反恋愛主義 - 町田敦夫

◆ハンガリー製ロマコメはハリウッド映画以上にハリウッド的(70点)

 昨今のような不況下ではオトコもオンナもなかなかリスクを抱えづらいが、景気のよかった時代には「男はいらない、子供だけ欲しい」なんてことを言うキャリアウーマンが、(本音かどうかは別にして)筆者の回りにもけっこういた。『反恋愛主義』のヒロイン、ドラもそんな三十代独身のひとり。劇団の脚本家としての仕事は順調だが、信じた男には妻子のいることが発覚。もはやオトコには期待すまいと心に決めた彼女は、せめて子どもを持ちたいと、出会い系サイトにこんな広告を出す。「セックスのパートナー求む。ただしセックス以上はお断り」

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魔法遣いに大切なこと - 山口拓朗

◆思春期ならではの甘酸っぱさとほろ苦さ(70点)

 旭川に住む少女ソラ(山下リオ)は、正式な"魔法士"の資格を取るために上京し、魔法局が主催する「魔法士研修」に参加。同期の豪太(岡田将生)らと実践を重視した研修に励む。ソラと豪太は、魔法を遣うことの難しさやすばらしさを経験していくなかで、互いに心を通わせ始めるが……。

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ファニーゲーム U.S.A. - 山口拓朗

◆覚悟して客席に座る必要がある(90点)

 夏のバカンスをすごそうと湖畔の別荘に到着したアン(ナオミ・ワッツ)とジョージ(ティム・ロス)夫妻のもとに、ポール(マイケル・ピット)とピーター(ブラディ・コーベット)という見知らぬふたりの青年が現れる。不可解な態度をとる彼らは、しだいに凶暴な本性を見せはじめ、ついには、生死をかけた"ゲーム"のスタートを宣告する……。

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エグザイル/絆 - 佐々木貴之

◆随所に散りばめられた銃撃戦(70点)

 舞台は中国返還が迫るマカオ。香港マフィアのウー(ニック・チョン)は、ボスのフェイ(サイモン・ヤム)を裏切って逃走し、今では妻と赤ん坊と暮らしている。ウーの家の前に四人の男が現れる。フェイにウーの殺害を命じられたブレイズ(アンソニー・ウォン)とタイ(フランシス・ン)、ウーを守ろうとするキャット(ロイ・チョン)とファット(ラム・シュ)。ウーと四人の男たちは、少年時代から仲が良く、共に過ごしてきた仲間であった。五人が揃ったときに凄まじい銃撃戦が繰り広げられるが……。

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デス・レース - 佐々木貴之

◆銃撃戦、爆破シーンがダイナミックに描かれていて見応えは十分(75点)

 無名時代のシルヴェスター・スタローンが出演していたことでも知られるカルト的なB級カーアクション映画『デス・レース2000年』(75)を、ポール・W・S・アンダーソンが新たなる世界観を形成させてリメイクした。

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トロピック・サンダー/史上最低の作戦 - 佐々木貴之

◆とにかくやり過ぎている(75点)

 落ちぶれたアクションスターのダグ(ベン・スティラー)、下ネタが得意なコメディアンのジェフ(ジャック・ブラック)、黒人役になりきるために皮膚を整形手術で黒くしたやり過ぎ演技派役者のカーク(ロバート・ダウニー・Jr)ら五人の役者が、ベトナム戦争の英雄・テイバック(ニック・ノルティ)が執筆した回顧録「トロピック・サンダー」の映画化のために集まった。撮影が開始されたが、予算等の都合で撮影が困難となる。その後、リアリティーを追求した作品にするということで監督らにジャングルへ連れて行かれた五人は、この地で麻薬組織によるホンモノの戦闘に出くわしてしまう。

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ウォーリー - 町田敦夫

◆愉快なギャグと傑作SFへのオマージュがいっぱい(70点)

 舞台は人類にうち捨てられた29世紀の地球。主人公は700年間、たったひとりでゴミ処理を続けてきたオンボロのロボット、ウォーリー。そんな孤独なロボットの前に、白く輝く最新鋭の探査ロボット、イヴが現れて……。

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私は貝になりたい - スタッフ古庄

◆こんなにも理不尽なことがおこっていたなんて(70点)

 前作の『私は貝になりたい』を観たこともなく、もちろん、戦争・戦後を体験した訳でもない私には、今作は衝撃的でした。

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1408号室 - 山口拓朗

◆ハラハラドキドキさせられっぱなし(75点)

 心霊スポットに出向いてはルポを執筆するオカルト作家のエンズリン(ジョン・キューザック)。彼のもとにある日、ニューヨークのドルフィンホテルのはがきが届く。そこには「絶対に1408号室に入ってはいけない」とだけ書かれていた。好奇心を煽られたエンズリンは、さっそくドルフィンホテルに向かう……。

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ウォー・ダンス/響け僕らの鼓動 - 佐々木貴之

◆観る者に大きな勇気と希望を与えてくれる(85点)

 ウガンダ北部のパトンゴ避難民キャンプで暮らす子供たちが、年に一度だけ開催される全国音楽大会に向けて練習する姿と、大会終了後までを記録したドキュメンタリー作品。

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ダイアリー・オブ・ザ・デッド - 山口拓朗

◆タイミングが心憎く、スプラッター描写の巧さが光る(80点)

 山中で自主制作映画のロケをしていた大学生たちの耳に、街で死人が蘇っているというニュースが飛び込む。ロケを中止して下山した彼らは、次々と遭遇するゾンビたちを手元のカメラに収めながら、生き残る術を探すが……。

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ダイアリー・オブ・ザ・デッド - 佐々木貴之

◆ドキュメンタリータッチのゾンビ映画(70点)

 ペンシルヴェニア州の山奥で、大学の映画学科の学生たちが卒業用作品としてホラー映画を撮影していた。しかし、彼らは撮影中に「死体が甦り、人々を襲撃している」というニュースをラジオ放送で知る。その後、学生たちはその真実を目の当たりにする。このトンデモナイ状況を生存者たちに伝えることを使命とした学生たちは、危険が迫り来る中、ビデオカメラで撮り続ける。

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ハンサム★スーツ - スタッフ古庄

◆着るだけでハンサム!?(70点)

 想像通り笑えます!ドランクドラゴン塚地さんが出演という時点ですでに笑えます!(上映開始そうそう笑えます!)

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彼が二度愛したS - 町田敦夫

◆まじめ人間がハマった、めくるめく運命の落とし穴(70点)

 会計士という職業は、どうも欧米人の間では相当退屈な人種というレッテルを貼られているらしく、たとえば『モンティ・パイソン』のあるエピソードの中では、マイケル・ペイリン扮する公認会計士が、ジョン・クリーズ扮する職業カウンセラーからこんなことを言われていた。「あなたの性格は驚くほど退屈。想像力に欠け、臆病。指導力も決断力もない。卑屈で、ユーモアのセンスもゼロ。社交性に乏しく、許しがたいほど無気力で、だらしがない。ところが他の職業では致命的となるこうした欠点も、公認会計士にとっては大きな長所となるのです」

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かけひきは、恋のはじまり - 町田敦夫

◆古き良きスポーツ界への惜別の歌が聞こえる(70点)

 ジョージ・クルーニーが往年のスクリューボール・コメディにオマージュを捧げた軽妙な一編。「恋愛劇」「スポーツ映画」「人間ドラマ」の3つの味が楽しめるお得な秀作だ。

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