◆最初から最後まで面白さに満ち溢れたミュージカル(75点)
ブロードウェイをはじめ世界各国で上演され、現在でも多くのファンに支持されているミュージカルがついに映画化された。監督はミュージカル版同様にフィリダ・ロイド。製作には名優トム・ハンクスも携わっている。
◆最初から最後まで面白さに満ち溢れたミュージカル(75点)
ブロードウェイをはじめ世界各国で上演され、現在でも多くのファンに支持されているミュージカルがついに映画化された。監督はミュージカル版同様にフィリダ・ロイド。製作には名優トム・ハンクスも携わっている。
◆官能シーンを含め、ふたりの演技が圧倒的な光彩を放っている(75点)
弁護士事務所での秘書経験を経て大学に通うコンスエラ(ペネロペ・クルス)は、カリスマ的な大学教授デヴィッド(ベン・キングズレー)と出会い、お互いに惹かれ合う。デヴィッドは、コンスエラの美しさに熱を上げるが、一方で、彼女との未来に不安を覚える。ある日、コンスエラの卒業パーティに誘われたデヴィッドだったが、迷った末にコンスエラに電話を入れ……。
◆ペネロペ・クルスの清楚な美しさが輝く(70点)
自ら脚本を書いた『死ぬまでにしたい10のこと』『あなたになら言える秘密のこと』で評価を高めてきたイサベル・コイシェ監督が、初めて他人の小説の映画化に挑戦した作品。今回はいつもの個性的な作風を封印したうえで、同じフィリップ・ロス原作、ニコラス・メイヤー脚色の『白いカラス』(海外ドラマ『プリズン・ブレイク』で文字通りブレイクしたウェントワース・ミラーの出世作だ)に似たテイストにまとめ、雇われ監督としても非凡な仕事ができることを証明した。音楽を抑えた演出に、独特の緊迫感が漂う。
◆見応えはとにかく抜群だ(70点)
1969年から1972年のアポロ計画で、二ール・アームストロングら12人の宇宙飛行士が月に到着してから今年で四十年目となる。ちなみに、この12人以外に月をはじめとする地球以外の天体に到着した者は今のところ誰一人もいないのである。
◆悔しさと悲しみをにじませる後半の演技が圧巻(85点)
舞台は1948年の中国。人民解放軍と国民党軍の内戦は熾烈を極めていた。最前線にいた人民解放軍の第9連隊は、連隊長グー・ズーティ(チャン・ハンユー)を除く兵士47人が全員戦死。グーは、仲間を死なせたのは、自分が撤退命令の合図であるラッパを聞き逃したせいだと、自責の念にかられていた……。
◆“月に行った男たち”が本音で語る舞台裏(70点)
なぜ今、アポロ?――と、今日性のないテーマに疑問を感じつつ見始めたのだが、冒頭からたちまち引きこまれた。アポロとその時代を知る世代なら、誰もが多かれ少なかれそうなるのではないかと思う。若い世代のために申し添えれば、「アポロ」とはアメリカ航空宇宙局(NASA)が実施した月面探査計画のこと。1969~1972年にかけて彼らは6回のミッションに成功し、計12名の宇宙飛行士を月面に送りこんだ。それから現在に至るまで、地球以外の天体に降り立った人類は、この12人をおいて他にいない。
◆超ハードな悪趣味テイストを発揮させた演出が大きな魅力(80点)
北米で和製バイオレンス系アクション作品を輸入しているビデオメーカー“メディア・ブラスターズ”が、井口昇監督を迎えて製作したB級バイオレンスアクション作品で、“TOKYO SHOCK”と称されるアメリカ出資の日本映画の記念すべき第一弾作品。
◆怒り、悩み、葛藤するボビーの姿が、スクリーンに重厚感を与える(75点)
舞台は1988年のニューヨーク。警視監である父バート(ロバート・デュバル)と、父の後継としてエリート街道を進む警察官の兄ジョセフ(マーク・ウォールバーグ)。一方、弟のボビー(ホアキン・フェニックス)は、父や兄に背を向けるように、ロシアン・マフィアが経営するクラブのマネージャーとして働いていた。ある日、兄のジョセフは、弟のボビーに、マフィアを裏切って潜入捜査に協力するよう説得するが……。
◆とにかく自虐的で皮肉たっぷり(80点)
90年代にハリウッドでアクションスターとして一世を風靡し、現在ではビデオ・DVDスルーのB級アクションで地道に活躍し、日本では単館系B級アクションスターとしてスティーブン・セガールやウェズリー・スナイプスとともに“シネパトスBIG3”(私が勝手に命名)、“ヴァンダミング・アクション ”や“ヴァンダボー”といったキャッチフレーズでお馴染みの、“テレ東洋画劇場の顔”として今でも多くの人々に愛されているジャン=クロード・ヴァン・ダム。
◆落ち目のヴァン・ダムが自分を演じてみせるけど、ただのキワモノ映画じゃない!(70点)
90年代のジャン=クロード・ヴァン・ダムは輝いていた。アクションスターの範疇を超えることはなかったが、チャック・ノリスやスティーブン・セガールのようなアクションだけのスターとはどこか違った存在だった。ところが今世紀に入ってヴァン・ダムのキャリアは急降下する。大作への出演がパタリと途絶え、私生活でもトラブル続き。『その男ヴァン・ダム』は、そんなトホホなヴァン・ダムが、トホホな自分を虚実の境目も曖昧に演じた作品だ。
◆「ありのままの自分」を肯定したディズニーの歴史的転換点(70点)
ティンカー・ベルといえば、本来はピーター・パン物語のかき回し役。いたずら好きで嫉妬深いこの妖精は、アニメ作品はもとより、ジュリア・ロバーツやリュディヴィーヌ・サニエが演じた実写版でも、かなりエキセントリックに描かれてきた。その“ティンク”が、脇役から主役に格上げされた本作ではぐっと感情移入しやすいキャラに生まれ変わった。人間の言葉(というか、観客が聞いてわかる言葉)だって初めて口にしちゃうのである。
◆どこかやりきれない余韻を残す(70点)
心臓病を患うダンサーのピエール(ロマン・デュリス)は、臓器提供者を待つ身。自宅アパートのベランダからパリの街と行き交う人々をながめる日々を過ごしている。ピエールを心配して同居をはじめる姉のエリーズ(ジュリエット・ビノシュ)は、3人の子供を育てるシングルマザー。仕事と育児に追われながら自分の幸せを探しているが……。
◆人と人とのつながりに希望を見いだした作品(70点)
舞台はアメリカの田舎町。まじめだが内気で人付き合いが苦手な青年ラース(ライアン・ゴズリング)が、ある日、兄夫婦に恋人のビアンカを紹介する。ところが、ビアンカを見て兄夫婦はビックリ。なんとビアンカは等身大の人形(いわゆるダッチワイフ)だったのだ! 兄夫婦はラースを病院に連れていくが……。