ピラミッドの謎から超古代文明の存在を示唆するドキュメンタリー。内容は興味深いが、映像は付け足しで、これなら本で読めば十分(点数 40点)
エジプト・ギザの大ピラミッドに関するこれまでの「定説」を覆し、高度な科学力を持った古代文明の存在を示唆するフランス製ドキュメンタリー。
ピラミッドは本当に国王の墓なのか。
建設期間は20年といわれるが、未発達な工具でそんなに短期間での建設は可能だったのか。
石の積み方がなぜこれほど不規則で、しかも精度が高いのか。
円周率や黄金数に正確に基づくデザインは、なぜ可能だったのか。
確かにピラミッドに関しては、従来の定説では説明できない謎が多く存在する。
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触れると切れるギラギラした肉体性は危うさと脆さの両刃の剣、狂気が正気とも思える感覚を見事に体現していた。(点数 40点)
(C)2011「ハードロマンチッカー」製作委員会
顔が腫れあがっても殴り続け、のた打ち回っても蹴り続ける。時に鉄
パイプや金属バットでぶちのめし、女でも手加減しない。喧嘩の強さ
がものをいう荒れ果てた町、己の腕力と度胸を頼りに生きる一匹狼。
その研ぎ澄まされた目はいつ暴走のスイッチが入るかわからない危険
を孕んでいる。映画はそんな主人公の殺伐とした日常に観客を放り込
み、まるで異邦人のごとく方向性不明の不安を味わせてくれる。
【ネタバレ注意】
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追い詰められた人間が次第に本性を露わにしていく様子がスリリングだ。(点数 40点)
(C)2011 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED
逃げ場のない施設で作業員たちが謎の怪物に次々と襲われる。外部と
の通信は途絶え、協力し合わなければならないはずの仲間に秘密を隠
している者がいる。未知の生物からの攻撃とクルーの間に芽生えた疑
心暗鬼、物語は2つの恐怖と戦う人々のサバイバルを通じて、勇気や責
任感といったリーダーの資質を問うていく。命の危険を顧みない者、
足手まといになる者、身勝手な者、極限状態に追い詰められた人間が
次第に本性を露わにしていく様子がスリリングだ。
【ネタバレ注意】
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高齢化社会の理想像を示したいのならば、せめて空の青さや芝生の緑、木のぬくもりが感じられる鮮やかな映像で見せてほしかった。(点数 40点)
(C)2011「シェアハウス」製作委員会
広々とした吹き抜け、会話が弾む楽しい食卓、パーティに息抜きにた
びたび利用される見晴らしのいいバルコニー、そして何よりお互いを
思いやる友情以上愛情未満・男子禁制の心地よい他人との距離感。寡
婦、離婚、恋愛下手、挫折など様々な理由でひとりっきりになった女
たちが、孤独を癒すために一つ屋根の下で同居を始める。干渉しすぎ
ないようにしているつもりでもいつしか家族のように心配になってい
く、その気持ちの変化が温かい。
【ネタバレ注意】
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恐怖を味あわせるより観客の虚を衝いて驚かせる安易なもの。(点数 40点)
(C)2011 The Weinstein Company LLC. All Rights Reserved.
突然の大音響をバックにゴーストフェイスが飛び出してくる。刃渡り
30センチほどの大きなナイフを振りかざし、逃げ遅れた若者は凶刃に
突き刺され絶叫と共に息絶えていく。そんな中、ホラー映画のカルト
クイズで映画ファンのトリビアを刺激しつつ、過去の映画のセオリー
を次々と崩していく設定が新鮮だ。ところがその過程は、鳥肌が立つ
不気味さや目を背けたくなるおどろおどろしさ、背筋が凍る怖さとは
無縁で、恐怖を味あわせるより観客の虚を衝いて驚かせる安易なもの。
【ネタバレ注意】
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恐ろしくユニークなヒロインを仲里依紗がしかめっ面で熱演する。(点数 40点)
(C)2011「ハラがコレなんで」製作委員会
「OK、私が面倒を見る」。出産間近なのに夫も住むところもない、に
もかかわらずカネに困っている人には全財産を譲り、客のいない食堂
を手伝おうとする。切羽詰まると昼寝をして“風”の流れが変わるの
を待つ。決して笑顔を振りまいたりはしないが、異常とも思えるポジ
ティブシンキングは周囲の人々を巻き込んで人と人の絆を取り戻させ、
“粋”な生き方とは何かを問いかける。そんな恐ろしくユニークなヒ
ロインを仲里依紗がしかめっ面で熱演する。
【ネタバレ注意】
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男たちの懊悩が、ヒリヒリする痛みとなって伝わってくる。 (点数 30点)
(C)2010 Emperor Classic Films Company Limited Huayi Brothers Media Corporation All Rights Reserved
「友人のように扱うが、友人ではない」。役に立つ間は援助してくれ
るが、危なくなると切り捨てる。一度魂を売って警察のイヌになった
者は、決して元には戻れない地獄への一本道を進むのみ。映画は、そ
んな密告者の人生と引き換えに組織内で昇進を果たした刑事が直面す
る呵責と、彼の手先となって犯罪組織に潜り込んだ若者の恐怖を通じ、
他人を信じられない世界の男たちの刹那的な生き方を描く。
【ネタバレ注意】
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「血と暴力の美学」は見いだせなかった。(点数 40点)
(C)真鍋昌平・講談社/2011「スマグラー おまえの未来を運べ」製作委員会
人生とは、本当の自分を隠してなりたい自分になり切ること。やくざ、
金貸し、殺し屋、運び屋、裏社会に生きるものは少しでも弱みを見せ
たら付け込まれてしゃぶりつくされる。だからこそ、恐怖や苦悩など
感じない人間であると周囲にアピールし続けなければならない。強が
るか寡黙になるか、物語は流されるままに堕ちてき青年が、運命と対
峙する覚悟を決める姿を描く。
【ネタバレ注意】
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わざわざリゾート地に出かけなくても、無為に過ごす豊饒は日常のすぐそばにあると教えてくれる。(点数 30点)
(C)2011オアシス計画
深夜の高速道路、最終回の映画館、平日の動物園…。都会の雑踏と喧
騒から少し距離を置くと、そこには周囲よりゆったりと時を刻むよう
な空間がある。ぎっしりと詰まったスケジュールに忙殺されているら
しい女は、気の向くままに仕事を抜け出し、出会った人々との会話を
楽しむ。映画はそんな“がんばっている仮面”を脱ぎ捨て素のままの
自分に戻ったヒロインがつかの間の息抜きをする姿を追い、わざわざ
リゾート地に出かけなくても、無為に過ごす豊饒は日常のすぐそばに
あると教えてくれる。
【ネタバレ注意】
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もっと今の時代を感じさせてくれる新しさを見せてほしかった。(点数 40点)
(C)2011「夜明けの街で」製作委員会
恋のときめき、秘密を共有する愉しさ、ばれたらどうしようというス
リル。一方で、嘘をつき通さねばならない後ろめたさ。誰も傷つけな
いようにうまく立ち回っているつもりでも、結局はどこかで破たんし
てしまう危うさが端正なカメラワークで掬い取られる。映画はそんな
“不倫”の甘い地獄に堕ちた男の心の変化を軸に、一線を踏み越えて
しまった男と女の繊細な心情を描く。
【ネタバレ注意】
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警備犬訓練所という、ほとんどスポットが当たらない警察組織が新鮮だ。(点数 40点)
(C)2011「DOG×POLICE」FILM PARTNERS
わずかな火薬のにおいをかぎ分け、怪しい人物には容赦なく飛びかか
る。いまやテロリスト対策に欠かせない存在となった警備犬。映画は、
正義感ゆえについ暴走する若き警官と劣性遺伝で体力の劣る警備犬の
関係を通じ、本当の仲間とは、信頼とは何かを問うていく。一方で人
間と犬、規格に馴染まない者同士が固い絆で結ばれる中で強力な化学
反応を起こしていく姿が楽しめる。警備犬訓練所という、ほとんどス
ポットが当たらない警察組織が新鮮だ。
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ひねくれた思考回路が彼のキャラを際立たせていた。(点数 40点)
(C)Les Films du Poisson – Neue Mediopolis Filmproduktion – ARTE France Cinema – WDR/ARTE – Le Pacte – Film(s)
垂れ気味の巨大な乳房とでっぷりと脂肪がついた腰回り、およそダン
サーのイメージとは程遠い踊り子が贅肉を波打たせながらステージで
体をくねらせる。セクシーとは対極にある彼女のパフォーマンスは、
むしろ“怖いもの見たさ”に近い物珍しさで興味をそそる。それは鍛
え上げた肉体では表現できない人間の“ナマの姿”、食欲に忠実で自
然に年を取った中年女の現実が垣間見える。映画はフランス各地を巡
業して回る米国のバーレスクダンサーと彼女たちのマネージャーの日
常を切り取り、生きるために必要な心のゆとりを見つけ出していく。
【ネタバレ注意】
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恋に悩むるいの表情は美しい。(点数 40点)
(C)2011 映画「セカンドバージン」製作委員会
すべてを失って人生のどん底に突き落とされた男を励まそうとする女。
その、元気づけようとする態度が明るいほど、男のプライドは傷つき
重荷になっていく。そんな、家庭を持てず仕事一筋に生きてきたヒロ
インには人の痛みに鈍感で、それが17歳も年下の恋人には耐えられな
い。映画は年齢の離れたカップルのすれ違いを通じて、世代的な価値
観が異なる者同士が愛し合うことの難しさを描く。会社では有能でも
男女の機微には疎い中年女の一途な愛が痛々しい。
【ネタバレ注意】
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ディテールをまったく無視した物語には恐れ入るばかりだった。。。 (点数 30点)
(C)2011 アンフェア製作委員会
「あっ、そうだったのか!」。裏切りと欺瞞、秘密と罠に満ちた複雑
極まりない人間関係が一気に解き明かされる終盤で、思わず膝を打っ
てダマされた快感に酔いしれた。と、言いたいところだが、取ってつ
けたつじつま合わせの連発にはあいた口がふさがらなかった。前作同
様、アイデアはパクリだらけ、穴だらけの設定と展開、もしかしてこ
のシリーズはツッコミを入れるのを楽しむ映画なのか。
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3D映画の特性をいかんなく発揮している。(点数 40点)
(C)「ラビット・ホラー」製作委員会2011
落下していくのか上昇していくのか、ヒッチコック映画をより深化さ
せたらせん階段の奥行きはめまいの感覚。それは、スクリーンから飛
び出してくるウサギのぬいぐるみのシーンとともに3D映画の特性をい
かんなく発揮している。さらに、幻覚と白日夢が複雑にシンクロする
エピソードも、副次的な構造がまさに立体的。そこにはもはや物語と
しての整合性は感じられず、迷宮に取り残されたような既視感の連続
は歪んだ精神の矛盾としてのみ理解される。その非現実の世界は、映
像の怖さより音楽のおどろおどろしさのほうが存在感を主張していた。
【ネタバレ注意】
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