偵ホームズにとっては、賭けボクシングでさえも先読みして解決可能な“事件”なのだ。</p>
<p>　かつてホームズを出し抜いたこともある知的な美女にして危険な女盗賊アイリーンの人探しの依頼から、事件はトンデモナイ展開に。やがてブラックウッド卿の謎へと収束する。今でもアイリーンにぞっこんのホームズは、食肉解体場や巨大な造船所、建設途中のタワーブリッジで、大奮闘を繰り広げる。手に汗握るのはハンス・ジマーの音楽のおかげだが、これが大仰すぎてやや興ざめ。どうせならガイ・リッチーらしくポップなサウンドがほしかったところだ。</p>
<p>　ともあれ、ブラックウッド卿の陰謀のからくりを、ホームズが知識と科学とユーモアで鮮やかに解き明かすプロセスは、娯楽映画ならではのテンポの良さで大いに楽しめる。しばしば暴走するホームズと良識派のワトソン。このアクション・エンタテインメントには、凸凹コンビの刑事ものの原点を見る思いだ。音楽にしろアートにしろ、後世まで残る英国のムーブメントは、何らかの形で階級闘争をテーマにしてきた。架空の人物であるシャーロック・ホームズもまたしかり。知識だけでなく時には拳を使ってさまざまな階級に踏み込んでいく。ちなみにホームズの生みの親のアーサー・コナン・ドイルは、眼科医から作家に転業した人物。本作のストーリーはオリジナルだが、やがてホームズがこんなアクション・ヒーローとして蘇ることも“見えていた”かもしれない。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>A PROPHET</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/bei/11594.html</link>
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		<pubDate>Fri, 12 Mar 2010 23:30:18 +0000</pubDate>
		<dc:creator>岡本太陽氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[米映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[A PROPHET]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆カンヌ国際映画祭パルムドール受賞の感動の名作（85点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　『リード・マイ・リップス』『真夜中のピアニスト』のジャック・オーディアール監督最新作『A PROPHET （原題：UN PROPHETE）』の主人公マリック（タハール・ラヒム）は6年の刑を受けた19歳のアラブ系の青年。外の世界でも塀の中でも独ぼっちの彼だが、刑務所内を操るセザール・ルチアーニ（ニエル・アレストリュプ）率いるコルシカ系マフィアグループに、入所早々殺しを強要される。そして鏡の前で1人、殺しの練習をするマリック。通常刑務所が舞台の映画やマフィアものとなると主人公はタフガイな場合が多い。ところが本作の主人公マリクは黒いピュアな眼差を持つストリート育ちの普通の青年。これは彼が刑務所にいる間に成長し、マフィアの新しいタイプのリーダーとなる物語だ。</p>
<p>　塀の外でも中でも結局権力抗争はあり、刑務所の中では昔から存在するコルシカ人マフィアグループと、彼らに比べれば新しいイスラム教徒のアラブ人マフィアが火花を散らしている。そんな中では一匹狼を貫こうとするマリックは隙だらけの存在。すぐに足を掬われてしまう。殺しの経験のない彼がルチアーニの依頼を渋々引き受けたのは生きるか死ぬかの選択を彼に迫られたため。断る事は出来ない。しかし、殺しが成功すれば、ルチアーニに守られる保障が付くという。無防備なマリックは、誰かの保護が無ければ遅かれ早かれ殺されてしまうだろう。</p>
<p>　フランスには現在多くの移民がいるが、中でも特にアラブ系が多く、その多くはフランスの植民地であったアルジェリアやモロッコやチュニジアから来ている。マリックもアルジェリア移民の子で、コルシカ人らが「アラブ人め！」等と差別的ニュアンスを含む言葉を吐く様に、フランスでは肩身の狭い思いをして来た事が伺える。2005年10月にフランスで移民達による暴動事件が起きた。これは本作の背景を知る上で不可欠であろう。なぜなら、マイノリティの立場である移民達が力を持ち始めたという証拠であるからだ。オーディアール監督は本作に政治的な要素は特に含めていないというが、アラブ系移民の立場や、今後のフランスが辿る道筋が本作に反映されているように見受けられる。</p>
<p>　殺しも、運び屋業も、服役中に学んでゆくマリック。殺人というものがどういう事なのかも身をもって体験するシーンは生々しく、観る側には少々凝視困難だ。殺そうと意を決するものの、初めての殺人はもちろん思った通りに行かず、狭い部屋で揉み合いになる肉体と肉体。マリックはとにかく必死でその場を乗り切ろうとするが、事がきれいにはいかないどころか滅茶苦茶。そんな混乱した様子をカメラは映し出し、殺しはやはり恐ろしい犯罪として、そのシーンが私たちの脳裏に焼き付いてしまう。</p>
<p>　マリックは犯罪と学業の両面で教養がなく、読み書きが出来なかった彼は刑務所の中で勉強を始める。マリックは教師に「読み書きを覚えたいか？」と問われ、とりあえず頷いてはみるものの複雑な表情をする。読み書きが出来るという事がどんな事か分からない彼の素直な表情を、新星タハール・ラヒムが見事に表してみせる。教科書をめくり一語一語言葉を覚えてゆく様に、徐々に知恵を身に付け、また犯罪の経験を重ね、マリックはルチアーニから信用を得てゆく。そしてマリックの信頼が厚くなる毎に、刑務所内での勢力の変動も生じる。</p>
<p>　「予言者」の意味を持つタイトルは、マリクがイスラム信者で神のお告げを聞く事が出来る等、宗教的見地からではなく、彼がマフィアの異種である事を指す。また監督のオーディアールは本作同様、主人公が徐々にマフィアのボスの力を超えてゆく『スカーフェイス』のトニー・モンタナの様なクレイジーな人物としてではなく、感情移入しやすいリアルな人物としてマリックを描きたかったという。彼は刑務所の中でも夢や悪夢を見たり、ミッション中にも関わらず初めて乗る飛行機に感動したり、銃を懐に抱え、人を殺そうという時でも靴屋のウインドウに飾られている美しい靴に目を奪われる。そんな人間的な心が本作の主人公には宿っており、また彼がある時ビーチに行った際には、感慨深げに水に足を浸す。彼は海の水の心地良さを心で感じる事が出来るのだ。</p>
<p>　オーディアール監督の見せる世界は、殺伐としているが、どこか神秘的で、素直で嘘がない。酷い事が起きても、そこには不思議と人間性がある。わたしたちの住む世界の何気ないものが崇高で美しく映される瞬間、純粋な青年を通して、監督自身の純粋な心の眼の映す世界を目撃した気がした。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/teki/11593.html</link>
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		<pubDate>Fri, 12 Mar 2010 23:00:56 +0000</pubDate>
		<dc:creator>スタッフ古庄</dc:creator>
				<category><![CDATA[的映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆気持ちよく1億円を手に入れる方法（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　他人を騙して、勝てば賞金うん億円！　負ければ巨額の負債を背負う。一か八かの1ゲーム、参加してみたいですか・・・！？</p>
<p>　今回ご紹介する映画『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』は、そんなゲームを実際に行ってみたらこうなった♪　という内容です。</p>
<p>　（まず、『ライアーゲーム』について簡単にご説明しましょう♪）</p>
<p>　もともとは「ヤングジャンプ」で連載中の人気漫画で、フジテレビで23時台の「土曜ドラマ」としても人気があった作品です。平凡な女子大生・神崎直が大金のかかった謎のゲーム　「ライアーゲーム」に巻き込まれていく物語。</p>
<p>　勝てば大金が手に入り、負ければ巨額の負債を負う　極限状態のプレイヤーたちが繰り広げる　金と欲望に彩られた腹ぐろ～いゲームなんですよ♪　（ひょひょひょっ♪）　今まで（TVドラマ）はね・・・。</p>
<p>　今回（映画）のライアーゲームはなんと！　“他人を信じさえすれば皆が平等に少しずつ（といっても1億円！！）徳をする”つーなんとも平和でありがたいゲームなんです。</p>
<p>　しかし・・・誰かか裏切れば・・・・裏切った奴が一人勝ちし、報酬は2倍に！　他の人たちは巨額の負債を背負わされる！！　てなリスクが当然のように含まれている。。</p>
<p>　どー考えても、私はリスクなく確実に1億円もらえればそれだけで万々歳！　なんですが・・・</p>
<p>　（だって1億円ですよ！　1億円！！　一般ピーポーの私には十分すぎる報酬ですもん。）</p>
<p>　そうそううまくいかないのが映画です！（笑）　ライアーゲームなんです！！（笑）　もともと人間不信の奴らがそろったファイナルステージですしね。</p>
<p>　他人を信じたフリをして、大勝ちしようとする輩が出てくるんですよ！　（欲が出てしまうのは、現生を目の前にした人間の正直な反応なのでしょうか！？）</p>
<p>　そんなやつらと今回も、バカ正直者の直と天才詐欺師の秋山が知能戦、心理戦を繰り広げていく！</p>
<p>　だましだまされのこの内容、3種類のりんごから1個を選び、箱に入れるだけのシンプルなゲームなのに、相手の裏の裏のそのまた裏をかく！　といったような深い深いものになっています。</p>
<p>　で、当然（？）知能戦なもんで、観客がついてこれずに疑問に思うところも出てくるんですが・・・</p>
<p>　すべて想定済み！</p>
<p>　登場人物たちがすかさず観客が抱いている疑問と同じことを質問してくれたり、答えてくれたりする♪</p>
<p>　このあたり、よ～く観客の視点を想定して作りこまれてるな～と感心します！</p>
<p>　ま・・それでも・・（照；）　頭の回転がゆるい私には、途中何度か「え？　え？　ちょと待って！　紙に書いて整理したーいっ！！」と思っちゃいましたけど（笑）</p>
<p>　それと・・思っちゃったついでに（？）もう一つ・・賞金なんですが、1億円でもすごいのに、最終的には50億円とか想像もつかない話になっちゃって・・</p>
<p>　現実味がないというか、ピンとこないというか・・危険をおかしてまで「ほしい金額なのか？」わからなくなっちゃいました（笑；）</p>
<p>　逆に莫大な借金があってなんとかして返さなきゃいけないッ！という『カイジ』的な話の方が理解できるんですが・・</p>
<p>　まー・・それでも..50億円の借金って・・返すにしてもどうしていいのやら・・・想像すらできない。結局どうしろとも言えないですね（笑；）　すみません（笑）</p>
<p>　ですが、全体的には素直におもしろいですよっ♪　いろいろ考えることが好きな人には、やっぱりこの話、お勧めですね♪</p>
<p>　原作漫画を読まれている方でも、今作は映画オリジナルなので、また楽しめると思います！</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>噂のモーガン夫妻</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11591.html</link>
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		<pubDate>Fri, 12 Mar 2010 00:43:54 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[噂のモーガン夫妻]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆ヒュー・グラントのために書かれたという脚本は、浮気者なのに憎めないキャラが十八番の彼にピッタリだ（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　笑いとペーソスで夫婦の危機を乗り越えるラブ・コメディ。モーガン夫妻は、NYでは人もうらやむ超セレブ・カップル。妻のメリルは不動産業を営み、夫のポールは全米屈指の敏腕弁護士だが、現在はポールの浮気が原因で夫婦仲は最悪に。堪忍袋の緒が切れたメリルとは対照的に、浮気したくせに妻に未練たっぷりのポールはなんとかヨリを戻そうと懸命だ。そんな二人は、たまたま一緒にいた時に殺人事件に遭遇し犯人の顔を見てしまう。唯一の目撃者として命を狙われる立場になった夫婦は、証人保護プログラムのため、身分を隠し、NYから遠く離れたワイオミングで一緒に過ごさねばならなくなる…。</p>
<p>　ヒュー・グラントのために書かれたという脚本は、浮気者なのに憎めないキャラが十八番の彼にピッタリだ。犬猿の仲の男女がまったく違う環境で互いを見つめあい和解する物語は、ラブコメとして鉄板の展開。ただそこに証人保護プログラムが加わるのが、目新しい。証人保護プログラムとは事件解決の鍵を握る人物を、名前や経歴を変えて保護する制度で、本来はシリアスなものだが、本作の場合はあくまでライト感覚。二人には、犯人から狙われる危険より熊と遭遇した恐怖の方がよほど切実だ。ド田舎のワイオミングで浮きまくる都会人というカルチャーギャップでたっぷりと笑わせ、自然と共存する素朴な生活の素晴らしさを謳いあげる。</p>
<p>　二人をいつしか素直な気持ちにさせるのは、時間に追われる都会とは違う静かな暮らしだ。特に満点の星空の下で語り合う場面がいい。ポールは、かつてメリルのゴキゲンをとるための派手なプレゼントとして「星座」を贈ろうとしたが、経済的にも社会的にも自立しているメリルは、そんなモノなどほしくはない。彼女が欲しいのは、過ちを犯した夫の心からの謝罪と思いやりの言葉だったのだ。そんなメリルにも実は秘密が。結局、夫婦とは、間違いを正直に認め許しあって、互いの欠点を補っていく関係なのかもしれない。それにしてもヒュー・グラントは急にフケこんだ気がする。そろそろラブコメ・キングの称号は返上したほうが良さそうだ。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>すべて彼女のために</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kan/11590.html</link>
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		<pubDate>Thu, 11 Mar 2010 01:34:12 +0000</pubDate>
		<dc:creator>山口拓朗氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[感映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[すべて彼女のために]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆この映画は「無罪の立証」にほとんど関心を示さない。リザの禁固刑が確定して以降のドラマに焦点を絞ったうえで、愛する妻のために命を張る夫の“執念”に迫った作品だ（80点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　舞台はフランスのパリ。国語教師のジュリアン（ヴァンサン・ランド）と出版社に勤める妻のリザ（ダイアン・クルーガー）は、息子と3人で仲むつまじく暮らしていた。ところが、ある日突然、リザが無実の罪で妻が逮捕されてしまった。無実を証明する策も尽きた3年後、リザには禁固20年の刑が言い渡された。人生に絶望したリザは自暴自棄に陥り……。</p>
<p>　えん罪を扱った映画では、被告の「無罪の立証」にドラマの焦点を絞ることが多いが、この映画は「無罪の立証」にほとんど関心を示さない。リザの禁固刑が確定して以降のドラマに焦点を絞ったうえで、愛する妻のために命を張る夫の“執念”に迫った作品だ。</p>
<p>　20年の禁固刑が言い渡されて人生に絶望したリザは、たまに面会に訪れる息子にも冷ややかな視線を浴びせられ、まさしく“泣きっ面に蜂”の状態。自殺が未遂に終わると、こんどは持病の治療に使っていたインスリン注射を拒否して“ゆるやかな自殺”を試みる。彼女の生への執着は明らかに弱まりつつあった。ジュリアンは、そんなリザを救い出す唯一の方法は「刑務所から脱獄させること」だと思い至る。</p>
<p>　ジュリアンが計画の実行に向けて綿密な計画を練る過程がスリリングだ。元脱獄常習犯との面会。偽造パスポートの作成。刑務所内のリサーチ。丁寧かつリアルなディテール描写の積み重ねが、本来、荒唐無稽であるはずの「脱獄計画」に信ぴょう性を与えていく。</p>
<p>　「脱獄をほう助する」ことで背負うリスクを、現役の国語教師が認識していないわけはあるまい。万が一、脱獄が失敗に終われば、リザのえん罪を立証することは永遠にできなくなるかもしれない。第一、息子はどうなる？　母親だけでなく、父親までもが刑務所に入ったときに、息子がどういう運命をたどることになるのか……。十分に理解しているはずだ。</p>
<p>　にもかかわらず、ジュリアンは脱獄の計画を推し進める。消えかかろうとしている妻の“生のともし火”を消さないよう、あえていばらの道を選ぶ。ジュリアンの行動をバカだとののしるのは簡単だが、彼が妻を思う気持ちに横槍を入れることは誰にもできないだろう。観客は、法やモラルを凌駕する「究極の夫婦愛」を目にすることになる。</p>
<p>　ジュリアンを演じたヴァンサン・ランドとリザを演じたダイアン・クルーガーの重厚な演技が、シリアスタッチなドラマをトルクフルにけん引する。とくに目と表情であらゆる感情を物語るランドの演技は神懸かり的。心情理解度の高い彼の役作りなくして、この映画は成立しなかったであろう。</p>
<p>　ムダのないシーンを手際よく連ねた構成力も特筆に値する。ひとつのシーンに繊細な感情表現と複雑な脱獄計画の伏線を共存させ、それでいて説明的になりすぎる一歩手前で手を引く鮮やかさ。夫婦の絆とは別に、不仲だったジュリアンと父の関係や、リザと息子の関係をさり気なく進展させるあたりも手練の業。監督は本作が初長編作品だというフランスの有望株、フレッド・カバイエ。今後の作品に大いに期待したい。</p>
<p>　なお「すべては彼女のために」は、ポール・ハギス（「クラッシュ」の監督、「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本）によってリメイクが予定されている。深みのあるこの映画にハギスが惹かれた理由は理解できるが、問題はほとんど完璧に仕上げられた本作のクオリティをどこまで高められるかであろう。</p>]]></content:encoded>
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		<title>牛の鈴音</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11588.html</link>
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		<pubDate>Wed, 10 Mar 2010 00:29:39 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[牛の鈴音]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆様々な対比を描きながら老夫婦の日常を静かにみつめる本作は、急速に成長を遂げた韓国社会の失われたものへの哀悼のように思える（70点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　牛と老人の絆を不思議な温かさと哀しみで包む良質ドキュメンタリー。79歳のチェじいさんは昔ながらの農法にこだわり、来る日も来る日も40歳の老牛を使って畑を耕している。牛の寿命は15年が平均だというからこの牛は人間なら100歳以上だ。若い牛も飼っているが使い物にならない。じいさんは相変わらず老牛を働かせるが、やがて牛は立ち上がれなくなる…。</p>
<p>　3年余りの月日をかけたこの労作ドキュメンタリーの面白さは、さまざまな“対比”にある。チェじいさんは足取りもおぼつかない老牛に農作業をさせ荷車を引かせて酷使しているが、その一方で、毎日自らの手でエサを作り丁寧に世話をしている。可愛がっているのか虐待しているのかスレスレの関係性が続くのは、信頼がベースにあるからこそだ。鳴き声も発しない牛と寡黙なチェじいさん。一方、常にグチッているおばあさんはどこかユーモラスで、最初から最後までしゃべり続ける。近代化する隣の畑と、昔ながらの農法にこだわるチェじいさんの農作業。様々な対比を描きながら、老夫婦の日常を静かにみつめる本作は、急速に成長を遂げた韓国社会の失われたものへの哀悼のように思える。チェじいさんが農法や老牛を飼うことを変えないのは、残り僅かの自分の人生を、変化せずに送りたいとの願いからだろう。</p>
<p>　老牛は一度は牛市場で売られるが、買い手がつかず「老いぼれ牛は、使えないし、食べるにしても肉がかたい」と言われてしまう。その時に牛の眼に濁ったような涙が光るのが印象的だ。牛は首に付けられた鈴の音だけで存在を主張するかのよう。ついに死のときがやってきて、チェじいさんはもちろん、いつも小言を言っていたおばあさんまでも牛に優しい言葉をかける。牛を丁寧に埋葬した後に残されたのは、鈴だけ。黙々と働き名前もない牛と老人の、確かな絆を感じて胸が熱くなった。韓国で大ヒットを記録した本作のイ・チュンニョル監督は、これが初監督。地味ながら堅実なこんな記録映画が韓国で圧倒的に支持されたことは興味深い。素材を丁寧に追った内容とじんわりとした感動が、観客の琴線に触れたに違いない。</p>]]></content:encoded>
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		<title>シャーロック・ホームズ</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/raku/11583.html</link>
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		<pubDate>Tue, 09 Mar 2010 07:52:53 +0000</pubDate>
		<dc:creator>町田敦夫氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[楽映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[シャーロック・ホームズ]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆ホームズが武闘派アクションヒーローに（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　これはホームズではない……。英国グラナダTV版のホームズ（演じるはジェレミー・ブレット）を見たときにも「どこか違う」と思ったものだが、本作のホームズはさらにイメージが違う。まあ、何と違うのかと聞かれれば、こちらの基準は偕成社やポプラ社から出ていた児童書版のホームズなので（最近の子どもたちよ、信じられないだろうが、昔の子どもはテレビゲームの代わりに読書をしていたのだよ）、イギリスの映像作家が作ったホームズの方が原典に近いんだよと言われれば、グーの音も出ないのだが。</p>
<p>　それにしてもロバート・ダウニー・Jr.がホームズで、ジュード・ロウがワトソンというキャスティングはいかがなものか。「せめて逆にしてくれよ」と思ったのは私だけではなかったはずだ。過去にはチャップリンにも毛むくじゃら男にも黒人にもなりきっているダウニー・Jr.だが、本作ではイギリス訛りひとつとっても中途半端。やっぱり、これはホームズではない……。</p>
<p>　だが、ホームズ物だと思わなければ、これはこれで上々のアクション・エンターテインメント。そもそもストーリーはコナン・ドイルの原作にはないオリジナルだ。敵を殴り倒しながら悪の巣窟に踏みこみ、窓からテムズ川へとダイブし、時には全裸でベッドにつながれる新たなアクションヒーローがそこにいる。クライマックスを飾るタワーブリッジでの格闘などは、まさに手に汗握る迫力だ。</p>
<p>　もっとも、ガイ・リッチー監督（『スナッチ』）の演出は、テンポの早さもさることながら、その独特の癖の強さで客を選ぶ。ホームズ一流の人物洞察力や科学実験癖が、ほとんどギャグのネタとしてしか使われていないのも、長年のファンには不満が残るところ。また、原作でおなじみのある愛すべき脇役が、全然愛すべきではない行動をとってしまう点も、おそらくシャーロッキアンの怒りを買うだろう。『シャーロック・ホームズ』というタイトルを冠したこの作品、「面白かったか？」と聞かれれば、「十分に面白かった」と答えよう。ただし、しつこいようだが、これはホームズではない……。</p>]]></content:encoded>
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		<title>噂のモーガン夫妻</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/raku/11585.html</link>
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		<pubDate>Tue, 09 Mar 2010 07:52:13 +0000</pubDate>
		<dc:creator>町田敦夫氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[楽映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[噂のモーガン夫妻]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆都会派カップルがド田舎でロマンチックなドタバタを展開（70点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　都会で飛ぶ鳥を落とす勢いだった主人公が、ひょんなことから田舎暮らしを余儀なくされて、自分のすさんだ生き方を問い直す。そんな主題の物語は昔から繰り返し作られているけれど、『噂のモーガン夫妻』はそこに中年夫婦の愛の再生というテーマを絡めた点が新しい。監督・脚本のマーク・ローレンスは『トゥー・ウィークス・ノーティス』『ラブソングができるまで』に続いて三度ヒュー・グラントを主演に起用。彼の妻役は『SATC』のキャリーことサラ・ジェシカ・パーカーが務めた。</p>
<p>　夫の浮気が原因で別居中のポール（グラント）とメリル（パーカー）は、たまたま一緒にいるときに殺人事件を目撃。FBIは殺し屋が夫妻の口封じを図ると考え、2人をワイオミング州の片田舎に住む保安官に預ける。夫婦仲が険悪なまま一つ屋根の下で暮らすことになった2人は、ニューヨークとは勝手の違う田舎暮らしに四苦八苦しながらも、互いの本当の気持ちに気づいていくのだが……。</p>
<p>　実世界ではタイガー・ウッズの“無条件降伏”といった体の謝罪会見が話題になったばかり。謝罪なら奥さま本人にすれば十分だと思うが、あちらのメディアはそれでは許してくれないらしい。本作のポールもまた、メリルの許しを乞おうと猛烈に謝罪する。夫婦カウンセリングも受けます、不妊治療にも協力しますと、男性である筆者から見れば涙ぐましいほどの譲歩ぶりだ。ところがメリルの怒りは一向に解けず、氷の彫刻やら、小惑星に妻の名前を付けるやらといった（しょーもない）プレゼント攻勢も（当然ながら）ことごとく空振り。やはり「女が望むこと」と「女が望むだろうと男が思うこと」の間には、深～いギャップがあるようです。</p>
<p>　グラントもパーカーも、ロンドンやニューヨーククラスの大都会でなければ一瞬も生きていけそうにないタイプだから、彼らをワイオミングという舞台装置に放りこむことは、それ自体がギャグだ。マンハッタンではそれぞれ弁護士、不動産ディーラーとして成功しているポールとメリルも、田舎に行けば薪割りひとつできない身。彼らがクマに出くわしたり、嫌煙権などどこ吹く風のオヤジにやりこめられたりする顛末が大いに笑いを誘う。口の減らないポールはこれでもかというくらい皮肉なジョークを連発するので、お聞き漏らしのないよう。保安官夫妻を演じたサム・エリオットとメアリー・スティーンバージェンも、達者な演技で、ひ弱な都会者との対比を表現した。</p>
<p>　ローレンス監督はしかし、単に笑わせるだけではなく、夫婦の間のビミョーな機微も丹念にすくい取る。ポールとメリルのケンカ腰の会話から立ち現れる夫婦の日常は、配偶者のいる身なら誰にでも覚えがあるようなもの。浮気をした側、された側のそれぞれの事情や心情が垣間見えてくるのも切ない。互いへの信頼を取り戻しかけた夫妻が、満天の星の下で結婚式の誓いを思い返すシーンは本作の白眉。シェークスピアを引用したメリルの誓いも、ジョーク満載のポールの誓いも共に素晴らしい一文で、観る者の胸にはジンワリと温かいものが去来する。</p>
<p>　実を言うとローレンスはその後にもいくつかストーリー上の「爆弾」を仕掛けているのだが、人と人とのつながりを笑いに包んで肯定する基調は最後まで変わらない。観客全員が頬を緩ませて劇場を出る、本作はそんなタイプの好編だ。</p>]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11584.html</link>
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		<pubDate>Tue, 09 Mar 2010 00:40:25 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆裏切りと嘘、ハッタリと罠、欲の皮が張った男女が綾なす壮絶な心理バトルがスリリング。参加者の行動を予測し、心の動きを解説する主人公はクールかつニヒルで、人間の本質を突く彼の考察は一般論としても十分に楽しめる。（40点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　裏切りと嘘、ハッタリと罠、欲の皮が張った男女が綾なす壮絶な心理バトルが非常にスリリングだ。誰が味方で誰が敵か、寝返った者が次のステージではまた協力し、どんでん返しの先にある二重の仕掛けが見る者をひきつける。しかし、繰り返されるアップや短いカットの多用とわざとらしく観客の注意を喚起させる大げさな効果音、さらに後半はくどくどとした説明に大半の時間が費やされ、徐々にその安っぽい展開に飽きてくる。もはやCMによる中断のないテレビドラマの拡大版でしかなく、わざわざ映画にして劇場公開する意味が見えてこない。そういえばスクリーンの縦横比率もテレビと同じくらい、もしかして1年も経たないうちにTV地上波で放映されるのではないだろうか。</p>
<p>　バカ正直な女子大生・直はライアーゲームに招待され50億円争奪戦に加わる。参加者11名中信頼できるのは天才詐欺師の秋山のみ、そんな中、全員が力を合わせれば皆大金を受け取れるというゲームが始まる。</p>
<p>　金銀赤のリンゴのうち、すべての参加者が赤に投票すれば全員が儲けられるというルールなのに、当然抜け駆けして独り勝ちを狙うやつが出る。参加者の性格を冷静に観察し、行動を予測し、心の動きについて解説を加える秋山のキャラはここでもクールでニヒル。人間の本質を突く彼の考察は一般論としても十分に楽しめる。だが、物語が進むにつれ、伏線が張られているわけでもない彼が仕掛けたトラップの数々は後付けのこじつけにしか見えず、また、正体を看破された参加者がいちいち懺悔するかのごとく告白をするのにも鼻白む。</p>
<p>　結局、この言葉による能書きの過剰さのせいで、どういうトリックで票が操作されたかといったカラクリを推理する余地や、登場人物の感情を想像するといった余韻を与えず、マニュアルを読んでいるような味気なさしか残さない。まあ、わかりやすさを求めているテレビドラマの視聴者にはありがたいのかもしれないが。。。</p>]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>劇場版 喧嘩番長～全国制覇</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11515.html</link>
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		<pubDate>Tue, 09 Mar 2010 00:36:16 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[劇場版 喧嘩番長～全国制覇]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆どちらが強いかだけでなく、誰がいちばん強いのかを確認したくなる、そんな高校生たちがバトルロイヤルを繰り広げる。小賢しい理屈はなく、有り余るエネルギーを爆発させる機会をもちたい若者たちの情熱がほとばしっている。（50点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　どちらが強いかだけでなく、誰がいちばん強いのかを確認したくなる、そんな高校生たちが東京に集まり、バトルロイヤルを繰り広げる。各都道府県ひとりずつの腕に覚えのある番長たちが、次第に二派に分かれ、最終決戦に向かう様子は戦国時代を見ているよう。そこには小賢しい理屈はなく、有り余るエネルギーを爆発させる機会をもちたい若者たちの情熱がほとばしっている。あえて熱い友情といったベタな要素を薄くし、喧嘩に明け暮れるバカバカしさに徹したところに好感が持てた。</p>
<p>　修学旅行で東京に来たタカシは茨城県番長・鬼塚と間違われ喧嘩を売られる。本物の鬼塚を倒すと、鬼塚から近藤率いる京都・池田高の東京進出を食い止める手助けをしてくれと頼まれる。やがてタカシは浅草で池田高の参謀・沖田と遭遇する。</p>
<p>　殴るほかに、蹴りや頭突き、その他身の回りにあるあらゆるものを使って相手をぶちのめそうとする。ある種のルールがあるようで、結構特殊警棒やバットなどを使う者もいる。しかし、大人数での乱闘になった場合、やはり頼りになるのは己の拳。下手な戦術で相手を愚弄して勝っても「汚いヤツ」という評判が立ち決して尊敬されない。他の番長から一目置かれるようになるには、小道具に頼らない腕力と胆力が必要なのだ。</p>
<p>　一度は近藤に完敗したタカシだが、鬼塚らの助けで復活、近藤に反感をもつ各地域の番長たちとリベンジに向かう。クライマックスは学校の体育館、校舎さらに屋上まで使った、数十人が入り乱れる大乱闘。力ずくで他校を支配してきた池田高は結束が乱れると総崩れ、一方で恐怖よりも信頼でタカシたちに加勢した一団が活躍を見せる。そして圧倒的パワーを誇った近藤に再度タイマンを挑み今度は逆転勝ち。ところが、とどめを刺さずに近藤の命を救うことで男としての器の大きさを見せつける。ただ強いだけではトップになれない、仲間とともに相手を思いやる気持ちを持ってこそ番長を名乗る資格があるのだ。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>悲しみよりもっと悲しい物語</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11582.html</link>
		<comments>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11582.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 09 Mar 2010 00:35:05 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[悲しみよりもっと悲しい物語]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆リアリティ皆無でおそまつな内容（10点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　死というアイテムでひたすら泣きたい韓流ファン向けの悲恋ものだが、リアリティ皆無でおそまつな内容だ。孤児として育ったケイは、高校で、生意気で奔放な女の子クリームと出会う。彼女も事故で家族を失った孤児だったことから二人は共同生活を始めることに。成長し、ケイはラジオ局のディレクターに、クリームは作詞家になる。互いにかけがえのない存在と感じている二人だったが、ケイは自分の身体が不治の病に冒され余命わずかということを知る。彼は、自分の代わりにクリームを愛し守ってくれる男性が現われることを願うが、そんな時、クリームは誠実な男性ジュファンと出会い急速に惹かれていく…。</p>
<p>　もしかしてこの映画の脚本には「クォン・サンウが不治の病で死に、一同悲しむ」との一行しか書かれていないのでは？！　とさえ疑った。というのも、ディテールがあまりにいいかげんなのだ。孤児ながら裕福な二人がいきなりプラトニックな同棲をはじめる序盤がまずありえない。さらに、異様なまでに自己チューなクリームの言動に唖然とする。本作は終盤に、驚きの要素が２度あり、結局すべての人が自分の想いを犠牲にすることで究極の愛を貫いたというオチになるが、これが甚だ納得できないのだ。ケイとクリームは互いに愛し合いながらも、相手を思うあまりそれを口にできない。その犠牲的精神には感服するが、だからといって他人を不幸にしていいのだろうか。歯科医ジュファンとそのフィアンセに対して二人がとる態度は、もうムチャクチャで、ケイとクリームカップルの涙の純愛物語のとばっちりという他ない。他人に迷惑をかけまくる二人をみていると、死にたいのなら二人でさっさと死んでくれとさえ思ってしまった。涙を流す様子が世界一サマになると評判の韓流スターのクォン・サンウは、日本でも根強い人気の俳優だが、いくらファンでもここまで子供騙しの内容では納得しないだろう。監督のウォン・テヨンの本業は詩人。どうりでセリフが詩的だが、まずは物語の骨格から勉強してほしい。こんな自己陶酔型のラブストーリーは、傑作を多く生む韓国映画界の名折れというしかない。</p>]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/tsuu/11581.html</link>
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		<pubDate>Mon, 08 Mar 2010 01:47:49 +0000</pubDate>
		<dc:creator>小梶勝男氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[通映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆テレビドラマ「ライアーゲーム」の「映画化」というより「続編」。テレビと同じ演出で、「映画」を見た気にはならなかった（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　テレビ（ドラマ）と映画との違いは何か。正面から聞かれると困ってしまう。画面の大きさ、製作費、出演俳優、撮影時間、演出、画質・・・。違いはいろいろあるが、どれも絶対条件とは言えない。簡単のようで、実は大変難しい問題だと思う。</p>
<p>　本作は、テレビドラマ「ライアーゲーム」の映画化と言えるが、もっと正確に言うと、テレビドラマの「続編」の「映画化」だ。勝てば大金が手に入り、負ければ巨額の負債を負う「ライアーゲーム」の準決勝までは、すでにテレビドラマとして放送されている。本作にはその後の「決勝」が描かれる。完全にテレビの続きなのだ。そして演出もテレビとほとんど変わらない。とすると、果たして「映画」として作る意味はあるのだろうか。</p>
<p>　他人をすぐに信じてしまう女子大生・神崎直（戸田恵梨香）のもとに、「ライアーゲーム」決勝戦の招待状が届く。ゲームの舞台となる孤島に訪れた神崎を、天才詐欺師・秋山（松田翔太）ら、これまでのゲームを勝ち上がってきた面々が待っていた。今回のゲームは「エデンの園ゲーム」。テーマは「信じ合う心」。神崎は秋山の助けを得て、プレーヤーたちの心を一つにしようとするが、裏切りが続出する。</p>
<p>　ゲームの内容はよく考えられていると思う。カット数の多さ、派手な効果音、俳優たちの大仰な演技など、すべてテレビドラマ通り。多分、あえてテレビの通りにしたのだろう。ドラマのファンにとっては、全く違和感なく〝映画”を見ることが出来るからだ。しかし、これをいわゆる「映画」だと思って見ると、戸惑いと失望を覚えるに違いない。スピーディーな展開で飽きないが、主人公を含め、登場人物たちの描き方が、余りに薄っぺらいのだ。</p>
<p>　テレビドラマを見ていないと、秋山がなぜ神崎を助けるのか、よく分からない。刺客として正体不明のプレーヤーXが登場するのだが、その意味も曖昧だ。</p>
<p>　かつて「フレフレ少女」の渡辺謙作監督に、テレビと映画との違いを尋ねたことがある。渡辺監督は、映画の場合、観客は画面に集中しているので、余り「描きすぎる」のはよくないと語った。描きすぎると、集中している観客が耐えられなくなるので、もうちょっと描きたいと思う手前で止めるのだという。</p>
<p>　落語や芝居、コンサートなどの生の舞台を思い浮かべてもらえばいいかも知れない。寄席で非常に楽しめた落語が、テレビ中継で見ると余り面白くない場合がある。寄席では、観客は舞台に集中しているので、話の「間」やちょっとした仕草、会場の空気などにも敏感に反応する。そして、演者に乗せられながら、同時に自ら「乗る」のである。テレビ中継の場合、観客の集中力は舞台までなかなか届かない。そこで、テレビ独特の演出が必要になる。見ている者を「乗っている状態」、すなわち、偽の躁状態に導くような演出である。落語の場合なら、観客の笑い声を大きく響かせ、笑っている観客の顔のアップを挿入し、演者の表情を大写しにする。ひどい場合は、緩急の「緩」の部分はカットして、「急」のつるべ打ちにする。こうなると、寄席で見た印象とはまるで違って見える。それはテレビにとっては必要な演出なのだが、果たして「落語」といえるのか。</p>
<p>　映像作品でのテレビ的な演出とは何か。一概には言えないが、一例としては、必要以上にカットを割り、何かあるごとに俳優たちのアップと大仰な音楽（効果音）で強調する手法がある。観客の集中を期待せず、常に「注意」を喚起するのだ。だが、これでは登場人物の心情の流れを描く余裕は生まれない。従って、心情は「説明」することになる。説明の上に、さらに説明を重ね、描写も演技も過剰になっていく。こうした作品を、我々は数多く見てきたような気がする。「描写」されず、「説明」される心情には、共感は出来ない。</p>
<p>　テレビドラマ「ライアーゲーム」のファンなら本作を楽しめると思うし、こうした作り方を否定するつもりもない。だが、どうしても「映画を見た」という気にはならなかった。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>新怪談必殺地獄少女拳／吸血ゾンビと妖怪くノ一大戦争</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/tsuu/11580.html</link>
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		<pubDate>Mon, 08 Mar 2010 01:47:31 +0000</pubDate>
		<dc:creator>小梶勝男氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[通映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[吸血ゾンビと妖怪くノ一大戦争]]></category>
		<category><![CDATA[新怪談必殺地獄少女拳]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆極北の映画人・山田誠二の現在（2010年3月）時点での代表作。江戸時代、西洋の吸血鬼と日本の妖怪、九ノ一たちの全面戦争という壮大なストーリーを、見事な「見立て」の力で描ききっている（65点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　山田誠二監督は極北の映画人といえるだろう。日本唯一の怪談映像専門プロダクションを主宰し、怪談映画や「必殺」シリーズの研究家、小説家、脚本家、コミック原作者、映像プロデューサーと様々な顔を持つ。その作風は非常にマニアック。子供じみたストーリーとチープな特殊効果で繰り広げられる残酷絵巻は、人によっては、あの“最低監督”エド・ウッドにちなみ、「日本のエド・ウッド」と呼ぶほどだ。</p>
<p>　しかし、それにもかかわらず、いや、それだからこそ、作品世界は奇妙な魅力を放っている。お金がないから、技術がないからといって、チマチマとしたストーリーにしないところが凄い。物語はつねに壮大で、妄想はファンタスティックなのだ。</p>
<p>　本作は、2009年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭でも上映された。ゾンビだらけになった江戸時代を舞台に、日本の妖怪や九ノ一と西洋の吸血鬼の全面対決を描いている。時代劇であるし、妖怪やゾンビが登場するので特殊メークも必要だ。どう考えてもとんでもない予算と時間がかかりそうな題材なのだが、驚異の低予算・短時間で作られている。何と、村人たちが隠れ住む洞窟など、舞台のほとんどが、京都の眼鏡屋の二階会議室で撮影されているのだ。</p>
<p>　山田監督の脳内の残虐怪奇な妄想をそのままぶちまけたような映像は、「異能」というより、「異脳」の世界だ。そこには、映画を作る楽しさが横溢しているように思う。あの直木賞作家の京極夏彦が、超多忙な中、山田作品の編集や音効を手がけているのも、それが楽しくて仕方ないからだろう。また、ヨーロッパのオタクたちはいち早く山田誠二を“発見”し、「新怪談残虐非道・女刑事と裸体解剖鬼」（2003）と「新怪談裸女大虐殺・化け猫魔界少女拳」（2005）はスペインのシッチェス国際映画祭に正式招待され、ヨーロッパでDVDも発売された。</p>
<p>　山田作品の魅力とは一体、何か。私は「見立て」の面白さだと思う。岡田斗司夫さんが著作「オタク学入門」で、日本の特撮と西洋のSFXとの違いについて書いている。西洋のSFXが「ジュラシック・パーク」のようなリアリティーを目指しているのに対し、日本の特撮は着ぐるみの東宝怪獣映画に代表されるような、「嘘みたいにかっこいい」「夢みたいにきれい」という感動を目指しているという。西洋のSFXが写実絵画ならば、日本の特撮は印象派絵画であり、「見立て」であるとも論じている。「見立て」とは、例えば日本庭園で石を山に「見立てる」ことで、それは「ごっこ遊び」でもある。</p>
<p>　では、「見立て」を現代の言葉に置き換えるとどうなるか。正確にイコールというわけではないが、「見立て」すなわち「コスプレ」なのではないだろうか。</p>
<p>　山田監督は「神戸コスプレコレクション」という、コスプレ大会の実行委員でもある。大会のDVDの一部を見て、私は大変に感銘を受けた。「オタク」と呼ばれる人々の個人的な楽しみだと思っていた「コスプレ」がステージとなり、コスプレをする人々が「コスプレーヤー」として一種の「芸」を成立させていたからだ。それは、「嘘と分かっていながらその嘘の粋を楽しむ」という点で、歌舞伎を見るような面白さがあった。</p>
<p>　コスプレはまさに「見立て」そのものだ。自分を「フィクションの世界」の何者かに見立てることで成立している。それは歌舞伎や茶など、日本の伝統にも連なる「ごっこ遊び」なのではないか。特撮との関係で言えば、東宝特撮怪獣たちは、人間が着ぐるみを着て演じているのだから、「怪獣のコスプレ」だとも言える。</p>
<p>　山田監督は映画作りを「自分の妄想を形にすること」だと言い、「予算内で自分の妄想を形にするという点で、ボトルシップ作りに近い」と語っている。瓶の中で船の模型を作るボトルシップは、盆栽や作庭、茶道などに通じる「見立て」の芸でもあるのだろう。</p>
<p>　眼鏡屋の二階が江戸時代の村の洞窟となり、何となく忍者っぽい衣装を着ただけで「九ノ一」となり、「耳」を付けただけの女性が「化け猫」となる「見立て」の世界。それは「ごっこ遊び」の楽しさを存分に伝えてくれる。最も評価すべきは、山田監督の妄想が、映画製作上の様々な制約に邪魔されず、100パーセント、映像化されているように思われる点だ。</p>
<p>　日本の映画界で山田監督が評価されたことは今までなかったし、今後もないと思う。しかし、瓶の中であっても、「世界」は欠けることなく、成立している。いつか、誰かが、その「世界」を発見することだろう。</p>]]></content:encoded>
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		<title>妖奇怪談全集／恐怖に叫ぶ6人の女</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/tsuu/11579.html</link>
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		<pubDate>Mon, 08 Mar 2010 01:47:20 +0000</pubDate>
		<dc:creator>小梶勝男氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[通映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[妖奇怪談全集／恐怖に叫ぶ6人の女]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆書籍の付録ながら、今年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭で上映された短編集。美女が次々と登場するのが楽しいが、中でも亥戸碧と中西絵里奈がいい（55点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　今年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭で上映された、極北の映画人・山田誠二監督の最新作だ。とはいえ、劇場公開用作品ではなく、DVDで販売されるものでもない。何と、書籍の付録なのだ。心霊スポットの紹介や実録怪談などを一冊にまとめた山田監督の著書「妖奇怪談全集」（ビジネス社）の付録として作られた短編6本で、1本が5分弱、全部で27分しかない。書籍の付録が国際映画祭で上映されるのは、初めてか、極めて稀なことだろう。</p>
<p>　6本には、「怪談何かいる。」「怪談ずっと、いる」「怪談そこにいる」「怪談どこにいる？」「怪談先にいる！」「怪談ここにいるよ」とタイトルが付いている。それぞれ、美女が霊に襲われる実話怪談風の物語。編集・音効・語りを直木賞作家の京極夏彦が務めている。</p>
<p>　様々な幽霊の出現パターンが見られるのは楽しいし、造形もよく出来ている。美女が登場するので見ていて飽きない。露骨な表現はないものも、何気ない場面にちょっとセクシーな描写がある。</p>
<p>　「怪談ずっと、いる」は、主演の亥戸碧が大変魅力的で、トイレの場面のエロティックなのがよかった。「怪談先にいる！」の中西絵里奈は以前から山田作品に出演しているが、だんだん大人っぽく、綺麗になっている。今回は、裸は見せないものの、入浴場面があった。そこに出てくる幽霊は結構怖かった。顔がドロドロなのだ。</p>
<p>　山田監督の長編は「見立て」によって作られているので、見る方にも「見立て」の能力が必要だ。誰が見ても面白いものではないかも知れない。だが、本作など短編は普通の実録怪談として、誰にでも楽しめるように作られている。書籍の付録としては見応えがあり、かなりの完成度だと思う。</p>]]></content:encoded>
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		<title>台北に舞う雪</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kan/11578.html</link>
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		<pubDate>Mon, 08 Mar 2010 01:46:42 +0000</pubDate>
		<dc:creator>山口拓朗氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[感映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[台北に舞う雪]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆“善意”頼りの物語は一見美しいが、一方ではリアリティの欠如を招きやすい（50点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　ある日突然、声が出なくなった女性新人歌手のメイ（トン・ヤオ）は、記者会見前に姿を消し、台北郊外の菁桐（ちんとん）という町にやって来た。その町でメイは、町の人のために一所懸命働く青年モウ（チェン・ボーリン）と出会う。ふたりはお互いの身の上を話すうちに、少しずつ打ち解けていくが……。</p>
<p>　都会で精神的に疲弊した女性が、田舎町に住む青年の優しさに触れながら、少しずつ心の傷を回復させていく再生の物語。日本でも2008年に似たようなエッセンスをもつ「天国はまだ遠く」が公開されたが、「疲弊」と「癒し」は、社会が複雑化、多様化するアジア先進諸国に共通するテーマなのだろうか？</p>
<p>　癒しの処方薬となるのは、「天国はまだ遠く」同様、素朴な青年の優しさと一所懸命さだ。恵まれない家庭環境に身を置きながらも、町の人たちに対して献身的に生きるモウの姿が、自信と目標を失っていたメイの目に新鮮に映る。モウの勧めで漢方を試したメイは、少しずつ元気を取り戻していくが、本当に効いたのは「漢方」ではなく、モウの「献身」ではなかったか。</p>
<p>　惜しむらくは、脆弱なドラマ展開と人物描写だ。たとえばメイとモウの出会いの場面。ふたりは出会った瞬間から互いにある種のシンパシーを感じてしまっている。「芸能界でスターを目指す金の卵」と「郊外の田舎町でつつましく暮らす青年」という対比があるにもかかわらず、この映画は、両者のあいだに存在するであろう溝を描かない。そうなると「情緒あふれる菁桐の町」と「ネオンサインがビル群を包む都会」という映像対比でさえ生きてこない。“善意”頼りの物語は一見美しいが、一方ではリアリティの欠如を招きやすい。</p>
<p>　メイが思いを寄せる音楽プロデューサー・レイのキャラクター造形も薄っぺらく、それによって、メイが最後に下すある重大な決断も説得力を欠いた。&quot;におわせる演出&quot;が悪いとはいわないが、それが深みのない人物描写の弁解になっているようでは本末転倒だ。唯一、モウの母親の失踪とメイの失踪がオーバーラップする二重構造が、天涯孤独なモウのはかなげな心情を際立たせ、観客のカタルシスをほのかに誘う。</p>
<p>　天灯（台湾の旧正月で飛ばす紙風船のようなもの）が夜空に舞い上がるシーンや、あるものを雪に見立てるアイデアには、風土を美しく撮ることに長けたフォ・ジェンチイ監督の才腕が感じられるし、メイを演じたトン・ヤオとモウを演じたチェン・ボーリンの透明感のある演技も作品の背骨になっている。それゆえ表層にとどまったお安いドラマが悔やまれてならない。</p>]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11576.html</link>
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		<pubDate>Mon, 08 Mar 2010 01:45:45 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆余計な説明抜きでズバリ本題に入るのは、少々不親切だが、肝心なことはゲームの主旨を理解すること（65点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　究極の頭脳戦に巨額の賞金という非現実の世界が展開する人気TVドラマの劇場版で、物語のファイナルを飾るドラマ。女子大生の直は他人を疑うことを知らないバカ正直な性格。そんな彼女が騙しあいの果てに50億円という多額の賞金をかけて戦うライアーゲームに巻き込まれてしまう。決勝戦のゲーム“エデンの園”は、赤、金、銀の3種のリンゴを使って同じ赤色のリンゴをそろえるという一見単純なもの。集まったプレイヤーの中には元天才詐欺師の秋山も含まれていた。互いに信じあうことができれば必ず勝てるゲームに、直はプレイヤー同士で協力しあおうと呼びかける。しかし決勝進出者の中には、謎の刺客が身を潜めていた…。</p>
<p>　日本映画のヒットの法則性のひとつに、マンガからTVドラマ、そして劇場版へという流れがあるが、本作はまさにそれだ。外界から隔離された場所で行なわれる究極の騙しあいは密室であることが大きな魅力。余計な説明抜きでズバリ本題に入るのは、少々不親切だが、肝心なことはゲームの主旨を理解すること。すぐに映画の世界に入れるはずだ。すべての人物が怪しいのだが、全部で13回戦のゲームが進むたびに、裏切り者と協力者がコロコロと変わるので飽きさせない。頭脳戦といってもやり口はけっこう姑息で、印をつけたりそれぞれの名前が刻印されたスタンプを利用したりと、小道具がキーポイントになっている。最終的にプレイヤー同士が信じあえるかどうかは、映画を見てのお楽しみだ。エデンの園ゲームの行方もさることながら、このファイナルの目玉は、いったい誰がこのようなおぞましいゲームを主催しているのかという謎。最後の最後に明かされるその答えは、何だか肩透かしをクラッたような気分になるが、ファイナルのオチとしてはこれしかないような気も。話そのものは荒唐無稽なのだが、信じることの大切さというメッセージはきちんと伝わる。もっとも、実際には直が一人で戦うわけではなく、必ず誰かの協力があってこその勝負ということを考えると、善行も悪行も、人は一人では何もできないのだというもう一つのメッセージも垣間見える。すべてのゲームが終わった後の短いエピソードも、小粒ながら上手いシークエンスで、あと味がいい1本になった。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>フィリップ、きみを愛してる！</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kyou/11575.html</link>
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		<pubDate>Mon, 08 Mar 2010 01:44:36 +0000</pubDate>
		<dc:creator>佐々木貴之氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[狂映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[フィリップ、きみを愛してる！]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆ジム・キャリーとユアン・マクレガーというハリウッド二大スターがゲイカップルを体当たりで演じている（70点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　懲役167年の刑に処せられ、現在もムショ暮らしを送っている脱獄とサギの名人スティーヴン・ラッセルの実話を基にした作品。</p>
<p>　妻子と幸せな人生を送っていたIQ169の元警官スティーヴン（ジム・キャリー）が交通事故に遭ったことをきっかけに自分に正直に生きていくことを決意する。妻には自身がゲイであることをカミングアウトして別れ、金が掛かるゲイ生活のためにサギ師となる。ある日、保険金サギでムショ送りとなったスティーヴンは、所内でフィリップ（ユアン・マクレガー）と出会い、二人の間に愛情が芽生える。スティーヴンは愛するフィリップのためにサギと脱獄を繰り返していくが……。</p>
<p>　ジム・キャリーとユアン・マクレガーというハリウッド二大スターがゲイカップルを体当たりで演じているのが最大の見所であり、これだけでも興味を抱いてしまう。二人のゲイ恋愛を念入りに描いており、その恋愛模様に驚かされる。二人のキスシーンや性行為までもがしっかりと取り入れられており、これらを有名スターが違和感を感じさせることなく自然体でやってのけているものだから、スゴいとしか言いようがない。また、ゲイ映画に対して抱きがちな嫌悪感等を感じさせないのが最大の良きポイントでもある。</p>
<p>　ストーリーが進展するにつれてスティーヴンとフィリップの間に亀裂が生じてしまう。スティーヴンの行動に対し、フィリップは「自分にウソをつかれている！！」ということで愛想を尽かしてしまう。それでもスティーヴンはフィリップを強く愛しているためにサギと脱獄を繰り返す。果たして二人の愛はどうなってしまうのか？！　ということを気に掛けてドラマの後半部分に注目したい。</p>
<p>　ラブストーリー、刑務所ドラマ、人間ドラマ、コメディーとしても面白い本作は、「これが実話なのか！！」ということがスゴ過ぎる！！　決してゲイ映画だからといって簡単に侮ってはならない。観る価値はありだ！！</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>プリンセスと魔法のキス</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11574.html</link>
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		<pubDate>Sun, 07 Mar 2010 01:11:54 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[プリンセスと魔法のキス]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆ディズニーが原点回帰の手描きアニメに立ち返ったのが話題だが、まったく古さは感じさせない。それどころか逆にシンプルな絵柄が好ましく、今までにない要素を盛り込んだストーリーの素晴らしさがより浮き彫りになった（70点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　ピンチの中でもクサらず愛に気付くヒロイン像が新鮮な良作アニメだ。米国南部のニューオリンズでウェイトレスとして働くティアナは、レストランを持つのが夢。ある時、ティアナの前に言葉を話すカエルが現われる。自分は本当はナヴィーン王子で魔術師ファシリエに呪いをかけられた身、呪いを解くためにキスしてほしいと頼まれる。必死の願いに仕方なくカエルにキスしたティアナだったが、なんと彼女までカエルになってしまう非常事態に。二人は、呪いを解き人間に戻る方法を知る女魔術師ママ・オーディの家を目指して一緒に旅をするが…。</p>
<p>　ディズニーが原点回帰の手描きアニメに立ち返ったのが話題だが、まったく古さは感じさせない。それどころか逆にシンプルな絵柄が好ましく、今までにない要素を盛り込んだストーリーの素晴らしさがより浮き彫りになった。労働者階級出身の黒人女性がヒロインというのがまず新しいし、世間知らずで甘えた王子が資産目当てに結婚相手を探すという設定も切実ながら新鮮だ。共にカエルになった二人の旅は、ニューオリンズらしく、ジャズやゴスペルなど賑やかでパンチが効いた音楽に溢れていて、自然とノセられる。ワーカホリック気味のティアナが人生の喜びと豊かさに気付き、ティアナにビシバシ鍛えられた王子が、働いて得る喜びや本当に愛する人と結ばれる大切さを感じていくプロセスは、物語を大事にするディズニーならではの上手い展開で、いつしか引き込まれる。ワニのルイスやホタルのレイなど、魅力的な脇役も登場。特にレイと彼が恋する“星のように美しい”エバンジェリーンとの顛末には泣かされた。</p>
<p>　プリンセスものはディズニーの十八番だが、醜い姿のカップルという設定でディズニーをパロッてみせた「シュレック」を連想させながら、それをさらにもうひとひねりする高難易度の技がサエた。何より、ヒロインがただ王子様を待つだけでなく、積極的に運命を切り開き、納得がいく形で愛する人を選ぶ姿は、現代女性に大いにアピールするだろう。舞台をニューオリンズに設定したのは、その情緒あふれる街並みや音楽の魅力もあるが、それ以上に、ハリケーンで壊滅的な被害を受けて傷ついた人々に夢と元気を与えたいという意図があるはずだ。そういう温かい気配りが、ディズニー・アニメには確かにある。だからこそ彼らの作品はいつの時代も愛される。古風な絵と現代的な物語がマッチした新機軸のプリンセス・ムービーだ。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>ハート・ロッカー</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11516.html</link>
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		<pubDate>Sat, 06 Mar 2010 01:07:23 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ハート・ロッカー]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆息をのみ、瞬きを忘れ、背筋は固まり、拳を握りしめ座席から身を乗り出していた。ほんのわずかなミスや油断も許されない緊張感のもと、死と隣り合わせ、極限まで集中した命がけの作業は、見る者にも一瞬の気の緩みを許さない。（70点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　息ができなかった。正確には息をのみ、瞬きを忘れ、背筋は固まり、拳を握りしめ座席から身を乗り出していた。ほんのわずかなミスや油断が即爆発につながり、莫大な被害をもたらす。道路や車、果ては人体に仕掛けられた爆弾を無力化しようとする兵士たちのテンションがスクリーンから漲る。死と隣り合わせ、極限まで集中した命がけの作業は、見る者にも一瞬の気の緩みを許さない。映画は、イラクに派兵された米軍治安維持部隊の爆発物処理班兵たちの日常を通じ、 21世紀の戦争の現実を描く。圧倒的武力を持つ米軍に対し通常の戦術では勝ち目がなく、抵抗勢力は爆弾テロと狙撃でしか対抗できないのだ。</p>
<p>　イラク駐留のブラボー中隊に爆弾処理のスペシャリスト・ジェームズ軍曹が赴任してくる。早速爆弾を無力化するが、彼のチームプレーを無視したやり方に同僚のサンボーンやエルドリッチは怒りを覚える。</p>
<p>　ジェームズはもはや恐怖というものに不感症になっている。いつ爆発するかわからない爆弾のコードを切り信管を抜く手順をむしろ楽しんでいるようにも見える。祖国では妻子が待っていて、任務終了後の家庭での暮らしは腑抜けそのもので、彼は再度前線に戻っていく。兵士の義務、祖国への忠誠といったお題目より、ただ爆弾を目の前にしたときにしか生きている実感がわかないスリルジャンキーとなったジェームズもまた、戦争の犠牲者なのだ。</p>
<p>　平原で孤立した味方の車を修理しているときに、突然狙撃兵に狙われるシーンも緊迫感にあふれる。身を隠す岩場も少なく、敵がどこにいるのか、銃弾がどこから飛んでくるのかわからず、味方が次々と標的にされていく。小さな建物に隠れる敵やヤギの群れの向こうに見える敵をなんとか見つけて撃退するが、銃弾を無駄打ちするのは敵に自分の居場所を教えることになるシビアな教訓だった。イラクでの任務の恐ろしいところは、敵が身を潜めている場所分からず、街では市民にまぎれて砂漠では風景に同化しているところだ。そんな環境で、普通の人間は神経を病み、タフな者でも正気を保つのがやっと、ぶっ飛んだ者だけが順応できる。戦争の異常な状況をリアルに伝える見事な演出だった。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>後ろから前から</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11474.html</link>
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		<pubDate>Sat, 06 Mar 2010 01:04:52 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[後ろから前から]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆女性タクシー運転手のセクシー営業がコミカルだ。客が彼女の太ももに手を這わせるだけでなく、客に運転をさせて自らは口淫に励んだり、果ては背面騎上位で運転する。ヒロインのセックス大好きなキャラが男の妄想をかきたてる。（50点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　「自分の行き先が分からないから、客が行き先を決めてくれるタクシーの運転手になった」。そう語る、事故で記憶を失った女は、アイデンティティが分からないゆえに現在にも自信が持てない。迷いが仕事に反映されるのか、売上が伸びない。そんな彼女が一念発起してセクシー営業で成績を伸ばす様子がコミカルだ。助手席に座った客が彼女の太ももに手を這わせるだけでなく、客に運転をさせて自らは口淫に励んだり、果ては背面騎上位で運転する。ヒロインのセックス大好きな明るいキャラが男の妄想をかきたてる。</p>
<p>　いつも社長に怒られてばかりの運転手・桃子は、同僚の乱子のアドバイスで車内淫行に励みすぎ、会社をクビになる。そのままタクシーで飛び出した桃子は町田という客を拾い、熱海に向かう。そこには町田の妻が彼の帰りを待っている予定だった。</p>
<p>　町田は飲酒運転で死亡事故を起こして服役し、釈放されたばかり。罪の意識と妻への愛の板挟みになっている。過去を消したい町田と、過去を思い出したい桃子の旅。町田の身の上を聞くうちに桃子は同情し、一つのベッドに同乗してしまうのはいかにもロマンポルノらしい。町田のエピソードはまるごと「幸せの黄色いハンカチ」のパクリなのだが、元ネタにはお構いなしに何度も何度も体位を変え交合を繰り返すふたりの姿は、「何発できるか」の限界にチャレンジしているよう。早送りながらワンカットで延々と絡みを演じ続ける俳優たちの体力を試すような、ある意味過酷なシーンだった。</p>
<p>　やがて、桃子が遭った事故の加害者が町田だったという因縁が明らかになるが、桃子の胸に芽生えるはずの「恋人を死なせた男とセックスをやりまくった」といった後悔や葛藤などはあっさりスルーする。その上で、妻の待つ家にたどり着いたタクシーの頭上からカエルが降ってきたときには、これからどんな展開が待ち受けているのかと身構えたが、「flag」を「flog」と間違えたというあまりにもあほらしいオチに思わず脱力感に襲われた。まあ、あくまでも明るく生きようとする桃子の前向きな姿勢は楽しかったが。。。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ハート・ロッカー</title>
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		<pubDate>Sat, 06 Mar 2010 01:03:56 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ハート・ロッカー]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆爆発物処理班の兵士を通して戦争の真実と虚無感を描く秀作。スクリーンから片時も目が離せない。（85点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　2004年イラク・バグダッド。ジェームズ二等軍曹は、駐留米軍の爆発物処理班ブラボー中隊の新リーダーとして赴任する。爆弾処理の腕は一級だが、平気で規則を無視する向こう見ずな彼の行動に、仲間や部下は不安を抱くが…。</p>
<p>　爆発物処理班の兵士の死亡率は、一般兵の5倍にもなるという。爆弾を発見すれば、過酷な暑さの中、重装備の防護服を身に付け、慎重に配線を切り信管を取り除いて爆発を解除する。そのプロセスは、見ているこちらまで緊張で身体がこわばってしまうほどだ。極限状態の中で冷静な判断を下す彼らの仕事は、常にチームで動き、互いをサポートすることで成り立っている。脚本家のマーク・ボールは、イラクで従軍記者として爆発物処理班と行動を共にした体験を基に、細部までリアリティに満ちた物語を練り上げた。戦場には、派手な銃撃戦だけでなく、爆発物処理という、ほとんど報道されない、地味だが最も危険な任務があることを、改めて教えられた。この映画の優れた点のひとつは、爆弾処理の知られざる実態を詳細に描き、広く認知させたことだろう。</p>
<p>　ジェームズは、これまでに873個もの爆弾を処理したエキスパートだ。実績からの自信か、はたまた過剰な正義感か、無謀な行動でチームの和を乱す。それでも彼は、仲間のサンボーン軍曹や部下のエルドリッジ技術兵と対立しながらも冷静に任務をこなしていた。だがそんな彼も、身体に爆弾を埋め込まれた少年の死体には、我を忘れる。テロ組織への怒りと、いたいけな子供の遺体の中から爆発物を取り出して処理せねばならないおぞましさ。この少年は、もしやいつも基地のそばでサッカーをしていた顔馴染みの少年なのではないか。そんな思いからの憤りは、死と隣り合わせの任務を楽しんでいるかのようだったジェームズが、まだまっとうな人間である証拠で、安堵感を覚える。</p>
<p>　だが、安全な場所にいる私たち観客は、非日常が日常と化してしまった戦争の真の恐ろしさをまだ知らない。限界を超える緊張がもたらす恍惚と、どんな小さなミスも許されない究極のミッションへの気概。ジェームズにとっては、それらを併せ持つ戦場だけが生を実感できる場所だ。「どうせ死ぬのなら気持ちよく死にたい」と、防護服を脱ぎ捨てて大量の起爆装置を解除する彼の行為は、勇気に見えて実際は狂気なのだ。戦争は、ドラッグのように兵士を魅了し、精神を蝕んでいく。全編を通して甘さや情緒を廃し、女性監督らしからぬ骨太な描写を貫いたキャスリン・ビグローの演出が素晴らしい。</p>
<p>　過去の戦争映画の秀作は、戦争がもたらす悲劇をあらゆる視点から照射してきた。そのひとつ、ベトナム戦争を描いた怪作「地獄の黙示録」の中に「戦場では故郷を思い、故郷に戻ると戦場に恋焦がれる」というモノローグがある。本作の主人公ジェームズも、米国に戻っての平穏な日常の中では、表情はうつろだ。だがイラクに戻り再び１年間の任務についた彼の目は、獲物を追う野獣のように輝いている。ここにも戦争に魅入られ後戻りできなくなった人間がいる。自爆で死ぬ敵、姿が見えないテロリスト、誰からも歓迎されない土地で爆発物を処理する米兵。いったい何のための戦争なのかという疑問と虚無感が、爆風で舞い上がる砂塵のように広がっていく。“ハート・ロッカー”とはイラクの兵隊用語で、行きたくない場所、棺桶を意味するという。爆発の瞬間を恐れながらその重圧が快楽となった人間のヒロイズムとその代償を、ドライなタッチで描いた本作、紛れもない傑作だ。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ビルマVJ 消された革命</title>
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		<pubDate>Fri, 05 Mar 2010 01:35:52 +0000</pubDate>
		<dc:creator>岡本太陽氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[米映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ビルマVJ 消された革命]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆報道規制と闘い続けるVJ達が伝えたい真実。アカデミー賞最有力作品。（90点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　2007年にミャンマー（旧名称：ビルマ）で大規模な反政府デモが起こった。今年のアカデミー賞ドキュメンタリー映画賞候補5作品に名を連ねる『ビルマVJ 消された革命（原題：BURMA VJ: REPORTING FROM A CLOSED COUNTRY）』はそのデモを記録したデンマーク人・アンダース・オステルガルド監督作品。本作は、多くの国民が団結し政府に抗議の意思を表したにも関わらず、酷い弾圧を受けた大事件を、厳しい報道規制の下、世界に伝え忘れさせまいと勇敢にもビデオを回す手を止めなかったビデオジャーナリスト（VJ）達の願いと血と涙の結晶だ。</p>
<p>　ミャンマーではさかのぼること1988年、独自の鎖国的社会主義体制を民主化させようとする動きの中、8月8日にまず学生を中心とした大規模なデモが起こる。この民主化運動はその後、学生以外にも様々な職種の人々が集い、さらに規模が拡大していくが、その事実を受け軍部はSLORC（国家法秩序回復評議会）という軍事独裁政権を誕生させた。そしてこのクーデター以降、軍は武力行使に踏み切り、運動に関わった民衆は弾圧され数千人の命が奪われた。そこに登場するのがあのアウンサンスーチー。彼女はNLD（国民民主連盟）の結党に関わり、全国で演説を行った。そして民主化の波が全国を覆い尽くそうとしたその時、軍部は国民の力を恐れ彼女を自宅軟禁する。</p>
<p>　ミャンマーの独裁軍事政権はその後も終わる事なく、国内は不安と恐怖で溢れ、現在も人々は苦しみに喘いでいる。そんな民衆を救う義務感に駆られ、ミャンマーのビデオジャーナリスト達は国の真実の姿を世界中の人々に伝えようと試みるが、路上で抗議活動を行う活動家達同様、治安部隊や暴力組織に弾圧を受ける日々を送っている。</p>
<p>　ミャンマーは恐怖に支配された国だ。非道な軍部を恐れ多くの国民は行動を起こす事を拒む。例えば、ビデオジャーナリストにインタビューされても人々は何も答えない。なぜなら、それに答えた事で逮捕されてしまう可能性があるからだ。『ビルマVJ』でナレーターを務めるジョシュアは、それ程過酷な状況にある国をレポートするビデオジャーナリストの1人。彼を中心に本作は展開してゆくが、彼は治安部隊に目を付けられてしまい、渋々タイへと脱出する。そして彼はタイにいる間に、電話やインターネットを通じて仲間とやりとりしながら、新たにミャンマーで起こった大規模な反政府デモの一部始終を知る事となる。</p>
<p>　2007 年の大規模な反政府デモの事の発端は政府による燃料価格の引き上げ。実に2年間に9倍も価格が上がり、人々の悲鳴を聞いた僧侶達までもが抗議を始めた。道路を朱色の僧衣が埋め尽くす。普段は政治的な事へは関与しない僧侶たち。しかし、この時ばかりは人々のために立ち上がった。あまりの出来事に民衆は感動し、彼らの後に続く。道に拍手は止まない。ビデオジャーナリスト達も僧侶に守られ、行進しながら堂々と撮影を続ける。奇跡的光景が繰り広げられ、国に希望の光が射す。軍部が強硬手段に出るまでは…。</p>
<p>　この反政府デモにおいて、学生や僧侶にも多くの逮捕者が出てしまい、街からは僧侶の姿が消えた。また、デモを取材に来ていた日本人ビデオジャーナリストの長井健司氏も治安部隊による銃弾に倒れた。それらを捉えた痛ましい映像を見せつけらると、軍に操られている兵士達の事を考えずにはいられない。彼らも心を持った人間で、恐怖に駆られるであろうし、民衆に暴行を加えたいとは思わないはず。それでも事態が一向に改善されないのには、兵士達がヤク漬けにされている事以外にも驚くべき理由がある。</p>
<p>　現在ミャンマーの軍部には約8万人の少年兵がいる。この数は世界中の少年兵を持つ国の中でも最も多く、そんな少年兵の中には学校への登校中に軍に拉致され、無理矢理入隊させられた者も少なくない。もちろん彼らの親達は我が子をサポートするため、結果的に軍もその親達によってサポートされる。その代わりに、軍隊に入った者達がその中で高い地位を得ると、軍は彼らやその家族を経済的にサポートし、良い教育も与える。海外留学も可能なのだという。よって1度軍に入隊すると、兵士達は待遇の良さに満足し、それを失いたいと思わない。また例え、軍を除隊したくとも、その際には10人代わりを紹介しなくてはならない等、まるで誘拐の様な仕組みになっているのだ。</p>
<p>　独裁軍事政権、貧困、2008年に約13.4万人の死者を出したサイクロンによる被害への対応やHIV問題等、現在ミャンマーの抱える問題は数知れず。しかし、過酷な状況の中で生きる人々の苦しみは厳しい報道規制の下には無いも同然。忘れ去られる彼らの心の叫びや、消されてしまう事実を伝えるためにビデオジャーナリスト達は今も命がけの活動を続けている。異なる時間や場所で撮られた彼らのバラバラの映像を高度な技術で編集し、まとめた本作は今までに世界中で数々の賞を受賞し、昨年からアメリカでは特別上映を重ね、今年ついにアカデミー賞ノミネートという快挙を成し遂げた。それを受け、俄然注目度も高まった本作。ビデオカメラの手振れした映像を通し、これからさらに多くの人が閉ざされた国の実態の目撃者となるだろう。</p>]]></content:encoded>
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		<title>猿ロック THE MOVIE</title>
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		<pubDate>Fri, 05 Mar 2010 01:35:44 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[猿ロック THE MOVIE]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆もともとが深夜枠のTVドラマというだけあって、物語の展開やギャグはあくまでユルい。深夜ドラマではそのチープさも魅力だが、大画面のスクリーンで見るには少々キビしかった（30点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　漫画、ドラマで人気の「猿ロック」の劇場版は、水中アクションも披露するエンタメ映画。どんな鍵でも開けられないものはない天才鍵師のサルこと猿丸は、謎の美女・マユミの依頼で金庫を開ける。そこにあったトランクは実はヤクザが銀行から盗んだもので、中には多額の現金だけでなく、警察組織の権威に関わる重大な秘密が。そんなことは知らないサルはヤクザと警察の両方から追われるハメになる。マユミを信じて疑わないサルは彼女を守るために懸命だが、指名手配になったサルを助けるべく、商店街の幼なじみたちはある決断を下す…。</p>
<p>　もともとが深夜枠のTVドラマというだけあって、物語の展開やギャグはあくまでユルい。深夜ドラマではそのチープさも魅力だが、大画面のスクリーンで見るには少々キビしかった。サルが美女に弱いという設定はお約束だが、あまりにも内容がおバカすぎる。終盤、カーチェイスを繰り広げたり、水中で鍵を開けるなど、スケールを感じさせる場面があるが、そんなことよりむしろ、サルが天才鍵師であることを強調するような、シーンがほしかった。鍵を使わずに錠を開ける行為・ピッキングの技や、鍵穴そのものがない箱を開くノウハウをじっくりと描けば説得力も増しただろうに。普段はバカをやっても鍵にかけては天才的という描写が弱いため、ほとんど出たとこ勝負のマユミの悪巧みに付き合うサルは、まっすぐというより頭がカラッポの単細胞にしか見えなかった。ハイテンションのギャグ、仲間との友情や掛け合い、美女に弱い男の純情。やはりこれは深夜ドラマだからこそ生きる設定だと思う。唯一心に残ったのは“人の心の鍵を開ける”というキャッチ。最後にマユミから届いたハガキは、サルが彼女の心の鍵を開けた証拠だ。それにしても、大金と極秘情報をそこらへんの銀行に預ける警察といい、ピッキングによってあっさりと破られる銀行のセキュリティーシステムといい、いくら映画とはいえ、日本の危機管理は大丈夫なのか？？　と心配になる。</p>]]></content:encoded>
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		<title>パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11568.html</link>
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		<pubDate>Thu, 04 Mar 2010 08:36:35 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆自らの知力と体力と仲間を信じて若者は旅に立ち、途中に立ちふさがる様々な困難を、友情と信頼、勇気とアイデアで乗り越える。映画は、ギリシア神話と現代米国文化を巧みにコラボさせ、壮大な特殊効果で最後まで見せ場が続く。（50点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　自らの知力と体力と仲間を信じて若者は旅に立つ。途中に立ちふさがる様々な困難を、友情と信頼、勇気とアイデアで乗り越えて、冒険の終わりにはひと回りもふた回りも成長する。それは大人への通過儀礼、英雄になる将来が約束されている少年には避けて通れない道なのだ。映画は、海神の子が現代に生まれるファンタジーの中、ギリシア神話と現代米国文化をコラボさせ、壮大な特殊効果で最後まで見せ場が続く。愛、憎しみ、怒り、嫉妬、権力、そういった人間的感情が人間よりも強いギリシアの神々が己の欲望のために動く姿は皮肉が効いている。</p>
<p>　さえない高校生・パーシーはゼウスの稲妻を盗んだ犯人と疑われ、先生からポセイドンの息子という事実を告げられる。早速神と人間の間に生まれた「デミゴッド」のキャンプに入所し実技訓練を受けるが、母をハデスにさらわれたと知って、友人のアナベス、グローバーとともにキャンプを発つ。</p>
<p>　ギリシア神話が一般教養となっている階層に向けて作られているのだろう、iPhoneの裏面にメドゥーサを映して闘ったり、ロトス菓子で放蕩にふけるグローバーの蹄にネイルアートを施したり、ハデスがロッカーの風貌で現れるシーンなど、本来は笑うべき場面のはず。しかし、元ネタとなるエピソードは知っていても生活に密着した素地がないと、面白さはなかなか伝わらない。そのあたりの普遍性のなさが欧州文化に馴染みの薄い日本人にはウケない原因だ。</p>
<p>　パーシーたち3人の行程は、冥界からの復路切符となる青い真珠を求めての北米大陸横断。質素な暮らしをしていた彼らが次第に文明の毒に侵されていく過程が視覚を楽しませてくれる。人々が享楽に溺れるラスヴェガスは退廃の象徴、さらにハリウッドを地獄の入口にするのは米国映画人の自虐的ギャグなのだ。そのユーモアのセンスは頭では理解できるものの、やはり共感を抱くまでには至らなかった。また、パーシーがほとんど鍛錬もしていないのに水に触れただけで巨大なパワーを使いこなすのも疑問が残る。厳しい修行に耐える様子をきちんと描かないと成熟した観客は納得しないはずだ。</p>]]></content:encoded>
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		<title>渇き</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11567.html</link>
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		<pubDate>Thu, 04 Mar 2010 08:36:27 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[渇き]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆現実と妄想が複雑に入り混じり、映画はノワールな色調を湛えたファンタジーの様相を帯びる。それはイマジネーションが生む幻惑的な感覚のリアル、はかなさの中にも凶暴なきらめきを宿す映像は、生きることの切なさを訴える。（50点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　聖職者としての使命と吸血鬼としての生存本能の葛藤に加え、人間のとしての欲望が主人公の心を蝕む。生き続けるだけでも罪なのに、その上人妻を愛してしまった男の苦悩は更なる深みにはまっていく。現実と妄想、願望と幻覚が複雑に入り混じり、物語はノワールな色調を湛えたファンタジーの様相を帯びてくる。それはパク・チャヌ監督のイマジネーションが生みだした幻惑的な感覚のリアル、はかなさの中にも凶暴なきらめきを宿す映像は、生きることの根源的な切なさを訴える。</p>
<p>　神父のサンヒョンは難病のワクチン開発のために身を捧げ死ぬが、輸血によって息を吹き返す。その後サンヒョンは吸血鬼に変貌、病人や自殺志願者の血で命を長らえる。ある日、幼馴染のガンウと再会し、彼の妻のテジュと強烈に惹かれあう。</p>
<p>　人のために犠牲になり、復活したサンヒョンは聖職者の鑑。信者たちは彼にキリストの姿をだぶらせ赦しを請う。しかし、サンヒョンの正体は意識不明の入院患者から血を吸う吸血鬼。さらに人妻との肉欲に溺れ彼女の夫を殺してしまう殺人者として描き、彼を徹底的に貶めることで神の存在に疑問を呈する。確かに傷や病を癒し平安をもたらしてくれるが、裏では決して他人に知られてはならない行為に手を染めている。もの言わず目だけで意思を示すテジュの義母が偽善の証人となり、映画はそんな「現代の神」を告発する。</p>
<p>　テジュを抱いたサンヒョンがビルからビルへ舞うシーンは幻想的な美しさ、サンヒョンがテジュの血を啜りつつ自分の血を彼女にのませるシーンは狂気にも似た激情、そして覚悟を決めたテジュがサンヒョンにもらった靴を履いて朽ち果てるシーンは真実の記憶を死に昇華させる崇高な愛。さまざまなメタファーが孤独と絶望を友として生きてきたふたりの悲しみに満ちた運命を象徴し、大いなる余韻を残す。ただ、各々のエピソードが非常に散文的で前後のつながりが弱く、脈絡なく飛躍するイメージに混乱したのも事実だ。</p>]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>渇き</title>
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		<pubDate>Thu, 04 Mar 2010 08:35:41 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[渇き]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆コミカルな役が多い演技派ソン・ガンホが、10kgも減量しスリムな姿と憂い顔を披露するのが新鮮（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　鬼才パク・チャヌクのバンパイア映画は、常識をヒョイと乗り越える設定と、エロティシズムやブラック・ユーモアが混在した独特の作品だ。サンヒョン神父はアフリカでの伝染病の人体実験で奇跡的に助かるが、やがて身体に異変が起こる。異常なまでに聴覚や嗅覚が研ぎ澄まされ、人の血を求めてしまうサンヒョン。彼は輸血の影響でバンパイアになってしまったのだ。韓国に戻ると幼なじみのガンウの家に招かれるが、そこで不思議な色気を持つ人妻テジュと出会う。急速に惹かれあい、愛欲に溺れる2人は、共謀してガンウ殺害を企てるが…。</p>
<p>　ストイックであるべき神父が、悪魔同然のおぞましいバンパイアになるだけでも十分に背徳的なのだが、人間の血を渇望した上に、人妻との情事に溺れ、あげくの果てに、彼女の夫を殺害するというから、物語はタブーの三重構造である。特に人妻との不倫は、人間同士ならドロドロの修羅場だが、バンパイアという突飛な設定のせいで、妙にコミカルな味わいがあり、不道徳の度合いを増しているのが面白い。サンヒョンが聖職者である自分の立場とバンパイアになった運命の摩擦に多少なりとも悩むのに対し、夫を裏切った上に自分もバンパイアになったテジュは、あっさりと運命を受け入れ、急激に美しくなるのが対照的だ。映画全体に漂うグロテスクなユーモアは、一線を越えた人間の居直りにも似たおかし味なのだろう。後戻りできない道に踏み込んだサンヒョンとテジュには、壮絶な最期が待っている。</p>
<p>　従来のバンパイア映画は、ホラー映画か耽美系ファンタジー。だが、本作はそのどちらでもない。あえて言えば、人の道を踏み外したものの滑稽さと、その中での究極の愛といったところか。渇きというタイトルは、人の血を求める渇きと、禁断の愛を求める渇きの両方の意味を兼ねる。チャヌク映画に特有の痛みを感じる描写は今回は控えめだが、バンパイアものだけに流血場面はてんこもりだ。コミカルな役が多い演技派ソン・ガンホが、10kgも減量しスリムな姿と憂い顔を披露するのが新鮮だ。この世ならぬものへの畏怖とあこがれに呑み込まれていく主人公たちには、不思議な情緒が漂っていた。パク・チャヌクのタブーへの欲望もまた、決して満たされることのない渇きに似たものなのだろう。</p>]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>バッド・ルーテナント</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11533.html</link>
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		<pubDate>Wed, 03 Mar 2010 00:36:14 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[バッド・ルーテナント]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆あっけにとられながら見ているうちに、不条理な暴力の世界と、呪術や異文化が混在する南部のニューオリンズの混沌が合致していく（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　バイオレンスと宗教描写で問題になった同名映画のリメイクである本作は、悪徳と幻想が絡み合う異色のクライム・ムービーだ。ハリケーン襲撃直後のニューオリンズ。刑事のテレンスは、逃げ遅れた囚人を助けたことで表彰され昇進する。だがそんな華々しさとは別に、テレンスは、ドラッグに溺れ、ギャンブルに入れ込み、高級娼婦と関係するなど裏の顔を持っていた。不法移民一家の惨殺事件の担当になったテレンスは、捜査を続けていたが、愛人のフランキーが巻き込まれたトラブルから、ギャングから大金を要求され窮地に立たされる…。</p>
<p>　アメリカ映画の問題作を旧西ドイツ出身のヘルツォークがわざわざリメイクするというのが何とも不思議なのだが、それはさておき。ヘルツォーク作品の特徴は、険しい山岳や未踏のジャングルなど、原始的な荒々しさを見せる自然への畏敬の念にある。本作はニューオリンズという都会が舞台だが、ワニの顔をアップで映したり、イグアナの幻覚を見たりと、随所に“らしさ”を感じさせた。腰を痛めていつもヨロヨロと歩いている主人公のテレンスは、警官として不道徳の極みのような男。だからといって刑事としての職務を怠るわけではなく、目星を付けた惨殺事件の犯人逮捕に執念をみせるなど、矛盾したキャラクターだ。そんな彼の内なるせめぎあいを、ニコラス・ケイジが異様な迫力ととぼけたユーモアで怪演している。公私ともに追いつめられ袋小路に入った主人公には、何の計画も切り札もないのだが、なぜかコトがうまい具合に転がる不思議。あっけにとられながら見ているうちに、不条理な暴力の世界と、呪術や異文化が混在する南部のニューオリンズの混沌が合致していく。ラストの奇妙な幸福感は、鎮まることを知らず踊り続ける魂を抱えたテレンスの精神そのものだ。紙一重の人生の吉凶を、寓話のような世界観で描くあたり、さすがは鬼才ヘルツォーク。この人には既存の映画文法など無縁で、主人公の狂気がいつしかヘルツォーク自身のそれに思えてくるから興味深い。ちなみにオリジナルの主役はハーヴェイ・カイテル。ニコラス・ケイジと見比べてみるのも面白い。</p>]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>猿ロック THE MOVIE</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11523.html</link>
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		<pubDate>Tue, 02 Mar 2010 01:10:47 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[猿ロック THE MOVIE]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.cinemaonline.jp/?p=11523</guid>
		<description><![CDATA[<p class="score">◆銀行強盗、ヤクザ、警察、そして謎の美女。逃げては追い、信じては裏切られる複雑に入り組んだ人間関係の中でのスリリングな男の冒険は、スピーディで見る者に考える間を与えず、細かい矛盾や疑問点の芽を強引に引き抜いていく。（40点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　銀行強盗、ヤクザ、警察、そして謎の美女。突然主人公に降りかかった非日常が彼の人生を変えていく。逃げては追い、信じては裏切られる複雑に入り組んだ人間関係の中で、男のスリリングかつミステリアスな冒険がスピーディに描かれる。次々に立ちはだかる謎と難題を体当たりで解決して行く過程は、見る者に考える間を与えず、細かい矛盾や疑問点の芽を強引に引き抜いていく。だが、余りにも多くの登場人物に様々な意味を持たせ過ぎたため整理がつかなくなり、ストーリーは全体像が見えにくくなってしまった。</p>
<p>　強盗が立てこもった銀行の裏口を開けるために呼ばれた猿丸は任務を終え、人質は無事救出される。後日、マユミと名乗る女が猿丸を訪ねオフィスの金庫を開けてくれと頼む。中には銀行から持ち出された黒いトランク、2人はそれを持ち出して逃走する。</p>
<p>　トランクの中身は警察の裏金と献金リストで、警察は奪われたことを決して口外できない。犯人の目的は最初から銀行の金ではなくこのトランク。必然的に猿丸とマユミは双方から追い詰められていく。マユミこそ運命の女と思い込んでいる猿丸は、道中さらにマユミに対する忠誠心を育んでいく。そのあたりバカ男の純情が時折はさむ妄想で表現されていて楽しめる。</p>
<p>　しかし、猿丸が鍵師であるという設定がイマイチ生きてこないのが残念。金庫を開けるときに専門家ならではの知識とテクニックをもっと見せてほしかった。その他にも、銀行の裏口の錠がピッキングで開くほどセキュリティが甘いはずはない上に、警察が裏金を銀行に預けるのも不自然だし、そのタイミングを強盗が知っているのも説得力に欠ける。また、ヤクザの手下が常用している覚醒剤のようなピルも伏線として生きていないし、トランクの入れ替えや中身はいつ用意したのかも不明。物語が進むにつれ粗が目立つ展開は、もう少し要素を絞り込み緻密な構成を心掛けるべきだった。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>しあわせの隠れ場所</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11522.html</link>
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		<pubDate>Tue, 02 Mar 2010 01:08:27 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[しあわせの隠れ場所]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆両親の愛を知らない少年が裕福な家庭に引き取られ、才能を開花させていく。恵まれない子供に手を差し伸べ自立させるのは、決して気まぐれな自己満足でできるものではなく、その子の人生に全責任を負う覚悟を伴う行為なのだ。（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　父に捨てられ、母とも引き離された孤独な少年はたぐいまれなる運動能力を持ち合わせている。そんな彼が裕福な家庭に引き取られ、アメフトで才能を開花させていく。映画はNFLからドラフト1位で指名されるまでになった主人公の、篤志家との出会いから大学入学までの2年間の交流を通じ、米国に根付く善意と良心の懐深さを描く。恵まれない子供に手を差し伸べ自立させるのは、決して気まぐれな自己満足でできるものではなく、その子の人生に全責任を負うという崇高な覚悟を伴う行為なのだ。</p>
<p>　レストランチェーン経営者の妻リー・アンは、寒空の下を歩くマイケルに声をかけ家に泊める。口数は少ないが礼儀正しいマイケルにリーの家族も警戒心を解き、彼を迎え入れる。ある日、マイケルをフットボール部の練習に参加させると、圧倒的なパワーとスピードで相手を蹴散らしてしまう。</p>
<p>　複雑なルールを理解していないマイケルは、彼の特質である「保護本能」を刺激する言葉をリーにかけられて、見違えるような動きになる。まるで猛獣と猛獣使いの美女といった構図は非常に映画的な絵になっていた。一度ツボを押さえたマイケルは、水を得た魚のごとくチーム勝利に導いていく。同時に家庭教師をつけて勉学にも励み、有名大学がスカウトの列を作るまでになる。あまりにも劇的な運命の転調にもマイケルは問題を起こすことなく身を任せ、リーの夫や子供たちも彼をファミリーに加えていく。そのあたりの葛藤を抑え気味にし、マイケルと彼を“発見”し育てたリーのサクセスストーリーだけにスポットを当てることで、とてもさわやかな印象を残す。</p>
<p>　ただ、マイケルが暮らしていたのはジャンキーとギャングが屯する黒人貧困地区。劣悪な環境で、両親の愛も知らずまともな教育も受けなかったのに、どうしてマイケルは犯罪に手を染めず暴力にも走らず、他者に対する優しさと感謝の気持ちを身に付けただろうか。確かにマイケルにチャンスを与えたのはリー・アン一家だが、マナーと謙虚さを教えた良識ある大人がいたからこそマイケルは裕福な白人社会から拒絶されなかったのだ。空白部分を埋めるカギはマイケルを高校に入れた自動車修理工のオッサンにあるが、もう少し彼らとの関係を語ってほしかった。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ニューヨーク、アイラブユー</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11521.html</link>
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		<pubDate>Tue, 02 Mar 2010 01:07:17 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ニューヨーク、アイラブユー]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆すれ違いの恋、痛みを伴う愛、忘れられない恋に永遠に続く愛。さまざまな物語を、世界各国から集まった監督たちが独創的なタッチで描いていく（65点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　「パリ、ジュテーム」のNY版であるアンサンブル・ムービーは、豪華キャストと気の利いたオチがおしゃれだ。大勢の人々が暮らし、夢を追う大都会ニューヨーク。そこには無数の出会いが生まれる。すれ違いの恋、痛みを伴う愛、忘れられない恋に永遠に続く愛。さまざまな物語を、世界各国から集まった監督たちが独創的なタッチで描いていく。</p>
<p>　さまざまな愛の形を描くスケッチブックのような群像劇だが、舞台となるセントラルパークやブルックリン、チャイナタウンなど、ちょっとしたNY観光気分が味わえる。いかにもNYというところは、ユダヤ、中国、インドなど多くの人種が登場すること。夢と成功というイメージのNYを、人とのつながりを何よりの宝物として描くところに、9.11以降の意識の変化が見てとれる。タクシーで移動しながら撮影するビデオアーティストを媒介とし、物語同士が自然につながっていく構成になっているのが上手い。</p>
<p>　日本からは岩井俊二監督が参加していて、これがなかなかの好編なのがうれしい。アニメ映画に音楽を付ける若い作曲家のデイビッドは、顔も知らない監督アシスタントの女性カミーユと電話で話すうちに、彼女と不思議な絆を育んでいく。携帯電話やパソコンなどテクノロジーに手助けされた出会いが、やがて本当の愛へと変わる予感を感じさせ、新鮮だった。2人がドアを開けて出会う瞬間が何とも素晴らしい。女性の心を盗んでしまうスリの青年や、ホテルのボーイと元オペラ歌手の時を超えた不思議な愛など、さまざまなパターンの愛の物語から、きっとお気に入りの1本がみつかるはずだ。ただ、アンサンブル・ムービーの欠点は物足りなさが漂うことと出来栄えにばらつきがあること。何よりこのテの企画そのものが最近氾濫しずぎている気がする。それでも、豪華キャスト、豪華監督がごく短い時間で知恵を絞る小品を見るのは楽しい。NYの空気を感じながら、短編小説を味わう感覚で、気軽に楽しみたい。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/geki/11518.html</link>
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		<pubDate>Mon, 01 Mar 2010 08:40:48 +0000</pubDate>
		<dc:creator>前田有一氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[激映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆時代にマッチしている上、脚本の骨格がきわめて頑健（90点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　たぶんこの映画についてほとんどの方は、こんな風に考えているだろう。</p>
<p>　「え、日本映画？　安っぽそう」「え、フジテレビの映画？　軽そう」「え、テレビドラマの映画化？　映画だけ見てもわかんなそう」「とにかく、つまんなそう」</p>
<p>　その気持ちはわからぬでもないが、なんと本作に限ってはすべてよい意味で裏切られた。こういうことはめったにあるものではない。</p>
<p>　いよいよライアーゲーム決勝戦。手段を選ばず大金を奪い合うこのだましあいゲームも、いよいよ最後だ。ここまで残ったのは男女あわせてわずか11名。そのひとり神崎直（戸田恵梨香）は、騙すくらいなら騙されたいというバカ正直な女性だが、ここまで稀代の天才詐欺師・秋山深一（松田翔太）の圧倒的な才能に守られ生き延びてきた。だが今回のメンバーには、その秋山すら予想だにしない強力な刺客が紛れ込んでいた。</p>
<p>　「ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ」のストーリーはシンプルで、孤島の建物に呼び寄せられた男女11名が、「エデンの園ゲーム」なる戦いをひたすら続けるというもの。このゲームについては後に述べる。</p>
<p>　本作の魅力は、上映時間2時間強の間、観客をひきつけまくるテンポのよさ。これについては、テレビドラマの映画化というその素性が、おそらくはじめて有効な効果をあげた例ではないか。</p>
<p>　具体的にいうと、登場人物や舞台設定の説明が一切なく、いきなり対決に入るオープニング。これが抜群の緊張感を与えてくれる。テレビドラマのときに散々登場人物を掘り下げ、世界観の解説を繰り返してきたからこそ大胆に省けたのだろうが、結果的にそれが初見の観客に対しても功を奏した。</p>
<p>　もしここでグダグダと、いいわけじみた解説・説明から始まっていたら、さぞや興ざめしたことだろう。見知らぬ部屋で目覚めたとたん、選択の余地なく命がけの危機が訪れる「CUBE」や「SAW」ではないが、こういうゲーム映画は序盤が不条理なほど目が離せなくなる。</p>
<p>　次に優れた点としては、「ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ」の脚本は、もしそのタイトルが「ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ」でなくとも、まったく問題なく成立するほど普遍的な面白さを内包しているということ。</p>
<p>　この映画版のストーリーはドラマにも、漫画版にもない映画オリジナル。ドラマの映画版という企画だから人物名は受け継いでいるものの、ちょいと手を加えれば独立した一本の「非ライアーゲーム映画」へ容易に姿を変えられるほどの完成度だ。</p>
<p>　さらにいうなら、もし有名スターを起用すればそのままハリウッド映画として十分に一線で通用する。それどころか、正反対に超低予算で同じストーリーを描くことだって簡単にできるし（何しろ一部屋半ほどのセットがあれば十分だ）、その場合でも「面白さ」が損ねられることはまずない。本作の面白さは、役者にも映像にもまったく依存しない。こういう脚本が邦画界から出てくるケースは稀だ。</p>
<p>　すなわち「ライアーゲーム」だから、こんなにエキセントリックな登場人物が出てきて、セットもけれん味たっぷりになっているだけの話なのだ。だが本来、この脚本の骨格はえらく精密かつ頑強にできているから、味付けを変えればどうにでもなる。まじめなサスペンスにも、コメディにも自由自在に変貌する。あとは好みの問題だ。</p>
<p>　その脚本の芯となるのが「エデンの園ゲーム」。これは3種類のリンゴからそれぞれ1個ずつ投票し、全員の結果により持ち金が億単位で移動するシンプルなルールのゲーム。最初にシリーズのお決まりで、ナオがまず重大な発見をする。「これ、全員で協力すれば皆が少しずつ儲かる必勝法があるわ」</p>
<p>　だが事はそう単純ではない。たしかに全員が赤リンゴを投票すれば全員に賞金が出る。しかし一人でも裏切れば、裏切り者は大勝ち。赤リンゴ投票者は莫大な損失をこうむる仕組みだ。</p>
<p>　「皆を信じる」こんなに簡単なことがなぜできないのか。ナオは苦悩する。</p>
<p>　ここでいうライアーゲームはいわば私たちの現実世界を映す鏡。ここではナオのような人間は生きていけない。いささか極端な設定だが、これはある意味で真理を言い当てている。秋山のような庇護者がいなくては、純情な女性は生きていけないわけだ。男は女性の純粋性を守るために、ひとり社会にでて汚れ役を引き受ける。私はそう思っている。むろん、男女の立場が逆でもかまわないのだろうが……。</p>
<p>　だがこの物語は、そんなありえない理想主義者のナオの価値観をバカにはしない。むしろ、得がたい尊いものとして賛美する。そこが何よりいい。こうした主題はいまの時代、とりわけ強く心に響くものだ。</p>
<p>　いうまでもないが、マイケル・ムーアはじめアメリカ映画の名だたる作り手たちが、同じテーマを何度も何度も作品で訴えている。本作はそんわけで、昨今の米映画のトレンドとも完璧に合致する。</p>
<p>　世界中の人々は今、騙しあいの金融資本主義にウンザリし、その後に選ぶべき新たな経済システムを模索しているところ。そんな時代に日本からこうした映画が出てくる。なんと頼もしい事だろうか。</p>
<p>　エデンの園ゲームの熾烈などんでん返しの連続を考えるため、脚本家チームはさぞ頭をひねったことだろう。きっと何百回となくシミュレーションし、矛盾がないか確かめ、効果的に演出のデコレーションをしていったはずだ。</p>
<p>　そうした地道なブラッシュアップこそが、映画作りにおいて何より大切ということを、この作品は教えてくれる。「ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ」は、年間何本もお目にかかれない、日本の娯楽映画の傑作である。</p>]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/geki/11517.html</link>
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		<pubDate>Mon, 01 Mar 2010 08:40:31 +0000</pubDate>
		<dc:creator>前田有一氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[激映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆自虐ネタと本格的スペクタクル（85点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　ギリシャ神話をネタに思い切り遊んだ『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』は、ほとんど確信的な「突っ込みどころ満載」映画といえる。</p>
<p>　ぱっとしない高校生パーシー（ローガン・ラーマン）は、学校では勉強ができず、家では母の暴力的な再婚相手に悩まされる受難の日々を送っている。とはいえ彼は、何分間も水にもぐれたり、古代ギリシャ文字がなぜか読めたりといった、あまり役に立たない個性も持っていた。そんなある日、彼の平凡な日常は突如現れた化け物に襲われる形で幕を閉じる。どうやら世界は、パーシーのあずかり知らぬところでとんでもないことになっているらしい。</p>
<p>　本作の世界観では、現代ニューヨークにしょっちゅう神々が遊びにきたり、あるいは住んでいる事になっている。頑強な肉体を持つ神様のこと、かわいい女性やイケメンがいればあっという間にメイクラブ。アダム徳永並のスーパーテクでオーマイゴッドと虜にさせ、たくさんの人神ハーフを生み出している。主人公のパーシーも、そうして生まれた一人というわけだ。</p>
<p>　しかも彼の父親はオリンポスの中でも高位の神。本来なら、鳩山兄弟よろしくおぼっちゃんになるべき立場である。ところがパーシーは、最高神ゼウスからあらぬ疑いをかけられてしまう。そこでやむなく知恵と戦いの女神アテナの血を引く美少女戦士（アレクサンドラ・ダダリオ）らと共に、疑いを晴らす旅に出るという展開。</p>
<p>　一番面白いのは、主人公パーシーが自分の正体を知るまでの流れ。何も知らない彼を横目に周囲の連中が真剣な表情で世界の終わりを案ずる様子は、リアル中二病を見ているような状況で、こちらも笑いが止まらない。このあたり、冒頭に書いたように確信的に演出するクリス・コロンバス監督はさすがで、映画から距離を置いて苦笑している観客に好意を抱かせ、その後の本筋に引き込んでしまう。</p>
<p>　人間、いっぱいいっぱいの監督の作品は直感的にわかるものだ。だから本作のようにバカ映画的要素を作り手が自覚したうえでギャグにしており、しかし見せ場は本気を出すよ、といった映画を見ると「お、わかってるね」とうれしくなるのである。</p>
<p>　難読症の主人公をわずかワンシーンで描くなど、演出技術も安定。人間描写に余分な時間を割かず、しかし手抜きもしないのはこの手のテンポ重視の映画ではきわめて重要なポイントである。</p>
<p>　全米縦断のロードムービー的面白さも兼ね備えており、その終点（悪どもが落ちる冥界）が存在する地名でまた笑わせる。さらに不況ネタを織り込む自虐的センスもまた楽しい。最初から最後まで、冗談でできているような愉快な映画といえる。</p>
<p>　しかし「本気を出す」スペクタクルシーンには、他を寄せ付けぬキレがあり、ギリシャ神話でおなじみの怪物ヒドラとのバトルなどは大いに盛り上がる。</p>
<p>　笑いとスリルを交互にはさんだミルフィーユ構造。そのどちらも一流かつゴージャスという、まさにアメリカらしいアメリカ映画。</p>
<p>　とくにギリシャ神話好きな方には、これほど笑えて楽しい作品はほかにない。久々の元気いいハリウッド映画の登場であり、万人にお勧めできる気楽な一品である。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>すべて彼女のために</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/tsuu/11514.html</link>
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		<pubDate>Mon, 01 Mar 2010 04:09:05 +0000</pubDate>
		<dc:creator>小梶勝男氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[通映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[すべて彼女のために]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆無実の罪で投獄された妻のため、夫は全てを投げ打って行動に出る。夫婦愛というより、運命に立ち向かう男をリアルに描いたサスペンスの秀作だ（81点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　暗闇の中、人が争う音だけが聞こえてくる。そして、血で濡れた手で車を運転する男。その表情は、もう後戻りできない不安と、突き進んでいくしかないという意思を、見事に物語っている。冒頭から、ただならぬ緊迫感。この場面だけで十分に、「いい映画」の予感がする。それは裏切られなかった。</p>
<p>　平凡なパリの国語教師（ヴァンサン・ランドン）の妻（ダイアン・クルーガー）が、ある日突然、殺人の疑いで逮捕される。夫は妻への疑いを晴らそうと、探偵を使って事件を調べさせるが、3年がたち、20年の禁固刑が言い渡される。絶望して自殺未遂を起こした妻を救うため、夫は全てを投げ打って行動に出る。</p>
<p>　タイトルから恋愛ドラマを想像する人もいるかも知れない。だが、本作はサスペンスであり、アクション映画だ。主人公は妻を脱獄させようとするのである。</p>
<p>　「96時間」の主人公のように、特殊能力があるわけではない。あくまでも平凡な男が、ただひたすら妻を救いたい一心で、脱獄のプロに接触し、偽造パスポートを入手し、着々と脱獄計画を練っていく。</p>
<p>　偽造パスポート一つ手に入れるにも、そんなに簡単なことではない。まず偽造のプロを探そうと、主人公は、裏社会に通じていると思われる路上のタバコ売りに聞いて回る。すぐには教えてもらえず、主人公の車の助手席に、タバコが山積みになる。そんなディテールがしっかりと描かれているのがいい。最近の映画では、そういうところを省略してしまいがちだ。何でもあっさりと上手く行き過ぎて、見ていて白けてしまうことがしばしばある。本作は普通の国語教師が、仕事をし、小さな子供の世話をし、お金があといくら残っているのか心配しながら、一つひとつの問題に取り組んでいく姿を、リアルに描く。その積み重ねが、一人を脱獄させることがいかに困難かを伝え、さらには、それでも突き進んでいく主人公の強烈な意思の力を表現している。</p>
<p>　本作には明確な「悪役」が存在しない。妻は突然逮捕され、どうすることも出来ないまま刑を宣告される。偶然の積み重ねで殺人の証拠が揃ってしまい、それを覆すことが出来ない。そこから冤罪の恐怖を描くことも出来たかも知れないが、本作にとって、冤罪の問題は全く重要ではない。妻の突然の逮捕は、誰かが悪いというより、逃れようのない運命、すなわち古典的な「悲劇」として、主人公に襲いかかってくる。自分の運命にどのように立ち向かうか。そこに焦点をあてたドラマ作りが素晴らしい。監督のフレッド・カヴァイエは本作が長編デビュー作という。才能は十分に感じた。</p>
<p>　ヴァンサン・ランドンは、家族のために静かに執念を燃やす男を好演している。単なるハッピーエンドではない、余韻のあるラストも良かった。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>パレード</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kan/11513.html</link>
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		<pubDate>Mon, 01 Mar 2010 04:08:57 +0000</pubDate>
		<dc:creator>山口拓朗氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[感映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[パレード]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆閉塞したビターな時代の膿をかき出すような鋭い刃をもった社会派作品（65点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　映画会社に勤める健康オタクの直樹（藤原竜也）、酒好きな自称イラストレーターの未来（香里奈）、恋愛依存のフリーターの琴美（貫地谷しほり）、先輩の彼女に思いを寄せる大学生の良介（小出恵介）の4人はマンションの一室をシェアして生活していた。そこにある夜から、男娼のサトル（林遺都）までもが居着くようになる。リビングに置かれたテレビは、連日、そんな彼らが住む町で多発している女性を狙った無差別暴行事件のニュースを流していた……。</p>
<p>　人と人との距離感をどの程度に保つかは、ドラマを紡ぐうえでとても重要だが、時代を切り取る俊英、吉田修一の同名小説を原作とする本作「パレード」は、人と人との距離感“そのもの”を描いた作品といえる。隣人の顔さえ知らない人も少なくない都会において、マンションの一室で身を寄せ合うように暮らす若者たちの光景は新鮮だ。とくに仲がいいというわけではないが、かといって、仲が悪いというわけでもない。部屋のなかには“平穏な空気を乱さない”とう不文律、暗黙の秩序だけが存在する。誰もが自由に使えるリビング＆ダイニングはその象徴だ。</p>
<p>　仕事に行った。学校に行った。アルバイトに行った。そのあたりまでが、彼らがほかの同居人について知っているギリギリのラインだ。5人はそれぞれに憂鬱や不安や傷を抱えている。だが、この部屋の不文律は、住人が「ヘルプ・ミー！」と声を上げることを許さない。「ここってインターネットでいえば、チャットや掲示板みたいなもんだから。嫌なら出ていけばいいし、居たいなら笑っていればいいみたいな」という乾いた琴美のセリフが、彼らのルームシェアの実態を雄弁に物語っている。</p>
<p>　部屋の空気をさざ波立てることをヨシとしない不文律がもたらす結末は、衝撃度の大きいクライマックスが一手に担う。そこから続くラストシーンでは、カメラがある者の表情を不自然なほど長く抜き続ける。不気味な演出に不気味な空気感。あるいは、そこに少したりとも不気味さを感じないとしたら、それはこの物語が示唆する「人間同士の距離不全」をすでに体現している人かもしれない。</p>
<p>　人間ドラマとミステリーの両面から観客の興味を引く本作「パレード」は、モラトリアムをテーマにしたお気楽で甘酸っぱい群像青春映画ではない。閉塞したビターな時代の膿をかき出すような鋭い刃をもった社会派作品だ。「描くこと」よりも「描かないこと」に心をくだいた行定監督の絶妙采配、そして、これまでのイメージを覆す演技で存在感を示した林遣都を含めた5人の「見せる」ではなく「漂わせる」演技を評価したい。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>すべて彼女のために</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11512.html</link>
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		<pubDate>Mon, 01 Mar 2010 01:30:56 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[すべて彼女のために]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆細心の脱獄計画はサスペンスとして楽しめるが、基本はヒューマン・ドラマだ（70点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　無実の妻を救うためすべてを捨てる夫の覚悟が感動を呼ぶヒューマン・ドラマの佳作。平凡ながら幸せに暮らすジュリアンとリザ夫妻。だがある日突然、身に覚えのない殺人罪でリザが逮捕、投獄されてしまう。必死で無罪を主張するが、状況証拠は彼女に不利なものばかりで、3年の時が過ぎる。妻の無実を信じるジュリアンは、絶望し自殺未遂まで図ったリザの姿をみて、ある計画を実行する決意をする…。</p>
<p>　冤罪事件の場合、いかにして無実を主張するか、もしくは真犯人を追及するかのサスペンスフルな展開になる。だが本作はそうではなく、現行の法で妻を救えないと知ったとき、主人公は正義を求めるより、脱獄し自由を得る道を選んだ。法や国家に見切りをつける、大胆にして切実な個人の思いがそこにあり、ごく普通の教師が、脱獄のため犯罪に手を染めるという意外性が効いている。むろん簡単に実行できることではなく、偽造パスポート入手で大金を巻き上げられた上、暴力をふるわれて打ちのめされたりするが、逆にそのことがジュリアンの決心を固めることになる。自分は犯罪を犯そうとしているのだから、もう堅気の人間ではいられないと根性を据えてからは彼の行動に迷いはない。脱獄に関する本を読み、著者に会い、資金を用意し、監獄や囚人用の病院の内部を調査する。脱獄計画を実行に移してからのジュリアンの表情は、もはや教師のそれではなく、暴力も辞さない犯罪者の狂気を感じさせる。愛する妻のため一人孤独に戦い続けるジュリアンを演じたヴァンサン・ランドンが素晴らしい。細心の脱獄計画はサスペンスとして楽しめるが、基本はヒューマン・ドラマだ。映画は、愛する人のために、平穏な生活や友人や両親、ついには祖国まで、すべてを捨てる覚悟はあるかと問う。終盤のスリリングな逃亡劇は、銃撃戦やカーチェイスなどの派手なアクションに走らなかったことが逆にリアルさを増した。あくまでも小品として仕上げたことで、締まった1本になっている。</p>]]></content:encoded>
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		<title>バッド・ルーテナント</title>
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		<pubDate>Sun, 28 Feb 2010 01:12:44 +0000</pubDate>
		<dc:creator>佐々木貴之氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[狂映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[バッド・ルーテナント]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆オリジナルが過激なバイオレンスと宗教色で話題となったが、このリメイク版は控えめなクライムドラマで宗教色は一切ない。（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　ドイツの奇才ヴェルナー・ヘルツォーク監督が問題作『バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト』（92）をリメイク。</p>
<p>　舞台はニューヨークからニューオリンズに変更され、主演に人気スターのニコラス・ケイジを起用し、122分の力作として仕上げられたクライム・サスペンスドラマ。</p>
<p>　ハリケーン・カトリーナに見舞われた直後、テレンス刑事（ニコラス・ケイジ）は、逃げ遅れた囚人を救出。これによってテレンスは警部補に昇進した。一年後、テレンスは恋人である娼婦フランキー（エヴァ・メンデス）とコカインを常習し、アメフト賭博に興じる悪徳警部補=バッド・ルーテナントとなっていた。ある日、セネガル系不法移民一家殺人事件が起き、テレンスが捜査の指揮を執ることとなるが……。</p>
<p>　オリジナルが過激なバイオレンスと宗教色で話題となったが、このリメイク版はどちらかと言うと控えめなクライムドラマという感じで宗教色は一切ない。主演が人気スターで作風がソフトタッチだから、ヘルツォーク監督は万人ウケを狙ったとも考えられる。ヘルツォーク監督はあくまでもリメイクではないと言っており、このような点から考えるとそうだと頷けてしまう。</p>
<p>　テレンスが粉末コカインを鼻で吸引するシーンが頻繁に観られ、彼が見る幻覚であるイグアナや射殺された男の“魂”が踊るブレイクダンスが印象深く、目に焼きついてしまうほどだ。また、ブレイクダンス直前に観られる麻薬ディーラーのフェイト（アルビン“イグジビット”ジョイナー）らが発砲し、射殺するシーンの豪快さは見事だ。これは、本作が持っている暴力性を最大限に発揮させたシーンだと言っても良いだろう。</p>
<p>　悪徳刑事がドラッグに手を染め、破滅の一本道を突き進むドラマはありがちであるが、本作ではそんな悪徳刑事が荒廃しても結局は良い方向に向ってしまうのだから不思議に思えてしまい、逆に面白可笑しい。テレンス刑事は悪徳刑事であっても根は腐敗しておらず、捜査では良い結果を残しているのだから、良い方向に向っても納得できさえするのだ。</p>
<p>　ラリったニコラス刑事に要注目だ！！</p>]]></content:encoded>
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		<title>すべて彼女のために</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11475.html</link>
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		<pubDate>Sat, 27 Feb 2010 00:56:39 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[すべて彼女のために]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆濡れ衣を着せられた妻を救うために、周到に準備し実行に移す男。それは真面目な教育者としての人生を捨て、犯罪者になる決意だ。国家という強大な権力に個人で立ち向かう主人公の姿は緊迫感がみなぎり一時も予断を許さない。（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　濡れ衣を着せられた妻を救うために、周到に準備し実行に移す男。彼のベクトルは冤罪を晴らすための証拠集めや真犯人捜しといった過去に向かうのではなく、刑務所から妻を奪還して再び自由を手に入れようとする未来に向かっている。それは真面目な教育者としての人生を捨て、犯罪者になる決意をすること。国家という強大な権力に個人で立ち向かう主人公の姿は最初は滑稽ですらあるが、やがて経験が勇気と判断力を養い動きに無駄がなくなっていく。その妻を思う一念が彼に力を与え孤独な戦いを支える様子は、緊迫感がみなぎり一時も予断を許さない。</p>
<p>　殺人容疑で逮捕、有罪判決を受けた妻・リザの無実を信じるジュリアンは、彼女を脱獄させる計画を練る。脱獄に関する本を書いた元脱獄囚の著者に取材し、資金を集め、看守の出勤パターンを調べ、偽造パスポートを手配する。</p>
<p>　本来ならば、検察の主張に疑問を挟む戦術をとるべきだが、この作品はその部分をあっさりカットする。教師であるジュリアンがいきなり法を犯すはずはなく、法廷闘争が困難と理解したからこそ強硬手段に出たのだろう。しかし、その前段に全く触れない潔さが映画にスピード感を与えている。しかも、偽造パスポートを手に入れようとして逆にチンピラに大金を巻き上げられたことが、彼に暴力に対する躊躇も取り除く。いざというときには力ずくでも邪魔者を排除する意思はこの時生まれたのだ。ジュリアンが行動力だけでなく凶暴さも身につけていく過程が痛々しいまでのリアリティに満ちている。</p>
<p>　「脱獄は簡単だがその後が大変だ」という元脱獄囚の言葉通り、ジュリアンはきちんと逃走の手段と経路と資金を確保したうえで、入院するリザの身柄を奪う。病院に駆け付けた刑事たちの追跡をまき、相乗りで検問をかわす。ジュリアンはリザにすら実行の時まで一切知らせず、すべてひとりで立案し行動し幼い息子の面倒もみながらも見事に初志貫徹する。愛の勝利ともいえる結末は達成感に満ちている一方、決して楽天的ではない映像の雰囲気は、彼らのそれからの運命を暗示しているようだった。</p>]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>バッド・ルーテナント</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11476.html</link>
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		<pubDate>Sat, 27 Feb 2010 00:55:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[バッド・ルーテナント]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.cinemaonline.jp/?p=11476</guid>
		<description><![CDATA[<p class="score">◆まるで発展途上国の警官のように権力を振りかざし、横暴の限りを尽くす悪徳刑事。自分の欲望に忠実でありながら、山積する問題に忙しく立ち回る姿には、仏の手のひらの上で踊らされているようなシニカルなはかなさが漂う。（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　留置場の容疑者を弄び、ギャンブル狂で借金漬け、ドラッグを若者から脅し取ったり証拠品保管室からくすねたり、さらには娼婦を愛人にし、挙句の果てはギャングに情報を流して高額の賄賂を受け取る。まるで発展途上国の警官のように権力を振りかざし、横暴の限りを尽くす悪徳刑事。自分の欲望に忠実でありながら、山積する問題に忙しく立ち回る姿には、仏の手のひらの上で踊らされているごときシニカルなはかなさもうかがえる。映画は、麻薬ディーラーとギャングの狭間でドツボにはまっていく主人公が心理的に追い詰められていく様子をコミカルに描く。</p>
<p>　セネガル人大量虐殺事件の捜査に当たるテレンスは、目撃者の少年を確保するが逃げられ、容疑者である麻薬組織のボスを追い切れない。一方、愛人のフランキーとトラブルを起した客を殴り倒すと、その仕返しにギャングが大金を取り立てに来る。</p>
<p>　サイズの合わないジャケットを着て、ベルトにさした拳銃を見せびらかすテレンス。腰の痛みを和らげるために麻薬を手放せず、精神が混濁しているのかイグアナの幻覚が見え始める。そして返済期限が近付くと、行き当たりばったりの悪あがきを繰り返す。普通なら追い詰められた男が苦悩にのたうちまわりながら逃げるか、綿密な計画のもとに一発逆転を狙うものだが、テレンスにはそんな余裕はなく、迫りくる時限に抗うすべはない。彼ひとりだけでなくフランキーも命の危機にあるにもかかわらず、どこか他人事に思える現実感のなさが暴力のにおいを巧みに消している。</p>
<p>　結局、いくつもの偶然と幸運が重なり、すべてのトラブルを解決した上に手柄を立てたテレンスは昇進まで手にする、こんなろくでもない男に甘すぎる顛末が待っている。しかも、一年後にはフランキーとの間に赤ちゃんを作っているのに、相変わらず若者からドラッグを強請っている。あれほど危ない目に遭ったのに、経験から何も学んでいないテレンスの人間的な欠陥が、むしろ愛らしく見えてくるという不思議な後味を残す作品だった。</p>]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>しあわせの隠れ場所</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11510.html</link>
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		<pubDate>Sat, 27 Feb 2010 00:54:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[しあわせの隠れ場所]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆孤独な黒人少年とある白人家族の絆を描く実話。サンドラ・ブロックの熱演に圧倒される。（65点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　裕福な白人女性リー・アンは、ある日、ホームレス同然の黒人少年マイケルに声をかける。彼の境遇を知って自宅に連れ帰り面倒を見るが、ある時、マイケルにアメリカン・フットボールの適性があることを知る…。</p>
<p>　サザン・ベルという言葉がある。米国南部の上流社会の女性で、勝気な美人を指す言葉だ。映画では「風と共に去りぬ」のビビアン・リーや「黒蘭の女」「偽りの花園」のベティ・デイビスが演じた女性像が思い浮かぶ。テネシー州の富裕層のリー・アン・テューイもそんなサザン・ベルの一人だ。だがこの人の場合、経済的に豊かであっても気どったところはなく、むしろ“肝っ玉かあさん”という言葉が良く似合う。明るく誠実で、いつもエネルギッシュに生きる女性リー・アンが手を差し伸べた黒人少年の名前はマイケル・オアー。やがて米国のNFLで活躍しスター選手になる逸材である。</p>
<p>　見知らぬ黒人少年マイケルを自宅に泊めた最初の晩は、リー・アンもちょっと懐疑的だった。翌朝、何か盗られてないか思わず家の中を見回すが、そこにはきちんとたたまれた毛布が。疑った自分が恥ずかしい。そんな思いが芽生えてからのリー・アンはマイケルの人生の手助けをすることを固く決心する。部屋を与え、後見人になり、学校にも通わせる。そこで彼にアメフト選手の適性があることを見出すが、それは成績表で評価された“保護本能”に目をとめたからだ。数字だけで判断せず、個性や人間性に目を向けて適性を見出す米国の教育制度の素晴らしさとともに、リー・アンの、優しさと厳しさ、ユーモアがミックスした指導力がマイケルの未来に明かりを灯した。ただ、他の上流社会の女性と違い、リー・アンがなぜこうまで気高い心を持った人間なのか、その背景が描かれないのが残念。彼女自身のことがもう少し知りたかった。</p>
<p>　リー・アンとその家族の真心に包まれて、マイケルは次第に前向きに変わっていく。だが変わったのはリー・アンも同じだった。白人家族が当たり前だと思っている、日々の食事や安全な暮らしに深く感謝するマイケルの姿に、思わずテューイ家全員が襟を正す場面は、施す側が逆に精神的豊かさを教えられる瞬間だ。最初は奉仕、慈善という“上から目線”だったリー・アンが、マイケルと心から語り合うシーンは胸を打つ。有望なアメフト選手として数多くの大学からきたスカウトの話を、いつしか自分たちが希望する進路へと狭めていた非を認めるように、道路の路肩にマイケルと並んで座るリー・アン。高級な服や靴が汚れるのもかまわず地面に座り、マイケルと同じ目の高さで話したとき、2人は本当の意味での家族になれたのだ。</p>
<p>　白人女性が不幸な境遇の黒人少年を助けたこの実話、一言で言うならば“いい話”だ。むろん映画なので、美化され誇張された部分も多いだろう。常識や因習にとらわれず、ひたすら自分の信じる善意を貫くリー・アンは、時に強引すぎるおせっかいやきのおばさんかもしれない。だが、この映画が単なるいい話に終わらないのは、リー・アンというサザン・ベルの暴走気味の愛情に、アメリカ人が愛する母親像が確かにあるからだろう。たとえ世間が何と言おうと、強くて優しくて、いつだって子供を大きな愛で見守る母親は、故郷のような存在だ。家も仕事もない少年にとって、差し伸べられた優しい手は未来と同じ。本物のアメリカン・ドリームは、こんな良心から生まれるのだと信じたい。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>恋するベーカリー</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/teki/11508.html</link>
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		<pubDate>Fri, 26 Feb 2010 23:00:33 +0000</pubDate>
		<dc:creator>スタッフ古庄</dc:creator>
				<category><![CDATA[的映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[恋するベーカリー]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆飲み会で、みんなが出来上がっている中、自分だけがシラフという状況！　に近い！（58点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　人はいくつになっても恋をして恋をすると輝きだす。男も女も。イキイキと♪</p>
<p>　それが、たとえ..不道徳な恋だとしても&#8230;。</p>
<p>　そんな大人（？）のちょいと複雑な恋愛模様をおもしろおかし～く、下ネタ満載で描いたものが今作！</p>
<p>　※ちなみに題にある「ベーカリー」はほとんど関係なし！！（笑）</p>
<p>　まずはその、＜複雑なあらすじ＞から、どうぞ～♪</p>
<p>　10年前に離婚したジェーン（メリル・ストリープ）とジェイク（アレック・ボールドウィン）。10年ぶりに偶然再会したホテルで..彼らは&#8230;..</p>
<p>　やっちまったなー！！　ですっ（笑；）</p>
<p>　この時、ジェイクはすでに再婚していたが、コレを期に（？）2人の関係は再加熱！（あわわわわ。。）</p>
<p>　そう！　『元夫婦で不倫！！！』というなんともびっくりな展開になってしまったんですねぇ！</p>
<p>　お互いのことがある程度わかっている分、気楽で♪　懐かしさから心地よく、話は弾み楽しくて♪　一度は愛したもの同士。。</p>
<p>　こうなってしまう気持ちも。。分かるところ。</p>
<p>　しかも！　ジェーンの場合、元夫の今妻は以前、自分から夫を奪った愛人という始末。</p>
<p>　実にややっこしい関係なのだ（笑；）</p>
<p>　ジェーンのココロも、コロコロと..どうやら忘れ切れていなかった（？）夫への想いと今妻に対するうらみつらみ・・「やり返してやった！！」という快感もありつつ・・・</p>
<p>　一方で、どんなカタチであっても不倫は不倫。傷つくものが出ることは確か。罪悪感を感じないわけではないのだった。</p>
<p>　心境もまた複雑なものなんですね。</p>
<p>　ですが♪　今回は、あまりこのブラックな部分にスポットは当てられていません。</p>
<p>　（当てられてたら、昼ドラや～っ笑）</p>
<p>　ジェーンはもちろん苦しんで、真剣に悩んでいる部分もあるんですけど、ハタから見たら面白いつくり♪　なんです（笑）</p>
<p>　もうね、いい大人なんでね。あんなことやこんなこと（下ネタ）をストレートに言いまくりですし（笑；）　※R-15指定に納得です（笑；）</p>
<p>　あまりにすごいんで、この勢いに（ついていけないわけじゃないけど・・・）若干引き気味になってしまうところもあるくらい（汗；）　※お国柄もあるかも。。</p>
<p>　ちょうど、居酒屋でみんながお酒を飲んで盛り上がっているとき、自分だけが飲めず、ハイな雰囲気に入り込めていないそんな感じです（笑）</p>
<p>　ギャーギャー叫んで喚いて、観ていてその時は楽しいけど、後には何も残らない。そんなところも同様かも？（笑）ハハッ</p>
<p>　うーん。とりあず、下ネタが大好きな方にはお勧めですね（笑）</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11507.html</link>
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		<pubDate>Fri, 26 Feb 2010 00:21:47 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆パーシーがその手で操る水の動きは激しくも洗練されていて、高度なCGによる描写はさすがのひと言（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　現代のNYにギリシャの神々が現れる奇想天外なファンタジー。落ちこぼれの高校生パーシー・ジャクソンは、ある日突然、自分はギリシャ神話の神ポセイドンの息子であることを告げられる。神と人間の子であるデミゴットである彼は、仲間のアナベスとグローバーと共に、万能の神ゼウスのもとから盗まれた最強の武器・稲妻を探す旅に出る。この稲妻がみつからなければ神々の間で戦争が起きてしまうのだ。だが泥棒の濡れ衣を着せられたパーシーの前には数多くの危険が待ち受けていた…。</p>
<p>　ギリシャ神話の神々は役割や性格が非常に人間臭いのが特徴で、神様同士で争ったり、恋愛したり、取引したりと、人間関係（神関係というべき？）が複雑だ。この神同士の愛憎のとばっちりを受けるのが子供たち。ゼウスとポセイドンも兄弟なのにいがみ合っている。このことが稲妻紛失事件の発端のひとつになるのだが、ギリシャ神話に詳しい人なら、それを盗んだ犯人はすぐに目星がついてしまうはず。というのも、神々は、それぞれ守護の役割があり、たとえばパーシーの父ポセイドンは海の神、アナベスの母アテナは知恵と戦いの神といった具合。そしてそこには泥棒の神もちゃんといるのだ。まぁ、それはさておき、パーシーら3人の旅はまるでティーン向け青春映画のよう。ドラッグの誘惑に負けそうになり、妖艶な美人に出会うその旅は、危険な冒険ながらあくまで陽気である。物語は神話に添いながらも随所に現代的なアイテムが紛れ込んでいるのが上手い。例えば毒蛇の髪を持つメドゥーサの姿を iPhone で覗いたり、ハリウッドの看板の横に地獄への入り口があったり、遠い神話の世界と現代がミックスされていることで主人公の冒険に感情移入しやすくなる。</p>
<p>　稲妻泥棒の正体が分かり、海の神ポセイドンの息子パーシーが秘めた力をみせる終盤の対決は大迫力だ。パーシーがその手で操る水の動きは激しくも洗練されていて、高度なCGによる描写はさすがのひと言。父の不在に対する不満と不安という、アメリカの今の現状もサラリと盛り込んで、ライト感覚で楽しめるファンタジーになっている。パーシーを演じるローガン・ラーマンは秀作「3時10分、決断のとき」でも光っていた若手俳優。素直そうな笑顔が印象的だ。</p>]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>渇き</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/bei/11503.html</link>
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		<pubDate>Thu, 25 Feb 2010 00:58:12 +0000</pubDate>
		<dc:creator>岡本太陽氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[米映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[渇き]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆鬼才パク・チャヌク監督によるリアルなセックス描写が魅力の異色ヴァンパイア映画（80点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　ヴァンパアが血を欲しがる衝動は常に性的な臭いを持つ。記憶に新しい映画『トワイライト』シリーズでも主人公の少女がヴァンパイアに噛まれる事をセックスに例えて演出している。その傾向は第62回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した異質な韓国産ヴァンパイア映画『渇き（英題：THIRST）』にも見られるが、本作ではフランスの自然主義文学家エミール・ゾラの小説「テレーズ・ラカン」の展開に沿って、その血と欲望の切り離せない関係を斬新な切り口で描いてゆく。</p>
<p>　メガホンを取るのは『オールドボーイ』を含む復讐3部作で海外からも注目を集めたパク・チャヌク。今回も彼の抜群のセンスが作品全体を支配し、例えセックスと暴力の描写が多くとも、その奥にユーモアが感じられるものとなっている。まずソン・ガンホ扮する主人公の敬虔な神父サンヒョンがヴァンパイアになってしまうという意表を突く設定から、物語がパク氏ならではの一筋縄ではいかない展開になる事が読めるだろう。</p>
<p>　物語の冒頭、病院で死にゆく人々を看取るボランティアを続ける事に救いを感じる事ができず、サンヒョンは人助けをしたい一身で謎の伝染病のワクチン開発のための自殺同然の人体実験に志願する。アフリカの大地にポツンと佇む研究所。そこは最新の技術が完備された施設ではなく、他から完全に隔離され、徹底的に簡素化がなされた場所。気の遠くなるくらいの青空の下、可哀想な1人の神父は発病し息絶えるが、輸血により再び息を吹き返す、肉体に大きな変化を伴って…。彼はなんと人間の血を欲する体質になってしまったのだ。</p>
<p>　蘇った神父の噂は瞬く間に広がり、サンヒョンに奇跡の癒しの力があると信じる者たちが出現する。そんな中、彼はひょんな事がきっかけで幼馴染みガンウ（シン・ハギュン）と再会し、彼の妻テジュ（キム・オクビン）と運命的な出会いを果たす。テジュはガンウの母・ラ夫人（キム・ヘスク）の養女として育てられたが、後に義兄であるガンウと結婚した。家では奴隷の様に扱われ、鬱屈した毎日を送るテジュの前にサンヒョンが現れた事から彼女の人生はドラマチックにうねり始める。</p>
<p>　抑制せざるを得ない環境にいるサンヒョンとテジュは同じ人種の臭いを察知してか、互いに引かれ合う。神に身を捧げる者として童貞であるサンヒョンだが、抵抗し難い魅力を放つテジュの前には自制を働かせる事が出来ず、2人は愛欲に溺れてゆく。それだけでは飽き足りない彼女はサンヒョンにガンウ殺害を促す…。はじめテジュの心は空っぽで、目もぼんやりとしており、何か掴み所のない印象を与える。しかし、彼女がサンヒョンの影響で徐々に自分の殻を破り、恥じらいを捨て、人生を謳歌していく様は際限を知らない怪物を蘇らせてしまったかの様だ。</p>
<p>　サンヒョンとテジュの関係を語る中で欠かせないのは、濡れ場。しかし、本作におけるそれは、ヴァンパイアと人間のファンタジーセックスの美しさや官能さを見せるのではなく、叙情的な物語の中で、抑圧されて生きてきた2人の人間の体をもっての自我の解放。狂おしい程の愛しさ、優しさ、怒り、悲しみ、この2人が体を重ね合う事で互いの感情が爆発する。また、彼らの営みはリアルで、体を介して心で愛し合う事の素晴らしさを描き出す。このようなセックス描写はハリウッドでは不可能に近い。なぜなら人々はセックスばかりして戦争に行きたがらなくなるに違いないからだ。</p>
<p>　サンヒョンはテジュによって童貞喪失の手ほどきを受け、性的には開放的にはなるものの、物語の冒頭で彼が人の死を見つめる事に意義を見出せなかった様に、彼の神父としての、寧ろ彼のこの世での存在意義への問いはずっと続いてゆく。ヴァンパイアになり、テジュと出会い、初めて愛を知り、彼の心に大きな成長が見えれば、映画としてうまくまとめられたと言えるだろうが、本作は敢えてそれをしない。生まれ変わったにもかかわらず、主人公の無力感は最後まで消える事はなく、また聖職者でありながらも性の快楽を知ってしまった事で罪の意識と葛藤し続ける姿が印象的だ。</p>]]></content:encoded>
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		<title>人間失格</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11502.html</link>
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		<pubDate>Thu, 25 Feb 2010 00:58:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[人間失格]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆男は、酒に溺れ、女に頼り、現実逃避しようともがくが死に切れない。弱い自分を許容する女たちを直感的に見極める能力で世の中を渡っていこうとする。しかし、あえて感情を抑えた演出からは彼の苦悩や葛藤は伝わってこない。（40点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　酒に溺れ、女に頼り、いつも現実逃避しようともがいているにもかかわらず死に切れない。弱い己に甘え、それを許容する女たちを直感的に見極める能力で世の中を渡っていこうとする。しかし、あえて感情を抑えた演出からは主人公の苦悩や葛藤は伝わってこない上、ヤマ場の乏しいエピソードの連続は退屈を通り越してウンザリしてくる。まあ、このダメ男の遍歴をダラダラと見せて、観客にも彼が内包する人生に対する苦痛を味あわせようとしているのなら、その目論見は成功しているが。。。</p>
<p>　津軽の素封家に生まれた葉蔵は、子供のころから女に囲まれて暮らす日々。東京で堀木という男と知り合い、遊びを覚えると、カフェの女給と心中を試みるが、葉蔵は助かってしまい、実家から勘当されてしまう。</p>
<p>　何事にも葉蔵は己の意思が希薄で、流されるままに万事進んでいく様子はどこか浮遊感が漂う。まるで体外に出た葉蔵の主観が客観的に自身を見つめているかのような感覚だ。そんな態度が母性本能をくすぐるのか、ある種の女には好意を持たれ、ついには結婚までする。ところが、自分の女グセは棚に上げ、妻が他の男と寝ている現場を目撃すると嫉妬に駆られ絶望にさいなまれるという身勝手さ。発作的に劇薬を飲み、言い訳を繰り返すという女々しさは、もはや立派にすら感じる。情けなさを前面に出し、プライドや上昇志向などとはいっさい縁のない葉蔵の生き方は、希望に乏しい現代社会の写し鏡ではないだろうか。</p>
<p>　葉蔵は何を恐れ、何から逃げているのか。それは彼が描いた「おばけ」の絵に象徴されているのだが、物語の始めと最後にちらと顔を出すだけで、視覚的ライトモティーフにはなりえていない。映画はほぼ原作に忠実だが、そこに斬新な解釈があるわけでもなく、ただ表層をなぞっているに見える。葉蔵の心を支配する虚無感も、日中戦争から太平洋戦争に突入する時期の日本の空気もあまり感じられず、無感動に生きている葉蔵の命の軽さが引き気味に語られるのみで、結局、堕落の蜜を楽しむまでには至らなかった。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ルドandクルシ</title>
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		<pubDate>Thu, 25 Feb 2010 00:57:46 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ルドandクルシ]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆運命は仲のよい兄弟のどちらか一人を選ぶためにPKを課すが、兄弟はそれに抗うかのような結果を出す。青年期を過ぎた2人に突然舞い降りたチャンス、彼らの「夢を追うのに遅すぎることはない」という前向きな姿がうらやましい。（40点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　右を狙うか左を抜くか？　PKというキッカーとゴールキーパーの1対1の対決は二者択一のよう。運命は仲のよい兄弟のどちらか1人を選ぶために彼らにPK を課すが、兄弟はそれに抗うかのような結果を出す。貧しいながらも大家族に恵まれ、もはや青年期は過ぎた2人に突然舞い降りたチャンス。彼らの「夢を追うのに遅すぎることはない」という前向きな姿がうらやましい。熱くも湿っぽくもないが常に幸福をみなで分かちあう血縁の絆を大切にするメキシコ人気質に、充足はカネでは買えないことを教えられる。</p>
<p>　バナナ農園で働くベトとタトは草サッカーチームのキーパーとエースストライカー。ある日バトゥータと名乗るスカウトの目にとまった2人はPK戦を課され、タトだけがプロテスト受験を許され合格する。しばらくしてキーパーに欠員が出たチームにベトも入団する。</p>
<p>　ラテン系特有の楽天的な思想がこの物語の通奏低音を奏で、ベトもタトも大した練習もしないでプロになり、あっという間にスター選手に登り詰める。そしてベトは博打、タトは女で身を滅ぼすという手垢のついたパターンが2人を待ち受ける。一方で、2人とも自分の思い通りにならないと立腹したり悩んだりするが、その過程に人生に対する深い考察はなく、ただ目の前の出来ごとに振り回されているにすぎない。バトゥータの「神の視点」で彼らの行為を見守ろうとするが、そこでも人間の愚かさから滲みだすおかしみは感じられなかった。</p>
<p>　やがて借金で首が回らなくなったベトは八百長を引き受け、相手チームのタトが蹴るPKをわざと得点させる打ち合わせをする。しかし、試合中に敵のキッカーにGKが長々と話しかけるなどあり得ず、これでは八百長をしていると観客の前で宣言しているのと同じではないか。その後故郷のビーチで2人が昔のような軽口をたたきあう兄弟に戻る。結局、身の丈にあった暮らしが一番ハッピーであると訴えたいのはわかるが、作り手は登場人物のディテールにもっと気を配るべきではないだろうか。。。</p>]]></content:encoded>
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		<title>サヨナライツカ</title>
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		<pubDate>Thu, 25 Feb 2010 00:57:35 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[サヨナライツカ]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆執拗に熱い視線を絡ませる男と女。男はその女にファム・ファタールの予感を覚え、官能に溺れていく。細かいカット割りと大胆なカメラワークで、理性を失うほどの狂おしい苦悩にさいなまれていく様子が繊細かつ饒舌に描かれる。（70点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　執拗に熱い視線を絡ませる男と女。男はその女にファム・ファタールの予感を覚え、官能に溺れていく。結婚を間近に控えたエリートサラリーマンが南国の喧騒で出会った女と密会する過程で、映画は恋愛の本質に迫っていく。愛した記憶と愛された記憶、貪るようにお互いの肉体を求める姿は人生のはかなさを象徴しているようだ。細かいカット割りと大胆なカメラワークで、分別を持った大人が、理性を失うほどの狂おしい苦悩にさいなまれていく様子が繊細かつ饒舌に描かれる。</p>
<p>　バンコク勤務の辞令をうけた豊は現地で沓子を紹介される。後日、豊のアパートを訪ねてきた沓子はいきなり豊を誘惑する。沓子は高級ホテルでぜいたくな暮らしをする謎の女、豊は沓子のスイートに入り浸るようになる。</p>
<p>　婚約者を日本に残し単身赴任の豊は、着任早々大きな案件をまとめるなど有能であるだけでなく、周囲から「好青年」と呼ばれているあたり普段は人当たりも良いのだろう。しかし、ここで描写される豊はほとんど表情を変えない、いわば本音の部分の豊。成功の階段を着実に昇る一方で、そんな己を冷めた目で見ているもうひとりの豊だ。沓子の出現と存在は、このまま順風満帆のキャリアを積むことへの不安が生んだ彼の願望だ。心の声に忠実な姿こそ真実の自分、豊はそう思いこむことで、厳しいビジネスの世界から息抜きをしていたに違いない。</p>
<p>　沓子と豊の睦みあいでは脚の筋肉の緊張で絶頂を、婚約者が沓子の部屋に押し掛ける場面では一瞬4本の足の画をかませてふたりの女の葛藤を再現する。さらに空港での別れのシーンでは、豊を中心に、沓子といるときは右回り、その後の婚約者が現れると左回りにカメラを動かし、夢から覚めて現実に戻るような効果をもたらす。美しい映像とともに非常に表現術に凝った作品だった。その後、社長にまで上り詰めた豊は沓子が本当に愛した唯一の女と気づき、仕事を投げだして彼女が住むバンコクに足を運び、結婚式まで挙げるが、ほどなく沓子は消える。求めるべきときに求めなかったという後悔、やはり沓子は豊にとって永遠に手に入らない幻影だったのだ。</p>]]></content:encoded>
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		<title>ボーイズ・オン・ザ・ラン</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11499.html</link>
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		<pubDate>Thu, 25 Feb 2010 00:57:07 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ボーイズ・オン・ザ・ラン]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆ぶざまにもがき続ける主人公が懸命に走るラストは奇妙なさわやかさを覚えた（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　うだつの上がらない青年の“本気”が泣けてくる青春ドラマだ。弱小玩具メーカーに勤める田西は29歳。同僚の女性ちはるに恋しているが、まともに声さえかけることができず思い悩む日々だった。そんなときライバル会社で大手玩具会社のやり手の営業マン・青山が手助けしてくれる。いい雰囲気になったのもつかの間、ちはるの誤解を招く大失敗をやらかした田西はフラれてしまう。そんなある日、青山がちはるを横取りした上、もてあそんで捨てたことを知る…。</p>
<p>　三十路目前だというのに、仕事も恋愛も全力投球できない主人公は、正直言って、ダサくてウザい。だが、初めて本気で恋した女性の心が自分にないと知ってもなお、恋にあがき突っ走る姿を見ていると、いつしか応援したくなるから不思議だ。「タクシードライバー」のデ・ニーロには遠く及ばないが、田西なりの本気は本物。イタい田西、性悪の青山、不誠実なちはる。3人ともかっこよさとはほど遠いのだが、そんなヤツらの姿は妙にリアルだ。格好をつける術さえ知らない田西が、悪役の青山を倒すため、ボクシングの基礎を習い精進する様子に、これはもしや…と期待するが、物語はそう簡単にヒーローを誕生させない。考えてみれば、ろくにケンカもしたことがないヤワな男がいきなり強くなって正義をまっとうするなんて“映画じゃあるまいし”現実ではそう簡単には起こりはしない。だがこの物語の上手いところは、そんな変わらない現実をシビアに描きながら、田西がひとつ突き抜けて「彼は変わった！」と観客に思わせる演出にある。ぶざまにもがき続ける主人公が懸命に走るラストは奇妙なさわやかさを覚えた。かなりキワどい描写やセリフが満載なのでデート・ムービーにはちょっと不向き。でも同性同士で見終わって本音トークをすれば盛り上がりそうな映画だ。主人公を怪演するのは銀杏BOYZの峯田和伸。最高に適役だった。</p>]]></content:encoded>
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		<title>パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/raku/11496.html</link>
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		<pubDate>Wed, 24 Feb 2010 00:53:05 +0000</pubDate>
		<dc:creator>町田敦夫氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[楽映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆ギリシア神話の神々やクリーチャーが現代の米国によみがえる（70点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　『ホーム・アローン』や『ハリー・ポッター』シリーズのクリス・コロンバス監督が、ギリシア神話を題材にした同名の児童文学を映像化。17歳のパーシー・ジャクソンは、メトロポリタン美術館で古代ギリシアの展示を見学中、突如、翼の生えた怪物に襲われる。思わぬ人物の助けで危機を脱したパーシーは、自分が海神ポセイドンと人間とのハーフであること、全能の神の最強の武器＜ゼウスの稲妻＞を盗んだ疑いをかけられていることなどを聞かされて……。</p>
<p>　ゼウスやアテナといったギリシア神話の神々が、現代ニューヨークの、それも「エンパイアステートビルの上」で暮らしているという設定は、リアリズムを問われないお子様向けの物語ならでは。そのくせ神々がしばしば「下界」で人間の女を孕ませるというのだから（半人半神のハーフが何十人も暮らす訓練所がある）、うっかりお子様に観せると、答えに窮するような質問をされるかもしれない。だが、ストイックな一神教の神様とは違い、ギリシア神話の神々は、もともとスケベで欠点だらけのしごく人間的な存在だ。本作はそんな神話の記述を下敷きに、ゼウス、ポセイドン、ハデスといった有名どころの神々や、メドゥーサ、ケンタウロス、ミノタウロスといったクリーチャーに、適材適所のキャラクターを割り振っている。</p>
<p>　主演のローガン・ラーマンは、昨年公開の『3時10分、決断のとき』で強い印象を残した18歳。彼を得たことで、原作では12歳だった主人公の年齢が17歳に変更された。母親を冥界にさらわれたパーシーは、半人半獣の親友グローバー、アテナの娘のアナベスとともに全米を旅し、人間を石に変えるメドゥーサや、5つの頭を持つ怪物ヒュドラの魔の手を逃れていく。ついに探し当てた冥界（地獄）の入り口が、有名な「HOLLYWOOD」という立て看板のすぐ横にあるのは、映画業界人ならではの内輪受けギャグか。</p>
<p>　ピアース・ブロスナンが半人半馬のケンタウロス、ユマ・サーマンが頭髪の代わりにヘビを生やしたメドゥーサを演じているのも見どころ。ほとんど不自然さを感じさせないVFXには恐れ入る。フルCGの怪物たちはいささか作り物っぽいが、それでも迫力はかなりのもの。パーシーが縦横無尽に操る水も、CGで表現するにはかなりの技術を要したはずだ。クライマックスのシーンでは、空飛ぶ靴を履いたパーシーが、＜稲妻＞を盗んだ意外な犯人と、エンパイアステートビルの外で空中戦をかわす。これがハリポタ・シリーズでおなじみのクィディッチをも上回る興奮度で、クリス・コロンバスの面目躍如たるところだ。</p>
<p>　単なるアクション物にとどまらず、学校になじめない子どもや、親と離れて暮らす子どもに温かな目を向けているのも、コロンバスらしいところ。緩急を利かせた演出は、さすがに手堅い。</p>
<p>　余談だが、怪物に襲われている最中、味方のケンタウロスに護身用の剣（見かけはペン）を渡されたパーシーが、「これ、ペンじゃないか」とつぶやくシーンには期せずして笑ってしまった。「This is a pen.」はかつて多くの日本人が真っ先に習った英語だが、実際にアメリカ人が「This is a pen.」と口にしたのは初めて見ました。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>プリンセスと魔法のキス</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/raku/11495.html</link>
		<comments>http://www.cinemaonline.jp/review/raku/11495.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 24 Feb 2010 00:52:58 +0000</pubDate>
		<dc:creator>町田敦夫氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[楽映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[プリンセスと魔法のキス]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆ディズニーが手描きアニメに回帰（70点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　ディズニー映画の衣鉢を継いだ物語なら、プリンセスが醜いカエルにキスしたところで、カエルが王子様の姿に戻るのが常道。その種のおとぎ話を臆面もなく是とするディズニー・スピリットは、ドリームワークスに『シュレック』という傑作パロディを作らせるほど、あまねく広く流布している。『プリンセスと魔法のキス』は、ディズニーがそれを逆手に取った新作。呪いが解けるどころか、プリンセス（と勘違いされた娘）までがカエルになってしまったところから始まるファンタジーだ。</p>
<p>　舞台は1920年代のニューオーリンズ。外遊にやって来た怠け者のナヴィーン王子は、ヴードゥーの魔術師の策略でカエルにされる。王子を助けるつもりでキスをした働き者のティアナも、やはりカエルに変貌。そこで2人はワニのルイスや、ホタルのレイの手を借りて、女魔術師ママ・オーディオの家を目指すが……。</p>
<p>　……というのが型通りの紹介になるだろうが、実はストーリーは本作の主要な要素ではない。なぜなら、これはミュージカルだから。名手ランディ・ニューマンの書いたジャズ、ブルース、ゴスペルなどが、登場人物たちのキャラをくっきりと際立たせ、喜怒哀楽を華やかに盛り上げる。声優にもいたずらに知名度を求めず、きっちりと歌える役者たちが起用されている。</p>
<p>　注目されるのは、2003年に手描きアニメから撤退していたディズニーが、本作で伝統の技法に回帰したこと。古き南部の情緒豊かな街並みや、野生動物の潜む暗い沼沢地を描くには、やはりCGアニメよりレトロな手描きの方が合っている。人物や動物の極端で滑稽なデフォルメ表現も手描きならでは。かっちり計算しなければ描けないCGでは、これほど縦横無尽にはできない。前半のミュージカルシーンではデフォルメの度合いをさらに上げ、商業デザインのような独特の絵柄を作っている。</p>
<p>　ティアナがディズニーアニメ史上初の黒人のヒロインであるという点も新機軸。おまけに白人の友人シャーロットをおバカな引き立て役として登場させているのだから念が入っている。そうは言っても、そこはディズニー映画。性格の違いから反発し合っていたティアナとナヴィーンが、次第に引かれ合うようになるのはお約束だ。終盤にはちょっぴり泣かせるエピソードも盛りこみつつ、夢を信じることの価値を称えるディズニー的な大団円にまっしぐら。ハリケーンの爪跡がいまだ残るニューオーリンズに、また1つ温かなエールを送る作品だ。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>ルドandクルシ</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kan/11494.html</link>
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		<pubDate>Wed, 24 Feb 2010 00:43:43 +0000</pubDate>
		<dc:creator>山口拓朗氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[感映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ルドandクルシ]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆ユーモアあふれるドラマをテンポよく展開する一方で、その背景に、急速に広がる所得格差や加熱するサッカー人気など、メキシコならではのお国柄や社会状勢を盛り込んでいる（70点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　アルフォンソ・キュアロン監督作品「天国の口、終りの楽園。」（2001年）といえば、熱気と寂寥（せきりょう）が錯綜する青春ロードムービーの傑作。本作「ルドandクルシ」は、「天国の～」で脚本を担当したカルロス・キュアロン（アルフォンソ・キュアロンの弟）が初めてメガホンを取った、喜怒哀楽を濃縮パックしたヒューマンドラマ。主演には「天国の～」のガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナを再び起用した。</p>
<p>　ちなみに本作は、アルフォンソ・キュアロン（「天国の口、終りの楽園。」「トゥモロー・ワールド」）、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ（「21g」「バベル」）、ギレルモ・デル・トロ（「ヘルボーイ」「パンズ・ラビリンス」）という、メキシコ映画界をけん引する3人が設立した製作会社「チャ・チャ・チャ」の第1弾作品でもある。</p>
<p>　バナナ園で働いていた異父兄弟の兄ベト（ディエゴ・ルナ）と弟タト（ガエル・ガルシア・ベルナル）は、ある日、たまたま草サッカーを観戦していたサッカーエージェント、バトゥータ（ギレルモ・フランチェラ）にその能力を高く評価される。しかし、バトゥータがスカウトできるのはどちらかひとりだという。ふたりはPKで決着を付けようとするが、兄ベトの「右に蹴れよ」の耳打ちの意味を弟タトは取り違えて……。</p>
<p>　凹凸兄弟のサクセスストーリーとその後の凋落ぶりを描いた「“天国”経由“地獄”行き映画」だ。思ったことは何でも口にする兄ベトと弟タトは、口を開けばケンカばかりしている。サッカー選手としてのタイプは正反対で、ベトが＜ルド（タフな乱暴者）＞と呼ばれるゴールキーパーで、タトが＜クルシ（ダサい自惚れ屋）＞と呼ばれる点取り屋。スター選手に登りつめたあとでさえ、ふたりは「どっちが母親の豪邸を建てるか」で言い争うほど“火と油”の関係だ。しかし一方で「母親思い」「計画性ゼロ」「やることがアホ」……等々の共通点も多く、なんだかんだで慕い合ってもいる。</p>
<p>　サッカー選手としての描写が控えめなのは、兄弟の「日常としての人生」と、そこに垣間見られる「兄弟の絆」を描きたかったからだろう。事実、スター選手のタトは交際していた国民的美女と○○し……、また、ゴールキーパーとして無失点記録を続けるベトはギャンブルで○○し……と、映画は、さもそれを楽しむかのように、ふたりの人生の凋落を至近距離から描く。稚拙なことばかりを次々とやらかすふたりだが、当の本人たちは大まじめ（というかKY）。そこがこの兄弟の憎めないところ。その飾らない人柄にかえって魅了される観客も少なくないだろう。</p>
<p>　どん底のふたりが起死回生を狙って挑んだとあるギャンブルでは、裏で糸を引く黒い影の存在も手伝って、手に汗握る駆け引きがくり広げられる。そして、何の因縁か再び訪れたPK勝負。勝利の女神がどちらにほほ笑むかは、ぜひとも劇場でご確認いただきたい。勝敗が決した直後にルドとクルシが交わすアイコンタクトのおかしさといったらない。やはりこのコンビは鉄板だ。</p>
<p>　ユーモアあふれるドラマをテンポよく展開する一方で、その背景に、急速に広がる所得格差や加熱するサッカー人気など、メキシコならではのお国柄や社会状勢を盛り込んでいる点も、製作クレジットに自国の敏腕監督が名を連ねる本作「ルドandクルシ」の”らしさ”といえよう。いずれにせよ、自由奔放に生きすぎのキライがあるベト＆タトの兄弟からこぼれ落ちてくる、えも言われぬ“おかしさ”。そこを楽しめるか楽しめないかで、この映画に対する評価は決まるだろう。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>ルドandクルシ</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11493.html</link>
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		<pubDate>Wed, 24 Feb 2010 00:43:21 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ルドandクルシ]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆何だかふざけたような陽気な名前だがこの屈託のなさがメキシコという国、ひいてはこの製作会社の第一弾である本作の魅力だ（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　いいかげんだが憎めないダメ兄弟の夢と現実を描く物語は、ラテン系らしい大らかさがある。メキシコの片田舎のバナナ園で働くベトとタトの兄弟は、草サッカーに熱中しながら、貧しくも楽しい日々を過ごしていた。偶然スカウトの目に留まり、2人は相次いで大都会メキシコシティでプロ・サッカー選手になる。兄のベトはルド（タフな乱暴者）、弟のタトはクルシ（ダサい自惚れ屋）と呼ばれ活躍するようになるが、兄はギャンブルに、弟は女の誘惑に惑わされて…。</p>
<p>　アルフォンソ・キュアロン、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ギレルモ・デル・トロの3人は、国際的に活躍する実力派映画監督たち。彼らが母国メキシコで立ち上げた製作会社の社名は“チャ・チャ・チャ”。何だかふざけたような陽気な名前だがこの屈託のなさがメキシコという国、ひいてはこの製作会社の第一弾である本作の魅力だ。ラテン系特有のテンションの高さゆえに仲がいいのか悪いのかビミョーなルドとクルシ。彼らは、サッカー選手としてスカウトされてからは栄光と挫折という、文字通り人生のアップダウンを味わうことに。挙句の果てに八百長がらみの兄弟対決というのっぴきならない事態に陥ってしまう。ここで特徴的なのは、メキシコ国民の常軌を逸したサッカー熱だ。メキシコのプロ・サッカーリーグは、世界的には弱小だが、サッカー愛は、ブラジルやイタリアに引けを取らない狂乱の世界。それは時に、賭けや八百長といういかがわしい側面もあったりする。いがみあっているようで本当は根っこの部分で絆を保っている兄弟の運命は、サッカーの試合で最も緊張する瞬間・PKを迎えるが、その結果は映画を見て確かめてほしい。ラストはほろ苦いものだが、それでも人生生きてりゃ何とかなるさ！的な陽気さが伝わってくるのがいい。兄弟を演じる、ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナという国際派スターの共演が、この小品にスペシャル感を加味している。</p>]]></content:encoded>
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		<title>台北に舞う雪</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11395.html</link>
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		<pubDate>Tue, 23 Feb 2010 01:51:56 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[台北に舞う雪]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆失踪した女と小さな町で暮らす男、波長の違う世界の男女が出会い、お互い己にないものを相手に発見し、惹かれあう。その気持ちは好意なのか恋なのか、まだ人生の機微がわからない若者が人の心の繊細さと複雑さに気付いていく。（50点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　プレッシャーに耐えきれなくなり突然すべてを投げ出した女は、都会での生活に未練もあり、自分を探し出してくれることを願っている。小さな町で暮らす男は、人々に愛され、そこが自分の居場所と決めて生きている。そんな波長の違う世界の男女が出会い、お互い己にないものを相手に発見し、惹かれあう。その気持ちが単なる好意なのかそれとも恋なのか、はっきりと確かめることなくふたりは距離を縮めていく。台湾の豊かな人情を背景に、まだ人生の機微がわからない若者が人の心の繊細さと複雑さに気付く過程で、自分を捨てた母親の心情に思いをはせていく。</p>
<p>　歌手のメイは声が出なくなりマネージャーのもとから失踪する。電車を降りたのは山間の小さな駅、そこでモウというなんでも屋の青年と知り合い、徐々に声を取り戻していく。そんな時、新聞記者がメイの消息を追って町にやってくる。</p>
<p>　メイはプロデューサーのレイに依存していて、彼の期待にこたえられない自分が情けなくて姿を隠したのだ。モウに世話になっときも身分を偽らないし、町の食堂で働きだしたときも、客に歌手だと紹介されて嫌な顔をしない。あえて足跡を記すことでレイに手掛かりを残す。メイにとって今回の「失踪」は完全に歌手をやめたいのではなく、自信を取り戻すまでの一時的な休養なのだ。このあたり、いまだ自分の進むべき道に迷っているメイの揺れ動く微妙な胸の内が、取り留めのない彼女の言動から垣間見える演出が素晴らしい。</p>
<p>　メイの本心に鈍感なモウは、彼女のために濃やかな気遣いを見せ、なんとか彼女を立ち直らせようとする。当然その先には彼女を恋人にしようという目算があったが、声が戻ったメイをレイが迎えにきたことであっさり当てが外れる。女が男の前から消えるのは、男に見つけてほしいから。どれだけ必死で探してくれるかで愛の深さを測っている。その女心を知ったモウは幼い時に自分を捨て失踪した母を探しに出る。だが、男女の愛と母子の愛は根本的に質が違うはずで、母はモウが捜しに来ることなど予想していないと思うのだが。願いをかけられた気球が天に昇っていくのは、いまだモウの思いが届いていないということなのだろう。。。</p>]]></content:encoded>
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		<title>コトバのない冬</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11393.html</link>
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		<pubDate>Tue, 23 Feb 2010 01:50:39 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[コトバのない冬]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆俳優たちは素のままの話し方で演じ、まるでフランスの自主映画のごとく極めて個人的な人生の一瞬を切り取った日常のスケッチは、感情を強調しないがゆえのリアリティに満ち、レンズの細かな揺れでヒロインの心の動きを描く。（50点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　クローズアップを多用した寡黙な映像と、取り留めのないおしゃべりが延々と続く饒舌な食卓。冬の北海道、雪に埋もれながらそこに生きる人々の息遣いをハンディカメラに収める。俳優たちは演技をしていないような素のままの話し方で演じ、まるでフランスの自主映画のごとく極めて個人的な人生の一瞬を切り取った日常のスケッチは、感情を強調しないがゆえのリアリティに満ち、レンズの細かな揺れでヒロインの心の動きを描く。変化の少ない生活、着信のないケータイ、新たな出会い、そして事件。限られたセリフと視線だけで人間の繊細な心情を表現し、愛の切なさを浮かび上がらせる。</p>
<p>　厩舎で馬の世話をする冬沙子は薬局を営む父から頼まれて薬の配達に行くが、帰りのバスに乗り遅れ、口がきけない渉に声をかける。何度か会ううちにお互い惹かれあい、2人はキスを交わす。そんな時、冬沙子は落馬して頭を打ち、短期間の記憶を失ってしまう。</p>
<p>　説明はほとんどなく、状況をいきなり差し出すことでイマジネーションを刺激する。妹の早知はどうやら東京での夢に破れたようだし、冬沙子は恋人との仲が疎遠になっているよう。父は妻に先立たれ、娘にいつまでも家にいてもらいたい半面、早く結婚させたがっている。父と娘、家族という気心が知れた関係だからこその思いやりと遠慮という微妙な距離感が、淡々とした会話の中から姿を垣間見せる。</p>
<p>　入院中に恋人が見舞いに来たのがきっかけで冬沙子は結婚話が進んだ様子。一方、記憶喪失になったせいで渉をすっかり忘れている。しかし、ここでも劇的なことが起きるわけでもなく、急に顔を出さなくなった冬沙子に対する心配と怒りともどかしさという複雑な想いを渉は持て余す。言葉が出ないにもかかわらず、たまらずに電話をかけてしまう渉の気持ちが、寒々とした風景のように凍っていくラストが印象的だった。</p>]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>パレード</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/ken/11394.html</link>
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		<pubDate>Tue, 23 Feb 2010 01:49:48 +0000</pubDate>
		<dc:creator>福本次郎氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[見映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[パレード]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆マンションの一室で共同生活しているのに、お互いの事情をほとんど知らない若者たち。それはお互いに他人の内面に踏み込もうとしないから。「真実という言葉に真実味を感じない」というセリフに彼らの関係が凝縮されていた。（50点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　マンションの一室で共同生活しているのに、お互いの事情はあまりよく知らない。それは心の中にだれかが踏み込んでくるのが嫌で、自分も他人の内面に関わろうととしないから。表面上は仲がよく心配をしているが、あえて濃い人間関係を築かないことで均衡がとれている危ういバランスでしかなく、そのルールを全員が了解している。映画はそんな若者たちの平和な暮らしに現れたひとりの闖入者とともに、人間の本性とは何かを考察する。「真実という言葉に真実味を感じない」、登場人物が口にするセリフがいちばん真実味を帯びていた。</p>
<p class="score">◆美しい自然描写が持ち味のジェンチイ作品らしく、霧雨にけむる街並みや緑の陰影、幻想的な天灯祭りなど、思わずハッとするような映像美にあふれている（60点）</p>
<p>　連続女性殴打事件が世間をにぎわせているころ、直樹、良介、未来、琴美の男女4人が暮らす2LDKのマンションにサトルという少年が転がり込んでくる。やがて良介には彼女ができ、琴美は妊娠、未来は大切にしていたビデオを上書きされるなどの変化が起き、みな年長の直樹を頼り彼に相談する。</p>
<p>　4人は心地よい毎日を何とか維持するために本音を隠している。サトルは彼らに偽善の匂いを嗅ぎ取る。家出し新宿2丁目でホモ相手に売春するサトルはある種の世俗的欲望の裏の裏まで見てきたのだろう。彼にとっては4人の姿はなれ合い以外の何者でもない。サトルのちょっとした言動が毒となり、4人の日常を少しずつ汚染していく様子がシャープな映像に再現される。</p>
<p>　唐突に直樹の恐るべき秘密が明らかになるが、残りの4人は彼の正体に感づいていながらも無理に話題にしないように気を使っている。「深い興味がない振りをしながらも実は筒抜けなんだ、だからこのぬるま湯みたいな平和を壊すなよ」といった意思のこもった冷たい眼で、直樹に見下した視線を浴びせるシーンは恐ろしい。だが、この結末にたどり着くまでのエピソードの蓄積が弱く、意味ありげで思わせぶりなプロットの連続は、監督の謎かけにつきあわされているようで、結局何が言いたかったのと問い詰めたくなる。本心を偽りうわべを繕うのは、ルームシェアを良好な状態に保つための都会的若者の知恵なのは理解できたが。。。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>台北に舞う雪</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kou/11488.html</link>
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		<pubDate>Tue, 23 Feb 2010 01:48:24 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[台北に舞う雪]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆美しい自然描写が持ち味のジェンチイ作品らしく、霧雨にけむる街並みや緑の陰影、幻想的な天灯祭りなど、思わずハッとするような映像美にあふれている（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　台北北部の小さな町が舞台の淡い恋物語は、美しい映像に癒される小品。ローカル線の終着駅である菁桐（チントン）に降り立った大陸育ちの新人歌手のメイ。彼女は突然声が出なくなり、誰にも告げずに台北を飛び出してこの田舎町にやってくる。一方、孤児として育った青年モウは、町の人々の役に立ちたいと、何でも屋として働いている。まったく違う世界に住む二人が偶然出会い、互いに惹かれていくが…。</p>
<p>　韓流エンタメのナビゲーターとして知られる田代親世の脚本を映画化したのは、「山の郵便配達」の監督の名匠フォ・ジェンチイ。本作では、日本、中国だけでなく香港、台湾などアジアの才能がクロスオーバーしている。美しい自然描写が持ち味のジェンチイ作品らしく、霧雨にけむる街並みや緑の陰影、幻想的な天灯祭りなど、思わずハッとするような映像美にあふれている。声を失くしたメイは、あたたかい人々に囲まれて徐々に元気を取り戻すが、彼女はいずれ町を出て行く人間だ。そのことは町の人だけでなく、メイ自身も知っている。優しい青年モウに惹かれても気持ちを上手く言葉に出来ないのは、彼や町の人々と決して同化できない自分を知っているからだ。それは大陸出身で台湾で活動する自分をいつも異邦人と感じる感覚に少し似ているのかもしれない。いなくなるのは誰かに探してほしいためというセリフに孤独がにじんで何とも切ない。メイという異分子の登場で、静かな町の住民たちは少しだけ前に向かって歩き出すことに。モウは今まであきらめていた、自分を捨てた母親探しを決心する。モウと母親との再会はまるで蜃気楼のように描かれ、それが現実なのか、また再会が幸福なのかどうかは観客に委ねられる。亜熱帯性気候の台北に雪が降ることはない。だがその“雪”は奇跡のように舞い降りる。ひと時の出会いと別れは大切なものに気付かせてくれた贈り物のよう。少し疲れて硬くなってしまった心を癒してくれる、そんな映画だ。</p>]]></content:encoded>
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		<title>コララインとボタンの魔女 3D</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/geki/11486.html</link>
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		<pubDate>Mon, 22 Feb 2010 01:58:07 +0000</pubDate>
		<dc:creator>前田有一氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[激映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[コララインとボタンの魔女 3D]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆意外にも3Dがすごい（60点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　立体映画元年などともてはやされるデジタル3Dだが、『コララインとボタンの魔女 3D』はそれに昔ながらのストップモーション・アニメーションを組み合わせた一品。ストップモーション・アニメとは、被写体を1コマずつ撮影することで、粘土人形やぬいぐるみなどを、あたかも動いているように見せかける特撮技法のこと。CGで何でも動かせる現代においても、撮影者の技術や個性によって独特の「味」が出るこの手法の愛好者は多く、こうしてときおり新作が登場する。</p>
<p>　新しく越してきた家の中で、忙しい両親から取り残され退屈を感じる少女コラライン（声：ダコタ・ファニング）は、あるとき家の中に隠された扉を発見する。その扉の反対側にはそっくり同じ家と両親が存在し、本物以上にコララインにとってもやさしくかまってくれる。ただ気になるのは、彼らの目がなぜかボタンになっていること。それでもすっかりこの世界に居心地のよさを感じてしまうコララインだったが……。</p>
<p>　願いをかなえる代わりに悪魔に魂を──式の物語はキリスト教圏で散見されるものだが、コララインの場合は「眼」を要求される。とはいえ、ボタン縫い付けを強制されてるわけでもないし、とりあえず楽しく過ごしますか～などと思っていると、だんだん恐ろしいこの世界の正体が見えてきて……という展開。原作者ニール・ゲイマンがヒューゴー賞（SF界の最高賞）を受賞したベストセラーの映画化である。</p>
<p>　「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」が高く評価されたヘンリー・セリック監督による映像化だが、それとは比べ物にならぬゴージャスさ。コララインの人形だけで28体、20万種類以上の表情バージョンが用意され、撮影には4年をかけた。50億円以上の大予算を組んでいるからこそ出来る力技であり、ストップモーションアニメといえども、安っぽさはまったく無い。そのくせ、背景の桜の花をよく見ると、なんとポップコーンだったりする。手作り的な味わいも大切にしているのがよくわかる。</p>
<p>　そして問題の3Dだが、これがじつにその特性を生かしてある。絢爛すぎてどこをみりゃいいのかさっぱりわからない「アバター」よりも、使い方に関しては上手いのではないか。アニメーション作家らしく、観客の視線誘導が明確で、作り手が用意した料理を残さず食べたとき同様の満足感を味わえる。夜主体のドラマということで、暗めの色調もこの技術と相性がいい。いまの3D技術を存分に味わいたいのならば、私はこの作品をイチオシとしたい。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>パレード</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/geki/11485.html</link>
		<comments>http://www.cinemaonline.jp/review/geki/11485.html#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 22 Feb 2010 01:57:54 +0000</pubDate>
		<dc:creator>前田有一氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[激映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[パレード]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆ルームシェアする若者たちの、どこか異質な関係（55点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　日本の都市部の家賃は世界的にみても高額だが、欧米のようにルームシェアが普及することはあまり無い。間取りや国民気質の問題もあるが、不動産関連の慣例や契約が案外ガチガチで、居住者ががんじがらめにされているのも理由のひとつだろう。</p>
<p>　映画会社に勤める伊原（藤原竜也）は、売れないイラストレーターの未来（香里奈）、大学生の良介（小出恵介）、人気俳優のカノジョで無職の琴美（貫地谷しほり）ら3人を自らのマンションに住まわせ、共同生活を送っていた。どこか上っ面だけのつきあいながら、バランスの取れた関係を保っていた彼らの前に、あるとき男娼を自称するサトル（林遣都）が現れる。</p>
<p>　ミステリ要素のあるドラマで、テレビで流れる近所の連続暴行事件のニュースが、なにやら不穏な空気を演出する。出てくる連中は、本人理解のためにもっとも重要な「本音・本性」を、心の闇の中に隠している様子。一緒に暮らしていながらすべてをさらけ出すわけではない、見ている側はどうにも居心地の悪いコミュニティを、狭いマンション内で形成している。</p>
<p>　こうした設定は、もっと映像に凄みを出せる監督が作れば魅力があるのだが、この映画には足りない。</p>
<p>　噂のラストも、本来なら気味悪さ＋説得力あり＋しかも共感、といったあたりを狙えばもっといい味を出せたのだが、不発である。これは登場人物がこぞって変なやつらばかりで、その奇抜さを解消せず突っ走ったのが原因と思われる。</p>
<p>　彼らの生業というか昼間の生活。すなわち社会との血肉を持った関わりをほとんど描かぬものだから、観客はキャラクターに対して気を許せない。その結果、「おかしな連中だからどうせなんでもアリだろ」との意識を捨てきれない。だからあの結末にも驚かないし、犯人も最初の30分でバレてしまうのである。警戒している人間をだます難しさを、ミステリを作る脚本家、監督たちはもっと認識してもらいたい。</p>
<p>　ロケ地も明大前、浅草、新宿等々、動線として不自然さを感じるもので、これがまた不安感を消せない要因となっている。それを狙ったといえばそれまでだが。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>ルドandクルシ</title>
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		<pubDate>Mon, 22 Feb 2010 01:57:26 +0000</pubDate>
		<dc:creator>前田有一氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[激映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[ルドandクルシ]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆メキシコを舞台に（55点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　ワールドカップ南ア大会も近いし、ここらでサッカー映画でも。──というわけで（もないだろうが）登場したのが『ルドandクルシ』。ノー天気な明るさに満ちたこのハートフルコメディは、しかしメキシコ映画界の誇る才能たちが本気で作った入魂の一本。</p>
<p>　バナナ園で働く兄弟ベト（ディエゴ・ルナ）とタト（ガエル・ガルシア・ベルナル）は、たまたま出会ったスカウトマンの目にとまり、プロサッカー選手としてデビューする。あれよあれよと人気も急上昇、暮らしもどんどん豊かになっていくが……。</p>
<p>　この映画、新鋭カルロス・キュアロン監督を周りで支えるメンバーがすごい。実兄のアルフォンソ・キュアロン（「トゥモロー・ワールド」監督）、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ（「バベル」監督）、ギレルモ・デル・トロ（「パンズ・ラビリンス」監督）など早々たるメンバーが製作として名を連ねている。</p>
<p>　主演の二人も、メキシコ映画というより、もはや世界的といっていいスターだ。それが本作では、股間をいじりながらテレビを見るといった、親密感あふれる演技をみせるのだからたまらない。ファンも大喜び、サービスのいい映画である。</p>
<p>　とんとん拍子で進む前半から一転、後半は人生の酸味を味わうことになる兄弟だが、それでもさほどの悲壮感がないあたりが特徴的。そのうちなんとかなるだろうという、まさに植木等的価値観の体現である。いまの暗い顔をした不況日本人の皆さんに、もっとも足りないものでもある。</p>
<p>　陽気でのんきで気が休まる。才能と情熱の方向が不幸にして違っていた兄弟の、それでも大好きなもので身を滅ぼす人生。ほろ苦いが、しかし時間は続き、過ぎてゆく。これをみれば、自身の人生をもう少し愛でてあげようという気になる……かもしれない。</p>]]></content:encoded>
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	</item>
		<item>
		<title>恋するベーカリー</title>
		<link>http://www.cinemaonline.jp/review/kan/11483.html</link>
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		<pubDate>Mon, 22 Feb 2010 01:54:55 +0000</pubDate>
		<dc:creator>山口拓朗氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[感映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[恋するベーカリー]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆年齢を感じさせないほど生き生きと元気な作品に仕上がった壮年ラブコメディ（65点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　人気ベーカリーを経営するジェーン（メリル・ストリープ）は、10年前に弁護士のジェイク（アレック・ボールドウィン）と離婚。女手一つで子供3人を育て上げた。ある春、ニューヨークのホテルのバーでジェーンが飲んでいると、そこに偶然ジェイクが現れ、ふたりは久しぶりにディナーを楽しむ。酔うがままに盛り上がったふたりは、こともあろうか一緒の部屋へ……。</p>
<p>　10年ぶりに恋を再燃させたジェーンとジェイク。ジェイクは今では別の家庭を持つ身につき、ふたりの関係は立派な不倫だ。とはいえ「だったら最初から離婚するなよ！」というツッコミは無粋だ。その一見理解し難いふたりの気持ち――本人たちでさえ予期せぬ心の揺れ――こそが、この映画の一番の見どころなのだから。</p>
<p>　「今」のふたりと「10年前」のふたりは同じではない。両者のあいだには10年分の「人間的成長」があるからだ。四六時中一緒にいれば気づきにくい「成長」も、他人の関係が10年も続けば一目瞭然。しかも、ジェーンは慢性的に寂しさを抱え、ジェイクは今の家庭に居心地の悪さを感じていた。そんなふたりがなんとなくいいムードになり、ベッドまで共にしてしまう……。肯定する気はないが、広い世の中、まあ、こういうこともあり得なくはないのだろう。</p>
<p>　この一夜の情事を経て、ジェイクの気持ちは一気に盛り上がるが、ジェーンのほうは罪の意識に苛まれる。追いかけるジェイク、かわすジェーン。でも追いかけるジェイク、つい誘いに乗ってしまうジェーン。なにやってんだか、という展開ながら、恋という感情を前に人間が無力な存在であることは有史以来の常識。罪の意識があろうが、他人に幼稚と思われようが、人を傷つけようが、どうにもこうにも止まらないこともある。メインターゲットはアラフォー世代以上。恋愛経験が豊富な“オトナ”ほどジェーンやジェイクに共感できるはずだ。</p>
<p>　監督は「恋愛適齢期」（2003年）や「ホリデイ」（2006年）のナンシー・マイヤーズ。中盤にジェーンとジェイクがくり広げる丁々発止のやり取りでは、メリル・ストリープとアレック・ボールドウィンのコメディセンスが遺憾なく発揮され、修羅場ながらも客席から小気味よく笑いを引き出す。全編に渡って下ネタ寄りのユーモアがちりばめられているが、とりわけジェイク捨て身の「ベッド突撃大作戦」はその真骨頂（これは笑えた）。これぞ文字通り“体当たりの演技”である。</p>
<p>　一方、ジェイクとはまったく異なるタイプのアダムという敏腕建築士（スティーブ・マーティン）を登場させることで、物語は確信犯的に三角関係へとシフト。3人のあいだには「摩擦」や「誤解」や「嫉妬」が連鎖的に発生し、いよいよジェーンは抜き差しならぬ状況に追い込まれる。果たして最後に彼女が下した決断とは……？　鑑賞後に残る余韻もまた“オトナ”好みといえよう。</p>
<p>　「人気ベーカリーの経営者」という設定がほとんど生かされていないのが残念だが、唯一、ジェーンがアダムにクロワッサンをふるまうシーンだけは強い印象を残す。焼きたてのクロワッサンをサクっと食すアダム。その表情は「幸せ」で満ち足りている。もちろん、この「幸せ」の成分を分析するなら、「焼きたてのクロワッサン」＜「焼き立て（生まれたて）の恋」ということになるのだろう。</p>
<p>　メリル・ストリープとアレック・ボールドウィンとスティーブ・マーティンの3人で計180歳に迫ろうかというところだが、そうした年齢を感じさせないほど生き生きと元気な作品に仕上がった壮年ラブコメディ「恋するベーカリー」。今どきのクールな若者の恋よりも、こうした“オトナ”の恋のほうが断然おもしろい！？</p>]]></content:encoded>
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		<title>人間失格</title>
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		<pubDate>Mon, 22 Feb 2010 01:53:15 +0000</pubDate>
		<dc:creator>渡まち子氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[巧映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[人間失格]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆ほとんど孫と祖母くらいの年齢差の三田佳子が生田斗真に後ろから迫る図はあまりに異様で、見ているこっちが怖くなった（50点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　太宰治の自伝的小説の映画化で、主人公を取り巻く女優たちが豪華だ。青森有数の資産家の息子の大庭葉蔵は、人間というものが判らない感覚に苛まされていた。幼い頃はわざと道化を演じ、大人になって上京してからは、画塾の友人で遊び人の堀木らと酒や女に溺れる放蕩の日々を送る。挙句の果てに生きることに疲れ、精神的に追いつめられた葉蔵は、カフェの女給・常子と心中するが、自分だけ生き残ってしまう…。</p>
<p>　文豪・太宰治の作品の中で、最も有名なものがこの「人間失格」で、太宰の遺言のような物語だ。過剰なまでの自意識ゆえに破滅していく主人公・葉蔵を、レトロで幻想的な映像で描ききる。葉蔵を演じる生田斗真は、これが映画初出演で初主演。美形だが何とも印象が薄いのは、周囲の女優たちがあまりに強烈な印象を残すからだろう。だが、この存在感のなさは、生涯を通して受け身のまま堕ちていく葉蔵というキャラクターには適しているように思う。寺島しのぶや小池栄子、石原さとみなど、タイプの違う女優たちが次々に登場して華やかだが、終盤になるに連れて女優の年齢が急上昇。葉蔵の“最後の女”の役割を果たす大女優の三田佳子とのからみなどは、いささか常軌を逸している。ほとんど孫と祖母くらいの年齢差の三田佳子が生田斗真に後ろから迫る図はあまりに異様で、見ているこっちが怖くなった。物語はほとんど原作に忠実だが、映画オリジナルのキャラクターとして中原中也が登場する。夭折の天才詩人が、トンネルの中で見せる幻想的な空間は、ナイーブすぎて世の中になじめない葉蔵の現実逃避とも重なる印象的なシーンだった。葉蔵の正体を見破る友人に見せる「おばけ」の絵が、主人公の人生の通奏低音。生まれてすみませんと恥じ入る太宰は、今も当てのない旅を続けているような気がする。語り部で「青い花」のマダム役の大楠道代が出色だ。</p>]]></content:encoded>
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		<title>すべて彼女のために</title>
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		<pubDate>Sun, 21 Feb 2010 01:16:32 +0000</pubDate>
		<dc:creator>佐々木貴之氏</dc:creator>
				<category><![CDATA[狂映画批評]]></category>
		<category><![CDATA[すべて彼女のために]]></category>

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		<description><![CDATA[<p class="score">◆真犯人を追求して無実を証明するというありがちなサスペンスドラマではない（80点）</p>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　フレッド・カヴァイエの長編監督デビュー作で主演は、フランスの人気役者ヴァンサン・ランドンと『イングロリアス・バスターズ』（09）でドイツ人女優役を好演したことが記憶に新しいダイアン・クルーガー。</p>
<p>　国語教師ジュリアン（ヴァンサン・ランドン）と出版社勤務の雑誌編集者リザ（ダイアン・クルーガー）は、一人息子オスカルと三人で平凡ながらも円満な生活を送っていた。ある日、警察が家に押しかけ、リザが身に覚えのない殺人容疑で逮捕、投獄されてしまう。三年後、リザは無実を主張しているものの証拠不十分なために二十年の禁固刑を喰らうハメになってしまう。リザは精神的ダメージもかなり大きく、衰退し、ついに自殺未遂をやらかしてしまうまで追い込まれてしまう。リザを愛し、信用している夫ジュリアンは、ついに脱獄計画を企てるが……。</p>
<p>　このドラマの見所は、ジュリアンが最愛の妻リザのためにすべてを犠牲にしてまで危ない橋を渡ろうとするその行動と姿だ。だから、真犯人を追求して無実を証明するというありがちなサスペンスドラマではない。開始から約十五分ぐらいで殺人事件の内容、リザがなぜ逮捕されたかが明確にされる。</p>
<p>　ジュリアンは単なるごく普通の教師。そんな平凡な男だから、脱獄経験者に面会して指南してもらい、刑務所の構造をチェックして綿密に計画を企てる。このような描写は観る者の興味をそそり、その面白さもしっかりと味わえるが、「妻を信用し、愛しているからこそここまでやれるのだ！！」ということがしっかりと伝わってくる。</p>
<p>　ストーリーが進むにつれてジュリアンは平凡な教師から真のアウトローになってしまう。その後はスリリングな展開が用意され、面白さも一気にヒートアップする。果たして、ジュリアンの行動は計画通りにうまくやってのけるのか？　一家三人はどうなってしまうのか？　といったことを気に掛けながらラストまでハラハラドキドキの面白さを堪能するべきと言いたい。</p>
<p>　脱獄計画やリザに対する愛情以外にも息子オスカルに対する愛情もしっかりと描かれている点も注目度が高く、これによって家族愛がしっかりと伝わってくるのである。</p>
<p>　本作は既にハリウッドでのリメイクが決定している。しかも、ポール・ハギス監督ときたものだから、社会性をしっかりと踏まえた作風に仕上がることだろう。オリジナル版が面白かったものだから、リメイク版には大きな期待を抱いてしまう。</p>]]></content:encoded>
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