ニュームーン/トワイライト・サーガ - 岡本太陽

◆女の子は積極的に噛まれたい!(60点)

 約1年前、アメリカ全土でステファニー・メイヤーの同名小説を映画化した『トワイライト?初恋?』が公開された(日本は今年4月公開)。そして封切りと共に、人間とヴァンパイアの悲恋を描くその映画は女子を中心にブームを巻き起こした。『ニュームーン/トワイライト・サーガ(原題:THE TWILIGHT SAGA: NEW MOON)』はその待望の続編。「葛藤」を全面に押し出した非常に感情的なストーリー展開で、本作はロマンティックな前作とは違う様相を見せる。

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運命のボタン - 岡本太陽

◆そのボタンを押すか押さないか、とんでもない結末を招く選択!(70点)

 全ての原因は結果を伴う。始まりはどんなに小さな事象であっても、後にとてつもなく巨大な何かに繋がってしまう事もあるのだ。若手映画監督リチャード・ケリー最新作『運命のボタン』はそんな普遍の真理を扱った意欲作。本作の主人公のとある夫婦は、ある日突然、実に奇妙で辛辣な選択に直面する。そして同時に、本作は「あなただったらどうする?」と、観る側にもその選択を突きつける。

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プレシャス - 岡本太陽

プレシャス

© PUSH PICTURES, LLC

◆アメリカ貧困層の子供への精神的・肉体的・性的虐待等、多くの問題が浮き彫りになる(85点)

 映画『プレシャス(原題:PRECIOUS: BASED ON THE NOVEL ‘PUSH’ BY SAPPHIRE)』の主人公クレアリース"プレシャス"ジョーンズ(ガボリー・シディベ)は16歳の女の子。彼女のミドルネームが映画のタイトルになっているが、それは日本語で“いとしい”や“貴い”という意味を持つ。親の子に対する愛情が名前から分かる様な特別な名前だ。しかし、彼女の生きる現実は素敵な名前とは裏腹に、彼女の事を虫けらの様に扱う残酷なものだった。

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2012 - 岡本太陽

◆マヤ暦の終わりにヒントを得たとんでもないディザスタームービー!(20点)

 ローランド・エメリッヒの新作が出ると聞いたら観ないわけにはいかない。エメリッヒは『インデペンデンス・デイ』『GODZILLA』『デイ・アフター・トゥモロー』等、金のかかったトンデモ映画を作り続けるドイツ人映画監督で、昨年の『紀元前1万年』も事実無根のエピソードを入れ人々を唖然とさせた。特に批評家ウケの良くない彼だけに、一体どれ程ヘンテコリンな内容になっているのかと興味津々で、彼の新作映画『2012』を観たが、これがまたエメリッヒらしさ溢れるというか、ある意味期待を裏切らない強烈なものだったのだ。

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Disney’s クリスマス・キャロル - 岡本太陽

◆家族向け? いやいや、これは実はパニック・ホラー映画だ(65点)

 『Disney’s クリスマス・キャロル(原題:DISNEY’S A CHRISTMAS CAROL)』は言わずと知れたイギリスの文豪チャールズ・ディケンズの名作を映画化したもの。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ』で知られるロバート・ゼメキス監督が贈る本作は、『ポーラー・エクスプレス』以降ゼメキス監督が制作し続けているモーション・キャプチャーCGアニメーション映画第3弾だ。また『ベオウルフ/呪われし勇者』でも好評だった3Dプロジェクションで、クリスマス・シーズンに驚きと感動を届ける。

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17歳の肖像 - 岡本太陽

17歳の肖像

◆16歳の少女と大人の男性の甘くてほろ苦くてちょっと危険な恋愛模様(75点)

 16歳。人生の中の最も多感なとき。そしてあの頃の未来は明る過ぎた。またそれは、それだけ世間知らずでもあったという事。イギリスのザ・オブザーバー紙で知られるジャーナリスト、リン・バーバーの自伝の一部を映画化したロネ・シェルフィグ(『幸せになるためのイタリア語講座』)監督最新作『17歳の肖像』の主人公ジェニーは文化の発達していない60年代初頭のイギリスに退屈し、フランスに憧れる女子高生。しかし、平凡だった彼女のティーンライフは、ある年上の男の出現により、ロマンチックで刺激的なものへと劇的に変化してゆく。

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ブラック・ダイナマイト - 岡本太陽

◆アフロヘアーの筋肉隆なタフガイが拳銃にヌンチャクで大暴れ(80点)

 カンフーで悪い奴らを一網打尽、自意識過剰な話しっぷり、そして狙った獲物(美女)は逃さない。その男の名はブラック・ダイナマイト。彼が主人公の映画のタイトルもそのまま『ブラック・ダイナマイト』。1970年代に栄えたブラックスプロイテーション映画にオマージュを捧げたパロディ映画の本作はシュールで賢い笑いを散りばめた隠れた傑作。そして抱腹絶倒間違い無しの素敵な1作なのだ。

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ANTICHRIST - 岡本太陽

◆リアルなセックス描写と痛いシーン満載の冗談の様な映画(60点)

 女は本質的に邪悪である。そう言うのはラース・フォン・トリアー作『ANTICHRIST』で、シャルロット・ゲンズブール扮する息子を失った妻。その定義と反キリストを意味するタイトルが一体どの様に結びつくのか。カンヌ映画祭でプレミア上映されてからというもの、話題に話題を呼んでいるフォン・トリアー監督最新作はヘンデルのアリアをサウンドトラックに、ハイスピード撮影によるモノクロ映像で幕を開ける。水の滴り落ちる様子が奇麗に見えるシャワールーム。男と女が情熱的に交じり合う。男性器が女性器に入る様も隠さず映し出されるため(ポルノ俳優を使っている)、何か決定的な事が暴き出されるのを感じさせる。

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パラノーマル・アクティビティ - 岡本太陽

◆『ブレアウィッチ・プロジェクト』の記録が塗替えられてしまった!(65点)

 いわゆる怖いもの観たさで観る映画というものは観客の反応が面白い。一般的に、それらはホラー映画を指すが、近年ではモンスターものの『クローバーフィールド』がその部類の映画の中でも特に強烈な印象を残した。やはり手持ちのビデオカメラ撮影によるモキュメンタリー調の演出が不気味さを増幅させるのだろう、映画の上映中、観客は極度の緊張感に襲われた。

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かいじゅうたちのいるところ - 岡本太陽

◆若い才能スパイク・ジョーンズがあの名作絵本を映像化!(60点)

 少年と着ぐるみの巨大なかいじゅうたちが自然の中でたわむれる。なんてかわいい風景。スパイク・ジョーンズの『アダプテーション』以来の監督映画『かいじゅうたちのいるところ(原題:WHERE THE WILD THINGS ARE)』は基本的にそんな感じの映画。本作はモーリス・センダックが1963年に発表した同名名作絵本を原作としているのだが、その絵本は特に大人が読むと数分で読み終えてしまえるもの。それを約101分にまで膨らませて映像化したジョーンズ氏。これはこの絵本で育った大人達が想像していた世界、子供達の想像を邪魔するような余計な事が描かれている様に感じられるのだが…。

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母なる証明 - 岡本太陽

◆この壮絶な物語は感動の嵐を呼ぶ(90点)

 1人の女が枯野原の丘を肩落としながら登って来る。彼女は歩みを止めず、一瞬うしろを振り向く。くたびれた表情を浮かべる彼女は、ある地点でおもむろに体を揺さぶり始める。そしてその動きは徐々に大きくなりダンスになる。彼女の体全体を映していたカメラは彼女の顔にズームインする。その表情は笑っているのか、泣いているのか。ルンバ調の奇妙なリズムのサウンドトラックがドラマチックにわたしたちに語りかける。これは韓国人映画監督ポン・ジュノ最新作『母なる証明(英題:MOTHER)』の完璧なるオープニングだ。鳥肌が立った。一体彼女が振り向いた先には何があったのだろう。

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アンヴィル!夢を諦めきれない男たち - 岡本太陽

◆この映画はまるで『スパイナル・タップ』×『レスラー』だ(85点)

 1984年に公開された架空バンドの全米ツアーの模様を追う映画『スパイナル・タップ』。『スタンド・バイ・ミー』で知られるロブ・ライナーが監督を務めた「ロキュメンタリー」と称すこのモキュメンタリー作品は今もなおカルト的人気を誇っている。2009年、まるで『スパイナル・タップ』を観ているかの様な感覚に陥ってしまう正真正銘のドキュメンタリー映画が全米で公開された。『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち(原題:ANVIL! THE STORY OF ANVIL)』。そう、あのバンド、アンヴィルのドキュメンタリー映画だ。

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ゾンビランド - 岡本太陽

◆ルールに従って行動すれば、ゾンビのいる世界でもうまくやっていけるさ!(55点)

 「新しいゾンビ映画だ!観なきゃ!」と思ってルーベン・フライシャー監督のハリウッド映画『ゾンビランド(原題:ZOMBIELAND)』を観ると、「ふむふむ、ユーモアも利いてて、展開も軽快で、なかなか面白いかも」となる。でも待てよ、この映画は新作のはずだが、どこかで見覚えがある。バランスも良いのに、一体どうして? その理由は、この映画がいろんなゾンビ映画の要素を含んだミックスゾンビ映画だからだ。

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A SERIOUS MAN - 岡本太陽

◆コーエン兄弟が描く真面目に生きる男の悲劇(85点)

 『ライフ・イズ・ビューティフル』というタイトルの映画があるように、何があっても人生は素晴らしい。片や、人生ってものは最悪で、悲惨な出来事の連続でしかない。コーエン兄弟(ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン)の新作『A SERIOUS MAN』は後者を語る。これが本当のディザスタームービーと言わんばかりに、主人公の中年男に次々と災難が降り掛かるのだ。

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キャピタリズム~マネーは踊る~ - 岡本太陽

◆マイケル・ムーアが資本主義を猛攻撃!(65点)

 メガホンを持って突撃取材。ドキュメンタリー映画監督マイケル・ムーアは新作『キャピタリズム~マネーは踊る~(原題:CAPITALISM: A LOVE STORY)』でもお馴染みのスタイル。トラックで自らニュヨークのウォール街へ赴き、大きな袋を担いでロビン・フッドさながらに大手銀行に人々から奪われた税金を取り返しに行く。しかし、彼は『ボーリング・フォー・コロンバイン』『華氏911』『シッコ』のマイケル・ムーア。行く先々で彼は要注意人物扱い(やり方も無茶だが)。ここまで有名になってしまっては、彼の持ち味である「突撃」もやはり困難なのか。本領発揮が出来なかった感が漂う本作。

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