BRIGHT STAR - 岡本太陽

◆圧倒的な映像美で詩人ジョン・キーツの秘められた恋愛を描く(65点)

 19世紀のイギリスを代表するロマン主義の詩人ジョン・キーツ。25歳の若さで亡くなった彼の人生は幸せとは言えないものだったが、彼の美しい感性がその後のイギリスに与えた影響は計り知れない。そんなキーツは死ぬ数年前にファニー・ブーロンという女性に出会った。映画『BRIGHT STAR』はキーツとブーロンの儚い恋の物語。『ピアノ・レッスン』で一世を風靡したニュージーランド出身の女性映画監督ジェーン・カンピオンが圧倒的な映像美でその若き2人の情熱の日々を描く。

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インフォーマント! - 岡本太陽

◆マット・デイモンが13.5キロ増量して挑んだ嘘つきおじさん(75点)

 『トラフィック』『オーシャンズ11』のスティーヴン・ソダーバーグ監督最新作『インフォーマント!(原題:THE INFORMANT!)』。タイトルの”インフォーマント”とは内部告発者や密告者を意味し、それにエクスクラメーションマーク(俗に言うビックリマーク)が付いている。それゆえに、楽しいコメディ映画を想像してしまうだろう。確かに、これはブラックコメディ映画。しかし、タイトルの”!”は実は「こんなとんでもない可笑しな奴が実際に世の中にいたぞ!」というニュアンスを含むものなのだ。

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NO IMPACT MAN - 岡本太陽

◆地球環境に全く影響を与えない暮らし方とは?(75点)

 エコロジー。それは、地球環境に配慮するという考え方。近年それは環境の悪化により、世界規模で盛んに叫ばれており、特に地球温暖化が進んでいるせいで、リサイクルがより行われる様になった。もっと豊かに暮らすために、地球の事を考えて生きたいと思っている人も多い事だろう。しかし、果たしてどれだけの事がわたしたちに出来るのだろうか?

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9 ~9番目の奇妙な人形~ - 岡本太陽

9 ~9番目の奇妙な人形~

© 2009 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

◆鬼才ティム・バートンが目を付けた才能(50点)

 今年は2009年という年のためか、夏のアクション映画『DISTRICT 9』や全米で年末公開を控え話題になっている『NINE』等、数字の"9"をタイトルに含む映画が目立つ。アニメ界にもその現象は見られ、『9 ~9番目の奇妙な人形~』という最新のCG技術を駆使した映画が秋の始まりと共にその全貌を現した(しかも、米国公開日は2009年9月9日!)。

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TAKING WOODSTOCK - 岡本太陽

◆なぜアン・リーが今更ウッドストック!?(65点)

 1969年8月15日?18日、ヒッピー達は熱狂した。今もなお伝説として語り継がれているウッドストック・フェスティヴァル。ロックやドラッグ、そして雨が予期しなかった伝説を作り出した。1970年にマーティン・スコセッシが編集したドキュメンタリー映画『ウッドストック』はそのミュージック・フェスティヴァルを記録として残したもので、アカデミー賞ドキュメンタリー映画賞を受賞した。あの歴史的事件から40年、映画『TAKING WOODSTOCK』はそんな音楽の祭典の裏をコミカルに描く。わたしたちは今まで知らなかった事実を知る事となるのだ。

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BIG FAN - 岡本太陽

◆憧れのスターにボコボコにされてしまったら、さてどうする!?(70点)

 映画『BIG FAN』、そのタイトルが映画の中にどんな人物が出て来るのか指し示す。野球ファン、ポップスターのファン、ハリー・ポッターファンと様々なファンが世の中にはいるが、本作の主人公ポール・アルフィエロ(パットン・オズワルト)はアメフト(NFL)のファン。また大阪に阪神タイガースファンがいる様に、ニューヨークに住むこの主人公は地元ニューヨーク・ジャイアンツに熱狂している。しかも、彼はアメフトのために毎日生きている様なもので、本作のタイトルが『オタク』でもかまわない程チームを崇拝している。

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クラウド9 - 岡本太陽

◆老人のセックスをリアルに、そして温かく描く秀作(70点)

 人生何が起こるか分からない。何かとんでもない事があっても、それはもう仕方の無い事として受け止めるしかないのだろう。ドイツ人映画監督アンドレアス・ドレーゼンの『クラウド9(英題:CLOUD 9)(原題:WOLKE 9)』では、主人公インゲ(ウルスラ・ヴェルナー)は60代にして新たに性の目覚めを体験する。彼女には30年間連れ添ってきた愛する夫ヴェルナー(ホルスト・レーベルク)がいるが、他の男性に情熱を見出す。彼女には何故突然そうなったのか分からない。それは突然「起こってしまった」のだ。

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イングロリアス・バスターズ - 岡本太陽

◆クエンティン・タランティーノ監督最高傑作誕生!(95点)

 歴史に残る名作の誕生だ。第62回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されたクエンティン・タランティーノ監督最新作『イングロリアス・バスターズ(原題:INGLOURIOUS BASTERDS)』は彼が長年温め続けてきた、戦争をモチーフにしたマカロニ・ウェスタン色満載の映画。これがもうタランティーノ氏の映画に対する溢れんばかりの「愛」が滲み出ている様な作品なのだ。

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WORLD’S GREATEST DAD - 岡本太陽

◆自慰行為中の死亡事故を扱ったブラックコメディ(80点)

 ティーンエイジャーの死は聞くだけで心が痛くなる。将来のある若い命が消えてしまった事に人々はショックを覚え、亡くなった少年や少女は人々にとって、ヒーローとなる。そして彼や彼女の短い人生は美化され、その若々しく美しい肉体と共に人々の記憶に残るのだ。

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第9地区 - 岡本太陽

◆今夏最も予想外なSF映画がついにそのベールを脱いだ!(85点)

 地球に宇宙人がやって来る映画はいくつもある。巨大な宇宙船でやって来るという事は彼らは人類以上の高知能を持っている証拠だ。だから『E.T.』の様なキャラクターは実は現実味に欠ける。また、宇宙人にも地球に来る様々な理由がある。それは『未知との遭遇』の様にわりと友好的な場合もあるが、『インディペンデンス・デイ』の様に地球侵略を目論んでいる場合もある。例えば、地球に用事が全くなかった場合はどうだろう。そんな事ももちろんあるのだ。

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ザ・コーヴ - 岡本太陽

◆血に染まる入り江がわたしたちに伝えんとする事とは何か?(80点)

 日本は捕鯨という狩猟文化のある国だ。クジラ資源の保存やクジラの乱獲防止のため、国際捕鯨委員会によって現在捕鯨は厳しく取り締まられている。そもそも捕鯨をする国は世界にそう多くはない。鯨肉が貴重なタンパク源であり、鯨油が生活の糧であった時代とは違い、現在は捕鯨は単なる「伝統」に過ぎなくなってきているというのが事実だ。

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パーフェクト・ゲッタウェイ - 岡本太陽

◆月並を想像してたら大間違いのハワイが舞台の極上スリラー(75点)

 新婚旅行と言えばやっぱりハワイ。ここ10年程で、日本人のそんなステレオタイプな概念もだいぶ変わってきたが、やっぱりハワイは強い。それはアメリカ人にとっても同じ事。ハワイの透き通った青い海と緑の生い茂るジャングルは世界中の人を虜にしている。映画『パーフェクト・ゲッタウェイ』では新婚ホヤホヤの若いカップルが日常を忘れて南の島で思いっきり解放されるはずが、ある殺人事件に巻き込まれしまう。この映画はスリラーだが、ブラジルに旅行に行った若者達が酷い目に遭ってしまう『ブラッド・パラダイス』の様な悪質な映画を想像していると大間違い、良質な映画不作のこの夏、本作は夏らしく気楽に観れて満足感を得る事の出来るなかなか貴重な作品なのだ。

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ADAM - 岡本太陽

◆ヒュー・ダンシーがNYに住むアスペルガー症候群の青年を熱演(65点)

 俳優にとって身体や知的障害のある役を演じるのは非常にリスクの高い事。ダスティン・ホフマンの様に名声を得る場合もあれば、昨年大ヒットした映画『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』でもネタにされた様に評判を落とす場合もある。映画『ADAM』はNYが舞台のロマンティック・コメディ。その中で『いつか眠りにつく前に』のヒュー・ダンシーが障害を抱える青年を熱演している。

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G.I.ジョー - 岡本太陽

◆地上最悪のエキスパート・チーム!(20点)

 今年の夏の超大作映画において、『スター・トレック』はファンを納得させる出来で大ヒット、『トランスフォーマー』は前作を上回るド派手さが映画を記録的大ヒットに導いた。これらの映画は基となるTVシリーズやフィギュアを新しい世代のために現代的要素を取り入れ上手に興行的に成功した良い例であろう。そこへ来て、期待されていた実写映画『G.I.ジョー(原題:G.I.JOE: THE RISE OF COBRA)』はまるで悪夢。これを公開する事にOKが出たのかさえ謎だ。本作は米TVアニメ「地上最強のエキスパート・チームG.I.ジョー」を基にしているが、特にアニメを観て育った世代が泣いている姿が目に浮かぶ。

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FUNNY PEOPLE - 岡本太陽

◆下ネタ満載のスタンダップパフォーマンスシーンが魅力(55点)

 ハリウッドの映画監督、プロデューサーであるジャド・アパトウ。大ヒットコメディ映画『40歳の童貞男』『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』を監督し、その才能を世界に知らしめた。彼の強みは安定したストーリーテリングと下ネタ。だから例え、卑猥な表現を使ったとしても、安っぽい物語にはならない。アパトウ氏の監督第3弾映画『FUNNY POEPLE』はいつもの様に下ネタ満載でアパトウファンの心を掴むが、本作はジャンル的にはコメディドラマ。前2作に比べシリアスで今までのジャド・アパトウ作品と同じ様なものを想像していると、全く違う雰囲気の本作に驚かされてしまう。アパトウ氏は確実に変化し始めている。

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